2020年02月26日

ゴッホ 展     10年の画業、その濃密さを思う


神戸、兵庫県立美術館に『ゴッホ 展』を観に行きました。

久々の県美。
駅から歩いて近付くにつれ屋上のシンボルオブジェ <美かえる>クン が見えてきます。一気にワクワク感が増す瞬間です。

県美ゴッホ - コピー.jpg


「炎の画家」とも呼ばれることのあるゴッホ(Vincent van Gogh 1853-1890)。
画業はわずか10年とのことですが、本展はその中で「初期の頃から、印象派との出会いと交流の中で独自のスタイルを確立するまで」を追ったものです。           ※県美広報「HART」より


どの展覧会もそうだと思いますが、殊にゴッホ作品の貸出し成立には長く大変な道のりがあるらしく展覧会を開催することは容易ではないそうです。また今回のようにゴッホに影響を与えた印象派の画家たちの作品を同時展示するとなると世界各地の主要美術館から作品を借り受けることになり、会場入口の「挨拶文」を読んでいると本展開催にこぎつけるまでには並々ならぬ尽力があったことが窺えます。

現在、新型コロナウイルスの影響で各地のイヴェントが中止になったり文化施設が一時休館となったりしていますが、ウイルスの拡散が最小限に留まってほしいという願いは大前提として(勿論)、こういう多くの方々の努力によって開催の運びとなった催しが会期を終了せずして幕を閉じてしまうことがあるならば、それはやはり残念でなりません。


県美ゴッホ展 - コピー.jpg


さて本展。

私には天才的画家というイメージが強かったゴッホですが、27歳で画家を志してから独学で地道な画業の訓練を重ねた「努力の人」というイメージに変わりました。目の前のモチーフをとにかくひたすら観察するというのが彼の「土台」となったようです。
ゴッホは筆まめで友人や弟テオに向けた数々の手紙の一文がパネル展示されていましたが、真摯に自らの画業と向き合い続けた姿がそこには見えました。


力強く激しいタッチの、“執念”という一語を冠したいような作品<糸杉>はとにかく圧巻で、美しく柔らかい色彩の<薔薇>、温もりを感じる<麦畑><ポピー畑>など、深く見入ってしまう作品は多かったですが、「人物、それが一番興味深い」というゴッホ自身の言葉にはなるほどなぁ…って感じ入りました。
貧しさやそれを抱えての農民の日々の営み、ゴッホの周囲にいた人々の、その人が持つその人だけの他者との関りなど、顔や身体の一部分にその人の全てが現れていたのかもしれません。それらをずっと観察し続けてきたゴッホだったのですね。
そう思って改めて眺めた人物画 <農婦の頭部> <ダンギー爺さんの肖像> などは味わい深いです。


精神を病んで発作に苦しみ続けたゴッホ。
左耳の一部を切り落とした話は有名ですが、当時一緒に住んでいた画家仲間のゴーギャンとの激しい口論の末の発作による行為だったようです。

「僕は絵に命を懸けた。そのために半ば正気じゃなくなっている。それもよいだろう。」
自殺した年に弟テオへの手紙にはこう記されていました。


現在この今この瞬間、こんなに多くの人々が(実際美術館は予想以上の混雑でした)彼の絵を観るためだけに集まってきていることを彼は天上からどんな想いで見ていることでしょう・・・。
著名作品には熱くなりますが、初期の頃の作品に触れてゴッホという人の画業への真摯な思いを感じて、なんだか県美を後にするのが名残り惜しかったです。
ありがとうございました。


***ちょこっと追記***
印象派の画家たちの他作品のなかではマテイス・マリス<出会い(仔ヤギ)>アントン・マウフェ<4頭の曳き馬>の二作品が深く印象に残りました。



                      Nちゃんと乾杯 - コピー.jpg

この日じゃなく別の日の神戸、、、スタンディングバルでの友人との乾杯の画。
右側はワイン好きの友人がオーダーした<紅ハイボール>です。赤ワイン+ハイボールのお店オリジナル??のカクテルです。

自宅で真似て作ってみたら中々イイ感じでした。
以来、何度か作っています。赤ワイン(割るので安価なもので十分です)の味にもよりますが、ハイボ6×赤ワイン4 が MYレシピ です。

