兵庫県姫路市の文化施設は12日から営業再開となっていて、散策を兼ねて、いずれもお城周辺に位置する三つの美術・博物館を順に巡ってきました。
訪れたのが平日ということもあって三館とも貸切り、もしくは ほぼ貸切り状態でした。
観る側は静かにゆっくり楽しめることになりますが、主催者、そして何より作品制作者・提供者にとってこれは非常に残念で寂しいことではありますね。 観る者にもギリギリのせめぎ合いがあることは確かです。
感想を簡単に記しておきたいと思います。
三館のうち一館は私にとって初めての訪問で、非日常の贅沢な空間体験となりました。

◆兵庫県立歴史博物館 『 特別企画展 広告と近代のくらし 』
明治から大正、昭和にかけて「多彩なデザインを持つ広告の移り変わりを辿る」という本展には、開催前の告知パネルでずーっと興味を抱いていました。
時代とその時々の人々の暮らしに密接に関わっている広告の在り方が面白かったです。

※引札の一例です、館内は撮影OKでした(フラッシュNG)。
広告の走りとされる江戸時代の引札 ( ひきふだ / 錦絵に店名を刷り込んだもの ) や、明治時代から登場する、上流志向を刺激した美人画ポスターの数々。とにかく美しく華やかなものが消費を牽引するのだという王道で発展を遂げてきた広告業界だったのですね。
電柱広告や大型看板のより効果的な展示場所の確保を担ったのが広告代理店のスタートであったというのは興味深く、今や‘ 基本のキ ’かもしれない「 流行は作り出すもの 」に着眼した当時の大企業の広告戦略には時代を上手くとらえた意欲満々のハイテンションぶりが伝わってくる感じでした。
◆姫路市立美術館 『 小野田實展・私のマル 』
小野田實氏の、アートという名の思想・哲学の世界に身を投じさせてもらったという感じでした。
作品の前で立ち止まっては考え、ポイント毎に掲示されていた氏の「絵画論」を必死で(少しでも近付きたいという思いで)目で追いながらも、それは私などの理解の遥か遠いところにあり続けました。
容易に理解し得ないからこそ 前衛芸術 なのかなぁ・・・。
もう何度も訪れていますが今回も最後は常設展ブースへ。
こちらの常設展は 安定の心地良さ です。 大好きな空間です。
◆三木美術館 『 絵画 樹々のある風景展 / 陶磁器展 海をこえてきたわざ 』
何度も前を通りながら入館せずのままで ずーっと気になっていた美術館です。思い切って入ってみました。
美術館というより、どこかの途轍もないお金持ちの 秘密の令堂 に足を踏み入れた…っていう感じでした。
3F・4Fの展示室では、完璧に磨き上げられた光沢を放つ黒柿の床面を歩く靴音が静かに響きます。そしてそこに飾られているのはずっと眺めていたいと思わせてくれる美しい作品たち。
最上階にはキャッスルヴューのガラス窓に囲まれ身体を心地よく沈められる大きなソファーと、予約すれば使わせてもらえる(有料です)茶室があり、2Fはギャラリースペースで地元の作家さんたちによる作品発表の場として提供されています。
創設以来長い日々のメンテナンスに惜し気なく資本が投じられてきたのだろうなぁと、いろんな意味で贅沢に時を刻めた空間でした。
三者三様の 芸術の館としての趣きを感じたプチ街探訪でした。

宅呑みが続く日々です。
先述の「広告とくらし展」展示の一枚(麒麟麦酒 / 多田北烏 制作 1930年作品)です。今ならこのポスターにはどんなコピーがイイでしょうね(^^)。
私の宅呑みは代り映えしませんが(レモンを絞ったハイボ もしくは ライムを絞ったジンリキ)、最近は手作り行灯が仲間に加わりました。
ヒロシさんの『ぼっちキャンプ』(BS-TBS)に魅せられて室内でも使えるランタンをずっと探していたのですが(お薦めランタンをご紹介下さった方々にはこの場を借りてお礼申し上げます、本当にありがとうございました(*^-^*))、、、ある時ふと「そうだ、(ランタンじゃないけど)私だけの行灯を作ってみよう!」と思い立ちました。
仕上がりイメージをあれこれ思い描いて、中に入れるライトと外装に使う材料で1500円弱という汗顔の安価さで仕上げたマイ行灯。
でもとても気に入ってしまって、今や毎夜のアルコールタイムに欠かせないアイテム、否、もはや家族的存在になっています。 時々話しかけたりもして…(←アブナイ)。
ぼっち酒タイムも心地よい時間になっています。

「家でやったら飲めますわよぉ〜、あなた」
(けどようけ飲むんやったら発泡酒にしとかんかいっ。自分はひと缶しか飲まんから麦芽100パーでいくけどなっ←心の声)by裏表のある妻。(・・)
ほなまたです。
ルービンリキ(キリンビール)ポスターのコピー、ありがとうございます!
凄くイイですね〜。このコロナ禍に相応しく宅呑みのほのぼの感もありがなら新妻の(←勝手に新妻と決めてますが)毒気をはらんだ‘心の声’が何やらドラマティック!です。
‘ジャズスペシャリストさん’と別に、これからは‘コピーライター・ビイルネンさん’と呼ばせて頂きたいです(*^-^*)。
ありがとうございます。
世界に一つだけのぺろんぱさんトお酒を照らす灯。いいですねぇ〜
白熱電球の下でルービンリキを片手にほろ酔い新妻^^;
当時の結婚したい理想の女性像なのか?
頬が桃色なのがたまらんかったのでしょうか(笑)
Kiraさん、お越しくださり嬉しいです。
そして行灯を‘世界に一つだけの’と言って下さり、重ねて嬉しいです。
今夜から灯す度にSMAPのあの名曲を‘行灯’に換えて(*^-^*)口ずさみながらお酒を呑みますね。
>当時の結婚したい理想の女性像なのか?
デザイナー多田北烏さんの同時期の他作品を見てみますと似たような顔立ちの女性が幾作も…。もしかして多田氏ご自身の理想だったのかも。
グラス一杯で頬が桃色に染まる女性は ボトル一本でもしれ〜っと顔色の変わらない私からも(多田氏とは違う意味で^^;)憧れです。