2022年10月16日

セントラル・ステーション( BS.P. 録画鑑賞 )

 
すっかり秋ですね。
やっぱり季節は巡る、世の中に関係なく めぐるめぐるめぐるー。

 録画していた(9月29日 BS.P.放送)映画『 セントラル・ステーション 』( ウォルター・サレス監督 1998年制作 )を観ました。中々に良き映画でした。
子役の男の子(若い頃のジュリエット・ビノシュに激似!)がとてもイイです。今もご活躍なら見てみたいのですがネットでは情報は得られませんでした。  

セントラル・・・ - コピー.jpg
             
< story >
ひねくれ者で怒ってばかりの老女と母に先立たれた少年が父親探しの旅に出るロード・ムービー。
リオ・デ・ジャネイロの中央駅。代書業を営むドーラのもとに、息子を連れた女性が夫への手紙の代筆を依頼にきた。ところが手紙を書き終えた後、その女性は事故で死んでしまう。ドーラは一人残された男の子ジョズエをみかねて家に招き入れる。子供の面倒など見る気のないドーラだったが、仕方なくジョズエを父親のもとへ行かせようと、一緒にバスで旅に出るのだった。 ( ※映画情報サイトよりの転載です。)

 リオの乾いた空気。
貧困があらわで(識字率も低い)日々の営みの喧噪の中でドーラと少年は出会います。
基本、ロードムービーは大好きな私です。でもこの作品に惹かれていったのは、ドーラがジョズエを放っておけなかったのが母性というよりも 孤独に身を置く者同士の仲間意識があったからじゃないかと思ったからかもしれません。

いかなる来し方がそうさせたのか 心の荒んだ人間になってしまっているドーラの言動は見ていて痛々しいくらいなのですが、ジョズエとの道行きで彼女が少しずつ変わってゆくのが分かります。ジョズエの方も少しずつドーラへの気持ちを軟化させ‘一緒にいてくれる人’の存在になってゆくのが微笑ましいです。

同じく孤独なトラック運転手の男性に淡い恋心を抱いたドーラに手痛い答えが用意されていたのは…さすがに悲しい。去っていったその男性を「(怖くなるなんて)弱虫だ」と言ったジョズエの言葉にはドーラを思いやる優しさと男の子としての逞しさを感じて、私ちょっと泣きそうになりました。
セントラル…3 - コピー.jpg
※映画情報サイトよりの転載画像です

ロードは行く先々でいろいろあり、願う状況にはなかなか辿り着けません。
でもそんな中で父にまつわる想い出や亡き母への祈り、(後から思えば)ドーラとジョズエの其々の思いが深いところで静かにつながってゆくようなシーンが幾つか描かれていたっけなぁ…。
もうこのままでいいのじゃないか、ドーラとジョズエで新たな彼らの人生を…と思った矢先に神の恩恵が降ります(人生って皮肉だなぁ)。
ジョズエが選んだドレスを着て口紅をひき二人の旅の目的となった父親への手紙をそっと置いてゆくドーラは、それまでに見せたことのない美しさと優しさでした。

安堵の思いと ドーラとジョズエが会うことはきっともう無いのだろうと思われる切なさがない交ぜになるエンドは、二人の写真が収められたあの小さなスコープのようにキラキラと輝くシーンだったと感じました。

くろ - コピー.jpg

かなり久々の猫パトロールで くろべえ と再会。
これから寒うなってくるから気ぃつけてな。



posted by ぺろんぱ at 10:01| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記
この記事へのコメント
たぶん20年以上位前に観て良い印象を持っていましたが、最近BSでやってたの録画しても一度観ました。
ほんま、子役の男の子ジュリエット・ビノシュにバリ似ですよね!
それはさておき、やはり年とって観たなりの新たな気付きがあるようなないような・・・。(どっちやねん)ていうか、以前観た印象と殆ど変わらずの気ィもしてます。(元々年いってたからか←トホホ)
あ、フェルナンダ・モンテネグロ(ドーラ)て今いくつやねんやろ、と思ってウィキ見てみたら、なななんと今日がお誕生日ではありませんかっ!
さすがぺろんぱさん、この日に合わせてブログ挙げはったんですかね?もしそうやとしたらすごすぎる・・・。

ほなまたです。

Posted by ビイルネン at 2022年10月16日 22:56

ビイルネンさん、お越し下さり嬉しいです。

これ、公開時はリブ神近し!でとても気になりつつそのうちに観た気になってしまってて今に至る…的な一作やったんかと思ってます。(今回観れて本当に良かったです。)
だもんで、ドーラさん役の女優さんのお誕生日なんて知る由もなく・・・そうだったのですね、昨日がお誕生日とのこと、、、どんなふうに祝っておられたのでしょうかね。

公開時に観れていたとして想像してみるに、拙記述の通り 母性というより同士的感情という意味において私も感じるところに大差はなかったんじゃないかなぁと思えます。しかしラストで去ってゆくドーラの心情は(やはり今の方が)ぐぐぐっと来るものは大きかったかもしれません。ドーラに今後残された日々の少なさ という意味に於いて。
本作について今一度考えさせてもらえました、ありがとうごじました(^-^)!




Posted by ぺろんぱ at 2022年10月17日 19:33
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