2008年09月10日

ミス・ポター(DVD鑑賞)

 
  さっき、本当についさっき、今日の新聞で情報を知った<OTONAグリコ>のCM「25年後の磯野家」を見ました。
イクラちゃんの小栗君、駐禁貼られてました。タマは3代目だそうです。・・・でも新製品であるそのチョコレートの名前、覚えてません。たらーっ(汗)

さて、新製品だったはずなのに、いつか飲もうと思っててやっと今になって買い求めたアルコールがこれです。トマトのカクテル<トマーテ>です。
生で食べてもお料理に使ってもジュースにしても、トマトは大好きです。
大好きなトマトと大好きなお酒のコラボ・・・でも軽いので私にとっては“ほぼジュース”ですね、これは。でもスッキリ感が良いですかわいい

                お初のトマーテ.jpg

昨日は友人が貸してくれていたDVDを観ました。
『ミス・ポター』(クリス・ヌーナン監督)です。

story
  ピーターラビットの生みの親、ビアトリクス・ポターの波乱に満ちた半生を描く。
  1902年、ヴィクトリア王朝時代。封建的で身分の高い女性が仕事を持つことなど考えられなかった時代に、上流階級の女性ポター(レニー・ゼルウィガー)は“ピーターラビットとその仲間たち”の物語を次々と出版する。やがて編集者のノーマン(ユアン・マクレガー)と恋に落ちるが、身分違いの恋には思わぬ運命が待っていた。(シネマトゥデイより)
     ※映画に関する掲載写真は映画情報サイトより転載させて頂いております。

                 ポター1.jpg
  
  のっけから、絵の具が水にぱあっっと拡散してゆく映像に、不思議と優しく癒されました。
澄んだ青。草原を思わせる緑。真っ白い画用紙に描かれた下絵に彩りを添えてゆくシーンも心地よいです。

半生を描いたというほどにボリューム感はなく、波乱に満ちたというには彼女は環境と運と友情に恵まれていたと思いますが、ライフワークへの目覚め、出会いと別れ、そして新たなる愛との出会い、それらを過度にドラマ仕立てにすることなく、時の流れを追うように静かに描かれていることに好感を持ちました。

スクリーンに映されるピーター・ラビットなどの「絵」も、とても可愛く優しい気持ちにさせてくれるのですが、何よりイギリスの湖水地方の湖や草原や渓谷の美しさに溜め息がでます。あんなところで一日のんびりと過ごせたら、おそらく翌日からの人生が変わるだろうなって思えます。
そわそわと草原を揺らす風を感じ、いっ時癒される思いでした。
たまにはこういう「 No War, No Violence, No Drug, No Sex 」という映画もいいですね。
その代り「階級格差 Hierarchy」は大いにありましけれど・・・。

                 ポター3.jpg

主演の二人が、レニー・ゼルウィガーとユアン・マクレガーという、どちらかといえば地味な外見(私のイメージですが)の二人だったことも良かったかもしれません。現実感があって。(ユアン・マクレガーの七三分けとクラシカル・スタイルの口鬚には最初ちょっと引きましたが…でも可愛らしかったです。)レニーが顔をくしゃっとさせて笑むところは素敵です。
                
封建時代に女性が独身で、しかも仕事を持つということの弊害は、辛辣ではないにせよ静かなトーンで描かれてはいます。そういう時代において、少なからず問題意識を持った女性はがそれを貫くことはきっと大変な意思を要したのだろうということも想像はできます。

                ポター2.jpg

しかしもう少し、あの世界的名作シリーズを生み出すまでの紆余曲折があるかと思いましたが、取りも直さずそれが事実だったのか、殆ど苦労らしき苦労はなく(作品自体を生み出す苦労は勿論あったと思いますが)世に出て称賛を浴びて運命が勝手に動き出すというところには、「この人は天性の幸せ人なのだな」と、初めはそんなふうに思うしかありませんでした。
けれど、その天性みたいなものは、実はビアトリクスという人間が作り招いたことなのだと観終えた今は感じています。
彼女は誰からの苦言にも屈しなかったし、彼女にはそういう“運を味方にしてしまうほどの”信念があったということでしょうね。

