昨年最後の記事の終わりにちらっと書き添えていた山本文緒さんの新刊のこと。
新刊といっても私が知らなかっただけで昨年の9月に刊行されていた小説です、『 自転しながら公転する 』 (新潮社)。
今年に入ってから読み始めて先日読了しましたので感想を少しだけ綴っておきます。

<こんな本>
東京で働いていた32歳の都は、親の看病のために実家に戻り近所のモールで働き始めるが…。恋愛、家族の世話、そのうえ仕事も頑張るなんてそんなの無理!誰もが心揺さぶられる7年ぶりの新作小説。 (※本の情報サイトよりの転載です)
読了後の開口一番は「なるほどー」でした。
それは冷めた言葉じゃなくて、賞賛の意を込めた唸りのようなものです。
プロローグとエピローグは単行本化に向けての書き下ろしだったのですねー。
私ごときが言うことじゃないのですが、それらが加筆されたことでより一層物語の奥行きが深くなって、何だか別物にすらなったような気がします。こっちのほうが断然好き、です。
また違う余韻を残すものですが、“長い時の流れ”を感じさせてくれた点に於いて、同じく文緒さんの過去小説 『 落花流水 』 を想起させるものがありました。 ( 『落花流水』 については2011年9月30日付 の拙ブログで触れています。)
やっぱりこの人の小説は面白くて読みだすと止まらなくなる。
主人公は私からすれば充分に若い32才の女性ですが、気持ちに入ってゆけるのは書き手の文緒さん自身が私と同年代の女性だからなのかもしれません。精神的な病も含めていろんなことを体験されて少しずつ歳を重ねてこられた文緒さんの想いが投影されている32才だからなのかも。
主人公・都は住む処や職場の環境が変わったり、いろんなことを体験して周囲の人間や自分自身の心の負の側面を見ることになるのですが、やっと自分が一番失いたくなかったものの存在に気付いてゆくのですね。
プロローグで 一体どう展開してゆくのか分からず行き場を探していたパズルのピースが、エピローグでやっとカチッとはまった気持ちでした。
「自転しながら公転する」って、人生そのものの‘ありよう’なんですね。
7年前の新刊だった 『 なぎさ 』 は一度読んで本棚に置いたまま再読してない・・・これを機にもう一回読んでみようと思っています。

猫パトロールにて。 あ、カムイが居てた、よかった! 今年もヨロシク。
右目の下どないしたん? 喧嘩したんか? 大丈夫か?

某日、空いていたので久々にこちらのお店に入った時のこと。
カップにバリスタさんがスマイルマーク付きで 「Thank you !!

こちらの温カフェラテは結構好きなのでたまーに来たいのですが、これからはどうするかなぁ・・・。
予約待ち41番目(涙)、人気ですね。
山本文緒さん「あなたには帰る家がある」から「プラナリア」くらいの
時代は結構読んでました。
最近の作品は全く読んでないので、ワクワク
気長に待ちます(笑)
今年はたぶん去年以上に、映画館に行く回数は減りそうですが、
大切に一本一本噛み締めて過ごそう!と思ってます。
ぺろんぱさん、今年もよろしくお願いします♪
Yururiさん、お越し下さり嬉しいです。
41番目ですか!
しかしきっと大きな市の図書館なら同書の蔵書数も多いと思います。なのできっと程よい頃にお手元に届くかな、と(*^-^*)。
それなりに良い意味でお歳を重ねてこられた著者氏ですが、実は本書を読んでいて「あれ?若返りはった??」と感じるところもあったりしたんですよね。きっと今の著者氏が安定しておられるからなのかな…と。
私も(私はYururiさん以上に)新作鑑賞は減ると思います。
その分 印象の深い、濃い良作(自分にとっての)に出会えることを祈りたいですね。
改めまして拙サイトでもご挨拶を重ねます、こちらこそ今年もどうぞ宜しくお願い致します!