2020年03月29日

長谷川昭三展     青 の世界でした


明石市立文化博物館に「長谷川昭三展」を観に行きました。
画家・長谷川昭三の画業50周年を記念して、所縁のあった兵庫・明石の地で開催が決まった催しでした。
3月25日から29日までの5日間限定の展覧会でした、無事に開催の運びとなってよかったです。

                 
長谷川昭三展チラシ - コピー.JPG

もともと小規模の企画展でこのところの状況(コロナ禍)も重なってか私が行った時は数名のみの観客でした。
それだけに其々のブース内で時に私一人ということもあって、結果的に氏の作品世界を満喫することができました。

其処はまさしく「青」の世界!
50〜200号の大型の作品が多くその殆どが青を基調として描かれていて、その青がとても美しくて油絵なのに透明感を感じる世界でした。

氏は15歳の時に観たゴーギャン展で感銘を受け直ぐに油絵を始められたそうです。
ご出身は山口県の宇部市ですが大学時代や画家としての時代を千葉や兵庫でも過ごされたようで、明石で阪神淡路大震災を経験されたようです。
その震災の経験が作風に変化をもたらせ2001年以降は「自然と環境、そして人との調和」といったテーマで作品を描かれていますが、当初は静物画、風景画、人物画を中心に描かれていたようです。

その過渡期に当たる1998〜2000年の作品が私にとっては特に印象深く、幾つかの作品の前では長い時間足が止まってしまったものもありました。

mouth… - コピー.jpg
          長谷川昭三《 MOUTH OF RIVER 》2000年   

特に上記に掲載の2000年制作《 MOUTH OF RIVER 》は深い青も美しくノスタルジーを強く掻き立てられる作品で、この作品で画家・長谷川昭三の名がしかと心に刻まれた気がします。
(フラッシュ無しの撮影はOKでしたので一枚だけカメラに収めさせて頂きました)

新たな芸術家氏とその作品に出会えたことを嬉しく思いました。



安 熱燗 - コピー2 - コピー.jpg

今年に入っての、いつだったかの熱燗の画です。

お酒は健康のバロメーターとずっと思ってきましたが、お酒を誰かと交わせることは平和のバロメーターでもあるのだと感じる昨今です。
また心穏やかに乾杯できる日が一日も早く訪れますようにと願います。


 
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2020年03月22日

その後の本、そして春     


遊歩道でお陽さんを浴びながら毛づくろいする野良猫のクロべえ。 勝手に命名、女の子かもしれないのに。 ごめんね。  

くろべえ - コピー.jpg

日ごろは観光客も多く人あしらい??にも馴れているようで近付いても全く動じません。
寛ぎながら「そういえば最近すっかり人が減ったニャ」とか思っているのでしょうか。

この子の世界は長閑で平和です。
しかしこの子たちも常に病気や交通事故や食糧難なんかと闘ってきての今この一瞬の平和なのでしょう。さはさりながら、彼等の平和的な世界を見てるだけで私も少しホッとできましたよ。ありがとうね。ぴかぴか(新しい)



今読んでいる本は以下の二冊です。

『心にナイフをしのばせて』(奥野修司著 文藝春秋)   と  『オウム死刑囚 魂の遍歴 −井上嘉浩 すべての罪はわが身にあり−』(門田隆将著 PHP研究所) です。

心にナイフ - コピー.JPG オウム死刑囚 - コピー.JPG


この二冊の世界は決して長閑で平和とはいきません。

それぞれ被害者側と加害者側の別々の観点からのルポルタージュですが、奥野さんと門田さんの筆致が違うことで両著を平行に読み進めることもできています。
そして両著に通底しているものは同じなものである気がしています。両筆者の方の、“事件、そこにあったもの”に迫りたいとされる強い思いも同じな気がします。

