2014年01月31日

小説、『永遠の0』から『ボックス!』へ


 『永遠の0』(百田尚樹著 講談社文庫)を読了しました。
一度読み終えて、直ぐに別の新たな書物に取り掛かる気になれず、結局「第八章 - 桜花」からですがもう一度読み返しました。

強く、心打つものがありました。
真っ直ぐに気高く生きるということ。 その尊さ(そうすることの難しさも)と、その生き様が後に大きな力をもたらすことを教えられた気がしました。

幾度か熱いものが込み上げますが、特に終盤はそれが顕著となり、ラストは落涙、というより嗚咽を禁じ得ませんでした。
最初に読み終えた時は通勤電車の中でしたので、隣の座席に座っていた学生さん風の女の子にはちょっと申し訳なかったです。びっくりしますよね、隣で大人しく本読んでると思っていた人間が急に泣き出したら・・・さぞ気味悪かったことでしょう、ごめんなさい。

暫くこの想いを抱いて、映画はやはりいつかの日の楽しみに取っておきます。
けれど、映画の主演者・岡田准一さんの面影はページを繰る上で決して邪魔をしませんでした。だからそれも映画を観る楽しみに。



 さて今日は、友人から教えてもらった地酒と焼鳥のちょっと面白い立呑み屋さんから三景。

    たに 獺祭.jpg たに 楯野川.jpg たに 黒龍.jpg

お初天神通りに三か月ほど前にオープンした<立呑み たに>さんです。地下に入ってゆく隠れ家的なお店です(店名の入った幟は通りに大きく掲げらていますが何となく存在が隠れ家的です)。
お酒もお料理も全品350円です。地酒は、酒屋さん直営でない立呑み屋さんの概念を覆してかなりの種類を揃えておられます。今やレアとなった<十四代>やブームの?<獺祭50>とか、銘柄もその時の仕入れ具合によって入れ替わるようです。
ご店主とちょっとお話しさせて頂いたのですが、日本酒への「愛」を感じる若きファイターです。

この日は<獺祭 純米大吟醸50>に始まって<楯野川 純米大吟醸滓絡み>、そして日本酒セラーを覗かせてもらってボトルを見るや否や「呑みたい!」と叫んでしまった<黒龍 本醸垂れ口>です。大変美味しゅうございました。

佳き小説、旨しお酒、心を豊かにしてくれます。ぴかぴか(新しい)


                        ボックス!.jpg

<追記>
  クールダウンさせてそろそろ次なる書物に取り掛かります。
折角だから百田作品でいきましょう。コメントくださっていたkarcy様ご推奨の『ボックス!』を買いました(先ずは上巻)。読みます!







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2014年01月24日

さよなら、アドルフ


  やっぱり神戸公開まで待てず、梅田ガーデンシネマで『さよなら、アドルフ』(ケイト・ショートランド監督)を観てきました。

今年は映画初めの『オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ』がとてもお気に入りの一作となって幸先良いと思っていたところ、早くも1月後半にこんな秀作に出会えたことに深い感慨を覚えます。

しかしながら、、、本作の世界は非常に重く厳しく、109分の上映時間はある意味“スクリーンと向き合う闘い”でした。


story
   第2次世界大戦の終戦直後、ナチス親衛隊高官の父と母が去ったあと、14歳の少女が小さい妹弟と共に祖母に会うために困難な旅をする姿を描く。
  1945年、敗戦して間もないドイツ。ナチスの幹部だった両親が去り、14歳の少女ローレ(ザスキア・ローゼンダール)は、妹と弟と共に南ドイツから900キロ離れたハンブルクの祖母の家へ向かうことに。途中、貼り出されたホロコーストの写真を見たローレは困惑する。翌日、連合軍兵士に呼び止められたローレはユダヤ人青年のトーマス(カイ・マリーナ)に助けられ・・・。

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                     ※story、画像とも、映画情報サイトより転載させて頂きました。


