「My いつか観るリスト」からのもう一本は『ダラス・バイヤーズクラブ』(ジャン=マルク・ヴァレ監督)です。
『セッション』同様に『ラ・ラ・ランド』からの女優つながりで『バードマン』を探したのですがレンタル中でした。でも『ダラス…』もしっかりリストに入れてましたので見つかってよかったです。
1980年代のアメリカ。自らがHIVに感染したが当時の治療薬は極端に少なく、当時まだ未認可だった代替薬を密輸しアメリカのHIV患者が入手できるように奔走した実在のロデオ・カウボーイの半生を映画化した作品です。(映画情報サイトより)
今から40年ほど前のお話です。今や医療や薬剤の研究は格段に進み、人々のエイズへの意識の変革もまあそれなりに進んだわけですね。それでもクレジット終了後の「エイズは撲滅されていない」の文字にはしんみりしてしまいますが。
出だし、主人公ロンはかなり素行不良で感情移入するにはちょっと怯みます(でも実在の人物ですからそこは静かに見守るのみ)。
過度の飲酒、ドラッグ、不特定多数の女性との交わり。自殺行為にも等しいです。
しかしHIV感染による30日の余命宣告で俄然彼の生き方が変わります。
とにかく、生きる可能性にかける思いがダイレクトで熱くて。ロンが実は純でチャーミングな一面を持った人間であることも少しずつ伝わってきます。死と向き合わねばならない病が、元々彼の内にあったコアな部分を少しずつ表に出してくれたのかもしれません。
お金儲けが第一義であったことは否めませんがそれも大切な「生きるモチベーション」であるわけで。財を築き優位に立つことで、HIVゆえに彼を遠ざけた友人たちへの怒りを忘れたかったのかもしれません。でもそれもやがて変わってゆくのですけれどね。
「自分の薬は自分で決める。」 これはロンの言葉です。
そう言い切るには知識と強さが必要不可欠ですが(実際ロンは薬についてめちゃくちゃ勉強します)、せめてその「精神」だけでも持っていることは我々人間にとって大切なことなのではないかと感じました、これからいろんな病に罹患するであろう我々にとって。
法に触れる行為も「とにかく俺には時間がないんだ!」というロンの叫びが聞こえてくるようで、次々に既成概念をぶち壊してゆく闘志は凄まじいほどでした。
ロンを演じたマシュー・マコノヒーは役作りのために20kg減量したそうです。いやはや天晴れ。仲間となるゲイのレイヨンを演じたジャレッド・レトもとてもはハマり役でした。レイヨンとロンの関係性、そして女医イブ(ジェニファー・ガーナー)とロンの関係性の変化も見どころです。
「ただ欲しいのは冷えたビールとロデオへの復帰。」
「女をダンスに誘ったり・・・子どもも欲しい。人生は一度きりだけど、他人のも生きてみたい。」
再びロンの言葉です。死と背中合わせだからこその切実な言葉でした。
ラストの画。まさに一枚の絵のように切り取られたショットが深い余韻を残します。

観てよかったです。

ロンほどではないにしても私の飲酒も過度かもしれませんね。
メーカーズマークはバーボン特有の微かな甘みを感じさせてくれて好きな銘柄の一つです。
キホン酔えるなら何でも好きなのですが・・・あれ、それってロンと大差ないですね。
これ、観てないんですが、アカデミー賞二人ともとってたよなぁ、て記憶が甦りました。主演も助演もとる、てすごいですよね!
ぺろんぱさんが観てよかった、ということで、機会あれば観てみようと思います。(が、年に二回位しか行ってなかったとはいえ、○タヤ堂山店がなくなったのでいつになるかわからんけど)
あと、ジャン=マルク・ヴァレ監督の名前にひっかかってたら、「ヴィクトリア女王・世紀の愛」の監督やったんですね!この映画好きやったもんで・・エミリー・ブラントよかったし。
ほなまたです。いつもありがとうです。
ビイルネンさん、ようこそです。
そうなのですか、主演助演と揃って受賞ってやっぱり凄いですよね。喜びも倍増ですよね。
>「ヴィクトリア女王・世紀の愛」の監督
そうみたいですね。
ビイルネンさんのコメントで気付きました。
拙ブログでも感想を挙げていましたが、その際もビイルネンさんお越し下さりありがとうございました。
エミリー・ブラントさんイイですよね。
それにしてもビイルネンさんの記憶力の凄さには脱帽です!
〇タヤって結構閉店が多いですね。
堂山店、大きかったのに…って大きすぎて経営が難しくなったのですかね。