今日は所用で朝から遠方へ出かけており、PCに向かうのが遅くなってしまいました。
外出先からの帰り際に雨が降り出し、電車に乗る頃にはすっかり雨色の景色となりました。帰りのJRの車窓から見えた海景色は、空も海も灰色に染まって、遥か遠くの水平線をぼんやりと曖昧にしていました。夕暮れに見るそんな景色は、ひどく所在無い気分にさせるものですね。
さて、昨日(12日・土曜)はテアトル梅田にて『スルース』(ケネス・ブラナー監督)を鑑賞。(私的に)段々と注目しかけているジュード・ロウの最新公開作品です。
アンドリュー(マイケル・ケイン)とマイロ(ジュード・ロウ)との対決に、重鎮俳優マイケル・ケインと人気俳優ジュード・ロウの役者対決が重なり・・・。

story
1972年の傑作ミステリー映画『探偵<スルース>』を、イギリスの名匠ケネス・ブラナーがリメーク。
豪華な屋敷を舞台に、初老の推理小説家と彼の妻の若き浮気相手による心理戦が繰り広げられる。オリジナル版で浮気相手を演じたマイケル・ケインが小説家を、浮気相手をジュード・ロウが熱演。脚本はノーベル文学賞作家のハロルド・ピンターが手掛けている。
ロンドン郊外の邸宅に住むベストセラー推理小説家ワイク(マイケル・ケイン)の元に、彼の妻の愛人ティンドル(ジュード・ロウ)がやって来る。「奥さんとの離婚に合意してほしい」と言うティンドルに、ワイクはあることを提案。それは、ワイクが所有する高価なネックレスをティンドルに盗み出してほしいというものだった。(シネマトゥデイより)
※掲載写真は全て映画情報サイトより転載させて頂いております。
言葉の応酬と「心理作戦による駆け引き」と思いきや、意外に“大仕掛け”?のトリックでした。
そういう意味では「クライマックス有り」の一、二回戦?に比して、「ノー・クライマックス」的だった最終戦?が最も心理戦であったと言えると思います。
「クライマックス有り」の展開についても、“そこ”に導かれるまでの“熟考”と“下ごしらえ”を想像してしまうと幾分白けてしまうので、そこは出された“お料理(結果)”だけを堪能したいといったところでしょうか。

マイケル・ケインはさすがの名演。
ジュード・ロウも、若さと美貌だけが先に立つ不甲斐ないキャラから妖気と狂気をまとって曲者キャラに変貌していくところなど、とても見せてくれます。
二人の「目」による演技が素晴らしいです。
前回の鑑賞作『悲しみが乾くまで』に続いて本作でも「目のアップ」がかなり緊迫感を高めてくれていたと思います。
カメラワークは心ニクイ面白さ。
全体を通しては、トーンはダークながら時折ビビットなカラーが彩りを見せ、映像は妖しく美しいものでした。

じゃあストーリーはどうなのでしょう・・・。
原作がどうなのかはわかりませんが、私としては最終戦?のくだりはもう少し深く長く濃く描いてほしかったです。最終戦がいわばキーのはずなのに、ちょっと急ぎ足的な感じを受けてしまいました。「虚」と「実」の間を観る者にもっと行き来させてほしかったし、虚にしても実にしても、もっとワイクの「苦悩」が伺えても良かったのになぁと思いました。
二人が取り合っている女性が一度も“実像”としてスクリーンに顔を出さないのは観る者の想像をかき立てて面白かったですね。(まあ、女性を巡る争いというより、あれは男と男の、一人の人間と人間の、意地とプライドをかけた戦いなのですけどね。)
「驚きの・・・」とか言われているラストは十分想定される範囲のもので、突然の「音」以外には何も驚くものはありません。
意外性はありませんが“潔い幕の下ろし方”だったと言えますね。その後で「愚かさ」と「哀しみ」がじんわりと漂い、なかなか良かったのではないでしょうか。

美しいシーンの一つ、ラストでジュードがまとうコートは凄くカッコいい!です。
そしてそのコートを、裾を翻らせながら体にまとうジュードがまた凄くカッコいい!
It's so cool ! です。
さてさて

