2019年07月09日

Girl ガール     家族愛に恵まれていてよかった、せめて


シネリーブルで『Girl ガール』(ルーカス・ドン監督・脚本)を観ました。
観に行く前に抱いていたイメージに対してかなり(私にとっては)衝撃的なラストでした。
いつものことですが今回は敢えて「結末に触れる記述をしております」ことを最初に記しておきます。

story
   15歳のララの夢はバレリーナになること。しかしそれは簡単なことではなかった。彼女は男の体に生まれてきたから。それでも強い意志と才能、娘の夢を全力で応援してくれる父に支えられ、難関のバレエ学校への入学を認められる。夢の実現のためララは毎日厳しいレッスンを受け血の滲むような努力を重ねていくが、彼女へのライバルの嫉妬や成長による肉体の変化で彼女は次第に精神的に追い詰められてゆき・・・。(映画チラシより)

                     Girl チラシ - コピー.JPG


 文字通りの痛みと苦悶と、それを超えて余りある強固に抱き続けた夢への真っ直ぐな思い。
あれだけの痛み(壮絶な痛みも描かれます)に耐えても、ララはただひたすらに本物のGirl 女の子 になりたかったのですね。
途中、「ああ彼女は今ここで泣き崩れてしまいたいだろうなぁ…」って感じるシーンが何度も、何度も何度も何度もあって…。

周囲の大人たちはきっと心あたたかくララを支えてきたはずなのです。だけどやっぱり15歳でトランスジェンダーのララの心を、誰も完全に理解することはできなかったのですね。

「外観を気にし過ぎるのは良くないわ」
「物事の良い面を見るようにね」

ララのためにと語りかけられた言葉だったのですが、ララにとって物事の良い面って一体何なのでしょうか。

思春期の、意思の非常に強い彼女であるがゆえにララが最終的にとった行動は絶対に良くないことではあるけれど、誰にも彼女を責めることはできない気がしました。
結局ララが、それを、、強く望んで選んだ、、、のだから。

何をしようとしているかが分かった段階から画面を直視できなかったのですが、目を覆いながらも心のどこかで、ララが今そこで向き合っている現実を見届けるべきではないかとも自問自答していた私がいました。
最後には、あれほどまでのララの深く強固で切実な願いを目の前にしてただただ涙が止まらなかったです。
あまりの苦痛を前に、自分の中では拒絶反応のほうが強いと思った瞬間、何故だかもう嗚咽のごとく泣き出してしまっていました。


ララを演じたビクトール・ポルスターがとにかく透明感のある美しさで素晴らしかったです!
実際にバレエスクールに在学の現役トップダンサーとのことで、繰り返し描かれるレッスンシーンはドキュメンタリータッチでリアル感に満ちていました。
ララを必死で支えようとした父親を演じたアリエ・ワルトアルテの静かで深い憂いを湛えたような存在感も心に残りました。


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 この画はいつだったかのシネリーブル神戸からほど近い、世界地図が貼られていることで有名な老舗の角打ちです。
一人で入っていったら、「えっ、お客さん??」と言われてしまいました。私、スピリッツは酒呑みオヤジですから近かったらきっと「まいど」と言われるくらいになりたいところです。
世界地図を眺めながらの妄想も楽しいものでした。





posted by ぺろんぱ at 20:01| Comment(4) | TrackBack(0) | 日記