2021年08月01日

女のいない男たち ( 村上春樹短編集 再読 )


東京オリンピックも折り返し点を過ぎましたね。
コロナ禍での開催でいろいろありますが、オリンピックも次のパラリンピックも、アスリートの皆さんにはとにかく持てる力を最大限に発揮できる場になってほしいと願います。 引き続き応援していきますね。


 さて、前回ブログで最後にちょこっと書いた春樹さん「ドライブ・マイ・カー」映画化の件、折角なのでこの機にドライブ・マイ・カー収録の短編集『 女のいない男たち 』を再読してみました。
この本のことブログに書いていなかったのかな??と思ったら、雑誌・文藝春秋に「ドライブ・マイ・カー」が掲載された時(2013年12月)のことは書いていましたが、この短編集についてはブログを一旦止めてから間もなくの刊行本だったみたいで・・・そうかぁ、あれから7年余りが経ったんやなぁとしみじみ感じてしまいました。

余談ですが小川糸さんの「 ライオンのおやつ 」をNHK/BS.Pでの放送を録画して観ていて、その流れで『 食堂かたつむり 』を読もうと文庫で買っていたのですが、、、春樹小説再読熱が勝ちました。糸さんの かたつむり はこれから読みます。ドラマ「ライオンのおやつ」も大詰めです。
         
『 女のいない男たち 』は2014年4月に刊行された、「ドライブ・マイ・カー」「イエスタデイ」「独立器官」「シェエラザード」「木野」「女のいない男たち」の6つの作品からなる短編集。先の5作品は2013〜2014年に雑誌に掲載されたもので、最後の表題作は単行化に際しての書き下ろしです。
             
女の・・・.jpg
          
 初読みの時と概ね受けた印象は変わらず、最もずしっと来るのは(読み応えという意味で)「木野」そして本書の中ではやや変化球的な一作だけど一番好きなのは「イエスタデイ」ですね、やっぱり。

「木野」は長編の趣きに満ち満ちている作品で、かなり前では『 ねじまき鳥クロニクル 』からの、近年では『 騎士団長殺し 』への、それぞれに通じる要素が随所に感じられます。いつか長編へと化けるのならそれも楽しみです。

「イエスタデイ」は、ふとした瞬間の行間に『 ノルウェイの森 』の感傷が甦る感覚があります。でも「ノルウェイ…」に在った‘底深い痛み’のようなものではなくて、埋められなかった哀しみの影はありながら過ぎ去った日々を慈しむような温もりがあります・・・青春のネガとポジ。
とにかく読後感がイイです。
そして登場する 木樽(キタル)くん が私はとても愛おしいのです。 

  昨日は あしたのおおといで おとといのあしたや

木樽くん替え歌の歌詞をもっと読んでみたかったですね。
もともと雑誌掲載時(文藝春秋2014年1月号)にはそれがあったようですが、それについては春樹さん曰くの「示唆的要望」がビートルズ・サイドの著作権代理人からあったようで大幅に削られたみたいです。‘そんなん言うビートルズ側も何だか小っちゃいなー’とか思ってしまいました(あくまで本件に関してのみの個人的見解です、ビートルズは好きです)。
「イエスタデイ」はまた近いうちに再読すると思います。歳を重ねるほどに 読めば切なさが増す作品のように感じます。

映画化された「ドライブ・マイ・カー」は、とにかく短編なのでこれが3時間のフィルムに?と思うのですが、それなりに長編化けするような期待感もあったので(改めて拙ブログを読み返してみたらそう書いてました^^; よう覚えてなかったんですけどね^^;)、そこは監督、脚本家氏の想像力と創造性の賜である、映画としての「ドライブ・マイ・カー」を楽しみにしたいです。


sora 2 - コピー.jpg 空1.jpg 空2 - コピー.jpg ta1 - コピー.jpg

きれいやなーと思って最近撮った夏の4景です。
夏空3枚(2枚目は夕景)と、田んぼの緑も。
空はそれぞれ3〜4枚撮ったのですが、1枚撮る度にどんどんその表情を変えていって、雲も生きているんだなーって感じました。

皆さん、どうぞ佳い夏の日々を。ぴかぴか(新しい)



posted by ぺろんぱ at 20:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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