私も先日 Bar W.Wで、夏場にはまだちょっと早いけれど「Barでいただく今年の」ジン・デヴューを飾らせてもらいました。
引き続き、今度は北新地サンボアBarにてまたもやジンのロック(今度はジンライムで)をいただきました。
よく見てみるとジンライムにすると全く無色ではなくなりますよね、この微かに微かに白濁したようなアンニュイな色合いがいいですよね。

私もマイロほどではないけれど、ハードボイルド並みのピッチでガラスを空けました。ご馳走様でした。
ふぅ〜。
それにしても、肝心のヒロインが一度も登場しない演出は「お約束」だとしてもクールですよね。
ジュード氏は、だんだん生え際の変化してるのんが、同性としては直視できない辛さを与えてくれますが・・
『ガタカ』や『リプリー』における鮮烈なキャラ像を超えてくれてるのでしょうかね(・ω・)
追記:ウィキでマイケル・ケインの出演作を調べたら・・
何とオリジナル版『アルフィー』で主演してるんですね! ジュードとの妙な縁を感じました☆
ジュードさんの生え際ですか・・・
本作ではカバーされていましたが、インタヴュー時の画では堂々と披露しておられましたよ。(^_^)
>『ガタカ』や『リプリー』における鮮烈なキャラ像を超えて
ガタカは未見ですが、『リプリー』に関してはどうでしょう。
「華麗さと妖しさ」に凶暴性が加味されている点においては超えている?のでしょうか。
>オリジナル版『アルフィー』で
そうなのですか!
じゃあこの『スルース』のみならず『アルフィー』(私は未見)でも新旧で同役を演じておられたのですね!
それは確かに「縁」ですね(*^_^*)。
あれ〜?昨日コメントしたはずが、、弾かれちゃったのかな?
たぶん、最終ステージは、色々詰め込みすぎて
ヘンな方向にいっちゃったのがこの争いの結末としてはちょっと
納得できにくかったです・・・みたいなこと書いたかも^^;
マイケル・ケインとジュードって、なんか同じ匂いがします。
30数年たてば、ジュードもマイケルみたいになるかしら(笑)
昨日コメントくださっていたのですか!?
どうなってしまったのでしょう・・・こちらの不具合ならごめんなさい!!
最終ステージ・・・そうなのですよね。
オリジナル版もこんな顛末だったのでしょうか。そしてあれは虚か実か・・・虚実が半々とみていますが、そのへんの掘り下げが今一つ足らなかったように私には感じられました。
>マイケル・ケインとジュードって、なんか同じ匂いが
なるほど、ですね。
ジュードが今回マイケル・ケインに出演を熱烈オファーしたのも、そういう匂いを(もしかしたら)ジュード自身も感じていたのかもしれませんね。
今はお酒を飲めない身、今夜はハプスブルグ家御用達発砲水BORSECを呑んでブログを読ませて頂いています。
>私の以前の職場はあの近くで
そうなのですか!
北新地サンボアには何度か行ったことがありますので、もしかしたらニアミスがあったかもしれませんね。
北新地サンボアから歩いて6〜7分のところにある堂島サンボアBarも、中々いい雰囲気ですよ。
でもお酒を止めておられるのにこんな話でごめんなさい(>_<)です。
BORSEC! ハプスブルグ家御用達!!
私も皇妃エリザベートになった気分で(気分だけ^^;)、そのスパークリングウォーターをいただいてみたいです。(*^_^*)
そうなんですよー。第3ラウンド(?)の所がもうちょっと納得いく感じだったら
よかったんですけど。
あのあたりの心理的な駆け引きにちょっと不満が残ってしまいました。
なんだかスタイリッシュな映画でしたねー。
>ラストでジュードがまとうコートは凄くカッコいい!です
ほっんと、あのコート欲しくなりました。
好みど真ん中です。
ジュードは性別を超えた(そういうシーンでしたしねぇ)美しさだったので
女としてちょっと嫉妬してしまいました。
ちょっと第三ラウンドは急ぎすぎた感がありますね。舞台劇と考えれば納得もいくのですが、映画としてはもう少し深く執拗に??掘り下げてもらいたかったです。
>ジュードは性別を超えた
そうあんですよね!
あのコートをまとうシーンは妖しくも美しいです(*^_^*)。謂わば人間の「総合芸術的美」ですよね。羨ましい・・・。()