NHK大河『篤姫』と、関西テレビ連続ドラマ『あしたの、喜多善男〜世界一不運な男の、奇跡の11日間〜』です。・・・でした。
その『あしたの、喜多善男』は、昨日18日(火)に最終回を迎えました。
最終回で生きることを選んでくれた喜多さんを心から嬉しく思うと同時に、来週からもうこのドラマを見ることができないのだと思うととても淋しい気持になります。
このドラマを見るきっかけとなったのは、小日向文世さんが主演(連ドラ初主演)ということで注目していたということもありますが(三谷幸喜さんの舞台劇『12人の優しい日本人』でその役者としての偉才に感嘆!)、タイトルの「喜多」さんという名の、文字の意に反して持つ“どことなく哀しいイメージ”が気になって仕方がなかったということもあります。実際にこの名を持つ人と遠い昔に逢ったことがあるので、それも思い出していました。
***** 『あしたの、喜多善男〜世界一不運な男の、奇跡の11日間〜』
島田雅彦の小説『自由死刑』を原案として、今年1月から3月18日まで関西テレビの企画・制作によりで毎週火曜の夜10時から放送。
主演は連続ドラマ初主演となる小日向文世。脚本は飯田譲治。毎回登場する松田龍平は民放の連続ドラマ初出演である。
唯一の友人の命日でもある11日後に自殺することを決意した中年男が、予期せぬ出来事に遭遇していくヒューマン・サスペンス。
キャッチ・コピーは「人生のクライマックスは、意外とサスペンスに満ちている。」(Wikipediaより) *****
毎回もの哀しいBGMと小日向さんのナレーションによって始まるこのドラマ。
コミカル(生瀬勝久さん、Good!でした)なシーンも多いのに、いつもぐっと胸を締め付けられるような、毎回そんな思いにとらわれてしまうドラマでした。
夜10時ともなれば大抵(いえ、必ず ^_^;)たとえ少量でもお酒は入っていて、ナーバスというかセンチメンタルになってる時間帯だからでしょうか、時には本当に泣いてしまったこともありましたっけ。
サスペンス要素はあっても、これはまさしく「人間の、心のドラマ」でした。
幾つかの謎が解き明かされていく過程は確かにサスペンスタッチで、それはそれでとても興味深かったけれど、それらをどう「喜多善男」という人間の心につなげて結論付けていくのだろうと思っていました。
でも、最終回にそのすべてのメッセージが込められていました。
見ていなかった人には何の事だか分からないと思いますが、静かに深く心を打たれたので、自己満足でここに記します。
奔放に生きていたアイドル・宵町しのぶ(吉高由里子)が、舞台台詞の稽古として読み上げる台本を通して語られた以下の言葉です。
全てではないけれど、覚えられた限りで記します。
人は人を恨み、裁いて罰を与えようとする
人が怒りに従って行動することは実は容易である
人にとって最も困難なことは、他者を許し自分を許すことだ
人は、誰もが心の内に黒いものを抱えている
人を傷付け、罪を犯し、時には悲しみに打ちひしがれる
・・・だが、
本当の愛を手に入れたいなら、他者を、そして自らを許しなさい
この「他者と、自分を、許す」ということが、喜多善男をはじめ、平太(松田龍平)やみずほ(小西真奈美)、りか(栗山千明)、そして喜多さんを取り囲んでいた全ての人たちに与えられた試練だったのですね。
他者を、そして自分自身を、過去を、受け入れるべき今を、未来をも「許す」・・・本当の愛を見つけるために。
失くしてしまったもの(或いは、人)は戻らないけれど、それ以上大切な何かを損うことのない為にも・・・。
最終回はお酒のせいじゃなく、熱い塊りのようなものが心の奥底からこみ上げて来て、じんわりと泣けてきました。
素晴らしいドラマでした。ありがとう。
もしかしたら誰かが映画化を考えてくれるかもしれないと思っています。
その時はやはり、小日向さん主演でお願いしたいです。
最終回を見終えて今、思うこと。
アンドリュー・ワイエスの絵を観たい、Jazz Piano の調べに揺れたい、美味しいカレーが食べたい、きな粉餅もつまんでみたい、そして・・・バーボンの深い香にしたたか酔いたい。
*ワイエス:ドラマのキーとなる絵「クリスティーナの世界」を描いたアメリカの画家
*Jazz Piano :全編を彩るBGM、小曽根真が担当
*カレー:喜多さんの大好物、スパイスが決め手
*きな粉餅:平太さんの大好物、思い出の食べ物
*バーボン:今のぺろんぱの想い


Jazz は小曽根さんのピアノじゃないけど・・・、カレーもきな粉餅も今はないけど・・・、何よりこれってバーボンじゃなくてスコッチなんだけど・・・、全部「許す」ってことで。
ついでに、くつろぐ我が家の猫クンも久々に登場です。

素晴らしいドラマだったようで、全く観てないワタシも
何だか温かい気持ちと(拝読していて)なって参りました。
映画化、実現されるとイイですね。
『真夜中の、喜多善男』・・(←茶化すの、やめん会!) 済みません。。
俺も見ていました☆すごくよかったです!