※結末に触れる記述をしています。


  ワンシーン、ワンカット、心に語りかけてくるようでした。

暗く重たく、心身共に多くの痛みを伴う世界をリアルに描きながら、時に絵画的な、時に詩的な、心が吸い込まれるような美しさを感じました。
一つの風景、例えば川の流れや野の草花、更に、存在する静物の一つ一つをカメラが静かにじっと捉え続けます。まるでそこから何かが語られてくるかのように感じるのです。人物の発する台詞は決して多くはないのに、全てのシーン、全てのカットが何かを残していってくれるのです。
その演出美をどう表現したらよいのか私には良い言葉が見つからないのですが、とにかくその「美なるもの」があったからこそ、この苛酷な旅路を見つめ続けられたのだと思います。
ケイト・ショートランドという御名、しっかりと心に刻みました。

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 戦後の荒廃しきった状況下、米・英・ソ連のカオス的統治下におかれたドイツでは、ナチス親衛隊高官の子どもであることは命の保証を許しません。文字通り身も心もボロボロになる苛酷な旅。

青年トーマスとの出会いは本作の最初の分水嶺であり、その出会いはローレを(やがては)大きく変えます。
トーマスが密かに抱えていた闇が漠然と見えてくる終盤の展開は衝撃であり、秀逸です。

本物のトーマスにも想いを馳せずにはいられません。彼の人生、妻、子どもたち。それらを理不尽に奪い去ったものはローレが真実だと信じ続けてものです。
神のように偉大な存在であったものが実際に行ってきたこと。信じていたものの崩壊と行く先々で受ける迫害は、ローレたちを二重三重に痛めつけます。旅を続けながらローレの葛藤は凄まじいまでのものだったはず。彼女の険しい表情がそれを物語っていました。

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そんな中、ローレたちを襲ったこの上ない悲劇。
ここがいわば第二の、そして最大の分水嶺であり、ローレの中でそれまで彼女自身を支えてきたものが完全に折れてしまった瞬間だったと思います。

命からがらやっと辿り着いた祖母の家で、ローレが出会った自分自身とは・・・。

今まで生きてきた世界は何であったのか。
絶望の中で生きることの極限を経てきたローレは、「新たなる絶望」の果てにどう生きてゆくのでしょうか。
ローレがどう生きてゆくのか、その行く末は観る者に課せられた試練のようにも感じられました。



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  こういう映画のあとは濃くて温かいお酒が恋しいです。
掲出画像はこの日の画ではありませんが、時々お伺いしているお店です。
何度目かの来店記念とかで焼酎のボトルがプレゼントされました。お湯割りで濃いめに(うんと濃いめに)作って呑ませて頂きました。




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2014年01月19日

冒険者たち (久々の再鑑賞、BS録り)


  観たいと思っていた『さよなら、アドルフ』(ケイト・ショートランド監督)。
「シネリーブル神戸でこの2月15日より公開」という情報のみインプットしていたのですが、梅田ガーデンシネマで既にこの18日から公開とか。レレレ・・・神戸公開まで待つより仕事帰りにでも梅ガデに行こうかなと目論み中です。

だから今日は再鑑賞作品で、というわけではなく、この作品は「好きな一作」でもあったのでBSでやっていたのを機にレヴューを挙げておきたいと思ったのでした。
『冒険者たち』( ロベール・アンリコ監督 1967年制作 フランス映画)、久々の再鑑賞です。

story
命知らずのパイロット・マヌー(アラン・ドロン)と、自動車技師ローラン(リノ・バンチュラ)は、ある日、美しい前衛彫刻家レティシア(ジョアンナ・シムカス)と出会う。厚い友情で結ばれていた男二人に女一人。この三人の間には、いつしか不思議な三角関係が生まれていく。そしてある日、三人はどん底の生活から這い上がるためにアフリカ沖に沈む財宝を積んだ船を探すという一獲千金の旅に出るが・・・。

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                        ※story、画像とも、映画情報サイトより転載させて頂きました。


  「口笛」をフィーチャーしたフランソワ・ド・ルーベの映画音楽は心に残ります。聴けば一瞬にして、大空を舞うマヌーの飛行機とそれを見つめ続けるローランとレティシアの姿が甦ります。
青春のキラキラ感があって、でもどこか切ないメロディー。

この映画は何といってもレティシアが好いです。
後半、いなくなってしまった後も彼女の影が存在している・・・というより、いつまでも“生きてそこにいる”のですよね、レティシアが。
演じるジョアンナ・シムカスは、役柄のレティシアのイメージと相まって同性からみても永遠の女性像なのでしょう。シドニー・ポワチエとの結婚で女優業をきっぱり引退されたというのも、彼女への思慕を永遠のものにさせたのかもしれませんね。

