2008年03月23日

マイ・ブルーベリー・ナイツ


昨日22日(土)は、ぐっっと春が間近に感じられる陽気の中、ウォン・カーウァイ監督最新作『マイ・ブルーベリー・ナイツ』を観に109シネマズHAT神戸に行ってまいりました。
『恋する惑星』で思いっきり魅せられた同監督の世界。その後『天使の涙』『花様年華』『2046』『愛の神、エロス』と観てきましたが、本作は同監督らしさの漂う“時の瞬間を美しく捉えるスタイリッシュな映像”はそのままに、しかしながら良くも悪くも両面で期待を裏切る作品でした。

story
  香港の名匠ウォン・カーウァイが、アメリカを舞台に描くロードムービー仕立てのラブストーリー。
恋人の心変わりで失恋したエリザベス(ノラ・ジョーンズ)は、元恋人の家の向かいにあるカフェに出入りするようになる。毎晩、ブルーベリーパイを用意してくれるオーナー、ジェレミー(ジュード・ロウ)と話すことで、徐々に慰められていくエリザベス。
しかし、どうしても終わった恋を引きずってしまう彼女は旅に出る決心をする。ゆく先々で彼女は様々な愛の形に出会うが・・・。
(シネマトゥデイより)
※掲載写真はいずれも映画の情報サイトより転載させていただいております。

                ブルーベリー.jpg

  ロードムービー仕立てってことで、舞台はN.Yを始まりとしてテネシー州メンフィス、そしてネバダ州ラスベガスを経てやがてはN.Yへと戻ります。

失恋の痛手から自分を取り戻す旅だったのですが、傷心旅行という一言では片付けられない、意外にもハードボイルドな旅となっていて、メンフィス、ラスベガスでの其々パートの物語がとても力強く光っていました。

メンフィスでは過ぎ去った愛の呪縛から逃れられずに苦しむ夫婦(レイチェル・ワイズとデイヴィッド・ストラザーンが演じる)と出会い、ラスベガスでは父親との確執を持つ人間不信の美しきギャンブラー・レスリー(ナタリー・ポートマン演じる)に出会うという旅でした。

                uxS.jpg        
メンフィスでの物語は、生きること、人を愛することの苦しみが痛々しく描かれていて、それだけを切り取ってレイチェル・ワイズとデイヴィッド・ストラザーンを主演に一遍の映画にして欲しいと思うほどでした。また、ラスベガスでの物語も、ロードムービー的魅力に満ちていて、レスリーの孤独がアメリカという大国の大地に切なくほろ苦く、且つちょっぴり甘酸っぱく描かれていてこちらも秀逸。ナタリーの魅力も輝いていて、其々のファンには堪らない一作かと思います。
                 ブルーベリー2.jpg

それだけに、そこからN.Yのジェレミー(ジュード・ロウ)との恋愛につながる経緯が今ひとつしっくり来なかったですね。
N.Yでの物語もそれ自体は素敵で、ジュード・ロウもワイルドな中に繊細な優しさを見せてくれて「やっぱりこの人はいい!」って思ったのですが・・・、どうなのでしょう、ジェレミーが時折来るエリザベスからの便りに右往左往し、最後は彼女の帰還を信じて待つ姿には彼の変化を等身大で感じることが出来たのに、肝心のエリザベスの「心の変化」や「人間としての成長」みたいなものが余り伝わってこなかったですね。

それから、物語のキーとなってるはずのブルーベリーパイですが、劇中で余り存在感がなくって、第一エリザベスにもうちょっと美味しそうに食べて欲しかったなぁというのが凄く残念なところです。

                uxR.jpg

ただ、ノラ・ジョーンズ初主演ってことで話題性はあるし、豪華と言われているキャストも其々に光っていて、何よりウォン監督の映像世界は堪能できるので一見の価値はあったかなぁと納得させています。
蛇足ながら、私的には、あのブルーベリーパイよりジェレミー(ジュード)が抱えるようにして食べていた、やっぱり売れ残りのあのドームみたいなケーキの方が美味しそうだったです、はい。


