2006年09月13日

エターナル・サンシャイン モエ・エその後・・・

 
 昨夜は友人がプレゼントしてくれたDVD『エターナル・サンシャイン』(ミシェル・ゴンドリー監督・チャーリー・カウフマン脚本)を観ました。
主演・ジム・キャリーの、オープニングからのシリアスな表情に、「真面目なジムを観るのはこれで2度目だわ」(1作目は『マジェスティック』7月5日付のブログご参照願います)と思いきや、中盤は“変な”ジム・キャリーが炸裂むかっ(怒り)していたので、ある意味“ホッ”としました

さすが、あの変な映画『マルコヴィッチの穴』を書いたチャーリー・カウフマンの脚本です。

story
 ジョエル(ジム・キャリー)は、バレンタインに喧嘩別れした恋人・クレメンタイン(ケイト・ウィンスレット)が自分との思い出を消すために記憶除去手術を受けたことを知り、自分もその手術を試すが・・・・。
エターナル・・・.jpg エターナル・サンシャイン

 劇中の台詞、ニーチェが言ったとかいう「忘却はより良き前進を生む」は、確かにそうだと思います。
私も、忘れるということが人間に与えられた“古傷の自己治癒法”だとは思うのですが、しかしどうなんでしょうね・・・恋人との思い出に関わる全ての事を記憶から抹消してしまうというのは。考えればこの「リセット感覚」、怖いですよね。
しかも、そう破壊的とも言い切れないような痴話喧嘩の果てに“それ”は行われるのです。

そういう意味においては、映画後半になって明かされる、記憶消去会社(そもそもそんなの公式に認められる?)の博士と助手の不倫にまつわる記憶除去のエピソードの方がもの凄いインパクトが有りましたね。極限の精神状態から逃れるための“それ”なら、ある程度の理解は示せます。

まぁしかし、そういう「記憶の人為的消去が倫理的に是か非か」というのが(当然ながら)本作のテーマではありませんモバQ
            E.jpg 1シーン

 記憶を消しても、出逢うべき二人なら、出逢うべくして再会をする・・・記憶を消し去る施術の最中にほんの少しでも後悔の念を抱いた二人なら、以前とは違った二人として出逢えるはず。
「振り返ってごらん、違う見方で」ということなのですね。

エンディングの歌の詞でもあるこの言葉は確かに耳には優しく響きます
しかし、これもまた、どうなんでしょう・・・「一度壊れてしまったものは、(違う形で構築する事は出来ても)決して“元”には戻せない」とうのが私が数少ない経験から得た見解です。

再会した二人は、やがて互いを辛らつな言葉で罵っていた過去を突きつけられることになりますが、それを知った上で、彼等二人のように冬の海辺で嬌声を上げながら雪を掛け合い無邪気に笑うことがあなたには出来ますか?・・・私には多分出来ないと思います、哀しいことだけれど・・・。

ん・・・・ジョエルとクレメインタインがそうする事が出来たのは、先述した通り、やっぱり二人の喧嘩が単なる倦怠のもたらすものだったからなのではないでしょうか。・・・だから彼等には“Eternal(永遠の)”輝きが戻ってきたのですね、きっと

 この映画、中盤の“変てこりん”な箇所が、言わば見せ所なのでしょう。
ジョエルが記憶除去手術の最中、脳の中と現実、過去と現在とを行き来するところは遊び心満載という感じの創り方で、なかなか面白かったです。(鳥を虐殺するシーンはやめて欲しかったですが…。)

そこでの変顔のジョエルはやはりジム・キャリーでないと駄目だったのでしょうね目

ケイト・ウィンスレット『タイタニック』で観て以来その「蝋人形のような美しさ」は変わることなく、私は大好きな女優さんの一人です。今作でも髪の色をカメレオンのように変化させて(その色も一つのキーポイント!)危ない役どころとして頑張っています。
             ケイト.jpg ケイト・ウィンスレット

「なかなか面白い映画だったかな。」とは言えると思います。

 
 さて、前ブログでモエ・エ・シャンドンのことを書きました
先日、仕事の関係で連れて行って頂いたBAR(以前に本ブログでも書いたことのある、レア物ボトルが居並ぶ北新地の<STAG BAR KIMURA>です。
ここは『TO THE BAR』という書でも紹介されている由緒あるお店です。STAG の名ですが今は?女性も入れます。)で、この話をしていたら、マスター氏が「シャンパンじゃないけれどこういうお酒がありますよ。」とモエ・エ・シャンドンのグラッパを饗して下さいました

マスター氏曰く、「ワインの絞りかすを蒸留して作った、いわばワインの焼酎みたいなものですね」。

             モエ・エ・グラッパ.jpg
         写真がちょっとブレててすみませんたらーっ(汗)

グラスにストレートで注がれたそれは、口元に近づけるだけでドライフルーツ、特にドライイチジクを思わせる香が鼻の奥のほうまで立ち上り、確かに元は<ワイン>になるモノだったのだと感じさせてくれます。

含み香も何処となく甘く喉を通った後のシャープ感にも余韻を伴います。
いいです、これ!
その後に別の宴席があるとの事でペースを下げておられたT.M氏を横に、ただ帰るだけの私は遠慮なくいつものペースで飲んでしまいました。すっかりご馳走になってありがとうございましたかわいい


お酒は“Eternal(永遠の)”輝きをもたらせてくれます、私には・・・。バー
posted by ぺろんぱ at 09:47| Comment(0) | TrackBack(1) | 日記
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Excerpt: 「エターナル・サンシャイン」×「マルコヴィッチの穴」 記憶をなくしても、あなたのことを好きになる! だから、きっと、ひとつの暗示で大丈夫☆☆☆ モントーク で 待ち合わせ !! というわけで、「..
Weblog: パペット・モーテル。
Tracked: 2006-09-27 18:44