内容は文字の向こうに実在した世界があるわけで、やはり重いです。時に苦しく読んでいます。



            木蓮1 - コピー.jpg   木蓮2 - コピー.jpg

桜の木は蕾がぷっくりと膨らんでいます。
木蓮はもうこぼれんばかりに咲き誇っています。
春なんですね・・・。




                       カルロッタジン1 - コピー.jpg

ジンが呑みたくなって約一年ぶりに訪れたこちらのお店。
早い時間だったからか悪しきvirusの影響か、先客はおられず私一人でした。

長きの無沙汰を詫びてから、マスター氏もご自身でウィスキーの水割りを作っておられたので一緒に乾杯させて頂きました。
ジンの香、やっぱりイイです。


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2020年03月15日

魂でもいいから、そばにいて     遺った心の折り合い 


  図書館がお休みだった期間(コロナV.事情ではなく定例の春期蔵書整理期間として)に立ち寄ったジュンク堂書店で目が合った一冊があって買いました。
『魂でもいいから、そばにいて』(奥野修司著 新潮文庫)です。

「3.11後の被災地で死者を身近に感じる奇譚が語られている」と聞いた著者が、何らかの霊的体験をされた方々に直接会って得た十六の体験談をまとめた書です。2017年に刊行され、今年3月に文庫化されました。
3.11目前の頃で書棚に面陳列されていました。それで“目が合って”しまったのでしょう…恥ずかしながら私は今回の文庫化まで本書を知りませんでした。

タイトルに先ずやられてしまったのです
とにかくプロローグの部分だけでも読みたくてジュンク堂を出た後スタバに陣取ってページを開きました。(ちなみにこの日のスタバは前回より混んでいました)
結局プロローグから第二話まで一気に読んでしまいましたが。

                        魂でも - コピー.jpg   


 東日本大震災の死者・行方不明者 1万8千人余。 「生きていた1万8千人には1万8千通りの物語があったはずだ。遺された人にも 1万8千余の(いやそれ以上の)物語があったはず。」とは著者の言葉です。


遺された人の物語と逝ってしまった人との物語が交わる瞬間はあると思います。
他の人が聞いたら荒唐無稽なことでも、その瞬間を体験した人にとってはその時の感覚や感情は事実なのだと思います。

本書は勿論震災にまつわる死の物語(ドキュメンタリー)ですが、私は震災による死だけではなく、もっともっといろんな、全ての死による別れの物語がそこには含まれている気がしました。もっと言えば 死によるものではない別れ の物語さえもそこにはあるのかもしれない、と。
まだほんの数話しか読めていませんけれど、大切な存在の喪失というのはどういう形であれ似ているのかもしれないなと感じたのです。
本書の中に1万8千人余の物語があるなら、本書を読む全ての人の数だけ其々に 1万8千人余+1(それ以上) の物語があるのだろうと感じながら読み進めています。


人は失った人(もの)の存在を“形成すもの”として見る、感じることで喪失感を少しずつ埋めていくのかもしれません。失くした人(もの)を霊であれ何であれ確かな形として現わすのは他ならぬ遺された人の心なのでしょうね。



                        タツリキ 新しい受け皿 - コピー.jpg

喉も心も清めます。
美酒の有料試飲、オープンエアスペースですがやはり訪れるお客様は減っているそうです。
混んでいない分空気も冴えて気持ちも集中するのか、お酒が注がれた瞬間に香が(いつもより強く)ふわっと感じられたのはちょっとした驚きでしたよ。


奥野修司さんの別の著書をもう一冊読んでみたくなって定例休館が明けたはずの図書館に蔵書確認の電話してみたら、、、定例の休館は終わったものの新型コロナV. 事情で閉館が延期になったらしいです。やっぱりね。
でも返却と新たな予約と受取りには対応してくださるそうでその点はホッとしました(で、新たに予約)。