 本作品のキャッチ・コピーは「極上のスィーツのようなラヴストーリー」ですが、つい先日、極上のシャンパンをいただく機会がありましたのでここに記させて頂きます。

今月・弥生三月は私の誕生月でもありまして、先の休日に友人二人がシャンパンと苺と手作り料理の数々を持ってお祝いに来てくれました。
そのシャンパンが<ドン・ペリニヨン ヴィンテージ1999>です。
先ずはフレッシュ苺と一緒にドンペリの香と味を楽しみ、その後お料理と共に乾杯の宴。

     ドンペリ宴.jpg   ドンペリ.jpg

やはりシャンパンは晴れの飲み物ですね。拙宅でも白と赤のワインを用意していたのですが、そのどっちも霞んでしまったくらいの堂々の存在感でした。芳しい気品ある香とほのかに残る甘味にすっかり酔いしれてしまいました。

友人Tちゃん、Cちゃん、ありがとう。この一年、佳き年にしたいです・・・が、できるでしょうか・・・果たして・・・(ネガティブ・ぺろんぱ)。


posted by ぺろんぱ at 12:03| Comment(15) | TrackBack(4) | 日記
この記事へのコメント
ジュード・ロゥにとっては『リプリー』『コールドマウンテン』『こわれゆく世界の中で』における起用で

忘れることの出来ない監督、アンソニー・ミンゲラ氏の
死去が発表されましたね。

遺作の『こわれゆく・・』は未見なので、またしんみりと鑑賞したいです。合掌。

※記事と関係なくて恐縮です、、
Posted by TiM3 at 2008年03月23日 12:47
TiM3さん、こんにちは。

>※記事と関係なくて恐縮です、、
とんでもないです!
大歓迎です、いつもありがとうございます!

アンソニー・ミンゲラ監督。
私も訃報を知って、少ないながら観た作品(『ヘヴン』は製作として参加。『リプリー』は監督として。ただし後者は劇場鑑賞ではありませんでした。)を思い出していました。
仰る通り、ジュード・ロウはたくさんの作品でミンゲラ監督と関わっているのですね。

>遺作の『こわれゆく・・』は未見

私もです。
でも確かこれから日本で公開される新作『つぐない』という映画がミンゲラ監督のものかと・・・。とても佳き作品のようですよ。


Posted by ぺろんぱ at 2008年03月23日 15:27
TiM3さん、ごめんなさい!
訂正です。『つぐない』には俳優として参加されていたようです。
何事もちゃんと事前に確認しないといけませんね、、、お詫びして訂正いたします。
Posted by ぺろんぱ at 2008年03月23日 16:12
こんにちは。
弥生はぺろんぱ様のお誕生日の月でしたね。
お誕生日おめでとうございます。

シャンパンは本当に「ハレ」のお酒ですね。
佳きことの多い年であることをお祈りします!
Posted by oblio at 2008年03月24日 12:52
oblioさま、こんばんは。
ありがとうございます。佳き年にしたいです!

これからの季節、お酒もコートを脱いだ“軽くスキップ”するようなのが飲みたくなるかもしれませんね。・・・こう書きつつ、どぉんと重たいのばっかり飲んでる私かもしれませんが・・・^^;。今後とヨロシクです。
Posted by ぺろんぱ at 2008年03月24日 19:33
あ! お誕生月でしたね。

おめでとうございます!

『つぐない』・・と耳にして(?) つい吉本ばなな女史を連想してしまいましたが・・

そっちは『つぐみ』でした。

って、ぜんぜん関係ないやんか!(⌒〜⌒ι)

※キーラ・ナイトレイさん、『ラヴ・アクチュアリー』『キング・アーサー』以来、そんなに縁がないですねぇ・・
Posted by TiM3 at 2008年03月25日 07:54
TiM3さん、ありがとうございます。

『つぐない』のキーラさんも相変わらず美しいようですよ。あの頬下のシャープな陰影が・・・。
でも私も最近はパイレーツでのキーラさんでしょうか・・・、『シルク』も未見ですし。
Posted by ぺろんぱ at 2008年03月25日 20:27
はろはろ、しげぞうでございます。

この映画、ノラ・ジョーンズが初主演
ですのでちょっとだけ興味があります。
Posted by しげぞう at 2008年03月26日 05:36
しげぞう様、はろです。
ノラ・ジョーンズは、パイを食べてるシルエットとチラシにもなってる寝顔がとっても可愛く且つ美しかったですよ。
「ちょっとだけ興味」とのことですが、機会がございましたら是非!(*^_^*)
Posted by ぺろんぱ at 2008年03月27日 20:31
ぺろんぱさん、こんばんは♪
ブログ2周年、おめでとうございます。
そして弥生3月・・
お誕生日おめでとうございます☆
フレッシュ苺とドンペリなんて、映画の様で羨ましい!!
素敵なご友人ですね〜(*^^*)

