『女王陛下のお気に入り』(ヨルゴス・ランティモス監督)をアースシネマズの【プライムシネマ】(本来の上映期間を過ぎた作品を選りすぐり、月に一回一日限定で特別上映してくれる)にて鑑賞しました。
今年3月はじめ頃?にリーブルの神戸で?かかっていた作品だったでしょうか。遅れ馳せながら観ることができてよかったです。
物語は・・・
「ルイ14世のフランスと戦争中のイングランド。揺れる国家と女王のアンを幼馴染のレディ・サラが操っていた。そこにサラの従妹で貴族から没落したアビゲイルが召使として働くことになる。サラに気に入られ侍女に昇格したアビゲイルが生き残りをかけてその野望が芽生え始める・・・(映画チラシより)」 というもの。
アン女王の孤独が圧倒的に迫り来ます。
演じたオリヴィア・コールマンの演技が見事でした。
サラを演じたレイチェル・ワイズもアビゲイルを演じたエマ・ストーンも、どちらも鬼気迫るものがあったけれど(しかも見惚れる美しさで!)私にはアンの支配欲の裏にあった深い孤独と、権力をもってしてもそれだけは補うことができなかった彼女の悲しい人生に心を持っていかれてしまいました。
本作の「ごめんあそばせ、宮廷では良心は不用品よ」というキャッチコピーは誤解を生みますね。
コピーから受けるイメージ、ちょっぴり棘のある宮廷風刺物語・・・などでは決してなく、人間の欲と愛憎が国の運命を左右するほどの底知れぬ闇を作っていた怖い、そして悲しい物語でした。
アン女王の寂しさと愚かさ・・・いつの世も、寂しい心に邪悪なものは巣喰うのですね。
後味は悪いです。
それは、きっと誰も何ものにも勝ってなどいないから。
激しい闘いの後にただ憎しみと、そして哀しみと諦めだけが残ったように感じたから・・・でしょうか。
この監督の御名は知りませんでした。(知らないことばっかりでほんま自分がイヤになります。)
絢爛豪華なる美の世界がダークな色調で描かれてうっとり、でも怪しさもしっかり。美しいものを観せられているのにそこはかとなくおどろおどろしさを感じる(どことなく変態的な)のはこの監督の独特の世界観によるものなのでしょうか。
映像の視点というかカメラワークも斬新な感じで「スクリーンでの観応え感」を堪能できた作品でした。
後味は悪くとも(←二回も言うな)一見の価値の充分ある作品と感じました。

たまにはコーヒーの画で。
こちらのお店はビルの上階にあって彩光の窓も大きく好天の日は明るいです。
でもいつも混んでていっぱい。
黙々とPCに向かっている人、商談らしき男性連れ、何かについて真剣に議論してるっぽい学生たち、そこだけふんわり丸いスピーチバルーンがみえている若いカップル、、、20センチほどの距離を隔てて其々の人生があって、、、みんな頑張ってて偉いなあ。
傍らの本は車谷長吉の小説です。
私にとって初の車谷ワールド、心の痛みを伴いますが時折ハッとさせられる文章を噛みしめながら読んでいます。映画化もされてたんですね、この小説。(ほんまに知らんことばかりの私。)
活字での新しい出会いもよいものですね。そういえば龍さんのあの小説にも「移動しづつけることで出会いがあってそこに希望が生まれる」的なことが書かれていたんですよね。車谷長吉という小説家の本を手に取るきっかけをくださったビイルネンさんに感謝します。
こちらこそ、いつもいろいろ教えていただいてますです。おおきにです。
そうですか!オリヴィア・コールマンの演技見事でしたか。これ観てないものの、今年のアカデミー賞授賞式で主演女優賞とりはったんで、どれくらいうまい人なんかなぁとは思てました。
面子からいって今年こそグレン・クローズとれるんかいな、とか予想してましたんで。
授賞のスピーチがなかなか面白かったですよね!
ほなまたです。
ビイルネンさん、お越し下さりありがとうございます。
車谷小説、暗い世界なのに引き込まれて読み進めています。ありがとうございます。
今年はいろいろありましてと言うのは言い訳に過ぎず、恥ずかしながらアカデミー賞授賞式は全くスルーしておりました。作品賞やらの情報もお邪魔させて頂いている他のブロガーさんのところで知ったり、とか。
そうですか、スピーチ面白かったのですね(*^-^*)。
本作ではある意味メークダウンして臨まれていたと思いますが他作品での華やかなお顔も観てみたいです。
ほなまたです。←嬉しくて真似しぃしました。(*^-^*)
ほんまごめんです!
ほなまたです🍺
ビイルネンさん、とんでもないです!
考えてみれば私はいつの時代もボ〜っと生きててアカデミー賞授賞式なんてちゃんと見てなかったのでした。チコちゃんに叱られっぱなしの人生です。
なので今回も自分のせいで見逃してまたチコちゃんに叱られました(*^-^*)。
グレン・クローズも凄い女優さんですよね。リーブルで今『ねじれた家』がかかってますが、『天才作家の妻・・・』は観たかった作品でもあります。いつの作品も注目を集める女優さんですよね。
ほなまたです! ←また真似しぃです。