この映画がやってくるのを知って以来、予告編で髪をベリーショートにして美しさを余すところ無く大胆に披露するニコール・キッドマンに、私の中の期待はどんどん高まって行きました。
story
10年前に夫のショーンを心臓発作で失った未亡人アナ(ニコール・キッドマン)は、長年自分を思い続けてくれたジョセフ(ダニー・ヒューストン)と再婚することを決意する。しかし、そんな彼女の前に見知らぬ10歳の少年(キャメロン・ブライト)が現れ、「僕はショーン。君の夫だ。」と名乗る。(シネマトゥデイより)

この映画はニコール・キッドマンの美しさと存在感あってのものでした。
そして当初は「輪廻」をめぐるそのプロットに、強く心惹かれてもいました。
彼女の圧倒的な美と存在感に魅せられ、ミステリアスなストーリーの展開に100分のフィルムから一度も目は離せなかったけれど、最後の最後でその陶酔感からすぅっと醒めてしまったのは何とも残念でなりませんでした。
↓ここからは“ネタバレ”になってしまうと思いますので、観に行かれる方 は読まないで下さいね。
ショーン少年が生まれ変わりであって欲しいと私も思う中、本当は違うのだろうというのは冒頭のシーンから何となく想像はつきます。
少年の精神上の問題が引き起こしたことかもしれないと言うことも・・・。(それでも生まれ変わりであって欲しいと思ったのは、ニコールと少年役のキャメロン・ブライトの演技力、引いては映画そのものに引き込まれていた証拠だと思います。)
けれど、ショーン少年が“それ”から覚醒する引き金になった「ある事実」というのがどうも・・・何だか取って付けたようで・・・。

夫であったショーンが実は妻アナではなく別の女性を愛していたということなのですが、アナが、そんな女性の存在を全く気付かないままで死して尚も夫を愛し続ける女だったなんて・・・・。夫の生まれ変わりと言う少年の出現に身も心も自失してしまうアナが、哀れというよりも「ただ愚かな女」になってしまったようで・・・とても残念です。
第一、その、本当に愛されていたという女性が外見はもとより人間性に於いてもちっとも魅力的でないのは如何なものでしょうか・・・。夫・ショーンがとっていた、妻からの手紙を封も切らずに愛人であるその女性に渡していたという行動も、卑劣極まりないものとしか私には映りませんでした。
そんな夫であった為に、「夫を死後10年も思い続けていた」という事実がそこで急激に色褪せてしまったのです。
私としてはあのまま「愛し合っての死別」として、ショーン少年が覚醒するのは他の要因で描いて欲しかったですね。もしくは(夫が浮気もしくは本気で他の女性を愛していたのだったら)それを知っていたアナの屈折した感情がその思い込みを生んだ・・・とか。
アナが再びジョセフとの未来を望んだことにも驚きましたが、それはあの海辺でのラストシーンに繋げたかったからなのでしょうか。
それが確かに「喪失感を漂わせる」哀しく美しいシーンだっただけに、どうしても拭えないまま残った違和感が残念でした。
ショーン少年は時折もの凄く情熱的な眼差しをアナに向け、「抱くのはキミが初めて」などど言うものの、飲むのはやっぱりジュースで食べるものはアイスとケーキなんです。(^^)
オトナの私??が、ちょっぴり肌寒かったの昨日、映画の後にいただいたものは、徳島の地酒<旭若松・純米無濾過原酒>の“ぬる燗”でした。
“棘”のない、実にふくよかな味わい。
今年も「原酒のぬる燗」にハマりそうです。
ショーン少年がアナに手紙で綴った通り、成長して何年か経ってからアナと“違う出逢い方”をしたとしたら・・・きっとアナの心は揺れるでしょう。だってアナは(本当には)ジョセフを愛してはいないのだから・・・。
考えてみれば一番悲しいのはジョセフ。・・・でも、このジョセフ演じるダニー・ヒューストンがまたちっとも「長年ひとりの女性をただ見守り励まし想い続ける男性」に見えないのも辛かったです。どうしても「悪党」役のイメージが強すぎました。
『記憶の棘、10yesrs later』・・・きっとニコールは10年後も美しいままでしょうね。予感と言うよりそれは確信です。

やっと見ました(^^;
ぺろんぱさんの興ざめする箇所は確かに納得ですね。
俺としてはアナがどんどんはまっていく加速感が凄かったと思いました。
いま思えばすごく屈折感がある映画ですね。
でもアナもジョセフもいい意味で人間らしく感情をさらけ出している部分が良かった気がします。
>あの海辺でのラストシーンに
最終的にあの喪失感で俺の中ではまとまった気がします。
なんにせよ、ニコールの美しさと表現力が際立ってました┌|∵|┘
私もあのラストシーンは今もくっきりと心に浮かんできます。
>俺としてはアナがどんどんはまっていく加 速感が凄かったと
男性からの視点として、「なるほど」と読ませていただきました。
そう言えばこの作品、上映を先ず最初に知ったのはdkさんのブログで、でしたよね!
ご覧になったコメントを(ちゃんとこちらにも)コメントをいただいて大変嬉しいです!