2021年12月12日
犬をめぐるチャーミングな本2冊
最近ちょっと某ジャンルの実用書に走りがちだったのですが、久しぶりの図書館でチャーミングな本に出会いましたので簡単に書き残しておきます。
どちらも犬のことが書かれています。
実は図書館には全く違う本を探しに行ったのですが、行ったのが本館じゃなくて小さな分館だったので思う本が見つからず、どーしよーかなーと思いながら館内を歩いていてふと目に留まったのがこの本たちでした。
衝動買いならぬ衝動借り(こんな言葉無いのでしょうけど)でしょうか…、どちらも一旦手に取ってその場でページをパラパラ繰ってみたら何となく置いて帰ることができなくなってしまいました。
<こんな本たち>
『 ぼくの大事なボブ 』(トム・コーウィン著 上杉隼人訳)
気の毒なことに、ボブは、動物をどうやって愛したらいいかということをまるで考えないような人に飼われていた。ボブはその細い目に、恐怖となんとか生きのびたいという意思を同時に浮かべながら成長した。そして、いまから4年半ぐらい前のことだったが、ボブは強く心を決めて、自分が生まれ持った運命を変えてしまった。
ボブの飼い主となったミュージシャンであるトム・コーウィンの一通のメールから生まれたこの本は、10分で読めてずっと心に残る、本当にあったお話です。 ※BOOK情報サイトより転載させて頂きました。
『 パンといっぴき 』(桑原奈津子著)
パン好きの犬と朝食の定点観測。料理研究家・桑原さんの愛犬キップルは、おいしいパンの味を知ってしまいました…。
短いコピー付きの写真集です。モーニングレシピ付。 ※BOOK情報サイトより転載させて頂きました。
私は猫と暮らしていた年月が長かったのですが、実家では物心ついた時には犬がいて犬との暮らしも決して短くはありませんでした。
でも今思い返すとちゃんと十分に愛情を注げていたのか否か…あの時ああしていればよかった もっとこうしてやるべきだった、との思いは常に付きまとっています。それはそれから後で我が家にやってきた猫たちにも同様に。
生き物には常に、「ありがとう」の想いとともに「ごめんね」の想いがワンセットです。
すみません、私のウエットな感情は置いておいて・・・先ずは『 ぼくの大事なボブ 』について。
これは本当に一気に読めて、なのに深く尾を引く一冊でした。
もともとボブはトムの隣人に飼われていた犬だったわけで、ボブがトムのもとを訪れたのは彼の決死の意思によるものとは思います。Book情報サイトにもあるように「ボブは強く心を決めて」とありますから。でもそれってもしかして、かつてトムに飼われていたババという犬(天に召されてしまった)の導きによるものかもしれない…もっと言えばそのババのスピリッツがボブに乗りうつったのかも…とまで私は想像を広げてしまいました。あまりに一途で懸命なボブの姿に、運命的というか奇跡的な何かの存在をその背後に感じてしまったのでした。
しかしいずれにしても、ボブがトムのもとにやって来て(やって来る勇気を持てて)本当によかったと切実に思います。
もともとこれは作品として書かれたものではなく、ボブを知る友人たちにトムから送られたメールの文章です。それだけに、技巧的な表現はなくとてもシンプルで優しい語りかけになっていて、読んでいて温もりが伝わってきます。パラパラ漫画的に右下にボブがやって来て去ってゆく姿が描かれているのもキュートです。
そして『 パンといっぴき 』。
先ず桑原奈津子さんの暮らしがシンプル且つ、好きなものにとことん拘っておられる感じなのがとにかくイイです。食べるもの、飲むもの、食器や家具、家そのものも。
登場する犬・キップルは目がちょっぴり切なげで(濡れた瞳(^^))、でもとっても可愛いのです。短毛でしっとりした感じの毛並みも好き。
もう一つの重要アイテムのパンたちはとにかくどれも凄く美味しそうで、私、ちょっと頭を打たれてしまいました。
好きなものをもっとダイレクトに とことんシンプルに追求するこんな暮らしをやってみたい、いや、やるべきだと(今からでも!)と思ったのでした。
そうそう、実はキップル以外にも動物が登場します。それは‘黒いカゲ’と称されるクロという名の黒猫です。この子はパンには興味がないみたいで、時々キップルの傍らをカゲのようにサーッと横切る感じで登場します。キップルとクロ、二匹の距離感がなんとも良いです。ネットで調べてみたらこの本以外にも桑原さんによる『いっぴきとにひき』『パンといっぴき 2』という本も出版されているみたいです。
そういえばお酒についてはダイレクトにシンプルに追求してますね、私。
いやでもそれって べたな酒呑み、ただの酔っ払いということか・・・。
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4年近く前からハマっている深谷かほるさんの"夜廻り猫"の影響でか「猫もええなぁ」と思うに至っております。(・・・単純)(・・・)けどやっぱり「犬!」(どうでもええわ)(・・・)
幼い頃実家で飼っていたのは殆ど雑種でしたが、10年位前ちょっとした縁で盲導犬のゴールデンレトリーバーに出会ってからは、そのいじらしさ、可愛らしさが忘れられず、散歩してるそれ系犬さんを見かけるとついついじーっと目で追ってしまい・・・飼い主さんに不審がられております。へへへ。
あ、何にせよ、どちらもええ感じの本だということが伝わってきました!本屋さんに行った時チェックしてみます。
ー追求ー改めて自分に問うた時、特にこれとは答えられないな、と感じました。あえて言うなら、何かにつけー芋蔓式ーに知らず知らずのうちに追求してる?と言える?(知らんけど)(・・・)
ほなまたです。
ビイルネンさん、お越し下さり嬉しいです。
そうですよねー、犬と猫ってやっぱり其々に違った世界観?眼差し?みたいなものを持っている気がします。
やはりどちらも愛すべき存在です…が、うーん、でも今はやはり猫に惹かれる部分がちょっとだけ大きいかもしれません(すみません、私も誰に聞かれたわけじゃありませんけど)。
しかし盲導犬!
もう本当に、本当に、本当に、街中で出会ったときには頭が下がる思いで見ています。盲導犬として働いてくれている現在のみならず、リタイアしての後の日々にもどうか幸多かれと祈らずにはいられません。
「夜廻り猫」イイですねー。てか、夜廻り猫はビイルネンさんからご紹介頂いた作品でしたね。
本のみならず、ビイルネンさんには音楽(特にJAZZ)や映画にも拘りを持って追求されているご姿勢を常に感じております。