『ある女優の不在』に続いての鑑賞は趣きを変えてのこちら。
アースシネマズで『フォード VS フェラーリ』 (ジェームズ・マンゴールド監督)を観ました。暫く長尺の映画を観ていなかったので「153分」の本作に怯みもしたのですが、そこは観たいという初志貫徹で臨みました。
結果、153分なんて一気に過ぎていきました!
のっけから路面に吸い付くような走り、7000、8000回転のエンジンのうねり音、そこから怒涛のドラマへひたすら飲み込まれていく感じでした。
Story
マット・デイモンとクリスチャン・ベールが初共演でダブル主演を務め、1966年のル・マン24時間耐久レースで絶対王者フェラーリに挑んだフォードの男たちを描いたドラマ。
ル・マンでの勝利を目指すフォード・モーター社から依頼を受けた、元レーサーのカーデザイナー、キャロル・シェルビー(マット・デイモン)は、常勝チームのフェラーリ社に勝つため、フェラーリを超える新しい車の開発と優秀なドライバーの獲得を必要としていた。シェルビーは、破天荒なイギリス人レーサーのケン・マイルズ(クリスチャン・ベール)に目をつけ、一部上層部からの反発を受けながらもマイルズをチームに引き入れる。限られた資金と時間の中、シェルビーとマイルズは力を合わせて数々の困難を乗り越えていくが……。 ※映画情報サイトより転載
文句なしの私にとっては快作でした。
レーシングカーファンでなくても人間ドラマとして充分に見応えがありました。
企業間のプライドをかけた闘いも面白かったですがフォード内部でのそれも。机上論をぶつ側と現場にいる側との闘いがあり、しかし「ワンチーム」になる結束も不可欠で。スポンサーがついてこそのレースであり有能なドライバーがいてこそのレース勝利ですからね・・・。
現場の人間同士の意地とプライドのぶつかり合いもあり、当然ながらそこには大きな信頼も必須で、この相互の「信頼」がとても丁寧に描かれていたことが良かったです。
そして「家族愛」も。
ケン・マイルズがただの偏屈者でないことがよく分かりましたし、この家族との愛があったからこそのケンの生き様だったのだなぁって思えました。ラストシークエンスのじんわりとした感動に繋がったなぁ。

※映画情報サイトより転載の画像です
これってどこまでが事実なんでしょうか・・・いろいろあったみたいですけれど。
レース結果はここには敢えて書きません。
ただ、シェルビーのあの決意が凄いです!
ケンのあの決意は更に凄いです!
全てが静止しした“無の瞬間”のようなあのシーン。
ケンの頬をつたうあの涙はきっと彼にしか流し得ないもの、彼にしか分かりえないものだったろうと思いました。

エンディングで映された本物の彼らのショット。
ああクリスチャン・ベイルって本当に素晴らしい俳優さんなのだなぁって感じた瞬間でした。本物のケン・マイルズが憑依したかのような彼(クリスチャン・ベイル)でした。
ちょこっと追記
■「最高のエンジニアと最高のドライバーを集めろ。レースカーを造る。」
フォード2世のこの言葉には一瞬ゾクッと鳥肌が立ちました
■ストップウォッチ事件に六角ナット事件。あれってやっちゃイケナイ事なのですよね??^^;
■シェルビー・チームのあのエンジニア二人、良き存在。演じた役者さんも魅力的でした。

雁木 VS. 篠峯。 無濾過生原酒対決の画です。某店にて。
アースシネマズではメジャー作品情報が入ります(^^)。
『ノー・タイム・トゥ・ダイ』、ダニエル・クレイグファンならこれ絶対観に行かないと。これで007シリーズを卒業するんですよね・・・クレイグさん。
1966年の表彰台制覇したフォードの快挙の裏でこんなドラマがあったことが驚きでした。
にしても、最後のケン・マイルズ本人の画像はクリスチャン・ベイル瓜二つ(笑)
あの社長もよく似てました。
六角ナットの件、あれはいけません(爆)
でもシェルビーの気持ちは分かります(←おい)
itukaさん、お越し下さり嬉しいです。
itukaさんはモータースポーツがお好きなのですね(^^)。
なるほど、貴ブログで「エンジン音の違い」について戴いたコメント! す、すごいっ!
何もわかってなかった私はその違いを知る為にもう一回観たいです^^;。
ほんと、、、勝負の裏ではいろんなドラマ在り、なのですね。
こういう角度で描いて見せてくれた本作に感謝の思いです。
そうそう、ストップウォッチはいいとしてもナットのアレはあきませんねぇ・・・でもああいう軽いタッチのシーン作りが洒落てましたね。
>シェルビーの気持ちは分かります(←おい)
はい、私も気持ちは分かります(←おい)^^
「現場で戦う熱い男達 vs 口を出してくるフォードの背広組」みたいな印象でした。
車に全く興味がない私でも、モータースポーツの映画には毎回心奪われ、
たいていハズレがないのが不思議です。
車好きの方ならなおさらでしょうね。
ケンの妻モリー、いい女!ですね。
彼女が登場人物で唯一の女性?!
やっぱり男くさい映画であることには間違いない(笑)
個人的には、エンジニア、ピットクルーにもっとスポットライトがあたってもいいかなと。
映画としては焦点がぼやけてしまうかもなので、致し方ないのかなとか感じました。
Yururiさん、こちらにもようこそです。
この作品もやはりご覧になられていたのですね。
あの「背広組」の描き方、フォード社にとって結構マイナスイメージ大きかったですよね?
それでもこの展開で作品化が為されたのはフォード社の懐の深さなのかなぁと。
モリーの存在がイイ感じでソフトな趣になっていましたね。決してウェットになっていなくて。モリーも「男前!」的美女でしたからやっぱり男の映画!?(笑)
私もエンジニアたちには信じる気持ち、熱情、諸々唸る気持ちでした。
その部分であともう少し長尺になってても本作の力なら魅入ってしまったかもしれません!(*^-^*)