命を懸けるほどのもの ― ゴッホにとっては絵 ― があるって本当に凄いことですよね。凄い。凄いよゴッホさん。
私なんて大酒呑んで命削ってるだけ。。。(救いようのないパターン )
 


               
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2020年02月20日

清宮質文 展     凝縮された時間、空間


京都府は乙訓郡、大山崎山荘美術館に『清宮質文(せいみやなおぶみ)展』を観に行きました。

本展を知ってからずっと行きたくて、観たい作品が多い後期(1月27日に一部展示替え)にと考えていました。

チラシ表面()に掲出の作品を観た時、何故か有元利夫の絵を想起したのです。
有元利夫の画、好きなんです。それでこの清宮氏の作品にも触れてみたくなって。


清宮 チラシ.JPG


両者の作風は全く違うものでしたけれど、幻想的で静謐な空気をまとったような作品イメージが私の中で両者を重ねてしまったのかもしれません。

清宮質文(1917ー1991)。
版画家として知られているようですが、私は氏のガラス絵の作品に魅せられました。
ガラスという素材の為せる業なのかとても透明感があって、明るい色が使われているにも関わらずどこか物悲しく儚げな印象でした。
他の多くの版画作品も含め殆どが小さな作品なのに見入ってしまうことが多くて、何と言いましょうか、自分の中に眠っていた遠い記憶が呼び覚まされるような感じでした。

氏はご自身の内面の深いところに下りていってしまわれるようなお方だったのでしょうか・・・晩年は神経症のような心の病も抱えておられたとプロフィールに記されていました。

こちらの館は佇まいそのものが静寂で時を忘れさせてくれるような趣きがあります。静かにゆっくりと一つ一つの作品を眺めることができましたよ。


大山崎 テラスでワイン - コピー.jpg

ここを訪れるのは二度目です。
喫茶室ではテラスで外を眺めながらお茶、アルコール、スイーツなどを戴くことができます。
今期のスイーツは清宮氏作品のモチーフである蝶をイメージしたブルーベリーのケーキと蝶の形をしたソルトバタークッキー。そして私は白ワインも(サントネージュ 180ml 今は「アサヒビール」の冠を呈した美術館ですからね)。
前回もコーヒーとかじゃなくビールをオーダーした記憶があります。(何処でも呑む…まだ明るくても呑む…とにかく呑む…。)
お陽さんを浴びて、ちょっとひんやりした風を受けながらいただくワインとスイーツは美味しかったです。



大山崎 沈丁花 - コピー.jpg


美術館へ通じる坂道に咲く沈丁花。
その芳しい香を澄んだ空気が運んでくれました。





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2020年02月13日

「 ドキュメント72時間 」 や 「 第一阿房列車 」のことなど・・・


NHKの『 ドキュメント72時間 』が好きで録画して観ています。

以前は週末の実家帰りの土曜お昼前、老親の昼食の支度をしながらリビングのテレビから流れるこの番組(再放送分)を時に料理の手を止めて見入っていました。今は金曜・夜の本放送を自宅で録画して毎週観ています。

                        72 - コピー.JPG

毎回ある一つの場所で72時間(3日間)に渡って取材を行い、そこで観られる様々な人間模様を定点観測するというドキュメンタリーです。 ※番組Wikipedia情報より転載


年末にその年の放送分全てを対象に人気投票ランキングが発表されるのも興味深いです。
昨年まではすべてを観られていなかったのですが、観ることのできたプログラムで印象深かったものがBEST10入りしていたのは、見知らぬどこかの誰かと想いを共有できたような感じがしてちょっと嬉しかったです。今年からは録画しているので全てのプログラムをしっかりと観ていきます。

