「熱い熱い」と言ってはいても確実に日は短くなっていて、ついこの間まではまだ明るかった時間に今は薄い夕闇を見るこの頃です。
地球は太陽の周りを廻り続けているのですね、確実に。
お休み中の映画はモーニングショーの短編二本です。
大阪で上映中はタイムテーブルがスケジュールと合わず止むなく見送ってしまいましたが、この時期に神戸でモーニング上映となっていたので行って参りました。
『赤い風船/白い馬』(アルベール・ラモリス監督)です。観ておきたかった映画です。シネ・リーブル神戸で鑑賞。

storyと解説
1956年に発表され、その年のカンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞したものの、日本では観る機会が限られていた伝説の名作『赤い風船』がデジタルリマスター版で復活。監督は“シネ・ポエム”と呼ぶべき作品を生み出した、故アルベール・ラモリス。同監督作『白い馬』も同時上映。
<赤い風船> ある朝、赤い風船が街灯に引っ掛かっているのを見つけた少年パスカル(パスカル・ラモリス)。街灯によじ登って風船を手に取った彼は、しっかり握ったまま風船と一緒に過ごすように。だが、しばらくすると、風船は手を離してもパスカルの行く先々についてくるようになる。そんなパスカルと風船を町のいたずらっ子たちが追うが……。36分作品。
<白い馬> 南仏カマルグの荒地に、野生馬の一群が生息していた。地元の牧童たちは群れのリーダー、“白いたてがみ”を何とかして捕らえようとするが、逃げられるばかり。そんなある日、漁師の少年フォルコ(アラン・エムリイ)が、ついに牧童たちに捕らわれた“白いたてがみ”の姿を目撃。フォルコは彼を牧童から守りたいと願うが……。40分作品。
(両storyとも、「シネマトゥデイ」より抜粋)
※映画に関する写真は全て映画の情報サイトより転載させて頂いております。

極端に排除された台詞。
BGMも音楽ではなくて効果音が多用されています。CGもない世界ですが、魅せられました。
両作品には4年くらいのインターバルがあるのかな、、、『白い馬』はモノクロで『赤い風船』はカラー作品でした。作り方も、『赤い風船』の方が、より観客を意識してのものだと感じました。
しかしそこに一貫してあるのは「少年と(人間ではない)動物・モノとの魂の重なり」でした。
少年と孤高な馬、少年と見捨てられていた風船。其々、両者の間に芽生えたものは、友情というよりは「愛」、魂の触れ合いというよりは「重なり」でした。
両作品とも、ラストに見る「浄化」に心を掴まれます。ファンタジーと表現するよりは形而上的なものを感じさせるラストと言えます。
『赤い風船』はビジュアルが色彩的にとても美しく、どこを切り取っても絵になる感じでした。
適度なユーモアも交え少年の心を瑞々しく描き、少年を不意に襲った絶望感から最後に一気に希望へと昇華させる見事な作品でした。
主演の男の子は監督の息子さんだそうです。とても可愛いです。

『白い馬』はモノクロームの映像の中に幻想感も漂う、これも美しい映像です。
少年が沼地で馬に引きづられるシーンや馬同士の決闘のシーンなど、力強く非情にリアルでありながら何処か気高い孤高感をまとった映像で、不思議な感覚をもたらしてくれました。
一瞬、黒澤映画を想起させるシーンもあり、古い映画でありながら現代にも息づく「普遍の力」を感じます。
ラストは現実世界では悲劇であり、物語としては「魂の浄化」です。最後に一気に作品世界を高めてゆく監督の手腕が凄いと感じました。
両映画とも、この世の大切なもの、美しいものの存在にハッとさせられる作品でした。
もう一つ、アート。

こちらも楽しみにしていた、国立国際美術館でのモディリアーニ展。
美術展へは何度か足を運ぶのですが、今回ほどじっくり眺め歩いたのは久し振りでした。時間はたっぷりありましたから。
モディリアーニの作品を堪能したことは勿論ながら、今回は併設展の<塩田千春 精神の呼吸>に強く心を惹かれたのでここに記します。

特に息を呑んだのは「After That - 皮膚からの呼吸」でした。その巨大な作品の前から暫く動けなかった私です。
そしてその作品に続いて展示?設営?されていた「眠っている間に」や、別室で展示の映像作品「落ちる砂」などにも深く魅せられました。
※リーフに掲載の多数の靴の作品は「大陸を超えて」です。
ベルリンを拠点に活躍しておられる30代半ばの美術作家さんです。
またどこかで塩田さんの作品展があれば是非足を運んでみようと思います。
さてさて、「お酒に寄って終わる」夏休み?でしたか?まだ終わってはいませんが。
最近、嵐(ジャニーズ)とドイツワインにハマっているという久々に再会の友人T嬢と拙宅でワインの夕べ。

手前のボトルが友人推奨のロゼ<ブラウァー・ポルトギーザー>です。フルーティーで仄かな甘さがクセになりそうです。
後方の赤と二本のボトルが空いて、さらに別の赤もグラスに二杯ほど・・・。(殆ど私が飲みましたが

