予告編を見たときからこれは観に行きたいなぁと切実に思っていました。
『荒野にて』(アンドリュー・ヘイ監督)です。シネ・リーブルにて鑑賞。
天涯孤独な少年と、走れなくなった競走馬。
希望を求め、絶望のふちを行く彼らの旅路は――。 (映画チラシより)
少年チャーリーを演じたチャーリー・プラマーの鮮烈な輝きが先ず本作の大きな大きな魅力。ひたすら魅せられました。それから、彼と一頭の馬が旅をするアメリカ北西部の大自然の美しさ。
それらの輝きと美しさに張り付くように在る悲しく辛い出来事の数々には、生きることの過酷さを見せつけられます。
レースに惨敗し苦役の果ての殺処分が待つ競走馬ピートに自分自身を重ねるチャーリー。少年少女と呼ばれる年代の子には無条件に、絶対的に愛されるということがやっぱり必要なのだなぁーって思いました。
「居場所がなくなったら何処にも行けなくなる」
これは中盤に登場する、父親に愛されず精神的に囚われの身になっている少女の言葉です。
ギリギリの状況下でもピートと共に旅をすることができたチャーリーにはまだピートという居場所があったわけで・・・ピートを失うとともに希望を失ったチャーリーの慟哭には私も観ていて呼吸がしにくくなるほど辛かったです。
ピートにとっても、チャーリーからの愛だけでは満たされない動物としての「自由、居場所を求める本能」が恐らくあって、それがあの事故を招いてしまったと私には思えました。辛いです。
終盤の「ピートに会いたい」の一言には落涙を禁じえません。
馬の持ち主であった老匠デルからピートを無断でさらった事も含めチャーリーは逃避行の中で(生きるためとはいえ)幾つかの罪を犯してしまいます。それらの罪と向き合う覚悟も感じさせたチャ−リーの言葉が最後に紡がれたことで、安堵すると同時に長い長い先の彼の幸せを祈らずにはいられなかったです。
やっとチャーリーも愛される場所を見つけたことで、どうか自分を責めるような「あの悪夢」はもう見ないでほしいと強く願いました。
スティーブ・ブーシェミを久々にスクリーンで観れたことは喜びでした。
ブーシェミさん演じるデルが彼のもとを去ったチャーリーをずっと探してくれていたのだとしたらいいなぁと切実に思いました。

珍しくお洒落なグラスでランチビールをいただきました。
グリーンのボトルが来たる初夏を感じさせてくれますね。
夏は大好きな季節なのだからこのまま止まってちゃいかんのだけどなぁー、私。
それにしても、苦しい映画でした。
それに加えて、あのシーンは(どうやって撮影したんでしょうか)ショッキングでした。
どうか、自暴自棄にならないで!と祈るばかり。
チャーリー・プラマー、今この時にしか出せない一瞬の輝きみたいなものを感じました。
将来、どんな俳優さんになるんでしょうね。
ブーシェミ、あまりにも堂々としてて彼だと気付きませんでした(笑)
YURURIさん、コメントくださり嬉しいです。
仰る通り苦しかったですね。あのシーンは私も椅子から何センチか飛び上がったくらいにショッキングでした。あれは幾つかの画を繋いだのではないでしょうか??
>今この時にしか出せない一瞬の輝きみたいなもの
本当に。
その時点でのチャーリー・プラマーに出会えたのを喜びとしたいです。次回作も楽しみです。
ブーシェミさん、意外とちゃんとしたキャラで(笑)初め気づきませんでした。
自分、昔からの知り合いの店に行くと(といってもたま〜にしか行けませんが)必ずカールスバーグ飲みます。(キッパリ)
それがどないしてん、てなもんですが・・。
ぺろんぱさんブログ再開を大いに喜びつつ、わけわからんコメント参加ですみません。(トホホ)
ほなまたです。
ビイルネンさん、お越し下さり嬉しいです。
カールスバーグはスッキリ、キリっとライト感があってランチビールには最適な感じがしました。
それでも杯を重ねればすとんと酔いの淵に落ちる瞬間があって、昼呑みもよいものだなぁと思います。
映画以外でも酒のことでコメント下さるのは嬉しい限りです。これからもどうぞよろしくお願いいたします!(*^-^*)
普段はフツーのサラリーマンですが、縁あって昨年は競走馬の育成牧場に仕事で張付く機会が何度かありました。どの馬にも(どんな高価な馬にも)殺処分という終着駅が用意されている現実に驚きました。美しく力強い脚や馬体もすべては人間の欲望の末に創り上げられたモノだと思うと、競走馬のあの目の優しさは、実は悲しさから来たのかなとぼんやり思いました。
一度、映画見てみます!
ローラーおとこさん、お越し下さり嬉しいです。
そうですか…競走馬の育成牧場にお仕事で。
貴重なご経験をされたのですね。
動物からの言葉や叫びは人間には伝わらなくて(理解できなくて)たとえ意図せずとも結果的に自由を奪ってしまっているのだとしたらとても悲しいことです。
本作でも少年チャーリーと馬ピートとの逃避行には、愛情をもって救っているつもりのチャーリー自身にさえ分からなかったピートの叫びがあったのだろうと思えます。
>あの目の優しさは、実は悲しさから
そうかもしれませんね・・・大切なことに気付かせてもらえた気がしました。