この番組を観てると毎回ね、思うのですよ。
本当にいろんな人生があって、誰もが懸命に生きてるんだなぁって。


テーマソングがとてもイイのです。
番組は年を重ねていってもテーマミュージックだけはずっと変わっていません。
松崎ナオさんの「川べりの家」

 大人になってゆくほど涙がよく出てしまうのは
 一人で生きてゆけるからだと信じて止まない

 それでも淋しいのも知っているから
 あたたかい場所へ行こうよ 

 川のせせらぎの聞こえる家を借りて耳をすまし
 その静けさや激しさを覚えてゆく

 歌は水に溶けてゆき そこだけ水色
 幸せを守るのではなく 分けてあげる       「川べりの家」歌詞より



次回のドキュメント72時間 (もう明日だ!)のプログラム「神戸 あの日のピアノを弾きながら」も凄く楽しみです。





 さて、内田百闥 『 第一阿房列車 』 を読了しました。

図書館に予約している本が現段階で3冊あってどれもまだ順番が廻ってきません。そのうちの一冊は予約してからもう四か月近くになるのに・・・どれも人気本なのでしょう。予約本の後に読もうと思っていたこちらの本を結局先に買って読了してしまいました。

                        百閨@第一… - コピー.JPG

しかしこの「第一阿房列車」がとにかく面白かったのです。

「なんにも用事のないけれど、汽車に乗って大阪へ行って来ようと思ふ」という飄々とした一文で始まる、自由な間延びの?旅の記録です。
しかし“間延び”とは裏腹に内田百闔≠フ徹頭徹尾「人生哲学」みたいなものがそこにあって・・・。
無用なるコトの中に見えてくるものもあるのだと感じ入りました。
上手く(カッコ良く)生きれていないなぁなどと思い悩む私なんぞ、一回逆立ちして百ぐらい数えんとあかんなぁって思いました。

この本の存在を教えて下さったK女史に深く感謝いたします。ありがとうございました。ぴかぴか(新しい)



                         OPEN DOOR バーボンソーダ.jpg

いつだったかのJazz喫茶でのバーボンソーダの画。
喫茶店なのでメニューにはありませんが作って頂けるのでお願いしました(2度目)。

ええ感じでホロっと酔えて、笑顔で帰れました。
なんか、それだけでその日一日良かったって思えました。





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2020年02月10日

ラストレター     それぞれの受け止め方があっていい


 アースシネマズで『ラストレター』(岩井俊二監督)を観ました。

岩井俊二監督作品ということで気になっていたもののスルー予定でした。ラヴスト―リーという括りに何となく置いてけぼり感を味わうだけのような気がして。
その日のタイムテーブルでこの作品がベストだったということで鑑賞に至り・・・。

あり得ない展開に感じた前半から一転、やはり最後は岩井ワールドにやられてしまいました。
これってラヴストーリーっていう感覚は受けなくて、生きてきた日々とこれから生きていくであろう日々について深く思いを寄せる作品でした、私にとっては。
勿論100%ラヴストーリーと受け止めた方もいらっしゃると思います。観る人によって(年齢とか状況とか)それぞれの受け止め方があったのじゃないでしょうか。


                      ラストレター チラシ - コピー.JPG

Story
夫と子供と暮らす岸辺野裕里(松たか子)は、姉の未咲の葬儀で未咲の娘・鮎美(広瀬すず)と再会する。鮎美は心の整理がついておらず、母が残した手紙を読むことができなかった。裕里は未咲の同窓会で姉の死を伝えようとするが、未咲の同級生たちに未咲本人と勘違いされる。そして裕里は、初恋の相手である小説家の乙坂鏡史郎(福山雅治)と連絡先を交換し、彼に手紙を送る。            ※映画情報サイトより転載


 オープニングのロケ地、あの滝は何処だったのでしょう。未知の地なのに何処か懐かしい感じ。
広瀬すずさんと彼女の従妹役の森七菜さんの清らかで透明感のある美しさとか、極薄のヴェールをかぶせたかのようなフィルム感も昔日へいざなってくれた感がありました。
二匹のブルゾイも画的に素敵でした。


「他の誰とも違う人生を送ることになる」、誰にもその夢輝く未来があったはずで、でも誰もが輝く未来を手にするわけじゃなくて・・・。
「お前はいったい何者なんだ」、そう自分に問いたくなる惨めな人生を抱えてしまうことも。

過ぎ去った過去の日々を思い、変えられたことも変えようとはしなかった後悔と、時には大切な誰かへの懺悔と・・・そんな、取り戻せない日々へのどうしようもない思いがたくさん詰まっていたと思います。(あの未咲の元夫にさえも未咲への秘めた懺悔の感を何となく感じました)。

