2012年01月23日

ロザリー・ゴーズ・ショッピング (久々の再鑑賞)


   「処前観(処分する前にもう一回観ておこう)シリーズ」の第6弾は『ロザリー・ゴーズ・ショッピング』(パーシー・アドロン監督)です。これもBSじゃなくてNHKの「世界名作劇場」の録画でした。

主演はマリアンネ・ゼーゲブレヒト。
マリアンネ・ゼーゲブレヒトといえば、そしてパーシー・アドロン監督といえば、真っ先に思い浮かぶのは『バグダッド・カフェ』ではないでしょうか。これは生涯通じての「MY BEST20」には絶対に入れたい作品です。
しかしこの『ロザリー・ゴーズ・ショッピング』も、ひとクセもふたクセもありながら、不思議と心を癒してくれる作品なのです。

story
  ロザリーは操縦士の夫を持つ9人家族の主婦。彼女は家族のため、様々な物欲の赴くまま37枚のクレジットカードを使い、詐欺まがいの手口で買い物を繰り返すのだったが・・・。(※story、画像とも映画情報サイトよりの転載です。)

                   ロザリー1.jpg

  ゆる〜い流れの中にもブラックな視点が光り、ブラックでありながらも夫婦愛と家族愛が欠かせないアイテムとなっている本作。
しかし実はそれ以上に、通底しているロザリーの“一種独特の自己愛”を私は感じてしまうのですが。さりとて、そこには微塵も嫌悪を感じません。それどころか、彼女の自己愛がとても純粋なものに思えてくるのだから不思議です。

ロザリーの人としての、女性としての魅力なのでしょうか。まるで魔法にかけられたみたいにロザリーに惹かれていってしまうのです。
それは演じるマリアンネ・ゼーゲブレヒトの魅力があってこそのものとも思えますが。

ロザリーという名の麻薬?に虜になってしまうのは日々懺悔を受ける神父さんも同じなのでしょう。徐々に、しかし完璧に彼女の術中にはまってしまう彼は何ともチャーミングな神父さんなのでした。演じるジャッジ・ラインホルドは適役です!


後半、ロザリーは新たにPCという機器を得て魅惑のネットの世界にはまり込んでゆくのですが、ハッキングを繰り返す彼女が言った「(秘密のパスワードなんて)その人を理解しさえすれば分かるのよ」の台詞にはドキッとしてしまいました。
そうなのです、ロザリーは詐欺行為をも愛という名のヴェールで包んでしまうのです。罪も懺悔で消えると信じている彼女ならではの純真さで。


ブルーカラーが随所に効いています。画的にも何やら麻薬的な美しさがありましたね。
アーカンソーの大地に吹く風に鮮やかなブルーのスカーフを舞わせて歩くロザリーは聖母のようでした。

不思議な味わいがあります。
パーシー・アドロン監督とマリアンネが組んだ初期の作品『シュガー・ベイビー』も是非観てみたいです。


              さくら熱燗.bmp  さくら 黒糖焼酎ロック.bmp

  「ロザリー・ゴーズ・ショッピング」に倣って、ぺろんぱ・ゴーズ・ドリンキング。
倣わなくてもいつものことですが。
マルビルの<咲くら>での熱燗と黒糖焼酎のオン・ザ・ロックです。




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2012年01月19日

深夜食堂 シリーズ2


  録画撮りしていたTVドラマ『深夜食堂 シリーズ2』(全10話)(監督:松岡錠司、山下敦弘、小林聖太郎、野本史生)観ました。

2009年に「シリーズ1(全10話)」が放送されて反響を呼んでから2年、待望のシリーズ第2部の放送となったわけです。(シリーズ1のレヴューは2010年11月7日付でアップしておりますのでよろしければご覧ください。)

<プチ解説>
前作のスタッフ・キャストはそのままに、小林薫が演じる繁華街の片隅の小さな食堂・通称「深夜食堂」のマスターと、そこに集う客たちのやり取りや人間模様を映画のようなクオリティーと心に深く染み入るストーリーで描いていく。
 (※プチ解説と画像はドラマ情報サイトよりの転載です。)

