2006年10月01日

レディー・イン・ザ・ウォーター …浄化

 9月最後の週末の30日(土)M.ナイト・シャマラン監督の『レディー・イン・ザ・ウォーター』109シネマズHAT神戸映画観に行きました。

この映画館はいいですよ
まだ新しくて認知されていないせいか、交通の便がいま一つ良くないせいか、どんなにメジャー作品であろうと、封切初日であろうと、大型連休中であろうと、上映時間前に滑り込みさえすれば座って観られます

エグゼクティブシートやカップルシートも用意されていますが、そんなの必要ありません。観客はまばらなので隣に人が座ったためしが無いからいつでもゆっくり気分ですし、カップルの方々は適当に目立たない席へ移動して“仲良く”観る事ができます。余りに静か過ぎてお喋りする人さえいません「広〜いプライベートシアターいす」と化すこともあります。

・・・・・あっひらめき、言っときますけど私、褒めてるんですよ
つぶれない程度に維持していって欲しいです。頑張って下さい

story
 アパートの管理人クリーブランド(ポール・ジアマッティ)は、トイレの修理、害虫の退治など、日々の雑事に明け暮れていた。
そんなある日、何者かが毎夜アパートのプールで泳いでいることに気付いたクリーブランドは、ついその正体を突き止めるが、それはストーリー(ブライス・ダラス・ハワード)と名乗る謎めいた娘だった。

             20060908002fl00002viewrsz150x.jpg  (シネマトゥデイより)
             
 私、やぱっぱりこの監督は好きです。

今作はドンデン返しもなければ込み入ったストーリートリックもありませんでしたから、その点で期待はずれだった人は酷評すらする人がいるかもしれませんが、私はこの直球勝負は監督に軍配「いい映画をありがとう」と言いたい思いで劇場を出ました。

この人の映画には啓示が満ちています
「人は誰でも目的を持って生まれてくる。それを見つけるのが難しいだけだ。」とか、
「人は皆“孤独だ”と嘆くけれど、でも本当は、皆どこかで繋がっている。」とか。

アパートの住人は皆どこかパラノイア的変人ばかり。けれどちょっと違った見方をすれば、皆何がしかの役割を担って「そこに居る」のです。
強盗に妻子を殺された過去を持ち、世捨て人のように生きるクリーブランドでさえ、実はストーリーを救う重要な役割を持った人だったのです。
             324329thumb005.jpg 
皆、その「存在」に意味がある・・・。皆、其々に出来ることがる・・・。
そんなメッセージを、自らもキーパーソンとして出演しているナイト・シャマラン監督の、あの大きくて深い瞳の奥から感じることが出来ました。

ストーリーを救ったクリーブランドやアパートの住人達も、実は逆にストーリーに救われもしていたのですね。ストーリーの存在にもやはり大きな意味があったわけです。

ストーリーを抱くクリーブランドが、封印していた自らの過去を解き放ち、「お前達を救いたかった・・・お前達を愛している!」と号泣するシーンは、私も泣きました・・・・・魂の浄化、です。

揺れる水面に映るクリーブランドを水中からのカメラ視点で幻想的に捉えてエンディング。
“おとぎ話”を“おとぎ話”として終わらせてくれました。こういう作品を作れる監督を、やっぱり私は「好きだな」と思いました。

ポール・ジアマッティは『サイドウェイ』の時より数段良かったと思えたし、ブライス・ダラス・ハワードはその色彩の薄い瞳や髪やらが醸し出すユニセックスな雰囲気がニンフにはぴったりでした。
「どーにもこーにも」の『シックスセンス』(前回ブログ御参照)も勇気を振り絞って観てみようかしら・・・。

 さあ、魂の浄化の後は体内浄化
美しいアルコールで体内を清めましょう

映画館のある地から一駅・・・刀屋さんにての“お清め”の儀、です。
   紅葉姫.JPG     オリーブ.JPG
     
その名も美しい<紅葉姫(特別純米・冷おろし)>は京都のお酒です。メニューボードに「今年は夏が暑かったため、秋の上がりも早いようです。」とマスター氏の控えめな文字で書き添えられていました。
名前のイメージに反して、しっかりしたマッタリ感のあるお酒でした。
添えられた一皿はマスター氏の新作<いろいろオリーブのアンチョビ和え>です。
アンチョビの辛さとオリーブとバジルの香りをオリーブオイルが“まあるく”包んでくれていい感じでした。日本酒にも有り!ですね。
          御湖鶴.JPG ラベルはシックな深緑色

二杯目の冷おろし<御湖鶴(みこつる)・純米吟醸>は、口に含んで思わず「発泡性の無いシャンパンみたい!」と口走ってしまったほどの華やかな香が爽やかに感じられる美酒でした。

まさに体内浄化。
流れる水に“水の精”口に含む水には“お酒の精”
それらに清められて今朝は爽やかなはずなのに・・・。

posted by ぺろんぱ at 09:03| Comment(4) | TrackBack(1) | 日記
この記事へのコメント
ぺろんぱさん、私のblogにお越し頂き有難うございました。
私もペロンパさんほどではないですが、結構映画を観にいっています。
先ほどは、仕事の合間を利用して「カポーティ」をガーデンシネマへいってました。
それにしても、御湖鶴ってお酒きになります。
ps.もう直ぐ「豚玉」10周年です。
Posted by 冨鶴 高 at 2006年10月03日 15:28
冨鶴さん、こんにちは。
カポーティー、フィリップ・シーモア・ホフマンいいですよね。
これから貴ブログにも時々お邪魔させて頂きます。
御湖鶴は、まったりとした紅葉姫の後に飲んだから特にそう感じたのかもしれませんが確かに綺麗なお酒でしたよ。トミーさんのお名前ともちょっと似てますね。
豚玉!そうなんですよね、10周年!
近いうちに行こうと思ってます。
Posted by ぺろんぱ at 2006年10月04日 09:43
お久しぶりで御座います。
今週からめがねやさんはおでんが登場しました。
さて、色とりどりのものはいったい何?と思いしや、「いろいろオリーブのアンチョビ添え」なんですね。さぞヘルシーに酔いがまわると推察申し上げます。カラスミがイタリアンへ進出した逆パターンですね。
Posted by kbow at 2006年10月05日 17:14
Kbowさん、こんばんは。
めがねやさん・・・是非おでんを食べに行きたいです。
>カラスミがイタリアンへ進出した逆 パターンですね。
おぉ!なるほど!それですね!
オリーブ&アンチョビは自分でも作れそうで早速試してみるつもりです。
Posted by ぺろんぱ at 2006年10月05日 20:47
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/1361388
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

この記事へのトラックバック

映画「レディ・イン・ザ・ウォーター」
Excerpt: 原題:Lady in the Water ちょっぴり怖くて、ちょっぴりセクシーにして、ちょっぴりハートウォームな、不思議な物語のファンタジー、・・あの『サイドウェイ』 と『ヴィレッジ』 を思..
Weblog: 茸茶の想い ∞ ?祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり?
Tracked: 2007-04-08 00:32