冒頭に、観る人によって受け止め方も変わると書きました。観た人の数だけの「ラストレター」があったと思います。
この作品で、私は自分自身の人生を振り返る以上に肉親の人生を強く意識することになりました。
時代は違っても、私の知らない“キラキラしていた日々”があって、“もしかしたらもっと幸せな明日”があったのかもしれないことを思うと何だか切なさがこみ上げてきて涙が止まらなかったです。
それが私にとっての、この「ラストレター」の世界でした。


「誰かがその人を思い続けていたら死んだ人も生きていることになる。」
鮎美のこの台詞にちょっと救われた思いでした。



                        おもちゃ博物館 カフェ - コピー.jpg

 全くと言っていいほど情報なしの状態での鑑賞でしたのでトヨエツさんのご登場にはびっくり。ミポリンさんも。
本作は同監督の初長編映画『Love Letter』(ミポリンさんトヨエツさんご共演)のアンサー的映画と言われていますので。

そのトヨエツさんが劇中で呑んでらしたのは梅干し入りの酎ハイでした。
今度同じもの呑んでみようと思います。

今日はいつだったかの博物館の休憩室にてのホットコーヒーの画です。お陽さんがいっぱいに差し込んでくれて心地よい空間でした。

お陽さんの力は偉大ですよね。


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2020年02月05日

テリー・ギリアムのドン・キホーテ     カオスの後に・・・


シネリーブルで『テリー・ギリアムのドン・キホーテ』(テリー・ギリアム監督)を観ました。

これって撮影開始から完成まで25年(構想からだと30年)を要した作品だとか。
自然災害による撮影中断、病などによる幾度かのドン・キホーテ役の交代、資金破綻など9度の頓挫を繰り返したらしいです(映画チラシより)。

撮影スタート時はジャン・ロシュフォールのドン・キホーテ役、ジョニー・デップのトビー役だったそう。
今回ジョナサン・プライス&アダム・ドライヴァーでやっと完成にこぎつけた監督執念の一作。

エンドロールに入る直前「ジャン・ロシュフォールとジョン・ハート(2度目の主演)に捧ぐ」の文言が出た時にはウルっと来ました。
お二人とも今は空の上の御方・・・お二人とも「よう頑張りはったなぁ、ギリアムさん」とか思っておられるのでしょうか。大阪弁じゃなかったとは思いますが。


ドンキホーテ - コピー.JPG

Story
  仕事の意欲を失ったCM監督のトビー(アダム・ドライヴァー)は、スペインの田舎で撮影をしていた際、学生時代に自分が撮った映画『ドン・キホーテを殺した男』のDVDを持つ男と出会う。舞台となった村を訪れたトビーは、かつて主役に抜てきした靴職人の老人ハビエル(ジョナサン・プライス)と再会する。自分を本物の騎士だと信じる老人は、トビーを従者のサンチョだと思い込み、強引にトビーを連れて冒険の旅へと繰り出す。             ※映画情報サイトより転載


 
この監督の映画は7作品ほど?観ているはずですが、ファンタジーを超えたキワモノ的世界というのがイメージとして固いです。
今回も然り。というか、今作は益々のカオス。
「一体何処へ行くの?この物語」と、先が全く読めません。「現実」と思っていたらいつの間にか「夢」の世界で、その「夢」の世界にまた「現実」が立ちはだかって。
同監督の他作品でも感じることですが、テンションが振り切ってて何処かにいっちゃってる感が大いに有り!です。
でも考えてみればそういう狂人的世界こそが原作『ドン・キホーテ』なのですよね。


あくまで自己の物語を生きるドン・キホーテがいて、はるか昔にどこかへ自分の夢を置いてきてしまったトビーがキホーテを追い従う・・・二人の境界がうやむやになっていくみたいに感じるのは、観ている私自身が作品世界に同化して精神が混沌としてしまったからでしょうか。

トビーの「これからの人生」をあるイミ破壊してしまったといえるドン・キホーテ。でもそのハビエルのキホーテを生んだのはトビーであるわけで・・・。
一瞬、「(映画は)善き人々を破壊する」という終盤にあったキホーテの台詞が甦りました。
映画とはそれくらいの破壊力を持つべきとの監督の信念なのか、あるいはそれが監督自身の姿なのかも。そう考えるのは飛躍し過ぎでしょうか。

