かなりの久々だった元町映画館を訪れてみたくなりまして行ってきました。
元町映画館へ行くのがメインテーマだったのでその時間にヒットした作品がこちらでした。
『第三世代』(ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー監督、1979年制作、日本初公開)です。
意志と表象としての世界。
ニュー・ジャーマン・シネマの鬼才ライナー・ベルナー・ファスビンダーがただ目先のスリルだけを追い求める「第三世代」のテロリストたちを描いた作品。(映画チラシより抜粋)
※「意思と表象の世界」はテロリストたちの合言葉として何度か登場する文言です。

私にとって初のファスビンダー映画はかなり難解でした。
当時にしてかなり前衛的と思われるオープニングは挑戦的な感じで、文字と音が溢れてきていきなり身構えてしまいました。心して観ないと置いて行かれる気がして。
そして、心して観ても理解しきれず終わりました。
何となく感じたことは登場人物の誰に対しても共感を持ちえなかったこと、そして監督自身がそれを意図しているかのようであったこと。監督自身が誰に対しても非常に冷徹な眼差し或いは嘲笑めいた眼差ししか持っていないかのようであったこと、です。
権威至上の俗物、物質と性の支配、裏切りと死、愚鈍さと孤独、その描かれ方は時に誇張的で時に滑稽でもありました。そして結局は誰もが何をも成し遂げないまま物語は終わる・・・。
監督はこの時代に、人々に、自分も含めてこの世界に生きることに、すべてに怒りを抱いているかのように感じました。
だから、1982年に若干37歳でこの世を去っているこの監督の「人」として生きた日々に思いを馳せてしまいました。
極端な厭世家と思いきや短い生涯に44本もの監督作品を残し、二度の結婚をし愛人までいたらしいファスビンダー氏、生き方が破壊的だったということなのでしょうか。
同性愛者としての面もあり、性的マイノリティーとしての苦悩は少なからず作品に影響も与えたのではないかと思います。今回の別の上映作『13回の新月のある年に』(1978年制作)はまさに性的少数者として苦悩する男性を描いた作品で、とても観たかったのですがこちらは既に上映終了。センセーショナルな映像が挿入されるかなりの「問題作」とのことなので鑑賞に耐えられなかったかもしれませんけれど。
理解できなかった割りには何故か後を引くファスビンダー映画でした。
それにしても久々の元町映画館はやっぱりワクワクしました。
この感じ、いいです。

新しく出来たお店に入る時も外観から感じる何となくのワクワク感って大事です。
偶然見つけた新店に思い切って入ってみました、立呑みですがお独り様で。
まだこうしてワクワクしてお酒が呑めるならこれからも頑張れるかな、もうちょっとだけでも。
そんな感じで映画館に足を運ぶのも良いですねー
本作、シネ・ヌーヴォさんでも上映していたので少し気になっていました。
が、コピーを見てだけでちょっと敬遠してしまって。
ファスビンダーは「マリア・ブラウンの結婚」しか見たことないので、
あまり語れないのですが。↑これは見やすいと思います。
基本ニヒリストなんだろうなーと思うと同時に、
何かを信じたい気持ちも見え隠れしてたという印象でした。
いずれにせよ、こういう劇場でもCS放送などでも
めったにかからない作品との出会いは貴重ですね。
ぺろんぱさんが感じられたこと、拝読できて良かったです。
YURURIさん、こちらににもお越し下さり嬉しいです。
おお、シネ・ヌーヴォ!
懐かしいです!
ファスビンダー監督作品を知る御方からのコメントが来るといいなぁと思っていましたのでとても嬉しいです。
恥ずかしながらこの拙レヴューはきっと的外れなこと書いているんだろうなぁと思っていましたので。
マリア・ブラウンの結婚。
多分無いだろうと思いつつツタヤにTELしてみましたが…やはり取り扱いはありませんでした。が、そういう作品といつか出会える機会を楽しみにしていようと思います。
「何かを信じたい気持ち」というのに触れてみたいです。(*^-^*)