                      深夜食堂2.bmp


********* 登場する料理たち(各話タイトル)**********

   第11話  再び赤いウィンナー
   第12話  唐揚げとハイボール
   第13話  あさりの酒蒸し
   第14話  煮こごり
   第15話  缶詰
   第16話  クリームシチュー
   第17話  白菜漬け
   第18話  冷やし中華
   第19話  肉じゃが
   第20話  ギョーザ


第11話の「再び赤いウィンナー」は、本作のファンにとっては外せないエピソードです。
クオリティーというなら、この第11話が最も高いのではないでしょうか。
マドンナだった“その女性”クミ(演じるは安田成美)も登場します。終盤のカウンターでの乾杯はあまりに悲しいのですが、それだけにクミを軸にして過ぎてきた「時間」があまりにも鮮やかに映ったのでした。

第20話の「ギョーザ」も外せません。
謎の常連客・カタギリ(オダギリジョー)の過去も明らかにされます。一人の女性(黒谷友香)と二人の男性(オダジョとリリー・フランキー)、そして一つの家族、それらが織りなす悲喜こもごもが切ないです。

このオープニングとエンディングのエピソードは押さえるべきツボとして、それ以外には第12話「唐揚げとハイボール」と第14話「煮こごり」が物語としては好きです。

「唐揚げ」は料理することの初心を思い起こさせてくれましたし(唐揚げ粉じゃやっぱり駄目なんだよな〜)、サヤ(平田薫)を巡ってサヤのお兄ちゃん、ヤクザのゲンがそれぞれに見せる愛情がイイです。
「煮こごり」は、テイストとしてはシリーズ1の「バターライス」に似たものがあります。ご飯にのっけてそっと溶かす、広がる香り。B級の極致ながら、その人にとっては唯一無二の味なのですよね。「煮こごり」主演の伊藤歩さんは好きな女優さんです。 「人生ってタイミングだよな」っていう台詞もしみじみと迫り来ました。

マスターの左瞼を縦に走る傷の謎も残ったままだし、きっとまた「シリーズ3」が作られることと期待しています。

そうそう、「第12話」が切っ掛けでお酒のメニューも一つ増えましたよ。 
ハイボール、四百円 也。

                        野田流 深夜食堂.bmp
        
友人とふと立ち寄った野田で深夜食堂を想起させる呑み屋さん「O食堂」での熱燗と鯖の塩焼きです。
いらしたお客さんはみんな常連さんで、無言で盃を傾けていらっしゃいました。呑み屋さんで久々のアウェー感を味わいました。まだまだ・・・精進あるのみ。

        



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2012年01月16日

月光ノ仮面


梅田ブルク7で『月光ノ仮面』(板尾創路監督)観てきました。

ネット上(新聞某紙も!)での酷評にもめげず本作を選んだのは、ひとえにストーリーの行方に興味があったからです。
氏のデヴュー作『脱獄王』未見の私は、板尾監督作品は今作が初体験となります。

story
  敗戦の傷が癒えぬ昭和22年。戦死したと伝えられた森乃家うさぎが、顔に包帯を巻き、一切の記憶をなくして帰郷した。彼は戦前、人気、実力共に認められ、将来を約束された落語家だった。その後、記憶は一向に戻る気配はなかったのだが、空ろな口調で呟く話があった。それは、落語“粗忽長屋”であった――。 主演は板尾創路、浅野忠信、石原さとみ。   ※story、画像とも映画情報サイトよりの転載です。

                    月光ノ.jpg   
                  


  好き嫌いに二分される作品なのは分かりましたが、もう少し好意的評価があってもよかったのにと思いました。私は引き込まれて観てしまいました。

「独りよがりで難解な作風」と見ればそうですし、「観る者が自由に空想を遊ばせることができる作品」と思えばこんなに楽しめる作品はないのかもしれません。

古池に浮かぶ一隻の小舟。
その上に白々と照る月。
その月はずっと何日も欠けることなく満月のままでそこに存在している。

一枚のヴェールを被せたような薄ぼんやりとした映像は、現実を非現実の世界へとトリップさせます。このあたりの映像の妖美さは、私は好きです。

衝撃のラスト(「もしや!」と気付いた時にはソレが始まっていました)は、終わってみれば幾通りもの解釈を許します。
解釈というより、私は板尾さんご自身の、何やら自分以外の全てのモノへの「復讐」めいた感情の匂いを嗅いでしまった気がしました。あくまで私の感覚的なものです。
その割にはラストは皆さん満面の笑みでしたけれど、それって「月光仮面は正義の味方ってこと自体が仮面だった」なんていうジョークにも繋がってたりしたんかなぁ(自問)。

