2022年08月14日
初・井上荒野小説
前回、気弱なことを書いてしまいました、すみません。大丈夫です。
とある日、また不思議な雲に出会いました。
実家に帰った時に見た空。
白い雲の大きなキャンバスに、まるで薄墨の絵具で小さな雲を描き入れたような・・・。アニメーションチックで思わず‘わぁ!’と小さく叫びながらスマホで撮っていました。
雲を見ていると不思議と安らぐ。
図書館で 雲の眺め方 についての気象観測の本を見つけたのですが、大判で重かったので借りるのを止めました。←なんでも簡単にあきらめるアカン私。
先日読了したのは井上荒野さんの『 さようなら、猫 』です。
私にとっては初の井上荒野小説でした。
「 乾いている人、求めている人、愛している人、憎んでいる人、何も考えたくない人、彼らの日々にそっと加えられる一匹の猫。」というコピーに何となく惹かれました。
9編の短編からなる一冊です。聞けば井上さんは 短編の名手 とか。
満たされない人たちの上手くゆかない人生があって、猫たちはそんな人たちの日常にその存在の影を落としてゆくのですが、どの物語も不穏な展開を見せて どこにも解決という名の着地をしない。 猫たちの存在を通して自分自身を見ている主人公たちがいて、己を知らしめるということに於いて‘やってくるモノゴトには意味がある’のだなと思いました。
単行本と文庫本の装丁画が違いますが、それぞれ何を見つめ何を振り返っているのかな…。
8月も半ば。少しずつ日が短くなってきていますね。
引き続きどうぞ佳い日々をお過ごしください。
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井上荒野さんは、アンソロジーで目にすることが多く気になっている作家さんの1人です(と言いつつ単独の単行本はまだ3冊しか読んでないのですが、、、)
>どの物語も不穏な展開を見せて どこにも解決という名の着地をしない
そうそう!私が読んだ作品も同じで、そこがとても魅力的でした。
未読の本作品も是非とも読んでみたくなりました。
井上荒野小説、既に3冊もお読みなのですね。私は1冊どまりで恥ずかしい限りす。
しかし「荒野さん」というのはきっとペンネームと思っていたのですが、本名だったのですね、驚きました。
「荒野(さん)」という名がご本人の‘作家’としての方向性を位置づけたといっても過言ではないかも…。
たった一作しか読んでいない私がおこがましいことですが、‘決して一筋縄ではいかん’的なイメージを作品からは感じました。
amiさんがお読みになってもしお薦めの作品がありましたら是非ご教授ください(*^-^*)!