秋の清々しさは心地よいものですが、早朝の空気は冷気をはらんできましたね。
寒さが苦手な私には油断のならない季節になってきました。
温か〜いお酒が恋しくなる頃です。熱燗、焼酎のお湯割りに加えて、今年はウィスキーのお湯割りもイイですね。マッサン、エリー、頑張って!
またしても「前回の記事に補足」から始めます。
『五分後の世界』は、延々と続く戦闘シーン(ワカマツ・ライブの暴動シーンも然り)に神経が麻痺しそうでした。俯瞰して捉えるのではない、主人公・小田桐の目に映る全てのモノの存在を凝縮された時と空間に間近に捉え、物質一つ一つの組織・細胞までもが蠢いているかのように、瞬きすることなど一切ないかのように目を凝らし果てしなく執拗に描き続ける文体。
ある種の危険な薬をやる人にはとにかく五感が研ぎ澄まされる瞬間があり、(幻覚・幻聴とは違って)本来見えないものが見えたり一般には聞こえない音域の音まで感知してしまうことが起こりうると何かで読んだことがあるのですが、これを読んでいるとまさに龍さんがそういう状態で書いているのではないかと思ってしまうくらいでした。勿論違いますけれど。
しかしそんな延々たる文章の中に村上龍さんが追い求めているものはたった一つで、それは「国のあり方と人間の生きるべき姿」だったと思います。
あまりに微に入り過ぎて複雑ともとれる文章と比して、それはもうシンプルなまでに混ざりけなく。または圧倒的に迫り来る大きな烈しい世界観に比して、それはもうコンパクトなまでに直接的に。
その政治的思想の是非、或いは賛同できるか否かは別として、地鳴りのように響いてくる文章はパワフルで、読んでいて、人生に迷っている若者が今これを読んだら「よし俺は中東に行って闘おう」とか思ってしまうかもしれないな、と感じたりしました。
政治的思想と書きましたが、以前に読んだ龍さんの幾冊かでは特にそれを感じることはなかったのは何故だろう、、、それに、もう少し追ってみれば違うものも見えてくるかもしれない、、、。
そんな想いで次は『五分後の世界』の続編とされている『ヒュウガ・ウイルス』か、『希望の国のエクソダス』か、トーンを変えて『69 sixty nine 』とか、とにかくその辺りをいってみようかなと思っています。
が、その前にこの一冊に出会ったので今はこちらを読み進めています〜。
前記事にコメントして下さったビイルネンさんのご紹介で『ヒゲのウヰスキー誕生す』(川又一英著・新潮文庫)を今は日々携えています。
(こんな本)
いつの日か、この日本で本物のウイスキーを造る――。大正7年、ひとりの日本人青年が単身スコットランドに渡った。竹鶴政孝、24歳。異国の地で、ウイスキー造りを学ぶ彼は、やがて生涯の伴侶となる女性リタと出会う。周囲の反対を押し切って結婚した二人。竹鶴は度重なる苦難にも負けず夢を追い、リタは夫を支え続けた。“日本のウイスキーの父”の情熱と夫婦の絆を描く。増補新装版。(ブックカバー裏面の解説より転載させて頂きました)
NHK朝ドラ『マッサン』を見ているのでとにかく読める読める、面白いです。
勿論、ドラマとは全く別ものですので、誇張も奇をてらった表現もない正統的な竹鶴氏とリタ夫人の人生譚です。表紙を繰っていきなり現れる竹鶴政孝氏のテイスティング姿の写真には感動に近い想いが沸き起こりました。
過激な小説で脳に鞭打つのはちょっとお休みして、幸せな気分に浸って読みたいと思います。ピイルネンさん、ご紹介くださりありがとうこざいました。
そして今日の一枚はニッカウヰスキーの〈 竹鶴 ピュアモルト〉。マッサンのウイスキーです。
実家帰りの週末、近隣の酒屋さんで買ってきて早速に開栓。
先ずはショットグラスに注いでストレートで。
うん。香はチェリーを思わせる仄かな甘さ。口に含めばその甘みが滑らかに拡がり、喉越しの瞬間には微かなスモーキー感も。まさにハンサム・ウイスキーだと感じました。美味しゅうございました。
秋の夜は深し。
『深夜食堂・3』もいよいよ始まります。

その時に、竹鶴さんとリタさんのお話しを聞いてえらく感動しました。
10年間寝かしたマイウヰスキーが、後3年で送られてきます。
もー楽しみでなりません(笑
余市へのウイスキー造りの旅、なんと贅沢な旅でございましょう。
10年物の「uechicchi さんウイスキー」、それは凄いです!
私なら何があっても3年間、それだけを夢見て耐えられそうです。
イイですね〜(*^_^*)。
ところで、1日1本、晩年には3日で2本ウイスキーを飲んでたっちゅう竹鶴はんの肝臓はすごすぎます。
ーこれが男の健康法ーって、ウィスキーて健康食品やったんですかいな・・。(なんでやねん)
ビイルネンさん、いらっしゃいませ。
お酒「竹鶴」の感想はあくまで開栓直後のワンショット(しかも空腹時)に対してのものですので、このお酒全体像としての表現はビイルネンさんの「さわやかぁと感じた」っていうのが端的で絶妙かと存じます。
私もそういう意味でハンサム・ウィスキーって書きました。
本当に、竹鶴さんの肝臓は驚異の肝臓ですね。
しかも齢・80を迎えて「最近は(3日で)2本にしました」ってそれまでは1日1本空けていたというのだから
凄すぎます。
私も本書を読み終えた日の夜に竹鶴氏の酒量と解説の「若山牧水の毎日一升酒」とに気をよくして(調子に乗って)いつも以上に呑んだら翌日えらい目にあいました。ヘヴィーな二日酔いを久々に体験しました。
トホホのホです。
竹鶴政孝氏の人生、朝ドラきっかけで興味を持った私です。
正直、ドラマの方はウィスキーづくりに直接関係ないエピソードが
延々と続く脚本(笑)に少々ついていけませんが、
この後竹鶴氏はお金儲けよりもあくまでも本物にこだわっていくんじゃないかな〜?
などと予想しながら、ながら見しております。
ドラマと言えば「深夜食堂・3」始まってるんですね。
もう4話も見逃しました。。。明日から録画して見たいと思います!
ドラマは今ちょっとウイスキー作りから外れてしまっていますねぇ。
エリーちゃんが異国の地・日本でどれほど頑張ったかというエピソード連打なのでしょうけれど、そろそろウイスキー作りにシフトしてもらいたいです。
ほんまもんの職人であり続けようとした竹鶴さんとそれを支えた夫人の物語・・・ここはブレれずに、そのうち本筋に戻していってもらいたいです。あ、でも明日からの週もマッサンの郷里・広島でいろいろ騒動もあるみたいですけどね。
深夜食堂・3。
第2話の<豚バラのトマト巻き>は、物語は横において取り敢えず自分で作ってみたいと思う一品でした。(*^-^*)
5話から御一緒に楽しませてください〜。