2019年12月13日

ライフ・イットセルフ     大切なのは気付くこと


 シネリーブルで『ライフ・イットセルフ』(ダン・フォーゲルマン脚本・監督)観ました。

登場する人物のきっと誰かであるのだろう語り手が(ラストでは明かされます)、ボブ・ディランの名曲を背景にやや軽妙とも思えるトーンで物語に導いてゆく冒頭の演出。
独特の抜け感があって面白かったと思います。

悲惨な出来事が幾つか描かれているのに(しかも派手な効果音付きで)観終わった後は優しい気持ちで満たされていたのはそこにいつも「深い愛」があったからだと観終わった後じんわりと分かりました。


                     ライフイットセルフチラシ - コピー.JPG


Story
ニューヨークで学生時代から付き合っていたウィル(オスカー・アイザック)とアビー(オリヴィア・ワイルド)は、第一子の誕生を間近に控え幸せに満ちあふれていたが、悲惨な事故に巻き込まれる。一方、旅先のニューヨークで偶然その事故に深く関わってしまった少年は、その出来事をきっかけに、スペインで両親と父の雇い主であるオリーブ園のオーナー(アントニオ・バンデラス)の人生を変えることになる。
 ※映画情報サイトよりの転載です。



「信頼できない語り手」というのが若かりし頃のアビーが大学の卒論に取り上げたテーマの中の重要なワードだったのですが、これが本作そのもののテーマにも通じるものでした。

人生そのものが実は「信頼できない語り手」によって紡がれる物語だ、と。
これは「なんのこっちゃ?」的な一文ですが、多分本作をご覧になれば「あぁそうなのかもしれないなぁ」って思ってもらえることだと思います。

人生って何が起こるか全くわからない。
でも幾つもの荒波を乗り越えてこそ見つかる「愛」がある。文字にすれば既視感ばかりの言葉ですが、乗り越えてそこに到達した者にってはそれは揺るぎない真実なのですよね・・・。

愛を見つけたというよりこの物語には実は常に愛がそこかしこに隠れていて、それに気付いたっていうことなのだと思いました。
先述しましたが、実は愛に溢れたそれぞれの人生であったわけで、だから観終わった後に優しい気持ちに包まれたのだと思います。「そこに在ったんだ・・・」という気持ちで。

特に私はサチオーネの無償の愛に静かに心打たれました。
演じたアントニオ・バンデラス・・・初めてこの男優さんを素敵だと感じました。
残った孫娘を慈しみ育てたお爺ちゃんにも。
私が歳を重ねたからでしょうか。男女の熱愛より、ずっと静かで表現の仕方が難しいような愛に心寄せてしまうことが多いです。

過去の全ては未来に繋がる・・・真摯に向き合えばそこに辿り着く・・・。こういう作品は年を締めくくる一今、イイのじゃないでしょうか。

自分としては至極冷静に“淡々と”物語を追っていたつもりでしたが、ラストシーンの何気ない一言には何故かしら落涙。きっと確かな「幸せのかたち」がそこに在ったからなのだと思います。それもこの監督の物語の作り方、見せ方の上手さ?の為せるものなのでしょうか。
ボブ・ディランの曲(歌詞)も効いていましたよ。



                      どん - コピー.jpg

先日明石の天文科学館でちょっとしたお勉強をしてきました。

もう鬼が笑うほど先のことではないので記させて頂きますが、来年は天文学的に「当たり年」だそうです。
日食、惑星との大接近、流星群の大量出現、、、さらに(来年)末にはあの<はやぶさ2>が地球に帰還予定です。
こちらのプラネタリウムでは年末から来年2月初旬『138億光年 宇宙の旅』のプログラムが上映されるようで、これは今からとても楽しみなのです。

勉強会の帰りの反省会(と称する独り呑み)の画。
海の街、某店で酒肴とぬる燗です。


年の瀬ですねぇ・・・しみじみ。


posted by ぺろんぱ at 20:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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