春なのに・・・。
一日も早い事態の収束を強く願い、祈ります。


posted by ぺろんぱ at 15:08| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記

2020年03月08日

1917 命をかけた伝令     「貧しい彷徨える人」の哀切なメロディー

 
アースシネマズで『1917 命をかけた伝令』(サム・メンデス監督)を観ました。

約180席のシアターで観客は5名のみ。混んでいても不安でしたが、逆にこんなに空いている状況にも今後どうなってゆくのかと更に不安が募りました。


映画(本作)はとにかく見応えあり!の作品。
良い映画の後は暫くボーっとしてしまいがちですが本作も然りでした。(アナタいつもボーっとしてるやんという指摘はスルーさせて頂きます。)


1917チラシ - コピー.JPG

Story
全編ワンカットでつくり上げられた戦争ドラマ。
1917年4月のフランス。ドイツ軍と連合国軍が西部戦線で対峙する中、イギリス軍兵士のスコフィールドとブレイクに、ドイツ軍を追撃しているマッケンジー大佐の部隊に作戦の中止を知らせる命令が下される。部隊の行く先には要塞化されたドイツ軍の陣地と大規模な砲兵隊が待ち構えていた。                ※映画情報サイトより転載


「全編ワンカット映像」との告知に本当にそんなことができるのだろうかと思いましたが、壮絶なミッションを遂行する若き兵士をカメラは張り付くような至近距離でずっと追い続けていました。

過酷な状況でボロボロになってゆく軍服の肩が手を伸ばせば触れられるほどの近さに感じられて。
一瞬たりとも目が離せない、離れない。 早く早く早く。早く彼を進ませてあげてと叫ぶ私(勿論心の中で)。

彼を、と書いたのは途中で二人のうちの一人(ブレイク)が逝ってしまうから、です。
あんなに早くあんな理不尽なことで命断たれてしまうとは・・・。しかし戦争そのものが理不尽なことであるのですものね。
二人だからこそ耐え得るものがあり、一人で(スコフィールド)のあのミッションは肉体的にも精神的にも限界だったはず

戦場とはあんなにも酷いものなのか・・・人間の死体や動物たちの死骸は絶命の瞬間から腐敗が始まるわけで、それもまさに地獄の様相でした。
前線を越えたその先に広がる草原と樹々の花はあんなにも平和的で美しいというのに。


あっさり死んだほうがマシだと思える過酷さの中でひた走ったスコフィールドでしたが、任務を終えた彼にマッケンジー大佐が語った言葉が胸を突きます。

「明日になればまた別の命令が来る。この戦争が終わるのは最後の一人になった時だ。」
果てることのない戦い。個の力ではどうすることもできない大きな怖ろしい力が生まれてしまうんですね。

挿入された、ドイツ軍から身を隠すフランス人女性と名もなき赤ん坊のシーン。
砂漠にほんの一滴したたり落ちた雫のようでした。あの二人が生き延びてくれたことを祈らずにはいられません。


本作、『007 スカイフォール』のサム・メンデス監督最新作で全編ワンカット映像ということ以外、実は出演者情報も事前には全く知りませんでした。
若き兵士を演じた二人、ジョージ・マッケイとディーン=チャールズ・チャップマンには拍手(特にスコフィールドを演じたジョージ・マッケイが素晴らしかった)ですが、名だたる俳優お三方が短い時間ながら要となる役柄でご登場だったことに小さな驚きでした。
コリン・ファース、マーク・ストロング。そして最後にベネディクト・カンバーバッチさんのご登場には歓喜のあまり一瞬動揺してしまいました(笑)。 直ぐ気持ちを立て直して映画に集中しましたけれど。
台詞がグーンと沁みました。



