シネリーブル(梅田)で『アマンダと僕』(ミカエル・アース監督)を観ました。
時折小雨のふる大阪で、リブ梅4Fから眺めるビル群はしっとりと音をひそめて佇んでいるように見えました。
<アマンダと僕 story>
夏の日差し溢れるパリ。便利屋業として働く青年ダヴィッドは、パリにやってきた美しい女性レナと出会い恋に落ちる。穏やかで幸せな生活を送っていたが突然の悲劇で大切な姉が亡くなりダヴィッドは悲しみに暮れる。そして彼は身寄りがなくひとりぼっちになってしまった姪アマンダの世話を引き受けることになる・・・。(映画チラシより)
しみじみと心に沁みる佳い映画を観たなぁ― という感じです。
血はつながっていても何処かぎこちなかった関係の人間同士が徐々に互いの存在感を深めてゆく、非日常が日常になってゆく、そんな日々が丁寧につむがれていました。
あれ、これって何処だろう?と戸惑う瞬間もあったくらいに説明的な描写が排除されていて、それが却って自然な流れを感じさせてくれたのかなぁと思います。
いろんな人が一度に傍からいなくなってしまう…悲しみを耐えていてもある時突然に一気に負の感情が押し寄せてきて潰れそうになってしまう…そういうの、今はすごくわかる気がします。
ダヴィッドにとっては、記憶にも残っていない母、数年前に他界した父、事件で命を落とした姉、故郷に去っていった恋人レナ。母を亡くしたアマンダも勿論だけれど、ダヴィッドが堪えきれずに泣き出したシーンには胸に熱い塊がこみあげてきた私です。
でもお姉さんが二人に残して未来につなげてくれたものは大きかったですね。
それをつなげようと一歩を踏み出したダヴィッドと彼を信じてその手をつないだアマンダをとても愛おしく感じました。
Elvis has left the building. から、
“But it’s still Okay!”なラストに優しい光を感じました。

大阪に出たので久しぶりのサンボアBARでのハイボール。
濃くて美味しかったです。
そう! ダヴィッドの中で張りつめていたものが切れたようなあのシーンで、
私も涙してしまいました。
ヴァンサン・ラコストという俳優さん、さほどハンサムじゃないのがいい感じというか、
根底に優しさを感じる演技に引き込まれました。
何より、子供の可愛さに頼ってないところがイイ!
とはいえ「よい夜を」と涙目でダヴィッドを見送るアマンダは健気で、キュンとしました。
確かに説明が省かれていて、展開がわかりにくい場面もありましたね。
このメンバーで公園で待ち合わせしてたのか。。。とか、
前半お母さんに会う、会わないのくだりも??だったのですが
結果的に理解できたので、それも良しかなと思います。
監督の前作「サマーフィーリング」も近々上映予定のようで楽しみです。
Yururiさん、こちらにもお越し下さりとても嬉しいです。
Yururiさんもご覧になっていた映画だったのですね。
しみじみ・・・という表現がぴったりの、本当に良作でした、観ることができてよかったです!
ヴァンサン・ラコストという俳優氏、見た目は(見方によっては)ちょっと軟派にも見えるのに、この真摯に人生に向き合う姿の嵌りようは何なのだ!? と思わせてくれる素敵な男優さんでした。
そうそう、アマンダ役の女の子の“ビジュアル的に可愛くない良さ”が、最終的には効果的でしたよね(^^)。
『サマーフィーリング』
そうなのですよ...楽しみにしたいのですがリブ神でやってくれるのか否か…。やっぱり神戸はリブ梅と作品の受容度が違うような気もします、ちょっと残念ですが('_')。