遠方に住む友人がお便りと共に薦めてくれた2作品をDVDレンタルにて鑑賞しました。
『ツナグ』と『湯を沸かすほどの熱い愛』の2作品です。
『ツナグ』(平川雄一朗監督 2012年制作)について少しだけ書きます。
死者とその死を悼みもう一度会いたいと願う人を一度だけ再会させる力を持つ“ツナグ”と、彼に願いを託した人たちの思いの行方を描いた作品です。

人は誰か、或いは何かの不在によってちょとずつ何かが奪われて、代わりに別の何かがちょっとずつ積もっていくような、そんな気がします。
どこかで心の折り合いをつけられたらいいし、叶うならやっぱり、たった一度だけでもいいからもういないあの人、あの猫、あの犬に再会したいと心から私も思います。
例え残った者の自己満足にすぎないのだとしても。
本作にはいくつかの死者との再会がありますが、私としては美砂(橋本愛)と奈津(大野いと)との再会を巡るシークエンスが印象に強く残りました。
美砂の言葉「会ったことは…後悔してないよ」が重く響きました。
会ったことは後悔していない、と思います。
後悔しているのは「本当のことを言わなかったこと」だから。
そしてそれを言える機会はもう二度とやって来ないのだから。
美砂は一生消えないものを背負ってしまったんですね。
それは自分が決めて臨んだ再会の場がもたらしたことだし、彼女が背負わなければならなかったことだと思います。それでもいつか、出来ることならばいつか、それを何らかの形で生きてく糧に変えていってほしいと願います。
私にとっても死者への想いはいつでも「ありがとう」と「ごめんなさい」のワンセットです。
いつか原作(辻村深月さん)を読んでみようと思いました。
やっとやっと、龍さんの『歌うクジラ』(上・下)を読了しましたからね。
本作もやっぱりキツかったー。
龍小説を読むたびに思うのです。秒速の描写が延々と続き性と暴力の描写はこの上なくグロさを極め字面を追えずページを繰ることが苦しくなる・・・にもかかわらず最後に一瞬、清らかな光を感じるのはどうしてなんだろう・・・って。
何故か囚われてしまう魅力を持つ作家氏だと思います、龍さん。
村上と言えば春樹ファンの私ですが、龍さんへの想いも尽きません。
今は先日のブログで記していた『さくら』(西加奈子)を読み始めていますが、そのあと『ツナグ』を手に取ってみたいと思います。
Mriちゃん、映画のご紹介をありがとうね


いつだったかのジンライム。
きっとこの先すぐにジンの夏がやってくるのだろうなぁ。