それから、父親が立派な人でした。
母親の愛情は呪縛となっていたようですが、父親がそれを上手に解いてくれていました。
そういう家族の愛も、彼女の作品を生み出す下地になったことは否めないでしょう。

彼女を襲った「その後の運命」は確かに悲痛なものですが、それを乗り越える力もまた、彼女には備わっていたのでしょう。
いくばくかの年月を要したけれど、やはり彼女には“天性のエネルギー”「描き続けなさい」と耳元で囁く“天声”があったのだと思います。

穏やかに心地よくエンディングを眺めることのできた小品でした。

                ポター4.jpg

あ、、、ノーマンのお姉さん・ミリーを演じたエミリー・ワトソンが人間としての器の大きさと母性を感じさせてとっても良かったです。
好きになりました。

爽やかなトマーテを幾分か濃くして、もう一度乾杯。



posted by ぺろんぱ at 21:27| Comment(4) | TrackBack(2) | 日記
この記事へのコメント
「トマーテ」は・・ワタシも好きだったけど、少し高いので
やめました(⌒〜⌒ι)

また久しぶりに飲みたくなりましたが・・

『ミス・ポター』は余り評判を聞きませんが、堅実な造りの良作なのでしょうね。

ゼルウィガー姉さんは『コールド・マウンテン』『シカゴ』など、色んな「頑張り」を見せてくれるんだけど・・
まだ私的には「コレ!」って1本が見つかんない気がしてます(・ω・)

強いてあげたら『ベティ・サイズモア』とかかなぁ・・
Posted by TiM3 at 2008年09月11日 00:34
TiM3さん、こんばんは。

そうです、トーマーテの存在を初めて知ったのはTiM3さんにいただいたコメントで、だったのですよね。ありがとうございました。
しかしもうちょっとアルコール度数が高ければ・・・と思ってます。(うわぁ〜、やっぱりアル中だぁって思わないで下さいね)

本作、堅実ではあったのですが、もう少しピーターラビット等の彼女の作品自体とのコミットが欲しかった気がしました。

ゼルウィガーはちゃんと出演作を観ていなかった私です。「主演女優」というイメージからはちょっと遠いです。でも、本作ではクシャッとした笑顔に惹かれました。(*^_^*)
Posted by ぺろんぱ at 2008年09月11日 21:44
そう言えば、この映画にはポターの描く猫たち(こねこのトム等)は
登場しませんでしたよね?! 残念!

私事ですが、病み上がりに久しぶりに劇場で見た映画がこれで、
メジャーな映画館の大きなスクリーンに湖水地方の風景がパァーッと広がっただけで、
晴れ晴れとした気持になったのを覚えています。(=^_^=)

印象としては、きれいな上澄みをすくった様な感じの作品という気が
しないでもないんですが、観賞後の気分はさわやかなものでした。

ゼルウィガーはいつも必死に頑張ってる感じがしてちょっと痛々しくもあるんですが、
テキサス出身のお姉ちゃんがイギリス人になりきるのは大変だと思うので
(ブリジット・ジョーンズの日記とか)、なんか応援してしまう女優さんです。
Posted by ゆるり at 2008年09月13日 15:25
ゆるりさん、こんにちは。
TBもありがとうございました。ゆるりさんは封切時に劇場鑑賞されていたのですね!後ほど貴レヴューも拝読させて頂きます。(*^_^*)

そうですね、もう少し彼女の作品内容との関わりが欲しかったしアニメでのキャラクターの登場も限られたものでしたね。
それから、ゆるりさんの仰る「きれいな上澄みをすくった様な感じ」の御感想にも頷けます。もう少し深淵を探って欲しかったような気がしました。

ゼルウィガーさんってテキサス出身だったのですか。なるほど、出自を知ることも演技を楽しむ上でプラスになるのですね。
ブリジット・ジョーンズ・・・は未見ですが彼女の原点的作品なのでしょうね。(^_^)
Posted by ぺろんぱ at 2008年09月14日 11:31
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ミス・ポター
Excerpt: 原題 MISS POTTER 製作年度 2006年 製作国・地域 イギリス/アメリカ 上映時間 93分 監督 クリス・ヌーナン 製作総指揮 レネー・ゼルウィガー 、レニー・ゼルウィガー 、..
Weblog: to Heart
Tracked: 2008-09-13 01:28

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