古典落語『粗忽長屋』をモチーフにした作品とのことですが、出来上がった作品世界は全く違うものです。勿論、笑える噺でもありません。
私は落語も好きで、何かの本で「『粗忽長屋』の世界を究極まで突き詰めたらそれは精神の病域になってしまう」という意味のことを読んだことがありますが、どちらかといえば本作の世界はそっちの色合いが大きいと感じました。

しかし分かりません。
分かりませんが、なんか逸興なるものを見せてもらったなぁって思いましたよ、私は。
ドクター中松のご登場とあの一言にはぶっ飛びましたけれどね。あれだけはどうにもこうにも解しようがありませんでした。


                        うれし野 山吹.bmp

何にせよ満月は人の心を千々に乱すものなのでしょう。
そういう夜は月を遠くに愛でて、月に酔う前に美酒に酔ってしまいましょう。

淀屋橋<うれし野>さんでの山吹(特別純米酒)です。



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2012年01月11日

ダウン・バイ・ロー (久々の再鑑賞)


「処前観(処分する前にもう一回観ておこう)シリーズ」の第5弾は『ダウン・バイ・ロー』(ジム・ジャームッシュ監督)です。
これはBSじゃなくてNHKの「世界名作劇場」とやらの録画でした。
1986年の作品で「down by law」とは刑務所のスラングで「親しい兄弟のような間柄」という意味らしいです(by ウィキ)。

ジム・ジャームッシュ監督が綴るクールでアウトローな男たちのロードムービー。
その男たちは刑務所で同房となったジャック(ジョン・ルーリー)、ザック(トム・ウェイツ)、イタリア人のロベルト(ロベルト・ベニーニ)で、ロードムービーとは“脱走の道行き”なのでした。
                        
                          ダウン・バイ・ロー.jpg              ※画像は映画情報サイトよりの転載です。


とにかく、オープニングとラストシーンがクールです!
退廃的でトム・ウェイツが聴かせる唄も破滅的な匂いに満ちているのですが、どこか突き抜けてる感があるオープニング。
孤高美の中にちょっとした泥臭さも滲ませ滋味深さを感じさせるラスト。このラストは画的にもカッコよくて最高に美しいのです。

似た者同士で反発しあうジャックとザックをロベルトが道化た役回りでつないでいます。いわば彼はテラー的存在なのでしょう。
ロベルトとニコレッタとの出会いと恋愛はいかにもお伽噺的ですが、その結果ロベルトは留まり、ジャックとザックの道行きとなり、あのラストを迎えるわけですね。二人の男の美学が匂い、味わい深いラストです。「お前こそリス狩りに行くのか」っていう台詞には思わず笑ってしまいますが。


ロベルト・ベニーニの存在で以て幾つもの滑稽譚がちりばめられていますが、ちょっと真面目に、「(覚えた英語を書きとめた)ノートを失くしてしまった!」と泣きそうになるロベルトにジャックが放った「生きてるだけで幸せさ。」っていう言葉には胸の奥の方が熱くなりました。

やっぱりいいです、ダウン・バイ・ロー。ぴかぴか(新しい)

                       a.a.bmp

本作に登場のトム・ウェイツ。
彼と言えば、やっぱりバーボンでしょう。 かく言う私の今宵のお供は恥ずかしながら安物のバーボンですが。


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2012年01月08日

久々に三島


  毎年思いますが、「1月は行く、2月は逃げる、3月は去る」で月日の経つのはまことに早いものでございます。
今年、新年の御挨拶状に「ささやかなことも大切に思っていきたい今日この頃」と(何人かの方々には)書かせて頂いたりもしましたが、時間も然り、です。
時間を大切に過ごしたいものです。

さてその年賀状ですが、昨年暮れに賀状用にウチ猫の写真を何枚か撮って没にしたものを3枚ブログに挙げましたところ、リンクさせて頂いているブロガーのゆるりさんから「本採用になった写真も披露して…」との温かい、とっても嬉しいコメントをいただいておりましたので本日ここにアップさせて頂きます。全く以って親バカですね、すみません。

                      a. 2012.jpg
       ウチ猫 a.  今年13歳になります
       長年の持病で定期的に病院通いですが今年も頑張ります
       大人しそうに見えますが内弁慶  毎夜中、猫パンチで私を起こします