とにかく、カオスを抜けて辿り着いたラスト。
自分でも全くもって意外でしたけれど、夢を追い続けるって現実を生きる上で哀しいことでもあるのだなぁと思いました。



つなぎやS - コピー.jpg

現実と夢が交錯して分からなくなるのは映画に限ったことじゃありません。
お酒も善き人々を破壊する力を持ってます。私は善き人じゃないですけれど。



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2020年02月01日

138億光年 宇宙の旅・PART U(写真展編)     旅、完遂です

 
明石市立文化博物館で「138億光年 宇宙の旅」(写真展)観てきました。

先月13日付の拙ブログで同市・天文化学館の「プラネタリウム編」だけ鑑賞を済ませたことを記しました。
こちらの写真展がメイン企画でしたので旅は途中のまま・・・今回この写真展を観てやっと宇宙の旅を完遂?できました。   
                  
宇宙の旅 パネル - コピー.jpg

素晴らしい旅でした。
どの写真にも魅せられ、文博館を出たら2時間40分が経っていました。
自分が小さい子どもだったら間違いなくNASAの世界に憧れを抱いていたでしょうね。直ぐにオツムのレベルに気付いて諦めたと思いますけど。


本展の監修を務めておられる国立天文台・副台長で教授の渡部潤一氏「宇宙の中の地球という惑星に生きていることの奇跡を実感してもらいたい」の言葉に改めて深く頷く思いでした。

我々の住む太陽系の中心的存在の太陽。その太陽でさえ銀河系に数多く存在する恒星の一つにすぎず、銀河系には実に1000億とも言われる数の星が存在している・・・ということ。
見上げる夜空の、その更に遠く彼方の世界を更にもっと俯瞰するような圧倒的なスケールの画像たち。
特殊技法による撮影と作品によっては数十枚にもわたる撮影写真の合成など、チラシの文言をお借りすれば「サイエンスでありながらアートの如く」輝く写真たちに魅了されました。

基本的に撮影OK(フラッシュ禁止)でしたので何枚かは写真に撮らせて頂きました。

棒渦巻銀河M83 - コピー.jpg 地球の出 - コピー.jpg 観測衛星が見た太陽 - コピー.jpg
※いずれもNASA提供画像
※「棒状渦巻銀河M83」「月面からの地球の出」「太陽」

遠くにある天体が放つ光が地球に届くには想像に難いほどの時間がかかるわけで、某ブースのパネルに書かれていた「遠くにある天体をみることは過去の宇宙をみることになる。」という文言に訳もなく胸が熱くなってしまいました。
会期終了直前でしたが観に行けて本当によかったです。ぴかぴか(新しい)




さけやしろ1 - コピー.jpg さけやしろ2 - コピー.jpg さけやしろ4 - コピー.jpg

宇宙のロマンに酔った後は現実の世界へダイブして酔いましょう。

いつだったかの、神戸の<さけやしろ>というお店での日本酒です。

ずらっと並べられたボトルたちの画にうっとり。横方向に更にずーっとお酒のセラーが続いています、ワインも置かれています。
天体画像のあとでもこんな景色に深く魅了されてしまう私・・・やっぱり呑み鉄ならぬ「呑み天」始めましょうか。 

       
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2020年01月25日

パラサイト 半地下の家族     その日までどうぞお元気で…


シネリーブルで 『パラサイト 半地下の家族』(ポン・ジュノ監督)観ました。

カンヌでパルムドールを取った映画なのですが、やはり受賞の力は大きいですね、いつもは空いているシネリーブル神戸が珍しくお客さんで溢れていました。

シアター前のポン・ジュノ監督直々メッセージで「本作を誰かに伝える際は思いやりのあるネタバレ回避を!」とありました。なので観に行かれる方は読まないでくださいね、そしてご鑑賞後に再訪下されば嬉しく思います^^。


