2020年02月20日

清宮質文 展     凝縮された時間、空間


京都府は乙訓郡、大山崎山荘美術館に『清宮質文(せいみやなおぶみ)展』を観に行きました。

本展を知ってからずっと行きたくて、観たい作品が多い後期(1月27日に一部展示替え)にと考えていました。

チラシ表面()に掲出の作品を観た時、何故か有元利夫の絵を想起したのです。
有元利夫の画、好きなんです。それでこの清宮氏の作品にも触れてみたくなって。


清宮 チラシ.JPG


両者の作風は全く違うものでしたけれど、幻想的で静謐な空気をまとったような作品イメージが私の中で両者を重ねてしまったのかもしれません。

清宮質文(1917ー1991)。
版画家として知られているようですが、私は氏のガラス絵の作品に魅せられました。
ガラスという素材の為せる業なのかとても透明感があって、明るい色が使われているにも関わらずどこか物悲しく儚げな印象でした。
他の多くの版画作品も含め殆どが小さな作品なのに見入ってしまうことが多くて、何と言いましょうか、自分の中に眠っていた遠い記憶が呼び覚まされるような感じでした。

氏はご自身の内面の深いところに下りていってしまわれるようなお方だったのでしょうか・・・晩年は神経症のような心の病も抱えておられたとプロフィールに記されていました。

こちらの館は佇まいそのものが静寂で時を忘れさせてくれるような趣きがあります。静かにゆっくりと一つ一つの作品を眺めることができましたよ。


大山崎 テラスでワイン - コピー.jpg

ここを訪れるのは二度目です。
喫茶室ではテラスで外を眺めながらお茶、アルコール、スイーツなどを戴くことができます。
今期のスイーツは清宮氏作品のモチーフである蝶をイメージしたブルーベリーのケーキと蝶の形をしたソルトバタークッキー。そして私は白ワインも(サントネージュ 180ml 今は「アサヒビール」の冠を呈した美術館ですからね)。
前回もコーヒーとかじゃなくビールをオーダーした記憶があります。(何処でも呑む…まだ明るくても呑む…とにかく呑む…。)
お陽さんを浴びて、ちょっとひんやりした風を受けながらいただくワインとスイーツは美味しかったです。



大山崎 沈丁花 - コピー.jpg


美術館へ通じる坂道に咲く沈丁花。
その芳しい香を澄んだ空気が運んでくれました。





posted by ぺろんぱ at 21:27| Comment(3) | TrackBack(0) | 日記
この記事へのコメント
素敵な時間を過ごされたようで、拝読しているだけで心浮き立ちました。

以前私がこちらを訪れた際に、
有元利夫さんがお好きとコメントいただいたのを思い出しました。

清宮質文さん、存じ上げませんでしたがチラッと拝見する限りモダンでシンプルな印象、
自分の目で確かめて見たくなりました。
ブルーベリーのケーキも気になるし。
こちらのカフェ、テーマに沿ってその時々に作られているのが素敵ですね。

そうそう、沈丁花の香りが大好きなのでこの時期見かけると、
人目もはばからず必ずクンクンしています。
Posted by Yururi at 2020年02月22日 18:47
追加コメントです。

この企画展は昨日21日(金)までの開催だったようです。
そう思うと、ブルーベリー系のケーキが急に食べたくなる心理が不思議です(笑)
少し残念ですが、清宮質文さんのお名前を知ることができて良かった。

「新・日曜美術館」からの情報が頼りの私ですが、
ぺろんぱさんの美術館関連記事も楽しみにしてます。
Posted by Yururi at 2020年02月22日 18:53


Yururiさん、お越し下さり嬉しいです。

そしてビックリ!
22日(土)から休館になってしまったのですね!
新型ウイルス拡散の影響が身近なところに次々と起こり始めていますね。こちらの休館もとても残念です。

以前Yururiさんがこの大山崎山荘美術館での記事を挙げておられた際のことはよく覚えています(^^)。
有元利夫さんの画に触れる希少な機会でしたのに行けず仕舞いで残念でしたが・・・。

>テーマに沿ってその時々に作られている

そうですよね。
視覚的にも楽しめるので美味しさ倍増ですね。

沈丁花の香りは、こんなふうに外を歩いていて意図せずふっと出くわす…みたいな感じがイイですねー。
Yururiさんは植物(お花)好きでいらっしゃいますよね。「かならずクンクン」も激しく納得です(^^)。

次回のブログも美術館のものになります、多分。
よろしければまたいらして下さいね。



Posted by ぺろんぱ at 2020年02月23日 18:42
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