2022年12月25日

舟を編む ( BS. P 録画鑑賞 )


この一週間、寒かったですねー。
時折り雪も舞って風は肌を刺すように痛くて・・・帰れる家があることや、いろんなことに改めて感謝しないといけないなぁと感じました。

録画していたNHKBSプレミアム12月12日放送の映画『 舟を編む 』( 石井裕也監督 2013年制作 )を観ました。公開時にはスルーしていた映画でした。

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< story >
2012年本屋大賞に輝いた三浦しをんの小説を実写映画化。
玄武書房に勤務する馬締光也(松田龍平)は職場の営業部では変人扱いされていたが、言葉に対する並外れた感性を見込まれ辞書編集部に配属される。新しい辞書「大渡海」の編さんに従事するのは、現代語に強いチャラ男・西岡正志(オダギリジョー)など個性の強いメンツばかり。仲間と共に20数万語に及ぶ言葉の海と格闘するある日、馬締は下宿の大家の孫娘・林香具矢(宮崎あおい)に一目ぼれし……。 ( ※映画情報サイトよりの転載です。)


 終始 穏やかな気持ちで観られた映画でした。
辞書作りにかかわる人たち(その周囲の人たちも含めて)の長きに渡る日々が静かに、時にユーモラスに描かれていました。

紙の「辞書」。
ネットであらゆる言葉が瞬時に説明されてしまう今の便利さの裏で、次元を異にした、ある種‘おごそか’ともいえる世界でその存在を息づかせ続けているのだなぁ。
膨大な作業とそれにかかる時間、常にどこかで生まれている「新語」と、たとえ使われなくなってしまったとしてもその足跡は残しておきたい旧語の存在。辞書作り、そして言葉というものの奥深さを改めて思い知らされました、とても勉強になりました。

この映画、人間の悪意や不幸な(不幸に泣く)人が出てこないところが一つの魅力なのかなと思いました。
主人公の光也は若くして一生を捧げられる仕事に出会え、一生を共にする伴侶にも出会えた(しかも一目惚れ!)。光也は下宿の大家であるタケ(演じるは渡辺美佐子さん)に「若いうちに一生の仕事を見つけて、それだけで幸せなんだから。」と言われていましたがまさにその通りかと。タケの台詞には実に的を射た、含蓄のあるものが多かったです。
光也を取り巻く周囲の人物たちも、皆それぞれにある意味自分を貫き、それが決して悪くはない歩みとなっていました。辞書の完成を見ずに逝った編さん長 松本(演じるは加藤剛さん)にしても、よき人生だったと私には思えます。

1シーン.jpg ※映画サイトより

光也の恋を成就させようと辞書チームの皆がエールを送るシーンは温かくて好もしいですね。( 光也による「恋」の注釈の最後の2行は 私としてはちょっとどうかと思いましたけれど…成就した時って結構もっと複雑なんじゃないのかなぁと… )

描かれていなかった 秘めた側面の顔をちょっと見てみたかったのは、後年に辞書チームに配属されて来た岸辺みどり(演じるは黒木華さん)でしょうか。でもそれが描かれていたら全く違うトーンの映画になりそうですが。
あと、オダジョの彼女役だった池脇千鶴さんはやっぱり上手い女優さんだなぁって思いました、イイですね。

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 街の大通りの植込みがいつの間にか来年の干支の 兎 の葉牡丹に植え替えられていました。
まだいろいろと今年を(今年のアカンかった事々を)引きずっている私にはハッとさせられたことでした。
「あれこれ考えてばっかりおらんと ちゃっちゃと来年に向かわなあかんで!」と言われているようにも感じました。そうですよねぇ・・・。

皆さん どうぞ佳いお年をお迎えください。ぴかぴか(新しい)



posted by ぺろんぱ at 15:42| Comment(4) | TrackBack(0) | 日記

2022年12月11日

3年連用日記、更新の年です 2023


  2023-2015年の11冊目に突入しました。
3年前の10冊目の時と同様、購入したこの日も日曜で、ジュンク堂を出た後 お城北の公園まで歩いて行って買ったばかりの日記帳をパチリとスマホ撮影しました。3年前の時と同じベンチ。

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3年前と違っていたのは、この日は好天ではなく 曇天だったこと。
それ故 散策を楽しむカップルやファミリーは殆ど見受けられず。なのでベンチに何やらを置いて一心に写真を撮っている怪しい女の存在など一顧だにされずに済みました。
あ、それでもちょっと離れた小高い丘でお弁当を広げているファミリーがいらしたっけ…あぁ幸せのかたち、だなぁ。

10冊目の3年間もやはり自分的にはパッとしない、それどころかあまり喜ばしくない流れの中にいたような。世間的に コロナ禍 とういう状況でもあったわけですが、特に今年2022年はなかなかに凹む状況でしたねぇ。映画館へも殆ど足を運べないまま年の瀬を迎えてしまいました。

しかし気を取り直して。
新たなこの一冊には「2023年からの3年間、よろしく」と祈りを捧げ、1ページ目を開く来年元旦まで書棚に置いておきます。
来年こそは頼みます、博文館さん! ← 私の運勢に日記帳製造元は何の責任もございませんが。


無人島のふたり - コピー.jpg

 昨年10月に天に召された山本文緒さんの新たな一冊『 無人島のふたり 』が10月19日に新潮社から刊行され、遅ればせながら買い求めていました。
この本については読み終えてから改めてこのブログで触れてみたいと思っています。

ただ、かなり苦しいです。買ってすぐにページを開きましたが目次の後に記された「6行」を読んでその先を読むのが怖くなってしまい、他の本や地味に勉強しているテキストに逃げて暫くこの本には触れずにいました。でも漸く昨日、怖々ページを繰り始めました。
文緒さんが それでも書かずにはおられなかったのであろうこの闘病記、私も逃げずに読ませて頂こうと思います。


posted by ぺろんぱ at 18:34| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記