パラサイト チラシ - コピー.JPG

Story
   半地下住宅に住むキム一家は全員失業中で、日々の暮らしに困窮していた。ある日、たまたま長男のギウ(チェ・ウシク)が家庭教師の面接のためIT企業のCEOを務めるパク氏の豪邸を訪ね採用が決まる。兄に続いて妹のギジョン(パク・ソダム)もその家に足を踏み入れるが・・・。
               ※映画情報サイトより転載


 チラシで謳われていた「エンターテインメント!」という表現はしっくりきませんが、凄い作品だと感じたのは確かでした。
途中で何となく先が見えるようにもなった途端、予想もしなかった展開が幕を開けます。
この瞬間が−怖い−です。

前半は格差(の激し過ぎる)社会の上下が時にコミカルに時にブラックに描かれ、後半から終盤はそれが一気にドーンと戦慄の世界まで落とし込まれていました。
もしかしたら笑えたかもしれないシーンでももう笑えるシチュエーションではなくなります。
とにかく、とんでもないことが起きてしまうという予感のようなものが私の中で徐々に形を成していく感じでした。

幾つかの台詞が深長。
 「ただここがラクなんだ、ずっと住まわせてくれ」
 「計画すれば人生は上手くいかない、絶対失敗しない計画は 無計画 だ」
 「僕は似合ってる?ここに・・・」
 「石が僕にへばりつく、着いてくるんです」
下層に生きる宿命みたいなものがキムの家族にまとわりついているようで。


コミカルな演出であっても前半はキム一家のやり口には嫌悪を抱くしかなかったですが、彼ら自身がそこに息苦しさを覚え始めたあたりから彼らが救われる道を私も探していたような気がします。
時既に遅し、だったとしても。

狂気に満ちた凄惨なシーンを乗り越えたところに用意されたもう一つの物語が心を突きました。
その物語が真実になる時は果たしてくるのでしょうか・・・。



熱燗こがんこ - コピー.jpg

熱燗でほっこりしましょう。
温かい食事、温かい飲み物は大事です。陽の光の入る部屋で暮らすってことも。

本作を振り返って今じんわり憂うのは、結果的に3つの家族から無自覚に傷つけられ損なわれてしまった幼いダソンの未来です。  涙。


posted by ぺろんぱ at 20:01| Comment(4) | TrackBack(0) | 日記

2020年01月20日

フォード VS フェラーリ     ケン・マイルズの涙


『ある女優の不在』に続いての鑑賞は趣きを変えてのこちら。
アースシネマズで『フォード VS フェラーリ』 (ジェームズ・マンゴールド監督)を観ました。暫く長尺の映画を観ていなかったので「153分」の本作に怯みもしたのですが、そこは観たいという初志貫徹で臨みました。

結果、153分なんて一気に過ぎていきました!
のっけから路面に吸い付くような走り、7000、8000回転のエンジンのうねり音、そこから怒涛のドラマへひたすら飲み込まれていく感じでした。


フォードVS チラシ - コピー.JPG

Story
マット・デイモンとクリスチャン・ベールが初共演でダブル主演を務め、1966年のル・マン24時間耐久レースで絶対王者フェラーリに挑んだフォードの男たちを描いたドラマ。
ル・マンでの勝利を目指すフォード・モーター社から依頼を受けた、元レーサーのカーデザイナー、キャロル・シェルビー(マット・デイモン)は、常勝チームのフェラーリ社に勝つため、フェラーリを超える新しい車の開発と優秀なドライバーの獲得を必要としていた。シェルビーは、破天荒なイギリス人レーサーのケン・マイルズ(クリスチャン・ベール)に目をつけ、一部上層部からの反発を受けながらもマイルズをチームに引き入れる。限られた資金と時間の中、シェルビーとマイルズは力を合わせて数々の困難を乗り越えていくが……。 ※映画情報サイトより転載


文句なしの私にとっては快作でした。
レーシングカーファンでなくても人間ドラマとして充分に見応えがありました。

企業間のプライドをかけた闘いも面白かったですがフォード内部でのそれも。机上論をぶつ側と現場にいる側との闘いがあり、しかし「ワンチーム」になる結束も不可欠で。スポンサーがついてこそのレースであり有能なドライバーがいてこそのレース勝利ですからね・・・。
現場の人間同士の意地とプライドのぶつかり合いもあり、当然ながらそこには大きな信頼も必須で、この相互の「信頼」がとても丁寧に描かれていたことが良かったです。