映画も行きたいのですが今日はちょっとだけ本の話です。

今は久々に三島由紀夫『仮面の告白』を再読中です。
三島再読に至った経緯は、小池真理子さんの『欲望』をこれまた久々に再読したから、です。(以前のブログで小池さんの作品の中では『恋』がやっぱり一番かなぁと書いた私ですが、『欲望』を読み返すとやっぱり『欲望』かなぁ、などと思いました。)
読まれた方はご存知と思いますが、『欲望』には幾多の三島文学へのオマージュが溢れています。ことに作品として三島由紀夫の遺作となった『豊饒の海』四部作、なかでもとりわけ完結編の『天人五衰』への強い思慕の念がありました(小池真理子さん御自身、「三島作品を偏愛している」と仰っています)。なので、『欲望』再読の後、久々に三島作品に触れてみたくなりました。自宅にある三島作品はこれのみでしたので先ずはこれを読んでいる今です。

                      三島 憂国.bmp

『仮面の告白』再読だけじゃ何だかつまらなくて、しかし『豊饒の海』四部作を読み切る自信も今は未だ無く(あかんたれ)、記憶の片隅にあった一冊『花ざかりの森・憂国』(新潮文庫)を本日購入して来た次第です。
これは13編からなる短編集なのですが、幾多の執筆短編の中から三島自身がセレクトしたもので、とりわけ収蔵作品の一つ『憂国』は三島自身が「もし三島小説の中から一遍だけ三島の全てを凝縮した小説を求めたいと思うなら『憂国』を読んでもらいたい」と記していたと聞いていました。
『仮面の告白』は再読ですが『花ざかりの森・憂国』は初読みです。
三島作品のある種の排他性を畏怖しつつ、新たな心象にちょっと期する思いです。


    貴仙寿そろい踏み.bmp 貴仙寿 無濾過生原酒.bmp


この新年、私的に新しい一歩もありました。「吉と出よ」との祈りを心に秘めつつ。

ふと訪れた三ノ宮<ZEN>での乾杯二景です。 
画像は奈良のお酒・貴仙寿の各アイテムの揃い踏みです。
この日は貴仙寿の中で<純米の無濾過生原酒(度数18度)>と<純米吟醸の原酒(度数19度)>(ブルーと橙色のボトルです)を頂戴しました。

無濾過の生原酒、芳しい麹香が口中に広がって美味しかったです。
 

 
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2012年01月04日

宇宙人ポール


2012年、今年もどうぞ宜しくお願い致します。ぴかぴか(新しい)

昨年末に公開となったものの劇場鑑賞は見送りかと思っていた一作『宇宙人ポール』(グレッグ・モットーラ監督)を、シネリーブル梅田で観てきました。記念すべき?今年の劇場初鑑賞作品です。

SFオタクの冴えない二人組が憧れの地アメリカを旅行中、突然ポールと名乗る宇宙人がヒッチハイクしてきた! 故郷の星に帰りたいと願うポールを救おうと捨て身の道行きへと身を投じる二人の愛と友情の大冒険譚です。
英国のコメディアン&俳優&脚本家として知られるサイモン・ペッグとニック・フロストのコンビが脚本と主演の両方でパワー炸裂。

                        ポール.jpg
                           ※画像は映画情報サイトよりの転載です。


  「愛」はSFオタクの二人組みとポールの間のことだけじゃなく、全編があらゆる「SF映画への愛」で満ちていました。

過去のSF映画の名作への幾つものオマージュ、パロディに溢れていて、そうと思しきシーンでは懐かしさも加わってニンマリとしてしまいます。宇宙人ポール(ボイスキャスト:セス・ローゲン)の外見からして、軟体動物を思わせるような元祖火星人とでもいいましょうかTHE・宇宙人!的な風貌で、決して可愛いとは言えないものの、憎めないキャラクターとして(だって瞳なんて深い宇宙そのものなんですもの!)目が自然に彼を追うようになっていったのでした。

