昨日24日(月曜)で、このブログも3年目に突入いたしました。
時々読んで頂いている方々は勿論のこと、一度でもお越し下さった方々、本当にありがとうございます。
これからもどうぞ宜しくお願い申し上げます。
先日入手し、ちょうど読み終えた本がありますのでちょこっとだけ記します。
春樹ファンの私としては入手が遅かったでしょうか・・・『村上ソングス』(中央公論新社)です。
これは村上春樹さんが個人的に思い入れのある曲の詩を訳し、その歌・曲に込められた作詞・作曲者の想いや春樹さん自身の思い入れを綴った、謂わば「音楽エッセイ」のようなものです。
掲載の全29曲のうち2曲はイラストレーターの和田誠さんによる訳詩とエッセイで、全編を通して和田誠さんの挿絵が彩りを添えている、とても素敵な本です。

本と、そのカバーケース
静かな夜に、大好きなお酒を飲みながらページをめくりめくり・・・・。
残念ながら掲載のすべての曲を私が知っていたわけではありませんが(むしろ知らない曲の方が断然多かったです)、訳詩が“ことば”として心に響いてくるものがあってしみじみと味わうことのできた内容です。英語の原詩も載せられているから春樹さん独自の「訳し方の妙」のようなものを感じることもできで楽しめました。
前書きで春樹自身が語っているように、本当は「その曲を実際に聴きながら一つ一つ」読むことができたらもっとよかったのでしょうけれど・・・。
ページをめくっていると、取り上げられている歌や曲と何がしかの映画がリンクする件りが頻繁に見受けられます。
映画の主題曲として作られたものであったり、挿入歌として使われていたり、登場人物が口ずさんでいる歌であったり、或いは単にイメージ的に想起させるものがある曲として・・・・。
春樹さんは、(たとえ誰かがそれを口ずさむだけのシーンであっても)音楽ひとつで「映画のもつ味わいががらりと変わってしまうこともある」と述べておられます。
確かにそうですね。
だから映画を観るときは、音楽だって絵だって、例えば登場人物が手にしている本だって何だって、この世に存在するあらゆる芸術作品により多く接してきた人の方が、おそらくはずっとずっと、より深くその映画を楽しむことができるのだろうなぁと半ば羨ましく思う私です。(且つ、やはり春樹さんは深く、層の厚い人だとあらためて惹かれゆく私。)
私なんて映画を観たっていつも表面的なところしかなぞれていないのだろうなぁと、知らないモノ・知らないコトが多すぎるなぁと、この本を読んでいると落ち込んできたりすることもありました。
あぁしかし、三年目に突入後の記事としてネガティヴ・ぺろんぱはいけませんね・・・浮上!
この本はまた折に触れて読み返すことになりそうです。
例えば、その歌を聴く機会があった時なんかにね。
どの曲に付されたエッセイも(そして和田さんの文章も)素敵ですが、ちょっと心にコツンと当たってきた感じの件りを三つ、記しておきます。
ある時には百万言を費やすよりも、正論を並べるよりも、
一曲の感傷的なポップソングがり強く僕らの心をつく。
僕にとっては「ガルヴェストン」がそんな一曲だ。
<「Galveston」の曲紹介頁より抜粋>
たしかに僕はいろんなものを失ってきたけれど、失って
きたものの記憶が、今となっては逆に僕という人間を
底から温めてくれている。
若い時にはそんなことが起こるなんて想像もしなかった
のだが。
優れた音楽はいろんなことを「音楽的に」考えさせてくれる。
<「The Days Of Wine And Roses」の曲紹介頁より抜粋>
それはもう幻想の世界だ。そんなものはもうどこにも存在
しない。
しかし彼が見つけた恋人は彼をもう一度そんな世界に連れ
戻してくれる。
(中略)そう、人はつねにおとぎ話が必要なのだ。
リアリティーなんて、いつだってつまらないものなのだから。
<「Disney Girls(1957)」の曲紹介頁より抜粋>

「The Days Of Wine And Roses」のペーを前に
今夜は先日買ったバーボンで。
ソーダで割ってるんじゃないけれど、ちょっとレモンを添えてみました。バーボンを飲む時、私はごくたまにこうして飲むのですが・・・邪道でしょうか。
と毎年(?)騒がれてるあのしとですね(・ω・)
『ノルウェイ〜』『国境の西〜』ぐらいしか
読んだことないですが、確かにスタイリッシュで多作でしたたか(←失礼)な感じはありますね。
確かに『トニー滝谷』は素晴らしかったです。
特に音楽が映像に及ぼすあの絡み方・・すさまじい!