  前半部のフランスらしいノンシャランな?物事にこだわらない暢気なムードが好きです。
後半のハードボイルドタッチが加味された展開こそが本作の「LES AVENTURIERS」たる所以なのでしょうけれど、それ以前の、「凪」のようなふんわりした状況が私には好もしいです。

冒険者3人.bmp


大人になり切れない、夢を追い続ける男二人とそこに寄り添うレティシア。
ロマンを追い続ける男二人ですが、繊細だけど奔放さだけが前面に出てるマヌーと、時に地に足をつけ堅実で父性をも感じさせるローランとはいつも立ち位置が微妙に違っていて、その違いが危うさを匂わせつつも二人の絆は最後まで(レティシアがどちらかの名を口にしたあとの最後でさえ)揺るがない・・・そこが嬉しいのです、女である私にも。

タイトル「冒険者たち」の意味も、前半部で感じるのは享楽主義的なもの。しかし最後の最後、終わってみれば「生きること即ち冒険なのだ」という、ストレートで邪なものなど混じり得ない純なメッセージに変わっていたのでした。
俯瞰で撮られた「あの要塞」。
ああ、レティシアが、そしてマヌーが、生きてそこに居たらなぁと思う切ない幕切れなのでした。


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  <れてぃしあ>という名のBARが神戸にあります。
数回お伺いした後、長らく(随分と長らく)お伺いできていません。ご店主、チーフのKちゃんさん、お二方ともお元気でいらっしゃるでしょうか。

レティシアではなく、この画は友人N嬢とワイン立呑み<千本 セ・ヴォン>にての乾杯です。やや軽めの赤とヘルシーなラタトゥイユが美味しゅうございました。ぴかぴか(新しい)








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2014年01月16日

読みます『永遠の0』、そして熊澤さんでの一期一会


  巷で映画は好評のようです。

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映画はいつかの楽しみとして、先ずは原作を読んでみようと買いました、『永遠の0 (ゼロ)』(百田尚樹著、講談社文庫)です。                       
紙質に由るものでしょうか、厚さ2.5p の文庫ですが意外にもずしりとくるような重さは感じません。故・児玉清氏による解説も嬉しいです。
携行中だった本の残りを一気に読み終えて明日から早速こちらにかかります。楽しみです。



                       熊澤さん.jpg
                      
  先の休日、映画の後の「独りサク呑み」、久々に訪れた<酒商 熊澤>さんからの四景です。滞在時間は55分。


   熊澤 琥泉純米銀嬢生原酒.jpg  熊澤 鶏ゆず山葵.jpg  熊澤 蒼空純吟.jpg     

先ずは「琥泉 純米吟醸・生原酒」、そしておつまみに「鶏 柚子山葵添え」。空腹状態の胃に生原酒の濃醇さが浸みこんでゆきます。鶏は軽くスモークされていて柚子の山葵がほど良いアクセントになっていました。
そして「蒼空 純米生・かすみ酒」。微かな澱が残っていてほんのり白く、優しい(しかしあと口爽やかな)お酒です。


                        仙介特純滓がらみ.jpg

最後は「仙介 特別純米・澱がらみ」。二杯目に呑んだ「かすみ酒」の流れでこちらを。
この仙介の画像だけ何故にグラス3つか・・・独りサク呑みなのに・・・?

実は隣の隣に立っておられたA氏がお店のソムリエさんに「いいのが入ってますよ」っていう具合に薦められてオーダーされ、それを聞いていらした隣のB氏が「じゃあ僕もソレを」とオーダーされまして、グラスに注がれてゆくお酒がとても美味しそうで一番奥に立っていた私もつい「じゃあ私もソレをください」とオーダーしてしまいました。
隣の隣のA氏が「じゃあ三人のグラスを並べて記念に撮りましょう」ってことになりまして。どうやら隣の隣のA氏も隣のB氏も何らかのブログを持たれている?ようで、ちゃんとデジカメをご持参されていたのでした。

写真を撮ったあとは三人で乾杯し、あとは三者三様に静かにグラスを傾けてお酒を味わいました。
なかなか、こういう出会いもイイものです。
この乾杯は一期一会のものとして心に刻みつつ、Aさん、Bさん、また何処かの酒場でばったり出会えると楽しいですね。