ポールの吐くスラングはいかにもアメリカ的な可笑しさだと思うのですが、ネイティブででないとその辺のツボは肌では共有できなかったです、邦訳には限界がありますから。それでも小さな笑いの間合いや計算された(でも計算のあざとさを感じさせない)ギャグの奏され方には結構ハマってしまっていましたよ。
憎めないと書きましたが、仲間の痛みを自らのものとして決死の救済を試みたりと、ポールはやっぱり愛すべき宇宙人なのでした。
ポールという名前の背景にもホロリとさせられるものがあって、老女となったタラ(ブライス・ダナー)とのシークエンスは本作の中で一番好きだと感じたところです。ぴかぴか(新しい)

「たまには冒険をしてみろ」っていう彼の言葉にも、ふいに喉の奥から熱いものがこみ上げた感がありました。結果的に、オタク二人の人生は大きく変わったわけですしね。
絶命したと思ってた彼も(身体的ダメージはありつつ)満面の笑顔で再登場し、ハッピー度MAXでエンドロールに突入できたところは気持ちよいです。

驚いたのは終盤になってあの大女優がご登場になったことでしょうか。
なるほど、そこにも過去のSF名作へのオマージュがあったわけですね。
ご登場にもビックリしましたが、ご退場のされ方にはその10倍くらいビックリしました。「え、それでいいんですか!」という感じです。閉じゆくタラップの外側に熨斗のようにへばり付いた○○○○様を探してしまったのは私だけでしょうか。
録画したものがあるので、またシリーズ通して御尊顔を拝したくなりました。いやはや、○○○○様に拍手です。

GUAN 赤ワイン.bmp 昨年末の乾杯、一景


今年もお酒を楽しんでいけたらいいなと願います。
但し今年はもう少しゆっくりと、ね。





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2011年12月30日

2011年 MY BEST


  2011年も過ぎゆこうとしています。
今年は日本にとって大変な年でした。 来たる2012年には少しでも今より多くの笑顔が戻ることを祈りたいです。

私事でも昨年末から今春にかけて実家事情で慌しい日々となり、今年の劇場鑑賞作品は30本のみという結果でした。
それでも、時々の休日に劇場に足を運べるに至った日常に、今は感謝の思いでいっぱいです。

今年は本数も少なかったので例年のように「BEST・12」ではなく、より印象深かった作品「BEST・5」としたいと思います。

記載は鑑賞の時系列です。

   1. ブルーバレンタイン(デレク・シアンフランス監督)

 ぴかぴか(新しい)2. エッセンシャル・キリング(イエジー・スコリモフスキ監督)

 ぴかぴか(新しい)3. 朱花(はねづ)の月(河瀬直美監督)

   4. 猿の惑星 創世記(ジェネシス) (ルパート・ワイハット監督)

   5. クリスマスのその夜に(ベント・ハーメル監督)

“圧倒され尽くした2作品” にキラ星を付してみました。


この一年、私の拙いブログに起こし下さった皆様、本当にありがとうございました。
来年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。


最後に、、、お酒を楽しめる日常にも深く感謝。

                     獺祭 わん.bmp
                                   
「獺祭(画像は純米大吟醸)」は大好きな銘柄の一つです。
師走の某酒宴、<喰いものや・わん 北新地店>にて。




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2011年12月28日

永遠の僕たち


  クリスマス寒波到来の連休中、シネリーブル神戸で『永遠の僕たち』(ガス・ヴァン・サント監督)を観ました。

という書き出しで一昨日夜レヴューを書きあげてアップしたつもりが・・・何故か書いた文章が何処へやら飛んでいってしまい、大ショック!気を取り直して再度書きあげて再アップしたものの、またもや書いたものが丸ごと何処かへ消えてしまいました。
操作ミスです、ちゃんとお酒の酔いを醒ましてからPCに向かったのに。いや、きっと醒めきれていなかったのでしょう、打ったものは保存すらしていなかったので。

更には昨日、CPウイルスに感染したメールを受信開封してしまい、関連の皆様に御迷惑をお掛けしてしまいました。申し訳ありませんでした。
関連の皆様にはお詫びと削除依頼のメールをお送りしたものの、引き続きのフォローをお願い致すところでございます。本当に申しわけない事でございます。