そして「家族愛」も。
ケン・マイルズがただの偏屈者でないことがよく分かりましたし、この家族との愛があったからこそのケンの生き様だったのだなぁって思えました。ラストシークエンスのじんわりとした感動に繋がったなぁ。


F VS F.wps 2 - コピー.jpg
                    ※映画情報サイトより転載の画像です


これってどこまでが事実なんでしょうか・・・いろいろあったみたいですけれど。
レース結果はここには敢えて書きません。
ただ、シェルビーのあの決意が凄いです!
ケンのあの決意は更に凄いです!
全てが静止しした“無の瞬間”のようなあのシーン。
ケンの頬をつたうあの涙はきっと彼にしか流し得ないもの、彼にしか分かりえないものだったろうと思いました。ぴかぴか(新しい)

エンディングで映された本物の彼らのショット。
ああクリスチャン・ベイルって本当に素晴らしい俳優さんなのだなぁって感じた瞬間でした。本物のケン・マイルズが憑依したかのような彼(クリスチャン・ベイル)でした。


ちょこっと追記
 ■「最高のエンジニアと最高のドライバーを集めろ。レースカーを造る。」
   フォード2世のこの言葉には一瞬ゾクッと鳥肌が立ちました
 ■ストップウォッチ事件に六角ナット事件。あれってやっちゃイケナイ事なのですよね??^^;
 ■シェルビー・チームのあのエンジニア二人、良き存在。演じた役者さんも魅力的でした。



舷 - コピー.jpg

雁木 VS. 篠峯。 無濾過生原酒対決の画です。某店にて。

アースシネマズではメジャー作品情報が入ります(^^)。
『ノー・タイム・トゥ・ダイ』、ダニエル・クレイグファンならこれ絶対観に行かないと。これで007シリーズを卒業するんですよね・・・クレイグさん。



posted by ぺろんぱ at 19:25| Comment(4) | TrackBack(0) | 日記

2020年01月17日

ある女優の不在     風に舞う白いチャドル    


  シネリーブルで 『ある女優の不在』(ジャファル・パナヒ監督)観ました。
チラシは持っていたのですが実はちゃんと読んでいなくて殆ど予備知識なしで鑑賞に臨みました。

ドキュメンタリータッチですがフィクション、しかし描かれている内容(イランの、しかも未だ辺境の地に生きる女性たちの苦悩)は事実なのですよね。

イランという国の、未だ深い闇のようなものに触れて、しかしそこで暮らす人々(とりわけ熟年の男性たち)にとってはそれは闇ですらない当たり前のことなのだということも知って、改めて遠い異国に生きる同性たちに思いを馳せるのでした。

                        ある女優の チラシ - コピー.JPG

Story
  イランの人気女優ベーナーズ・ジャファリのもとに、見知らぬ少女から動画メッセージが届く。その少女マルズィエは女優を目指して芸術大学に合格したが、家族の裏切りによって夢を砕かれ自殺を決意。動画は彼女が首にロープをかけ、カメラが地面に落下したところで途切れていた。そのあまりにも深刻な内容に衝撃を受けたジャファリは、友人である映画監督ジャファル・パナヒが運転する車でマルズィエが住むイラン北西部の村を訪れる。ジャファリとパナヒは現地で調査を進めるうち、イラン革命後に演じることを禁じられた往年のスター女優シャールザードにまつわる悲劇的な真実にたどり着く。                          ※映画情報サイトより転載



何となくイメージ的にアッバス・キアロスタミ監督の世界を想起させる作品なのでしたが、イラン映画だからかなぁと思っていたらなんと、このパナヒ監督が学んだ映画の師がキアロスタミ監督だったそうです。小さな嬉しい驚きでした。


原題は「3 faces」ですが「ある女優の不在」は上手く練られた邦題だと思いました。
時代を違える3人の女優たちの、それぞれの“不在”の時が描かれています。
女優として生きたいという未来の夢を奪われた少女マルズィエ
現在に有名女優として名を馳せるジャファリ
スターでありながらイラン革命により女優人生を断たれた、慟哭の過去を持つシェールザード
3人の運命と三者三様の“不在”の意味が独特の長閑さを持つ村の空気の中で静かに交錯していきます。