ワインの世界でも「赤」と「白」は永遠の美しき対比だけど、そこに「ロゼ」の存在があるところが何ともいいですね。

映画三昧だったお盆休みももうすぐ終わり、
ちょっとおセンチになっている今日この頃。。。。
アルベール・ラモリス監督作品よかったです(特に白い馬)。
けがれの無い自由な心をもった登場人物は魅力的ですね。私自身、
年を重ねて心の中に澱の様なものがたまってきてるなぁなんて時々感じるんで、
特にそういうものに惹かれるのかもしれません。
また、臆する事なく馬に飼い葉を与えようとしているパスカル・
ラモリスちゃん(ちっちゃい!)に胸キュンでした。ヾ(〃▽〃)ノ
「モディリアーニ展」。昨日実家の母からチケットをもらった所なんで、
ヒジョーにタイムリーな話題です。いい事聞いちゃいました。
塩田千春さん、楽しみです。(=^_^=)
耳にしつつも、、なかなか観に行けてない「非メジャー系」
ですかね・・
しかし、衛星第2などで、旧作を観るに・・
半世紀近く前のモノクロ作品なんかがめちゃくちゃ良かったりしますね。
色々と楽しまれているようで、ワタシも嬉しいです(=^_^=)
大阪には、素晴らしい、挑発的な裸婦があります。造形的にも力強く、色彩が光輝く強烈な作品です。
塩田千春さんの名前は初めて知りました。国立国際美術館は新人を取り上げるのがうまいです。
映画三昧だったとは羨ましいです。(*^_^*)
ラモリス作品は私も初めてでしたが、本当に「一篇の詩」のような作品でしたね。
年を重ねれば否が応でもいろんなモノゴトに触れてしまいますから、上手く取捨選択できずに「滓」になってしまうのかもしれませんね。
『白い馬』は、私もあのラストが‘すとん’と心の空地に着地したという感じです。
そうそう、パスカルちゃんは『白い馬』にも出ていたのですよね!本当の女の子だと思っていました!(*^_^*)
モディリアーニ展。
是非塩田さんのブースもお楽しみ下さいませね。
何故この今に?という思いで強く惹かれ、行って参りました。
「デジタルリマスター版」というのが具体的にどうこうとは分からないまでも、スクリーンに美しく復活していました。
手法は昔のものながら、佳きものは今も(今の人をも)心を捉えるものなのですね。
>色々と楽しまれているようで
映画の劇場鑑賞はこれだけになってしまいましたぁ(T_T)。TiM3さんの“夏バテ知らず”のブログにこそ、200%の充実度を感じます!(*^_^*)
モディリアーニ展は、比較的人物画が好きなので楽しみにしていました。時々行かせて頂くBarのママさんがモディリアーニを好きで触発されたところも大です。
なので、モディリアーニに関しては本格的な鑑賞は(私にとって)初めてでした。
仰る通り、絵もある意味一期一会かと・・・。
同じ絵でも出会う時で別ものに感じられてしまうってことがあるかもしれませんね。でもそう言う意味で、恐らくBESTの状態で出会った絵というのは忘れ難い絵になるのでしょうね。
>大阪には、素晴らしい、挑発的な裸婦
そうなのですね。
どういうタイトルの付された作品なのでしょう、、、よろしければまた御教授くださいね。
オルちゃん、殊勲賞ですね!(*^_^*)
「大阪には、素晴らしい、挑発的な裸婦」というのは、
大阪市立近代美術館(仮称です。今のところ美術館準備室が正解)が所蔵する「髪をほどいた横たわる裸婦」というタイトルがついています。堂々としたエキサイティングな作品です。
何度もあちこちで展示紹介されていますので、ご覧になられたかもしれません。
大阪市立近代美術館の建設計画はほとんどすすんでいません。が、すばらしい作品をたくさん持っています。
佐伯祐三のコレクションでも有名です。
以前は、確か、心斎橋に準備室の展示館がありましたが、今もあるでしょうか。
「素晴らしい挑発的な裸婦」はモディリアーニの<髪をほどいた横たわる裸婦>だったのですね!
先のモディリアーニ展に展示されていましたのでしっかり観て参りました。
仰る通り、“挑発的”ともいえる構図の“エキサイティングな作品”でした。
件の大阪市立近代美術館は、調べてみますと中の島4丁目辺り、旧大阪大学医学部のあった辺りを予定されているとか。最近オープンした堂島リヴァーフォーラムも同じような所であり、おそらくはその向かい側に建設されるのかも・・・(頓挫しているのでしょうか?)。
そこなら会社から近いので、是非美術館が建って欲しい思いです。
佐伯祐三画伯の作品はそれほど多くは知らないのですが、力強いタッチの(それでいて決して攻撃的でない)絵だと感じます。
既に亡くなられた日本の画家さんの中で、以前から好きでとても興味を抱いているのは有元利夫氏の絵です。中の島に美術館が完成してそこで回顧展などして頂けたら個人的には嬉しい限りです。(*^_^*)
いろいろ情報をありがとうございます。今後とも御教授くださいませ。
このデジタルリマスターの故アルベール・ラモリス2作品、私も観たかったが、なんかチャンスが無くて....観逃しかなぁと思っています。
またモジリアーニ展、16日に以降と予定していたのですが、時間が間に合わず次回送りとなっています。今週末には!と考えています。チケットは持っていますので、さてさてどうなるのか?
ぺろんぱさんのこのブログをみてますます行きたくなりました。
うーん、今度の週末の時間調整が!!何とかしたい!!
わあ!お先にすみません!(^_^)
このアルベール・ラモリスの2作品は、最初から上映スケジュールがタイトで早くからモーニングかレイトのみになっちゃってましたものね・・・。スケジュールをあわせるのは難しいと思います。
モディリアーニはまだ来月15日までありますからきっと大丈夫ですよね。(?)
御多忙と拝察しておりますが、“ガッツ”で!
(←表現、古いですか???)