さて、では映画のお話をさせて頂きます。

ガス・ヴァン・サント監督・最新作。
振り返ってみれば劇場で同監督作品を観たのは『パラノイドパーク』(08年4月の鑑賞)以来です。

少年たちを描かせたらピカイチと言われているヴァン・サント監督ですが、本作ではアナベルという女の子(演じるはミア・ワシコウスカ)がとても魅力的で輝いていました。
勿論、主演の男の子もイイです。この男の子は昨年亡くなったデニス・ホッパーの息子ヘンリー・ホッパーで、メロウな感じの目のあたりがお父さんにそっくりでした。
そうそう、加瀬亮さんがキーとなる役柄で全編通して出演されています。

交通事故によって両親を失い、臨死体験をした少年イーノック(ヘンリー・ホッパー)、彼だけにしか見えない幽霊の青年ヒロシ(加瀬亮)、癌で余命いくばくもない少女アナベル(ミア・ワシコウスカ)。 三人が織りなす秋から冬、そして春への物語です。


                       永遠の僕たち.bmp
                      ※写真は映画情報サイトよりの転載です。


 死にとりつかれた三人(うち一人は既に死の世界を生きて??います)を描きながら、この物語はどこまでも清々しい空気感を漂わせ、ラブリーでキュートで、時にはポップな感じさえしていました。
空気が澄んでいて透明感を感じさせるのはヴァン・サント監督らしさでしょうか。
不安定で時に無軌道な若者を描きながらも決して「説く」「導く」的なある種の傲慢さを微塵も感じさせないのもこの監督のカラーといえるかもしれません。

臨死体験をしたイーノックの言葉を借りれば「死は完全なる無」であるらしい。
死後の世界に甘美な精神世界が展開すると期待するのは生きている人間のご都合主義でしかないとでも言わんばかりで、イーノックは自らの生を享受できないでいます。
方や、抗いようのない死を目前に提示されながらそこに向かっていくしかない(いくしかなかった)ミアとヒロシ。
彼らとの関わりでイーノックは少しずつ変わっていけるのですが、最後にドラマチックな奇跡が起こなかったこと(召される者は召されゆく)は、この作品の良さであると同時にやっぱりちょっと切ない感じがしました。

大切な人を想って生きていたい。
大切な人には想いを伝えてから逝きたい。

ミアとヒロシがそう思わせてくれました。

小品ながら主演のヘンリー・ホッパーとミア・ワシコウスカのラブリーさが際立つ一作でした。
ベリーショートのミア、ホワイト豹柄のショートコートに白のミニスカと真っ赤な手袋、最高にキュートでした。


                       久々の酒心館.bmp

今年も残り4日。ぴかぴか(新しい)
もう一回、年が代わる前に思いを綴りたいと思っています。

今冬も訪れて楽しみました、酒心館の利き酒セット。来春もまた訪れたいです。




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2011年12月18日

17歳のカルテ (DVD鑑賞)


『17歳のカルテ』(ジェームズ・マンゴールド監督)をDVDで鑑賞しました。
先月アップした『プリンセス』にいただいた<ゆるりさん>からのコメントに触発されてレンタルしました。(ゆるりさん、ありがとうございました。)

精神療養施設に入った17歳の女の子の、それぞれに深い心の闇を抱えた同世代の患者たちと過ごした日々を綴った物語です。(実際に入院経験を持つスザンナ・ケイサンの原作を映画化したもの)

ウィノナ・ライダー主演作という程度しか知らなかったのですが、なんとアンジー(アンジェリーナ・ジョリー)が出ていたのにはびっくりしました。アンジー演じるエキセントリックさとナイーブさを混ぜ合わせたリサという女の子は、ウィノナ演じるスザンナと並ぶ準主役とも言えます。狂気と鬼気を漂わせたアンジーの演技に、女優さんとしての好感が持てました。

                     17歳.bmp
                     ※画像は映画情報サイトよりの転載です。

 同じ精神療養施設での体験を綴った邦画『クワイエットルームにようこそ』も(私には)強烈な印象を残した作品で、クワイエット…はユーモアなタッチで描かれていたものの、シリアスタッチの本作との接点も少なからず感じらた。
どちらもその辺を歩いている彼女らと同世代の人間と何ら変わらない(ように見受けられる)。
自分の病には無自覚であり、何かのきっかけで(精神療養施設に)入院することになった。(どちらも大量の薬を大量のアルコールで流し込んだ。)
そしてどちらも、“入ってから”が自分自身と真に向き合わねばならない日々となった。

