録画していた(5月30日 NHK BS.P.放送)映画『 LION/ライオン 〜25年目のただいま〜 』( ガース・デイヴィス監督 2016年制作 )を観ました。
いい映画でした。
こういう良作を観ると あーやっぱり映画館でまたいいのを観たいなぁ って思わせてくれます。
< story >
インドで迷子になった5歳の少年が、25年後にGoogle Earthで故郷を探し出したという実話を映画化。
1986年、インドのスラム街で暮らす5歳の少年サルーは、兄と仕事を探しにでかけた先で停車中の電車で眠り込んでしまい、家から遠く離れた大都市カルカッタ(コルカタ)まで来てしまう。そのまま迷子になったサルーは、やがて養子に出されオーストラリアで成長。25年後、友人のひとりから、Google Earthなら地球上のどこへでも行くことができると教えられたサルーは、おぼろげな記憶とGoogle Earthを頼りに、本当の母や兄が暮らす故郷を探しはじめる。 (※映画情報サイトよりの転載です)
実話というのがやっぱり重いかと。
「人生って・・・・・。」
この「・・・・・」にはいろんなフレーズが入りました、鑑賞後には。それは良くも悪くも様々な意味で。
前半はサル―を演じた男の子がとにかく可愛くて、見守るような思いで観ていました。
サル―が成長した後は(青年サル―を演じたのは『スラムドッグ$ミリオネア』の男の子、デヴ・パテルだったのですね、知らなかった)彼が抱える 今の幸福と過去に置き去りにしたものとの葛藤、そしてその葛藤がどこにどんな形で辿り着くのかを、はい、やっぱり見守るような思いで観ていたと思います。
サル―の傍らにいる女性ルーシー(演じるはルーニー・マーラ)が素敵で魅せられ、彼女の心の幸せ、つまりはサル―とのより良き関係も祈らずにはいられませんでした。私、ルーニー・マーラのこと拙ブログの別の映画でも「素敵」って書いた記憶がある…この女優さんはきっと好きなタイプなんだろうなぁって思えました。
※この画像は映画情報サイトよりの転載です
終盤は果てしなく旅をするサル―。
基本、ロードムービーは好きですが本作のロードは通常の旅とは違う、心の中の旅。
それも、記憶をなぞり確かなところに手が届きそうになるのに、その瞬間に身体を揺さぶり起こされてまた現実の振り出しに戻されてしまうような、そんなもどかしさに満ちていて。
苦しく、孤独。それでも風景の映像は美しく、やはりこれはまぎれもなく‘旅’なのだと感じさせてくれました。
再会の物語にも心を打たれますが、実はそれ以上に、サル―が自分の‘今の人生’と対峙したシークエンスがとても良かったです。
養母・スー(演じるはニコール・キッドマン)との向き合い、同じく引き取られた血の繋がらない弟・マントッシュへの心情の吐露。特に養母・スーとの対話は胸に刺さり、それがあってこその本作だったように思えました。
GoogleEarthで故郷を探し出したその事実よりも、サル―がオーストラリアとインドそれぞれの家族と‘家族としてつながる’物語だったのだなぁと感じました。
本作のタイトル「LION/ライオン」の意味が明らかになるラストには込み上げるものがありました。
そして最後に、サル―の兄・グドゥには心の底から深い祈りを捧げたいです、彼がサル―を見失った時の激しい動揺がその死に繋がったのではないかと思うと涙を禁じ得ません。グドゥ、どうぞ安らかに。
ランチ・ハイボールの画です、知多のハイボは初めて呑みました。
最近ジンのソーダ割りより呑む機会が多いハイボール、銘柄は違えどそれぞれ美味しいなぁと感じます。
そして、紫陽花が美しい季節ですね。
特に、大好きな額紫陽花を見るとつい立ち止まって眺めてしますます。憂鬱になりがちな梅雨の頃もこの風物詩には癒されるものですね。
養母との対話は私も強く心に残っています。
あえて産まない、と言う選択をして養子を迎える覚悟にガツンとやられました。実母の信じて待ち続けた姿にも。たとえサルーが家を見つけたとしても実母がそこに居続けてくれなかったらあの再会はなかったんですものね。そしてライオンの意味とサルーのお兄さんの件はぺろんぱさんと全くの同意見です!
amiさん、お越し下さり嬉しいです。ありがとうございます。
そうですね、もの凄い「覚悟」なのですよね。
そしてamiさんが仰る通りサル―の帰還を信じて居を変えなかった実母の「覚悟」の凄さもまた。
演じたニコール・キッドマンも実母役の女優さんも良くて、だからこそ最後のリアル映像が余計に沁みました。
ほんと、、、グドゥがあの場にいてくれたならどんなに良かったことでしょう。