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2014年01月11日

少女は自転車に乗って


 寒〜いですね。冬眠したい気分です。
シネリーブル神戸で『少女は自転車に乗って』(ハイファ・アル=マンスール監督)観ました。

「映画館の設置が法律で禁じられているサウジアラビア初の女性監督が同国俳優を起用し全て国内で撮影したサウジアラビア初の長編映画」とのことで、公開情報をキャッチして以来気になっておりました。

story
  10歳のおてんば少女ワジダ(ワアド・ムハンマド)は、幼なじみの少年アブドゥラと自転車競走がしたいが、母親(リーム・アブドゥラ)は女の子が自転車に乗ることに反対する。そんな時、学校でコーラン暗唱コンテストが行われることになり、ワジダはその賞金で自転車を買おうと一生懸命コーランの暗唱に取り組むが・・・。

                        少女は 1.jpg
                        ※story、画像とも、映画情報サイトより転載させて頂いております。


  ワジダは、女性が前面に出ることを決して許さないという社会に於いて、決して表面上だけでさえも服従してはいない女の子です。
日本では考えられないほどの規律や風習にがんじがらめの世界なのですが、それにしても、ワジダの服従しない様子は「小気味良い」を通り越して「小憎たらしい」ほどなのです。
先ず、そこで、スクリーン前の観る者殆どを“味方に付けない”くらいの“我が道を行く潔さ”を放っているのです。これはある意味意外でした。

何となく『運動靴と赤い金魚(マジッド・マジディ監督)』的な展開を想像していたので、貧しくて運動靴が買えなかったその作品とは趣を異にしており、主演のワジダがかなりのお転婆で強気な現代っ娘だったのには少々たじろいだ私でした。
その「小憎たらしさ」が大きく変化したのは、もう映画の終盤?ワジダがやっとコンテストで勝利を勝ち得た時から、です。
あ、、、ワジダ、やっぱり努力してたんや、、、と。見せていなかったけれど、彼女は“やる時にはやる”タイプだったのですね。ここから、私のワジダへの視線は180度転換したような気がします。

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 努力で勝ち得た糧を、何故自分の為に使ってはいけないのか。
それが人間として愚かなこと?なの?
パレスチナの同胞に寄付すべきとの校長の理論は校長自身の思想であって、それを強いた時点で子どもの中に在る何かを摘んでしまってるんですね。サウジの未来を縛っているのは女卑思想の男性だけではなく、女性であるが故の保身に甘んじる女たちなのかもしれません。
勿論、今の日本に生きる感覚が私にそう言わせるということもあるでしょう。実際にかの国に生きていれば強固な因習を打ち破る新たな一歩を踏み出すのは容易ではないのかもしれません。

あの時点でワジダの中で一つの希望の灯は吹き消されかと・・・。
しかしへこたれて当然のワジダを周りの人間がそうさせなかったこと、それが本作で最もキモだったと思えることでした。

本作、「母の愛は強し」の好もしい展開もありましたが、私が最も心惹かれたキャラクターはワジダの幼馴染の少年アブドゥラ君でした。終盤に於ける彼の「ある台詞」には感動すら覚えました。
彼らの世代からは結婚という形も良いように変わってゆくのかもしれないと思わせてくれます。

小憎たらしいくらいだったワジダがもの凄く可憐で、そして十代の瑞々しさでもってとても爽やかに見えたラストなのでした。ぴかぴか(新しい)



ツバメ リースリング  2.jpg ツバメ スモークチーズ.jpg ツバメ リースリング 3.jpg ツバメ 鶉卵スモーク.jpg

   今年初のワイン外呑みは、新梅田食堂街の<つばめ食堂>さんでのリースリング3種。

こちらのお店は立ち呑みという業態ですが、ビールはレーベンブロイ、ワインはリースリングに徹底的にこだわっていらっしゃるお店です。
この日に戴いた3種の中では最後の一杯が好い意味での“枯れ感”がある味わいでぐっと来ましたね〜。酒肴として戴いたのはお誘い頂いたI氏チョイスの<スモークチーズ>と<鶉卵のスモーク>。スモークチーズはほんのり甘いカラメル香がクセになるお味で大変美味しゅうございました。ぴかぴか(新しい)