(まぁ作曲があの方ですから・・)
ちょっと何処かでかじり読んだのが『夜のりすざる(くもざる?)』
と言う短編でした。
作家の邪魔をするさるが出て来るんですが、何となくトリッピーでドラッギーな執筆風景が目に浮かびました。。
ああ、あまり記事に絡めてなくて済みません。
3年目入りおめでとうございます
私は自分のblogをお休みして1ケ月が経ちました
近いうちに再開をしたいと思っています
ネタは在庫が膨れ上がっています。
そうなのです、「いつかは取る人」と思いつつも、純粋に春樹作品に与えられる賞というより作家としての偉大な功績?に与えられるようなものなので、いざ受賞となっても嬉しいような、何か違うステージに立ってしまうようで淋しいような・・・。
でも、あげるなら早くあげて下さい!!
(・・・と、遠いどこかの人達に訴える・・・)
>多作でしたたか
“したたか”・・・ですか?^^;
でもある意味言えてるかも。感じ方はいろいろですしね。
私としては『ノルウェー・・・』直前の『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』を是非ご一読願いたいです。(^_^)
>『トニー滝谷』は素晴らしかった
はい(*^_^*)。
あの映画は小説の世界をかなり大切になぞってくれていたように感じました。
それから、「音楽」は春樹さんの小説には存在大です。
>『夜のりすざる(くもざる?)』
はい、『夜のくもざる』です。
ああいう世界もあって、“魂の深淵を抉る”作品もある・・・のですね。
『・・・くもざる』は安西水丸さんのイラストが素敵でしたね。
>あまり記事に絡めてなくて
とんでもないです!
「春樹小説」にしっかり絡めて下さってて嬉しいです!ありがとうございます!
貴ブログにお邪魔しては日付が変わっていないことに、実は心配いたしておりました。・・・が、再会される由、何よりです!
>ネタは在庫が膨れ上がって
グルマンのkbow様ですもの、そうでしょうそうでしょう!
どんどん披露していって下さいね!
PCの前でお腹を空かせて待っております(^_^)。
3月25日の思い出といいますと、その昔、
「めがね」の舞台挨拶で梅田ガーデンシネマにいた記憶があります。
どうぞ、これからもよろしくおねがいします!
ありがとうございます、ぢもとさんはじめ、読んで下さっている方々のお蔭です。
>「めがね」の舞台挨拶で
おぉ!それはもしや、ぢもとさんがオモシロ眼がねで主演の小林さん他、出演者の人達の注目を集めたという「あの日」ですね!あの記事は楽しく読ませて頂きました(*^_^*)。
こちらこそ、これからもどうぞ宜しくお願い致します!
私も大体同じ頃に映画のブログを始めましたので、映画のブログとしては同級生です。ペロンパさんのようにお酒と一緒のこんな惹かれるブログとっても気に入っていますし、これを拝見して自分で観る映画を決めたりしていますので、これからも色々ネタ振りお願いします。
PS 春樹ファンのぺろんぱさんが気に入ったこの本、私も機会があれば読んでみます。
コメントとお祝いのお言葉、ありがとうございます。
そうですね(*^_^*)・・・ブログの同級生として今後とも拙ブログに宜しくお付き合い願います!
私の映画の感想はかなり“ネタバレ”になってしまっているので、読んで下さっている皆さんにはいつも申し訳ないなぁと思っています。これからは「これから観に行くつもり」の人の為にあんまり“浜村純さん”にならぬよう、気をつけますね。
愛する春樹小説もあわせまして、今後ともどうぞヨロシクお願い致します。
図書館で借りたのですが、手元に欲しい本ですね。
PS トラバさせていただきました。
ってか、日付でいったら、ぺろんぱさんの二周年、三年目とつにゅーの方が早かったというのに、遅くなりましてごめんなさい。
三年目突入、おめでとうございます。
マイペースでこれからもがんばってくださいねー。
そして、春樹ファンだというのに、この本のことはちゃんと認識してなかったかもです。
ぜひぜひ読んでみたいですー。
お読みになられたのですね、こちらこそありがとうございます。(ハルキストとして(*^_^*))
本というのは本編の内容は勿論ですが装丁も楽しめる重要要素ですよね。この本も中々素敵です。
TBも感謝です。
貴ブログ「@本」も、楽しみに拝読させて頂いております。
お祝いのお言葉、ありがとうございます。
かえるさんのブログを仰ぎ見て(*^_^*)、これからも頑張ります。
春樹さんは(他の作家さんもそうなのかもしれないけれど)知らない間に気付いたら(訳書にしろエッセイにしろ)何か新しいものが書店に並んでいた・・・ってこと、ありますよね。
この本の存在も友人に教えてもらいました。かえるさんも機会がございましたら是非・・・!