アースシネマズ姫路で映画 『 罪の声 』(土井裕泰監督) を観ました。
この映画、実はノーマークでチラシも持っておらず。
知人に塩田武士さんの原作小説を薦められて初めて映画に目を向けた次第です。
本を貸そうしてくださったのに「図書館で借ります」と言って辞したのですが、いざ図書館で予約したら15人待ちでした。映画化されて上映中なんだから まあそうでしょうね・・・。それならば先に映画を観ようかな、と。
142分という長さに少し怯みましたが終わってみれば長さを感じることは全くなく、いい映画に出逢えたなぁと見応えを感じました。 終盤の落涙もマスクの襞が受け止めてくれました。

<story>
かつて日本を震撼させた事件をモチーフにした塩田武士の小説を映画化。昭和の未解決事件をめぐる二人の男の運命を映し出す。
平成が終わろうとしている頃、新聞記者の阿久津英士(小栗旬)は昭和最大の未解決事件を追う特別企画班に選ばれ、30年以上前の事件の真相を求めて残された証拠をもとに取材を重ねる日々を送っていた。その事件では犯行グループが脅迫テープに3人の子どもの声を使用しており、阿久津はそのことがどうしても気になっていた。一方、京都でテーラーを営む曽根俊也(星野源)は父の遺品の中にカセットテープを見つける。なんとなく気になりテープを再生してみると幼いころの自分の声が聞こえてきた。その声は30年以上前に複数の企業を脅迫して日本中を震撼させた事件の脅迫テープの声と同じものだった。 (※映画情報サイトよりの転載です)
あのグリコ森永事件。
当時は そのうちにきっと解決されるだろう という漠然とした思いがありましたが、未解決のまま2000年に時効を迎えました。
本作はギンガ・萬堂事件と名を変えて<フィクション>ですが実際の事件の詳細がほぼそのままに描かれていて、事件の真相に真っ向から迫った塩田氏のグリコ森永事件の考察なのだと受け止めました。実際当時の報道の模様も使われており、途中からはもう これが真実なのではないか と思われてくるのでした。
ただ、これは単に事件の真相を暴こうとしただけのものではなく、その事件によって大きく狂わされてしまった子どもたちのその後の人生と、そのことがもたらせた意味に深く切り込んだものだったと思います。
いろんな負の感情が絡み合ってあの犯罪を生み、そこから更にまた幾つかの不幸が絡んで2人の人生を大きく変えることになってしまった ということ。正義という名を借りた負の感情が、あの事件のみならず別の罪を生み出してしまっていたということ。そのあまりの罪深さ。
様々な問いかけがありました。
弱き立場の者に怒りを生ませる社会に対して、全てをエンタメとして消費しようとするマスコミの姿勢に対して、そして今のこの世に生きる人々に対しての‘自身の人生に対する責任’に対しての問いかけが。
終盤に語られた曽根俊也の「社会に裏切られても、この先誰かを恨んでも、あなたのようにはならない」の言葉が深く心に沁みました。 人が生きてゆくうえで最も大切にし、守り抜かねばならないものは何なのかを考えさせられました。
子どもという弱き立場を思う時、自分の意思とは全く別のところで背負わされてしまう悲劇があると思うとやはり胸が痛みます。
それを回避させ、またはそこから守り、生きてゆく日々を導いてくれるものの存在がどの子にもあってほしいと純粋にそう願いました。

最近の猫パトロールより
その@ 久しぶりなのにつれないくろべえ… と思ったらこの子はアナザーだった。
畏るべし、激似の二匹!

そのA カムイは香箱座りしてる・・・寒くなってきたからなぁ。

そのB 秋の物思いに耽る きじトラン
皆みな達者でくらせ。

(森永ヒ素ミルク事件となると←さすがにこれは伝え聞きしか知らんけど)
"猫パトロール"いつも楽しいです!
皆それぞれにそれぞれの思いにひたり・・でしょうが、やはりーきじトランーの現在の心境に興味が湧きます。(ほっといたれや)(・・・)
ほなまたです。
ビイルネンさん、お越し下さり嬉しいです。
>森永ヒ素ミルク事件
生まれる前の事件なのに記憶に在るのはやはり「事件のその後」が長く尾を引いていたからなのでしょうね。不買運動とかも。決着をみたのは1980年代だったとか・・・。
昭和って色々あったんですねぇ・・・。
猫パト。
彼らから教えられることも多いです。こっちが見守られてる感じです。
きじトランの物思いは何なのでしょうね(*^-^*)。
ちんまりと揃えた前足が可愛いです。