2014年02月21日

リトル・ダンサー (BS録画鑑賞)


  先日BS録りしていた『リトル・ダンサー』(スティーブン・ダルドリー監督 2000年制作 2001年日本公開)観ました。
良作との噂は聞いていましたがこんなにいい映画だったとは知りませんでした。 永久保存です、出会えてよかったです。

story
  イギリスの炭坑町に住む少年ビリー(ジェイミー・ベル)は、偶然目にしたバレエ教室に惹かれ、女の子たちに混じって練習するうち夢中になっていく。めきめき上達する彼に自分の夢を重ね、熱心に指導するウィルキンソン先生(ジュリー・ウォルターズ)。しかし大事なお金をバレエに使うことを知った父(ゲイリー・ルイス)は激怒し、教室通いを禁じる。先生はビリーにロイヤル・バレエ学校のオーディションを受けさせたい一心で無料の個人レッスンを行うが、オーディションの朝、炭鉱夫の兄トニー(ジェイミー・ドレイブン)がスト中に逮捕されてしまう。

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                          ※story、画像とも、映画情報サイトより転載させて頂きました。


※いきなり結末に触れる記述をしています。


  ラストの落涙は、おそらく今後本作を観返す度に私の中で繰り返されることでしょう。

舞台に舞うビリーを見つめる父親と友人マイケルの表情。張り裂けんばかりの高揚感、感極まる思いの二人。
成長したビリーが晴れの大舞台へと向かいます。25歳になったビリーを演じるはロイヤルバレエ団の元プリンシパル、アダム・クーパー! アダム・クーパーの華麗な姿は勿論のこと、カメラが捉えた彼の一瞬の表情もまた実に素晴らしいのです。
このラスト数分にとにかく心が震えました。テレビでこうなのだから、もしも本作との出会いがスクリーンであったならその興奮は如何ばかりであったかと思う今です。

家族愛、友へのいたわり、無償の師弟愛、そして、好きなダンスを決して諦めない、好きなものを追い求め続ける気持ち、、、ひっくるめて、やっぱり「愛」。それがいっぱい詰まった映画でした。
冒頭シーン。認知症傾向の祖母への優しい接し方に、ビリーの全てが物語られていたと思います。のっけからこの子が好きになりました、私。

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父親、兄のトニー、友人マイケル、おませなガールフレンド、そしてビリーの才能にいち早く気付き手を差し伸べたウィルキンソン先生。
それぞれに、心に残るシーンと台詞があります。
息子の未来のために信念に背を向けてまでお金を稼ごうとした父親の姿には強く心打たれますが、「(新しい地で)貴方の人生を生きなさい」というウィルキンソン先生の言葉にもまた、深く静かな感動を覚えました。

周囲の全ての人々の支えがあって今の自分があることを、舞台に向かう25歳のビリーは決して忘れていなかったはず。
その全ての愛に応えるが如く舞台に大きく舞う白鳥の姿は、これからも私の記憶に残り続けると思います。


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少年のビリー役のジェイミー・ベルも好感度大でしたけれど、友人のマイケルを演じたスチュアート・ウェルズがとっても魅力的でした。
「この子、今はどんな役者さんに?」と思ってネットで調べてみましたが、どうやら本作の後に『仮面の真実』という映画に出演したのみで映画界からの消息は途絶えているようです。とても残念、何かご存知の方がいらしたら情報を戴ければ嬉しいです。
それから、スチュアート君が素敵だったからでしょうか、成長した25歳のマイケルを演じた俳優さんも私には素敵な男性として心に残りました。演じた俳優さんの情報も、もしお持ちの方がいらしたらお願い致します。



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   久々にお伺いした Jazz Bar Wishy−Washy さんでの乾杯の画です。
二、三度拙ブログにも登場しているダーク・ラム、<パンペロ・アニバサリオ>です。芳醇な味わいの中に微かに広がる上品な甘み。
この日ママさんとお話していて偶然にも本作『リトル・ダンサー』の話題になった時はびっくり。ママさんは勿論ずっと以前から本作をご存じでいらっしゃいましたが、互いに「イイ映画ですよね」としみじみと語らせてもらいました。

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そうそう、お伺いした際ママさんにご紹介頂いた新刊、武部好伸さん著『ウィスキー アンド シネマ』(淡交社)を早速に買い求めました。
47篇の映画を、そこに登場するウイスキーに焦点をあてて語られているエッセイです。
今は百田尚樹さんの『モンスター』を購読中なのですが、『ウィスキー アンド シネマ』も並行して読んでいきたいと思います。ワクワクしています。
この本の中に登場する未見の映画を後追いしてゆくのも楽しいかもしれません。勿論、そこに登場するウイスキーと共に、ね。






posted by ぺろんぱ at 20:03| Comment(8) | TrackBack(1) | 日記

2014年02月14日

レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで (BS録画鑑賞)


 またしても戻り寒波襲来。雪
先日8日の雪の時「これが今冬の寒さの底かな」と思っていたのですが・・・。ソチの方が気温はまだ暖かいようですね。日本選手のみなさん、最後まで声援を送り続けます。日ごろの練習の成果を思う存分に発揮できますように。