個性的な役者のよさが発揮されました。
個人的には転々でも短い時間ながらインパクト強かった吉高由里子さんが凄かったです。
思惑ばかりが闊歩する世界で、彼が欲しかった「モノ」は目には見えないし言葉でも分かりづらいけど、確かに心の「塊」のような一種の充実感でしたね。
>これはまさしく「人間の、心のドラマ」
まさに。
久しぶりにいいドラマでした。月9も見てるけど、倍は深い物語です笑
来週で”ちりとてちん”が終わるかと思うとさびしゅうてさびしゅうて・・ちゅう情けない自分ですが・・・。(トホホ)
>思い入れがいっぱい
いえいえ、ちょっと突っ走り過ぎました(^_^;)。やっぱりセンチメンタルタイムに書くと良くないですね。でも心に残るドラマだったことは確かです。
>『真夜中の、喜多善男』・・
クドカンですね!『真夜中の、弥次さん喜多さん』!
さすがはTiM3さん、「茶化し」の質が高いです(^_^)。
あっ、でも私が遠い昔に会ったことのある喜多さんはこの「弥次さん喜多さん」の喜多さんじゃないですよ。(←って、当たり前!)
わぁ、見ていらしたのですね!(^_^)
>個性的な役者のよさが
そうですね。
どの役者さんもその持ち味が活かされてる感じがして魅力的でしたね。
>吉高由里子さんが凄かった
私も『転々』で注目!本作でも異彩を放っていましたね。彼女、よかったです。
拙ブログの役柄のところに彼女の名前を入れていなかったのに気付き、先ほど加筆しておきました。ありがとうございます。
>久しぶりにいいドラマ
個人的には最終回での喜多さんとみずほの別れのシーン、あれ凄くよかったです。
>再放送した暁には録画して
はい、再放送の際には是非に(*^_^*)。
『ちりとてちん』もいよいよ終わってしまうのですねぇ〜。毎週じゃなく毎日見ていたドラマとして、これも久々のヒット作でしたよね〜。
衛星の朝7時30分からの15分は出勤支度よりもこっち優先でした!やはり“ながら見”は出来ませんでしたぁ!来月からあの15分間はどうなるんでしょう・・・(・・・と、遠くを見つめる)。
実は、私も「喜多」さんという知人が居ますが、名前に反して何か寂しげな雰囲気の方です。ぺろんぱさんの言葉をみて思わず同感。
いまさらTVドラマを見ることもできないんで、本の方で楽しんでみようと思います(さっき図書館で予約したら10人待ちだった)。
>最近TVをみることが少なくなった
そうですよね、私もです。
特に連ドラはワンクール観続けるのには結構な覚悟を要すると思います。
>名前に反して何か寂しげな雰囲気の方
そうですか・・・全国の喜多さんは、あのドラマをどうご覧になったのでしょうね。
本は10人待ちですかっ!
凄いですね。無事読了されましたら是非「貴ブログ@本」にご掲載願いたいです(*^_^*)。
このドラマ、見たかったけど
見逃してそれっきりです。
『相棒』は見ていますが。
映画も色々と見ていますよ。
ドラマは一度見逃すとそれっきりになってしまいがちですよね。
『相棒』ですか?スミマセン、見ていないです。
ブログをお持ちなのですね。
一度お邪魔させて頂きます!