村のいたるところに在る「長く曲がりくねった道」がまるで彼女たちの人生を象徴しているかのようで、自分の墓を掘って横たわる老女とか男性の性の儀式にまつわる話やシャールザードによる詩の朗読など、本作は観念的な側面を持つ作品であると至るところで感じることになりました。

権力の移行により自身の将来を断たれても一人の女性として尊厳をもって生きることを選んだシャールザードですが、本作の大きな核となっている彼女の姿がほんの一瞬、後ろ姿しか登場しないというのもミステリアスな感じでした。

三人の女性がどこへ向かうのか。
言葉では語られず終わりますが、個の信念を貫きしなやかに生きていこうという決意が希望の風と共に感じられたラストでした。


ジャファル・パナヒ監督。
彼自身、時の政府に抗う映画を作ったことで文化的活動を禁止される命令を受けながら不屈の姿勢を貫いている映画監督だそうです。本作を観るまで知りませんでした、勉強になりました。イラン革命のことも実はよく分かっていません、少し調べてみたいです。



                        2020ジントニ - コピー.jpg

劇中には紅茶を飲むシーンがよく出てきました。生活に馴染んだ紅茶文化の国なのでしょうね、日が暮れた夜にも紅茶での語らいの場が映されていましたねー。
掲出画は紅茶だけでは夜を越せない呑んべえ私の「今年初のジントニック」の画です。


あの日から25年の今日。
終わったこともあり、始まることもあると思います。
祈りたいです。



posted by ぺろんぱ at 21:06| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記

2020年01月13日

138億光年 宇宙の旅・PART T(プラネタリウム編)     勘違いで「旅」は途上です


明石天文科学館にプラネタリウム『138億光年 宇宙の旅』を観に行きました。

138億光年は地球から宇宙の果て(と現在認識されているところ)までの距離です。絶対的にそうとは言えないようですが現時点での「説」となっています。
ピカっと光ったその光が地球に届くのに一年を要する距離が一光年。それの138億倍。何だか「気が遠のく」という感覚すら遥かに超えています。。。


              新年のプラネタリウム - コピー.jpg  138億光年の - コピー.jpg


  昨年から楽しみにしていた投影プログラムでしたが、、、これって明石文化博物館とのコラボ企画で「文化博物館で開催の写真展」の方がメインだったみたいです。私の勘違いでした。
今回のプラネタリウム上映もかなり昔に大阪市立科学館で観たオムニマックスみたいなのを期待していたのですが、こちらで通常観られるプラネタリウムプログラムの後半部にNASA提供の宇宙画像が幾つか組み込まれたもので、静止画像が殆どでした。

なので「宇宙の旅」は未だ途上ってことで置いておいて、プラネタリウムで過ごす時間(50分)はやはりとても心地よいものなのです。解説スタッフさんの柔らかく優しい声にも癒されます。
先月の鑑賞からひと月しか経っていないので<冬の星座>のプログラムは同じ。<冬の大三角>を形成する一つ、シリウスが夜空に美しく輝く季節です。オリオン座の少し下に見える星です。

日中に青空を見上げることはよくありますが、夜空をじっくり見上げることってなかなか無くて。
ちょっと寒いかもしれませんが、好きなお酒を片手に屋外でゆっくり夜空を眺めて呑んでみたいですねー。
鉄道ファンにも撮り鉄や乗り鉄に加えて六角精児さんの「呑み鉄」っていうのもあるので、天文ファンにも「呑み天」みたいのがあってもいいですよね。(天文ファンの方々、すみません)


                      日本最古の現役投影機 - コピー.jpg

あ、そうそう。こちらの投影機は現役の大型投影機としては日本最古で、世界でも5番目に古いものでそうですよ。
なかなか良い風情を感じませんか。



                      つなぎや生B - コピー.jpg

勉強会のあとはまたしても“反省会と称する”独り呑みでした。
先ずはビールで反省し、その後は地酒のぬる燗で反省を更に深めました。

文化博物館の写真展の方にも足を運んでこの旅を完遂させたいところです。


posted by ぺろんぱ at 20:11| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記