シネリーブルで『レディ・マエストロ』 (マリア・ベーテルス監督・脚本)を観ました。
実話に基づく映画です。(ドキュメンタリーではなくフィクションです)
女性指揮者のパオニアと言われるアントニア・ブリコ(1902-1989)の半生を描いたものですが、私はアントニア・ブリコという女性を知りませんでした。
演じた女優さんは勿論とても美しいですが、本物のブリコさんも目鼻立ちのくっきりとした美しさの、意志の強さを感じさせる女性でした。(映画には画像は登場しません、鑑賞後にネットで調べました)
少なからぬ人が彼女を助けた事実は、人間としての魅力もあったのは否めませんが彼女の並々ならぬ音楽への情熱が人々を動かしたということに他なりません。そして言うに及ばず勿論「努力の人」でした。
助けた人以上に彼女の行く手を阻んだ人間が多かったのは、時代という以上に、悲しいかなそれが世の常であったのかもしれません。男性のみならず女性からのバッシングも多かった・・・女性が第一線へ進出することの地均しは実は今もまだ途上にあることがラストのテロップで何となく示唆されていました。

story
1926年のアメリカ、ニューヨーク。指揮者になることを夢見るオランダ系移民のアントニア(クリスタン・デ・ブラーン)は、ある事件で音楽学校を退学になってしまう。その後アメリカを離れたアントニアは、ドイツのベルリンでやっと女性に指揮を教えてくれる師と出会うが、レッスンに没頭する彼女にさまざまな困難が立ちはだかる。 ※映画情報サイトより転載
とてもきれいに作られた映画だったと思います。
さまざまなエピソードを詰めてアントニア・ブリコさんの生き様を存分に描き出そうとしてくれたと感じました。
しかし2時間20分という時間をもってしてもやはり全てを深くは描き切れないわけで、私には何となく<アントニアブリコの半生・ダイジェスト版>みたいな印象が残ったのがちょっと残念でした。
主演のクリスタン・デ・ブラーン、恋人フランク役のベンジャミン・ウェインライト、生涯の友となったロビン役のスコット・ターナー・スコフィールド、皆とてもはまり役という感じだったので尚更もったいない感じです。
一つのエピソードから次への展開が結構ドライに進んでいくので自分の中で余韻に浸りきれなかった気がしたのです。(私の完成の鈍さかも…ですが)
何処かのエピソードをカットしてその分もっと深く掘り下げてほしかったのはやはりキーとなる親子関係でしょうか。彼女を苦しめたものでもあり、音楽へといざない、より高みへと奮い立たせたものでもあったのですから。
特に養父母の心の葛藤にはもう少し触れてほしかったです。
しかしとにかくアントニアさんは強いのです。
指揮者になるために果敢に行動します。必ずしも世渡りは上手くはないけれど、その分懸命に道を切り開こうとする熱意は半端なく伝わってくるのでした。
あれくらいの強さがなければ昔は勿論のこと今も女性が何かを成すなんてことはできないのでしょうね。(今は昔より随分時代も進んでいるというのに何も成せていない今の自分が恥ずかしくなりました。)
そして本当に努力を惜しまない人間には、性別問わずいつか必ず支援者はつくものなのですね。特にロビンの存在はとても大きく、ロビンとの関係性が丁寧に描かれていたのはとてもよかったと思いました。演じた男優さんも凄く素敵でしたから。
実際の名指揮者、名楽団の名が出てきますし、クラシックの名曲が短いながら何曲か聴けたのは嬉しいです。ここでも敢えて言わせて頂くと、一曲くらいはガツンと聴かせてほしかったですね。音楽の力でもっと魅了させてもらってもよかったのになぁというのが正直なところでした。
でもオーケストラの指揮者ってやっぱりカッコいいなぁ!
西本智実さんは麗しの女性コンダクターでいらっしゃいますね。以前に西本さん指揮の公演はポディウム席から埋まると聞きましたが今もそうなのでしょうね。

たまにはアルコール以外の画で。
以前から訪れてみたかった喫茶店です。高台の街にあるのでバスに乗って行ってきました。
店内はヨーロッパの古城を想わせるアンティークな趣で静かにクラシックの曲が流れていました。オーナーのご趣味なのか、それぞれに違う様々なカップが置かれていました。
ホットココアがちょっぴりビターでイイ感じ。
添えられた手作りのクッキーとメレンゲの小菓子も美味しかったです。

ークラシックに縁がないーから、ていうのは言い訳にならず、ただアホなだけなんですが(トホホ)、−ポディウム席ーて何のことかわかりませんでした。これをきっかけにチョイと調べて、またひとつ知ることができました。感謝です。
ーココアの画ー何とはなしにゴージャス感ありますね。
その昔心斎橋の「赤い鳥」というココア専門店に行ったこと思い出しました。コーヒー党でアルコール党であるにも拘わらず、どうしても行きたかった店でした。ずっと行けてなかったのに、昨年新聞で閉店の記事を読んだときは,なんとなく寂しい気がしたものです。
が、このブログきっかけにチョイと調べたところ、昨年そのブランドを引き継いで谷六で「赤い鳥」をやってる人がいる、と知りました。
・・・映画についての文章も興味深いですが、その他いろいろな気づきをいただいています。ありがとうございます!
ほなまたです。
ビイルネンさん、お越し下さり嬉しいです。
P席は一般S席に比して安価で、西本智実さんファンならずとも一部のクラシックファンからは意外に??隠れた人気があるとも聞きました。
「赤い鳥」さん、あのフォークGの名と同じですが店名への思い入れもきっと深いのでしょうね。
最近私も、小さなお店ですが「高齢のため」ということで閉店の張り紙がされているのを見たりしてしんみりすることがありました。
でも志や名を継いでくれる人がいることはご当人にとっては勿論ファンにとっても嬉しいことですね。
こちらこそいろいろな角度から読んで受け止めて下さっていて感謝です、ありがとうございます。
またどうぞいらして下さいね。
コチラ、観たかったのですが、
この数か月、次々と目の不調が押し寄せてきて、、逃してしまった1本。。。
そうですか、クラシックを堪能とはいかなかったのですね?
西本智実さん、素敵ですよね〜。
クリスタン・デ・ブラーンのビジュアルに、勝手に西本さんをだぶらせて(^^;)観てみたかったのでした(笑)
バスに乗って行く喫茶店♪
なんか素敵な時間。ああ・・憧れます☕
目のお具合はその後如何ですか。目って私も結構不調が出やすい場所です。どうぞお大事になさってください。
本作は私の中で期待値がきっと高すぎた感じがします。拙レヴューは別にしていつかご覧になってみて下さいね。
あ、西本智実さんは本当に素敵ですよね。
この映画の中でも、女性が指揮を務めるなら高圧的ではいけないけれど(男性ばかりの奏者を束ねるために)ある意味“支配”が必要だという意味の台詞があって、西本智実さんのあの装いや凛とした姿勢などに改めて深く納得し、西本さんがきっと抱えておられたであろう苦悩に思いを馳せた次第でした。
>バスに乗って行く喫茶店♪
ありがとうございます。以前は出来なかったことですが…でもとってもいい時間でした(^^)。
拙ブログの事情でかせっかくの絵文字?がちゃんと反映されなくて本当にごめんなさい。
これに懲りられませず是非またいらして下さいね、Kiraさん(*^-^*)。