スザンナは「境界性人格障害」と診断される。
これがよく分からない。観終わった後ネットで調べてみたけれど、やっぱりよく分からない。
「不安定な自己-他者のイメージ、感情・思考の制御の障害、衝動的な自己破壊行為などの特徴がある」(ウィキより転載)とあるが、そんなのは多かれ少なかれティーンエイジャーたちが常に抱えてる特質なのじゃないかとも思える。
スザンナ自身も物語の終盤で「(私たちは)異常なんかじゃない、ただ感情の揺れが大きいだけ」と言っていたが、「感情の揺れが大きい」のなんて酔ってる時の私なんてしょっちゅうだ。
ああ、だからつまりは、誰だって“入ってしまう”可能性は皆無とはいえないということなのかな。

 この物語はすごい怖さも秘めていた。
閉鎖された病棟の中で支え合いながらも時に激しく傷付け合う彼女たちは、(結果的に)生きてやがては病を克服して(そうでない場合もあるが)旅立っていくが、あっけなく「快復した」と認められて退院していった少女は尚も現実の辛苦から逃れられず自らの命を絶つことになる。
自由であることと自由である振りをすることは全く違う。
心の中の囚われの巣を本当に捨て去ってしまわなければ、簡単に誰かに「背中を押されて」しまうのだ。

入院時、スザンナに「(病院での暮らしに)馴染むなよ」と言ったタクシードライバーとの再会は清々しさを残してくれた。
そういえば、クワイエット…でも、ラストはタクシーで病院を去るシーンだったっけ。
本作でスザンナは時を経て何人かの入院仲間と再会したと語ったが、クワイエット…では主人公の女性が入院仲間から渡されたメールアドレスを風の中にそっと捨て去ったのが印象的だった。


     萩の露.bmp   伯楽星.bmp  豊盃.bmp 

慈しんで、愛しく思って、きちんと向き合って呑めば、お酒は優しい飲み物です。
感情の揺れをも優しく包んでくれます。ぴかぴか(新しい)  地酒 刀屋さん にて。



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2011年12月17日

ぐあん 贅沢な空間で立ち呑む


 年末ともなれば映画じゃなくてお酒のお話だけで終始することもある拙ブログです。

先日、“ちょっとびっくり”のお店を見つけたので(しかも会社の直ぐ近く!)、そのことを書かせて頂きます。

まだ新しい京阪堂島ビル1Fにあった某店さんが退去されて後、大掛かりな内装工事が施されているのは見知っていたものの、そこに「一夜干しの専門店ができたらしい」という情報はごく最近のことでした。
その名は<ぐあん>さん。
仕事帰りに前を通ってみると、入り口付近に置かれた和紙のメニューには重厚な造りの店構えには相応しくない“立ち呑み”の四文字が。
えっ! 立ち呑み!? ホント?? と、同行の会社上司と共に怖々と扉を開けたその奥には、、、、
白木の一枚板の大きなカウンターがどーんと2本、アンティークな照明の下がった天井は遥か高くにあり、レトロ 且つ モダン 且つ シックな、何とも贅沢な空間が広がっていたのでした。

                    ぐあん カウンター.bmp
          
お品書きのメインは珍しい名前の魚の一夜干したち。
現物を見てオーダーすることも可能です。
目の前の炭火で軽く炙ると、漂う一夜干しのイイ香りまでもが絶品の酒肴になりました。
勿論、小鉢のおあてもあります。器も味わいのあるものばかりでした。

 ぐあん.bmp ぐあん3.bmp  ぐあん5.bmp
  

そして生ビールのあとは日本酒へシフト。
なんとこちらは、日本酒はカップ酒で饗されます。
こちらのご店主が「こういう空間にプシュッとカップ酒を開ける音を響かせたかったから」だとか。

吟醸カップ、一本420円也。
他にも、ワンカップ小、ワンカップ大、焼酎やワインもございます。
 
            ぐあん2.bmp   ぐあん4.bmp
                    
立ち呑みなのに、贅沢な空間でゆっくりとグラスを傾けられたひと時でした。
(お店の方々、図々しくもたくさん写真を撮ってしまい、その都度快く応じてくださったことに感謝いたします。ありがとうございました。)


さてさて、明日は入手した映画DVDの鑑賞を叶えたいところ。
観終えたら感想をアップしたいです。かわいい


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