BS録画していた『レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで』(2008年制作 2009年日本公開 サム・メンデス監督)観ました。原作はリチャード・イェーツ著の『家族の終わりに』です。

story
1950年代半ばの富裕層が集まるコネチカット州の郊外で、フランク(レオナルド・ディカプリオ)エイプリル(ケイト・ウィンスレット)の夫婦は二人の子どもに恵まれ、幸せに暮らしていた。しかし、彼らにはそれぞれ、ヨーロッパでの成功と女優になるという夢があった。やがて彼らはその夢の実現のため、パリへ移住し人生の大きな賭けに出ることを決意するが・・・。

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                      ※story、画像とも、映画情報サイトより転載させて頂きました。


※結末に触れる記述をしています。


先ず、本作は話題性に富んでいました。
『タイタニック』(1997年)で世紀のカップルとして世界中から注目を集めたレオナルド・ディカプリオとケイト・ウィンスレットが、大スターとして不動の地位を築いて11年ぶりに共演(しかも夫婦役で)を果たしたということ。そして私生活では、ケイト・ウィンスレットは監督・サム・メンデスの夫人であり、監督と主演女優として夫婦初のタッグでもあったということ。

『タイタニック』ファンとしては、あの時の二人が本作で悲劇的な終末を迎える夫婦を演じることに幾許かの寂しさを伴うですが(勿論どっちも映画の中のことなのですけれど)、それでも、本作の主演二人の演技は本当に素晴らしく、十二分に観応えのある作品となっていました。


  希望の象徴でもある閑静な住宅街レヴォリューショナリー・ロードに住まう人々の、誰もが密かに抱えている虚しさと満たされぬ思いをえぐり出し、最も象徴的な一組の夫婦を崩壊へと導いています。

フランクとエイプリルのパリ移住計画を聞いて心ざわめく周囲の人間たち。二人の決意に激しい動揺を隠しきれなかったのが見て取れます。
隣夫婦の妻ミリー(キャスリン・ハーン)然り、二人にレヴォリューショナリー・ロードの家を世話した不動産業のヘレン(キャシー・ベイツ)然り。誰もが希望とは裏腹に不満といら立ちを抱えているのが伝わってきます。

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象徴的な夫婦、フランクとエイプリル。
最も理想的に見えた二人だっただけに、崩壊の途は烈しいものでした。

一度は愛し合った相手に憎しみさえ抱くようになるのは辛く悲しいことですが、憎しみを通り越して何の関心も持てなくなることはもっと辛くもっと悲しいことかもしれません。憎しみは、未だ相手を意識している想いの裏返しだから。
しかし冷静に眺めてみると、問題の根本にあったのはフランクとエイプリルの個人的資質の大きな違いだった気もします。基本は二人の大きな「違い」にあって、レヴォリューショナリー・ロードでの“一見平和だが無個性”の人生がそれをあぶり出してしまった、という感じでしょうか。私にはそう見えました。

相手に求めるものが初めから違っていたのかな、と。
エイプリルにとってフランクは小さな世界で完結してしまった人間であり、そんな彼を前にエイプリルの中に眠っていた開拓?闘争?それこそ革命的な資質?、そんなものが目覚めてしまったのかもしれません。
つまらないのは、環境でもなく相手でもなく、自分自身がつまらないということなのですよね、きっと。だからエイプリルは相手に変わってほしいと願い、そうすることで自分自身も変わろうとしたのですよね。そしてエイプリルは何があっても(子どもを堕胎してまでも)それを貫き通そううとし、フランクはそれができずに安寧の道に戻ろうとしてしまった・・・。

フランクは概ね良き夫であったと思いますし、そうであることに喜びを見いだせる人。エイプリルは良き妻・良き母を演じ続けてきたけれど、そうであることに喜びを見いだすことができなかった人。二人の決定的な違いですね。
二人の破綻・・・、彼らはボタンの掛け違えなどではなく、そもそもボタンが掛けられていなかったのではないかとさえ思えました。

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終盤あたりの、朝食のシーン。
この時のディカプリオ演じるフランクの表情は秀逸です。
何かを決意したような冴え冴えとしたエイプリルの表情に、一瞬戸惑いつつも幸せを取り戻せたと信じたフランク。何かとんでもないことが起こると感じる映像の中、何にも気付いていないかのようなフランクの穏やかな頬笑みがあまりに切な過ぎます。この後に起こった出来事には救いがありません。

本作では二人に辛辣な台詞を吐く心を病んだ青年ジョン(マイケル・シャノン)の存在が異色、且つ出色です。彼の言葉でフランクとエイプリルは隠していた心の奥の感情をあぶり出されてしまうのです。
心の奥の感情と言えば、隣人夫妻の妻ミリー、ジョンの母で不動産業のヘレンが“人間の負の感情”を覗かせるラストのそれぞれのシーンは、ちょっと怖かったです。