すしてつ - コピー.jpg

いつだったかの小さな集いでの乾杯です。
こんな風に心穏やかに笑顔でお酒を交わせる日々が早く戻ってくるとよいのですけれど。


ところでマッケンジー大佐率いるデヴォンシャー連隊の兵士が劇中で歌っていたあの歌。
ネットで調べてみたらどこかの国の民間伝承歌が原曲らしい「 I AM A POOR WAYFARINGS STRANGER (貧しい彷徨える人) 」という歌のようです。
宗教観の濃い歌詞ですが、どんなに故郷や家族が恋しかったかという切々とした想いが溢れていて忘れられません。
とても美しくそしてとても哀しいメロディーでした。ぴかぴか(新しい)



posted by ぺろんぱ at 17:07| Comment(4) | TrackBack(0) | 日記

2020年03月03日

最近の本のこと     実は必然かもしれない出会いの一冊


トイレットペーパーがどこに行っても売り切れ状態です。
新型コロナV. も怖いけど一斉に拡散するデマも怖い・・・。

路上の猫 - コピー.jpg
小春日和の一日、路上でくつろぐ何処かのおうちの猫。多分ここも彼(彼女)には我が家なんでしょう。かわいい


今年に入って読了したのは以下の本たちです。

『みみずくは黄昏に飛びたつ』(村上春樹×川上未映子 インタヴュー本)
『第一安房列車』(内田百闥)
『スターバックスで普通のコーヒーを頼む人を尊敬する件』(山本ゆり著)
『駅までの道を教えて』(伊集院静著)
『草花たちの静かな誓い』(宮本輝著)
そして今読んでいるのが図書館でやっと順番が廻ってきた(長かったぁ…)『掃除婦のための手引き書』(ルシア・ベルリン著 岸本佐知子訳)です。
其々の本の存在を教えて下さったK子さん、T子さん、Mriちゃん、YURURIさん映画ブログ記事、に改めましてお礼申し上げます、ありがとうございます。ぴかぴか(新しい)

『スターバックスで普通のコーヒーを頼む人を尊敬する件』は初めて訪れた とある古本カフェ で偶然出会った一冊でした。
その時はタイトルを見て「こんな本もあるんだ…」と思っただけでしたが後日図書館で借りて読みました。
読んでみたらハマってしまって(自分よりうんと若い女性に人生を教えられることもあるんだなぁーって)、これの一冊前のエッセイ本?(雑記本??)である『クリームシチュウはご飯に合うか否かなど』も現在図書館で予約中です。(買わんのかい! いえいえ、春樹さんのと百關謳カのとは買うて読みましたよ ^^;)

                  
さて『掃除婦のための手引き書』
死後十年を経て「再発見」された作家ルシア・ベルリンのはじめての邦訳作品集(本書情報サイトより)です。

                   掃除婦の… - コピー.jpg
                ※図書館カウンターにてこそっと撮影


自分の人生をこんなにもドライに書けるなんて・・・と先ずそこにちょっとした衝撃を受けました。
時にからりと笑い飛ばし、時に冷徹に突き放し、時にシニカルに見据える、というような自身の人生描写。

何気ない記憶の鮮やかな断片。
人物たちの台詞やしぐさの一つ一つが活き活きしてて(=かなりリアルで)、わずか2ページに満たない掌作品でさえ一篇のドラマを見るようです。
イメージが瞬間に映像化される感じ。ルシア・ベルリンの激しい起伏の人生と1ミリも嘘が無い自己主張がそこにあって。 邦訳された岸本佐知子さんの翻訳力もきっと大きいのだと感じます。

全24作品の収録。あと4作品で読了です。なんだか出会ったことのないような作品です。
K子さん、ありがとうございました。ぴかぴか(新しい)



                        スタバ春カップ - コピー.jpg

最近の某日、件のスタバにて。
新型コロナV. の影響かランチタイムだったのにガラ空き状態。こちらにはたまにしか来ませんがいつもは空席が無いくらいなのに。あ、でも私も覗いてみて空いていたから入ったのでした、混んでいたらコロナV.怖しで入っていませんでした、、、ごめんなさいスタバさん。

せっかくの桜色のカップなのにねぇ。
あらゆるところに影響が出ています。 どこまで続く? どうなる日本?



posted by ぺろんぱ at 20:46| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記