姫路市立美術館に「ストラスブール美術館展」を観に行ってきました。
今はお城やこちらの市美周辺、すべての樹々が秋の彩りを見せてくれています。美しいです。
観光客の方々でメインの大通りは賑わいを見せる姫路ですが、お城の直ぐ近くに位置しながらも中々この美術館に入って来られる方は多くはないようで、休日でも比較的ゆっくりとマイペースで画を眺めることができます。

展覧会内容
近代絵画の祖であるコロー、クールベなどの写実主義からモネ、シスレーをはじめとする印象主義、そしてピカソ、ブラックらのキュビスム、カンディンスキーの抽象絵画など、ストラスブール美術館の所蔵作品の中から厳選された約90点を展観しフランスの近現代絵画の主要な流れを辿るもの。
※同展公式ホームページより転載

テーマの「フランス近現代絵画の主要な流れ」は解説パネルを読んでいけば概ね理解できます。
難しいことは抜きにして、美術館の楽しみである“どんなハッと心つかまれるような作品に出会えたか”“どの作品の前で(図らずも)足が止まって佇んでしまったか”という観点で感想を綴ってみました。
最初のブースに展示されていた印象派クロード・モネの作品<ひなげしの咲く麦畑>は、さすがは印象派を代表する画家の作品とあって初っ端から足が止まりましたよ。
印象派の印象派たる画風で、解説の言葉を借りれば「形態を光の中に没してしまう」が如く陽光に100%包み込まれたひなげしの麦畑の画が、時空を超えて今この時この絵の前に佇む私に幸福感をもたらせてくれた感じがしました。
モネはひなげしの花をテーマに少なからぬ作品を残しているようです。そして一つの作品に幾つものアングル、幾つもの(陽の)条件下でそれぞれ5〜6点もの作品を描いたそうです。結局その試行錯誤を経てモネ自身が最も納得のいく作品を世に問うたのでしょうね。
↓↓ ここからは私自身の備忘録として画家名や作品名が続きますが悪しからず ↓↓。
印象派のロタールフォン・ゼーバッハという画家の作品にも惹かれるところが多かった(作品<ラ・ドゥアンヌからストラスブールへの道、雨の効果>)ですが、驚きに近い感じで見惚れてしまったのはジェラール・ガジョロフスキーという画家氏の<宿命或いは家族の絆、もうひとりのマルゴ>という人物画でした。制作年は1972年です。
「画家の使命は目の前の対象主題を自己の才能や芸術性など介在させずただひたすら完璧に写実的に描くことだ」という氏の言葉(作品横に添えられた解説文)に反して、描かれたマルゴさんの肖像画はあまりにもガジョロフスキー氏自身の感性と独自の画風とその芸術性に満ち満ちたものでした。私が人物画が好きということもありますが、このマルゴさんの画は一度見たら忘れないインパクトがありましたね。
タイトルも非常に意味深で、このマルゴという女性が抱えた人生とは?もうひとりの、とは?描いたガジョロフスキー氏との関係性は?といろんな思いを馳せてしまいました。この画家の生い立ちや作品背景の解説はなかったので残念ですが、大きな図書館にでも行けばそのあたりを調べることができるかもしれません。
シュールレアリスム期のジュール・ペランという画家の作品にも不可思議で挑戦的な、鑑賞後も後を引く世界観がありましたねー。展示作品は<機関銃>、<ポプラの航海>の二点。
アンリ・リヴィエール、アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック、ヴィクトール・ブラウナー、、、事故や病気により体の一部あるいは機能を失うという不運な出来事に見舞われながら画家としての道を歩んだ芸術家たち、役人の仕事と芸術家としての謂わば真逆に位置するような道を長年にわたって両立させた画家ロベール・エイツなど、初めて知る画家の名も多くていろいろと勉強になりました。
それにしてもマルゴさんの画は凄かったです。

「友夫妻在り、遠方より来たる。」
少し前のお料理も美味しい人気店での乾杯の画です。
久々の再会で楽しい時間でした、ありがとう。
グラスはワインのように見える色合いですが山廃仕込み純米酒の原酒です。
古酒を思わせるような良い意味でのひね香が僅かにほんのりとあって大変美味しゅうございました。
久々の再会で楽しい時間でした、ありがとう。

グラスはワインのように見える色合いですが山廃仕込み純米酒の原酒です。
古酒を思わせるような良い意味でのひね香が僅かにほんのりとあって大変美味しゅうございました。
ざっと他の記事なども読ませていただいたのですが、好きな映画(カウリスマキ監督好きです)やお酒好き(ジン好き)なところ、猫好き、大阪-神戸-姫路あたりがホームらしきところなど共通点があり、楽しませていただきました。萩尾望都の名前もあってさらに嬉しくなりました。(残念ながら展覧会は未見です)。
事情でなかなか映画館には行けないのですが、また読ませていただきますね。
色々検索したのですがジュール・ペリンの情報って見つからないですね。
お越し下さり嬉しいです。
生きていたらこんな良いこともあるのだなぁと(←大袈裟な表現でもなんでもなく)しみじみ嬉しく思いました、ありがとうございます。
ジュール・ペランの絵は単なる奇をてらったものでなく不思議な魅力を感じました。ポプラの樹が船に乗って海を行かんとしている画には(意味を探ろうにも解せませんでしたが)見惚れてしまいました。
仰る通りネットでは中々名前も見当たりませんでしたね。
カウリスマキがお好きでお酒・ジンもお好きなのですね(*^-^*)。リンク先にお伺いさせて頂いたら本をとても愛しておられるようで、これから改めてゆっくりとお伺いさせて頂きたく思いました。
映画は私も一時映画館に行けない状況でしたし、今はまた職環境の変化で目指す劇場には中々行き難いのですが、なんとか細々と綴っていきたいと思っております。
またどうぞお越しくださいね。
私もお伺いさせて頂きます。
コメントの返事ありがとうございます。
間違えていました 画家の名はジュール・ペランでした!
何か惹かれるものがありましたよね。
それほど期待していた展覧会ではなかったのですが、知らない画家たちの作品と出会えたり、マチスのジャズや入り口のサブ展示のマグリットなどサプライズな展示もあって期待以上によかったです。
ブログは自分のメモ的なもので内容もあまりなく、お目汚しのような気もしますが、自己紹介がてらアドレスを入れました。
これからもよろしくお願いします。
purplefield様、再びのお越し、ようこそです(*^-^*)。
マチスのジャス一連作品はやっと全部揃い踏みの展示となったみたいです、あれイイですよね。
「マグリット…」も作品数は少ないながら本展に劣ることなく十分楽しめましたね。
常設展の幾つかが好きで(特にコロー作品が好きで)、ふらりと(常設展だけ)寄るにも良い空間です。
その後のコメントも拝受いたしております(^^)。
“そんなこんな”含めて今回のご縁をとても嬉しく受け止めております。
こちらこそ今後ともどうぞ宜しくお願い致します。