そうです、この映画は怖いです。
原作小説のタイトルの方が、まんまその世界を表わしていました。


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  さてさて、ワイン飲み仲間が集まっての新年の乾杯はK子ちゃん宅で開催。ありがとう。
皆で持寄りのワインの中から出色の一本、<ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ“プラチド”2005年>です。
一口含んた時はイイ意味での枯れを感じるちょっと複雑な香りが一瞬広がり、しかし全体としては丸味のある優しい厚みで後の香もすぅっと尾を引く感じです。
この一本を持ち込んでくれたNちゃん、ありがとう、たいへん美味しゅうございました。ぴかぴか(新しい)

そうそう、本作ではいかにもアメリカ映画らしく、お客人をもてなすのに大ぶりのカクテルグラスでマティーニが饗されることが度々。
ジンは夏!派の私ですが、この寒さでも美味し〜いマティーニが呑みたくなりましたよ。




posted by ぺろんぱ at 20:07| Comment(9) | TrackBack(1) | 日記

2014年02月05日

ヒースレジャーの恋のからさわぎ (BS録画鑑賞)


   春は名のみの・・・ですね。 今日は小雪が舞っていました。

BS録りしていた『ヒース・レジャーの恋のからさわぎ』(ジル・ジュンガー監督、1999年制作、アメリカ映画)観ました。
タイトルに「ヒース・レジャーの」が入っていなかったらスルーしていたと思いますが、この「ヒース」で気になって調べてみれば、本作はヒース・レジャーの初主演作、且つハリウッド・デヴュー作とのことでした。・・・で、録画。

story
転校生のキャメロン(ジョセフ・ゴードン=レヴィット)は、登校初日に学園のアイドル・ビアンカ(ラリサ・オレイニク)に一目ぼれし、何とか彼女をデートに誘おうとする。しかし、ビアンカの父親に、姉・カトリーナ(ジュリア・スタイルズ)が先に誰かとデートしないとビアンカのデートを許可しないと言われ、学校のはみ出し者パトリック(ヒース・レジャー)を雇ってカトリーナをデートに誘わせようとするが・・・。

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                         ※story、画像とも、映画情報サイトより転載させて頂きました。


 ヒース・レジャーが若い!です。
初めて私がヒース・レジャーをスクリーンで観たのは『チョコレート』(2001年制作・2002年日本公開 マーク・フォースター監督)でした。
その時の役柄も相まって繊細で品の良いお坊ちゃま的イメージが強かったヒースです。以来、何作品か公開作を観ましたが初めてのイメージって中々覆らず、私の中では常に繊細な雰囲気を彼の中に見ていました。それだけに『ダークナイト』のキャスティングは意外でしたが・・・。
初主演の本作のヒースはワイルドで、その2年後に撮られた『チョコレート』の時よりも逆にセクシーで、なかなか魅力的なのでした。

アメリカのティーンエイジャーの学園モノっていうと私は何だか引いちゃうのですけれど、本作はヒースの魅力で98分楽しめましたよ。
お相手のカトリーナを演じるジュリア・スタイルズも、決して美女ではないのですがついつい目が追ってしまう不思議な雰囲気を放っている女優さんです。実はちょっと大学時代の同期のYちゃんに似ていて(男性を容易に寄せ付けないようなところも)、すごく親近感を持ってしまったというのもありますが。

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邦題はしっくりこなかったのですが、本作のストーリーの下地がシェイクスピアの『じゃじゃ馬ならし』と『から騒ぎ』にあるとのことで付けられたそうです(ウィキ情報)。
シェイクスピア自身も(肖像画ですが)登場します。レースの襞襟を付けているシェイクスピア画像を「その襟巻トカゲみたいな人」って呼んでいた台詞は、いかにも下らないジョークっていう感じで逆にちょっと笑えました。

タイトルに話を戻せば、やはり原題『 10 Things I Hate About You 』の方が何となくイイです。カトリーナがパトリックの嫌なところを10個挙げて、でもその後に「でもそんな貴方を嫌いになれない自分が一番キライよ」っていう彼女の台詞がなんといっても可愛くて、“ああ、青春だなぁ〜”っていう感じがしましたから。

その告白めいたものを聞いたパトリックの「ん?それってもしかしてボクのこと??」っていうような表情が、女の子の扱いに慣れているようで決して慣れ切ってはいない“清潔な青さ”を覗かせてくれていてちょっとだけ私もキュンとなりました。

『(500)日のサマー』で注目のジョセフ・ゴードン=レヴィットも可愛かったけれど、やはり“ヒース・レジャーの映画”です、これは。後年のヒースとのイメージのギャップも私には新鮮でした。

それにしても、彼はその後の2008年に28歳の若さで逝ってしまったのですよね。 残念です。



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  さて、こちらは(私的に)珍しく、樽酒の燗酒です。
明石の名店<たなか家>さんで特製樽酒を「燗もお薦め」とのことでしたので、私はぬる燗で頂戴しました。樽酒は冷酒でいただくものとばかり思っていましたが、ぬる燗のソレも樽香がふんわり香ってイイ感じでしたよ、新発見でした。
このあともう一杯別の地酒をオーダーして、独りサク呑みの滞在時間は約40分。大変美味しゅうございました。ぴかぴか(新しい)




posted by ぺろんぱ at 20:34| Comment(10) | TrackBack(0) | 日記