遅ればせながら、ようやく観ました。
同じ感想でニヤリとしてしまいましたよ(笑)
私もブルベリーパイよりジュードのケーキの方が美味しそうで・・
そして脇の俳優陣の圧倒的な存在感が光ってましたね。
其々のパートで短編映画を作れそうでした。

「シネマで乾杯!」、これからも楽しみにしています(^o^)丿
Posted by Any at 2008年03月29日 22:44
Anyさん、ようこそです。
お祝いのお言葉、ありがとうございます!
はい、苺とシャンパンの香の融合・・・映画を真似て気分は(気分だけ)ビバリーヒルズ!?でした。良き友人に感謝です。

この映画、ご覧になられたのですね!
そうです、パートパートの俳優陣、光ってましたよね!あっ、勿論ジュードもワイルド且つ繊細な感じが素敵でしたね。
ジュードさん、もうすぐ新作『スルース』も封切られますがどうしようか迷ってます。そんなに飛びきりのファンでもなかったのですが、なんだか観てしまうかも・・・の今です。

こちらこそ、今後ともどうぞ宜しくお願い致します!
Posted by ぺろんぱ at 2008年03月30日 17:31
こんばんは、ぺろんぱさん♪
ブログ2周年★おめでとうございます!
そして、
お誕生日★(^^)/▽☆▽\(^^) オメデトウございます♪〜☆
ドンペリでお祝いなんて、もぅ〜羨ましいです!

ドンペリで乾杯ときいて、途端にブルーベリー・パイがどこかへいちゃいました(笑)
この作品、なんだか勿体なかったというのが正直な感想です。
メンフィス編では、あんなに露骨に"立ち直れない男"という格好の鑑を貰えたのに
ノラの表情から伝わる事がなかったです・・・
ジュードの存在感がなければ、どうなってたのか、、
脇役陣との実力の差がバランスの悪さだったのかなぁ。。。

「スルース」のジュードの方が実は楽しみです(^^)/
Posted by kira at 2008年03月30日 19:29
Kiraさん、ようこそです。
そしてお祝いのお言葉、ありがとうございます!
ドンペリは本当に友人に感謝の一言です。

ノラ・ジョーンズはキュートで魅力的でシルエットも美しかったけれど、私としてもkiraさんのおっしゃる通り「残念感」が残りました。
スルース!そうですか、kiraさんはご覧になるご予定なのですね・・・なんか私も心が動いてきました(*^_^*)。
Posted by ぺろんぱ at 2008年03月30日 19:46
ぺろんぱさん、遅ればせながら「お誕生日おめでとうございます!」
3月生まれという事は魚座ですか? それともお羊座でしょうか?! 
シャンパンと苺の組み合わせは私、人生で未だ経験しておりません。
うらやますぃーです。
そうそう、やっぱり映画の中でノラの食べっぷりはイケてませんでしたよねー。
食べ方はともかく、映画の中でのエリザベス(ノラ・ジョーンズ)はあくまでも、
周りの登場人物を浮き彫りにする役割の様に私的には感じました。
監督はあえて、エリザベスをそういう役柄に設定してるのかなぁという印象で。
印象的だったのは、なんだか過去にこんな事があったのかなぁと想像させる
ジェレミーのエピソードです。
この映画で今迄あんまり好きじゃなかったジュード・ロウの好感度
アップ↑しまくりましたよ。(=^_^=)
Posted by ゆるり at 2008年04月03日 23:03
ゆるりさん、こんばんは。
牡羊座のぺろんぱです。

ジェレミー・・・本作でのジュードは私も好感度・大でした(^_^)。
色男??的役柄よりこっちの方が実は合ってるんじゃないかとも思えたりしました。
エリザベスはなんかもうちょっとインパクトが欲しかった気がします。でもラストのキスシーンは画的にとっても素敵でしたね(*^_^*)。

お誕生日のお祝いのお言葉も、ありがとうございました(*^_^*)。
今後ともどうぞ宜しくお願い致します!


Posted by ぺろんぱ at 2008年04月04日 20:31
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