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2014年01月03日

オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ


  2014年、今年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。


  昨年末に公開になっていた本作、年明け早々に鑑賞が叶いました。
『オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ』(ジム・ジャームッシュ監督)です。
2009年秋・日本公開の『リミッツ・オブ・コントロール』以来、約4年振りのジム・ジャームッシュ監督の新作です。それに大好きな女優ティルダ・スウィントンがメインキャストとあって楽しみにしていました。

シアターが暗転して本編が始まる迄にこんなにドキドキしたのはちょっと久し振りかも、です。大阪ステーションシネマで鑑賞。

story
  吸血鬼でありながら、マルチミュージシャンとして活躍するアダム(トム・ヒドルストン)は、自己破滅的な人間たち(アダムたちは人間達をゾンビと呼んでいる)の振る舞いを憂えていた。そんなある日、何世紀にもわたり愛し合ってきた恋人で吸血鬼のイヴ(ティルダ・スウィントン)が久し振りにアダムの元にやってくる。久々の再会を楽しむ二人だったがイヴの妹エヴァ(ミア・ワシコウスカ)が2人のもとを訪れたことをきっかけに、3人の運命がゆっくりと変わっていく。

                       オンリー・ラヴァーズ.jpg

                         ※story、画像とも、映画情報サイトより転載させて頂きました。

 
  オープニング、退廃ムードの重低音奏と映像にシビレます。
あのオープニングだけでももう一回観たい。『リミッツ・オブ・コントロール』のレヴューでも書いていましたが、本作でもジム・ジャームッシュワールドを堪能しました。

「スタイリッシュな映像」とは、ジャームッシュ監督作品を評するうえで一つの決まり文句のようになっていますが、本作もそのワード以上にこの世界を端的に表現する言葉はないのかもしれません(いや、私が単に語彙が乏しいだけなのでしょうけど)。

好きなアーティストたち、音楽、詩文、年代と存在意義を感じさせる美しきモノたち、寂れ滅び行く運命なのに惹かれずにいられない佇まいの街、徹底して愛せるものだけを物語に巧みに取り込んでいて、監督自身の美意識がビンビン感じられるよう。

それでいて、そう、やっぱりユーモア、可笑しみもちゃんと在る。
トム・ヒドルストンのようなビジュアルの人を使ってなんであんなふうに可笑しい画が撮れるのか、、、非合法に血液を調達しに来るシーンなんて笑わせるような台詞なんて何一つ言っていないのに何故だかクスッと笑ってしまうのです。

                        オンリー・ラヴァーズ 1.jpg

イヴを演じるティルダ・スウィントン。
何世紀も生き、既に性を超越したかのような美しくも雄々しいヴァンパイアを演じるのは、中性的魅力に溢れた彼女しかいないようにさえ思えます。
ウエリントン型というのでしょうか、あの大きくて四角いフレームのブラックサングラスがあれだけ似合う女優さんも少ないのではないでしょうか。

何世紀も生きるヴァンパイア。
しかし不老不死ではないのです。ゆっくりと(実にゆっくりと、)老い、図り知れぬ年月を生きた末に死を迎える・・・。 
ヴァンパイアとしての尊厳を失わず、しかしながら人間(ゾンビ)界と共存もせねばならない、そして何より、長い長い年月を生きてゆかねばならない。
一度は心に秘めたアダムの決意が哀しいのです。

汚れた血が増え、生き難くなる一方の世の中で、最後に残るのは恋人たちの愛だけなのかもしれません。 オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ、ですね。ぴかぴか(新しい)



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  実家の庭の南天です。
綺麗な赤いろだなぁと思って撮りました。
南天は「難転」に通じることから縁起木、厄除けとして、お正月に相応しいようです。皆さんにとって、今年がどうぞ佳い年でありますように。

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  そしてお酒、“スタイリッシュ”に呑み続けたいところですが今年もきっと“ベタベタなお酒好きの相好”でいくのでしょうね。
酒舛さんでの上喜元・純米吟嬢と味の染み込んだアツアツおでん、大変美味しゅうございました。

最後に、本作、細部に面白い映像が幾つか登場していますよ。そうそう、『リミッツ・・・』に続いてジョン・ハートさんが燻し銀的な存在感を放っていらしたのも嬉しかったです。ぴかぴか(新しい)




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