シネリーブルで『家族を想うとき』(ケン・ローチ監督)を観てきました。
ケン・ローチ監督作品ということでそれなりに身構えて臨みましたが、やはりずしりと重く残った作品でした。
年末に(しかも個人的なことを言えば仕事のことであれこれ考え込んでいる今のこの時期に)えらい映画を観てしまったなぁ・・・と。しかしそれも今後の何らかの道標になるかもしれません。

story
イギリス、ニューカッスルに暮らすターナー家。フランチャイズの宅配ドライバーとして独立した父のリッキーは、過酷な現場で時間に追われながらも念願であるマイホーム購入の夢をかなえるため懸命に働いている。そんな夫をサポートする妻のアビーもまた、パートタイムの介護福祉士として時間外まで1日中働いていた。家族の幸せのためを思っての仕事が、いつしか家族が一緒に顔を合わせる時間を奪い、高校生のセブと小学生のライザは寂しさを募らせてゆく。そんな中、リッキーがある事件に巻き込まれてしまう。
※映画情報サイトより転載
のっけから非常にシビアで過酷な世界が展開します。
家族のために選んだ仕事がどんどん家族を(勿論、自らをも)追い詰めてゆく現実。
そう、これって「現実」で、同じような辛苦に喘いでいる家族は今この瞬間にもたくさん存在しているはずです。
リッキーもアビーもセブもライザも誰一人として悪くなくて、ただ家族を想っているだけ。それなのにどんどん彼らを取り巻く物事が悪い方へ流れていってしまうのは観ていてもの凄く辛いです。
「こんなに苦労するとは・・・」
「私たち、いったいどうしたんだろう・・・」
リッキーとアビーの言葉です。
これが負のスパイラルに陥ってしまうということなのでしょうか。
何らかの軌道修正をしようにも、疲弊しきった肉体と翌朝に否応なくやってくる労働がそれを許さないという現実。
美辞麗句で「個人事業主」と謳い上げ、その実、企業側からの補償も付与せらるべき権利も剥奪されて・・・こんなシステムやそれを容認する世の中、やっぱりどこかおかしいと思わざるを得ない。
息子セブがアートで描く壁画は、ずっと以前から彼が抱いていたそんな世界へ向けての「?」(疑問)だらけの心の叫びだったのでしょうか。セブが描いた画が非常に印象的でした。
そのセブと、妹ライザと、それぞれに描かれたエピソードが素敵で。
夜遅く突然の仕事に向かわねばならなくなった母アビーを父の車で家族皆で送っていこうと提案したセブ。
父リッキーの仕事を手伝いながらとがった父の心をまぁるくしてあげたライザ。
その後に展開する過酷な出来事があまりにつらくて、温もりの在るこのシ―クエンスが嬉しくも切なく思い返される今です。
物語の展開に引き込まれ続けてその牽引力は一度も緩むことなく、最後の最後にローチ監督の静かな怒りが一気に爆発するのを観た気がしました。
あのラストシーン。「キミは何を感じたか?」と問われている気がしました。
原題の「Sorry, We Missed You」は宅配先が留守だった時にドアに貼っておく「残念ながら不在につき…」の文句だそうです。
本作のリッキーのように契約上「個人事業主」の場合は相手先の指定日時に配達ができなければ宅配人本人の罰金となってしまうようです。
家族への「miss」の想いとか、いろんな意味を含んでいて考え込んでしまう原題ですね。


いつだったかの、某店です。
酒肴3種盛りをオーダーしたら生牡蠣が出てきたのでビールを置いといて急いで日本酒をオーダーしました。こちらのお店は初訪問でしたがとてもいいお店でした。
今年一年もお酒にはいろんな意味で救われた気がします。
今年3月半ばに拙ブログを4年ぶりに再開させて頂きました。
今年観た映画を振り返っての感想を挙げたいところですが来年に入ってからのアップになりそうです。
皆さまどうぞ佳い2020年をお迎えください。

牡蠣が出てきたからビールおいといて日本酒、てさすがのさすがのペろんぱさん!…尊敬です。(しみじみ)自分なんぞ何でもありのぐちゃぐちゃ飲みで…。(トホホ)
ほなまたです。
ビイルネンさん、お越しくださり嬉しいです。
こちらこそ、この一年こんな拙いブログを応援してくださって感謝しています、ありがとうございました!
来年もどうぞ宜しくお願い致します!
生牡蠣で日本酒…なんかすごい小市民的でお恥ずかしいです。
自分的には小確幸(春樹さん造語)な瞬間でしたが…アホですね…。
私こそぐちゃぐちゃ呑みです、三杯目からはとにかく酔える為に…。
どうぞ佳い大晦日の乾杯をなさってくださいね!
日本でも、個人事業主の宅配ドライバーはその激務が問題視されてるようですね。
それでも映画では、家族の愛が希望になってるのかなーと、
ぺろんぱさんのレビューを拝読して感じました。
いつか精神的に余裕のある時に、見られたら。。。と考えてます。
昨年同様、今年もよろしくお願いいたします!
Yururiさん、ようこそです。
家族の愛が希望になったのか・・・こんな形でラストなのかっ!?とも思ってしまいましたよ。
いつの日かYruriさんのご感想を是非お伺いしたいです。しかしやっぱり仰る通り精神的に余裕のある時にというのがよいかもしれません。
今年もどうぞ宜しくお願い致しますね!
明けましておめでとうございます🎍
ケン・ローチ監督作品なんですか?
チェック漏れていました(^^;)が、
109シネマズで、2回の上映があるようで観れるかも🙌
で!
「そして、やっぱり今年も呑みます!」宣言に思わず笑っちゃったわ👌
うん!呑んじゃえ💗
Kiraさん、2020年の幕開け、おめでとうございます。
今年もどうぞよろしくお願い致します。
本作から受ける世界は新春には厳しい空気かもしれませんが^^;…それだけに心掴まれることも大きいかもしれません!
もしもご覧になられたらご感想を楽しみにいたしておりますね。
はい!
Kiraさんに背中を押してもらえたので(←責任転嫁??)迷うことなく呑んじゃいます!(*^-^*)
ありがとうございます!