2020年02月05日

テリー・ギリアムのドン・キホーテ     カオスの後に・・・


シネリーブルで『テリー・ギリアムのドン・キホーテ』(テリー・ギリアム監督)を観ました。

これって撮影開始から完成まで25年(構想からだと30年)を要した作品だとか。
自然災害による撮影中断、病などによる幾度かのドン・キホーテ役の交代、資金破綻など9度の頓挫を繰り返したらしいです(映画チラシより)。

撮影スタート時はジャン・ロシュフォールのドン・キホーテ役、ジョニー・デップのトビー役だったそう。
今回ジョナサン・プライス&アダム・ドライヴァーでやっと完成にこぎつけた監督執念の一作。

エンドロールに入る直前「ジャン・ロシュフォールとジョン・ハート(2度目の主演)に捧ぐ」の文言が出た時にはウルっと来ました。
お二人とも今は空の上の御方・・・お二人とも「よう頑張りはったなぁ、ギリアムさん」とか思っておられるのでしょうか。大阪弁じゃなかったとは思いますが。


ドンキホーテ - コピー.JPG

Story
  仕事の意欲を失ったCM監督のトビー(アダム・ドライヴァー)は、スペインの田舎で撮影をしていた際、学生時代に自分が撮った映画『ドン・キホーテを殺した男』のDVDを持つ男と出会う。舞台となった村を訪れたトビーは、かつて主役に抜てきした靴職人の老人ハビエル(ジョナサン・プライス)と再会する。自分を本物の騎士だと信じる老人は、トビーを従者のサンチョだと思い込み、強引にトビーを連れて冒険の旅へと繰り出す。             ※映画情報サイトより転載


 
この監督の映画は7作品ほど?観ているはずですが、ファンタジーを超えたキワモノ的世界というのがイメージとして固いです。
今回も然り。というか、今作は益々のカオス。
「一体何処へ行くの?この物語」と、先が全く読めません。「現実」と思っていたらいつの間にか「夢」の世界で、その「夢」の世界にまた「現実」が立ちはだかって。
同監督の他作品でも感じることですが、テンションが振り切ってて何処かにいっちゃってる感が大いに有り!です。
でも考えてみればそういう狂人的世界こそが原作『ドン・キホーテ』なのですよね。


あくまで自己の物語を生きるドン・キホーテがいて、はるか昔にどこかへ自分の夢を置いてきてしまったトビーがキホーテを追い従う・・・二人の境界がうやむやになっていくみたいに感じるのは、観ている私自身が作品世界に同化して精神が混沌としてしまったからでしょうか。

トビーの「これからの人生」をあるイミ破壊してしまったといえるドン・キホーテ。でもそのハビエルのキホーテを生んだのはトビーであるわけで・・・。
一瞬、「(映画は)善き人々を破壊する」という終盤にあったキホーテの台詞が甦りました。
映画とはそれくらいの破壊力を持つべきとの監督の信念なのか、あるいはそれが監督自身の姿なのかも。そう考えるのは飛躍し過ぎでしょうか。

とにかく、カオスを抜けて辿り着いたラスト。
自分でも全くもって意外でしたけれど、夢を追い続けるって現実を生きる上で哀しいことでもあるのだなぁと思いました。



つなぎやS - コピー.jpg

現実と夢が交錯して分からなくなるのは映画に限ったことじゃありません。
お酒も善き人々を破壊する力を持ってます。私は善き人じゃないですけれど。



posted by ぺろんぱ at 19:49| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記