らもさんは熱烈ファンではないにせよ、何冊かは読んだでしょうか・・・でもこの本は初めてだったみたいです。

まだ読み終えてはいないので確かに言うことはできませんが、この物語の進行にも、ひたすら真っ直ぐな執筆の行進と、一方で(心の)停滞を感じることがあります。
アルコール中毒に陥った主人公・小島容(こじまいるる)が、現実のらもさんと交錯していたのかな・・・。何も情報を仕入れずに読んでいるので見当違いなことを書いているのだとしたら、らもさんファンの方、ごめんなさい。
中盤を過ぎた辺りでこんな記述がありました。
(アルコール地獄に陥った自分を「第三者的」に評しているかのような主人公の弁で・・・)
「バナナの皮で滑って転んでいる男と、それを見て笑っている男が、同時に俺の中にいるのだ。苦痛に対する耐性を得るために、無意識のうちに自分を二つに裂いたのかもしれない。この二つの存在は互いを毛嫌いしているが、唯一、泥酔の中にあってだけ重なり合って一つのものになった。この二つが溶解しあった時にだけ、そこからほんものの怒りや悲しみが立ちのぼってくるのだった。泥酔していない時のおれは、苦笑いだけが得意な、いわば感情喪失症者だった。」
らもさん自身がかなり真摯に自分自身と向き合った故の言葉であるような気がして、半身浴中ののぼせた脳も一瞬、暗く冷たく冴え返る感じでした。
「早く読んでしまいたくて、読み終えるのが惜しい」感覚に囚われている小説ですが、「アル中解説本」みたくで終わって欲しくないなぁという思いも。終盤どういう世界が展開して行くのでしょう・・・。

ボトル1日1本の小島容には適わず、私は大人しくハイボールで。

ずっと気になっていたものから、そうでなかったものまで。
『パーク アンド ラブホテル』
『マンデラの名もなき看守』
『告発のとき』
『ミラクル7号』
『ネコナデ』
選択のベクトルが、バッラバラですよね。
・・・・・しかし、何となく決めました。
初志、非貫徹で、心の停滞打破で。
佳き映画で、佳き乾杯の一瞬を迎えられますよう・・・。

私的には『パーク アンド ラブホテル』でしょうかねぇ。
挙げておられた中では。
らもさんの小説では『人体模型の夜』が好きでしたね。
ホラーなんですけどね(×_×)
私も実は一番観たかったのは『パーク アンド ラブホテル』だったのです。
しかし5日(土)からタイムテーブルが変わり、今週末は外せない用事があってその時間には行けなくなりましたぁ(T_T)。
でも選んだ作品で「結果オーライ」となることを祈っています。
『人体模型の夜』、ですか。
買おうかと思いきや「ちょっとした隙にスイッチが入ると、とてつもなく恐怖に取り憑かれる」とか何だかの書評を読んで怖気づいてしまいました。ホラー苦手なもので・・・^^; でもタイトルをインプットしましたので何かの折に。(何かの折に、何だっ!?)
私は随分と昔に読んだのですが「ガダラの豚」が良かったです。かなりの長編ですが.....
ちなみに私の本のブログでは一冊だけ記録があり「こどもの一生」を読んでいました。もう中身は忘れたが、私は「中島らもの快作だ!!」なんて書いているので、それなりに面白かったのかもしれないです。覚えていないですが....
>「こどもの一生」
これも多分らもさんの酩酊状態が微妙に作用している作品みたいですね。
御紹介ありがとうございます。
読んでみたいと思います。
『ガダラのブラ』は、仰る通りかなりの長編だったので文庫で読むのをパスしてしまった記憶があります。イケませんね。(>_<)