2008年09月24日

フリーダ(DVD鑑賞)

 昨日23日秋分の日は好天に恵まれましたね。

以前から、拙ブログにコメントをくださっているビイルネンさんや相互リンクさせて頂いているブロガーさんのかえるさんからご紹介を受けていたジュリー・テイモア監督の『フリーダ』を、やっとレンタルして鑑賞いたしました。
そうです、先日劇場鑑賞した『アクロス・サ・ユニバース』の監督作品ですね。


story
  メキシコの天才女流画家、フリーダ・カーロの47年の波乱に満ちた生涯を映画化した人間ドラマ。
  メキシコ人の母とドイツ人の父の間にできた4人姉妹の3女として生まれたフリーダ・カーロは奔放な少女時代を過ごす。だが18歳のとき、高校生の彼女はバスに乗っていて路面電車との衝突事故に巻き込まれ、大怪我を負ってしまう。一命は取り留めたものの、この時の後遺症で子供を産めなくなったうえ、重い障害と強い痛みが彼女を苦しめた。寝たきりの生活となった彼女は父の勧めで絵を描き始める。絵の才能を開花させていった彼女は奇跡的な回復を見せた。やがて彼女は壁画の巨匠ディエゴ・リベラに教えを乞うようになり、いつしか2人は恋に落ちるのだったが…。(allcinemaより)
     ※映画に関する掲載写真は全て映画情報サイトより転載させて頂いております。

                 フリーダ1.jpg                
ミュージカルとアーティストの伝記ものということで作品の成り立ちは違うものの、やはり醸しだす「雰囲気」や「色」は二作品に相通じるものがありました。
ビビッドなカラーがスクリーンを彩り、フリーダがその人生の明暗を分けた大事故に遭遇するシーンでさえ、まるでそれが天の啓示でもあったかの如く美しく描かれていました。
技法としては、コラージュやアニメーション?をごく控えめながら効果的に挿入し、画家の人生を描いた作品に相応しくアート感覚に満ち満ちた映画になっています。

フリーダ・カーロという実在の画家が、持病を持ち、事故による瀕死の打撃で後遺症に悩まされ続けたという「負」の部分を多く背負う女性でありながら、その悲劇性や悲壮感を前面に出すのではなく、むしろ彼女の奔放で大胆、激しく情熱的である「正」の部分にスポットを当てて描いてたところがとても興味深かったです。
おそらくはテイモア監督自身がそのように情熱的な女性であるのだと思われます。

フリーダを演じたサルマ・ハエック。似てますよねー、似せていますよねー。
この女優さんは確か『アクロス・ザ・ユニバース』にも看護服を身にまとって戦地で負傷したマックスの夢の中で歌い踊るシーンに出演されていますね。
小柄だけれど“トランジスタ・グラマー”っていうのでしょうか、凄くセクシーな女優さんです。

フリーダ・カーロの絵は、時々お伺いしているJazz Bar Wishy-Washyのママさんとのお便り(絵葉書)のやり取りでいっ時フリーダ・カーロの絵葉書が続いていた時期があり、とても親しみがありました。元来人物画は好きですし。
映画の中でも丁度シャッターチャンスの如く、一枚の絵として切り取られるようなシーンがあり、「あっ、この時のフリーダ、絵葉書にもなってた!」などと一人で笑むこともありましたよ。

                フリーダ.jpg

彼女の人生をそのまま絵にしたような挑戦的で力強い画。挑むようなフリーダの眼差し。
恋多く、男女問わず肉体を重ねることもしたフリーダは、しかし決して完全に満たされることはなかったのかもしれません。
「誰でも孤独で苦痛に耐えている」
これは劇中でのフリーダの言葉だったでしょうか。
その言葉がそのまま、フリーダの絵のモチーフになっているような気がしました。

フリーダという女性を知ることと、ジュリー・テイモア監督の世界に更に触れられたことと、二重に楽しめた作品でした。
ビイルネンさん、かえるさん、ご紹介ありがとうございました。


 さて、昨日は午後から思い立って大阪市立美術館で開催中の<佐伯祐三展>に行って参りました。
力強いタッチと、孤独に屹立している姿を感じさせるような薄暗い空気の色にとても惹かれました。人間が点描されてパリの風景に溶け込んでいる画も素敵です。
そんな中、幾つかの自画像をも残した彼についてのこんな記述がありました。
「様々なスタイルの自画像を残すのは、自分自身を見つめて何かを残そうとする現れではなかったか。」
フリーダの映画の印象がまだ鮮烈に残っていましたので、この記述にはハッとさせられました。

佐伯祐三画伯・・・、早すぎる死でした。   

      V.jpg       慶沢園での猫.jpg    

写真左は美術館のある天王寺公園。
写真右は美術館横の日本庭園<慶沢園>を散策中に自らポーズを取ってくれた野良猫ちゃんです。
日向ぼっこかい?

posted by ぺろんぱ at 21:45| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記
この記事へのコメント
こちらも楽しんでいただけて何よりです。
ラテンの人の熱い情熱は映画的に素晴らしいなぁと。
骸骨がいっぱい登場したりして、この地ならではの死生観も興味深く。
いつか、ディエゴ・リベラの壁画を見に行きたいものですー。
Posted by かえる at 2008年09月28日 22:40
かえるさん、こちらにもコメントありがとうございます!

>メキシコの死生観

当地には死者祭というのがあるそうですね。
思いの外明るい雰囲気と派手な色彩に包まれてのお祭りみたいなのでちょっと驚きました。

調べてみたら「死を笑う」「死と親しむ」「死と戯れる」というコンセプトがあるのだとか。
やはりマイナス要素をプラスに変えるほどの力強さがラテン民族にはあるのでしょうか。

>ディエオ・リベラの壁画

ちょっとだけWeb上で観てみましたが(^_^)、現物を当地で見る迫力はいかばかりかと・・・。

映画一作で広がる世界、、、いいものですね。
私はかえるさんのコメントで勉強させてもらいました!(*^_^*)ありがとうございます!
Posted by ぺろんぱ at 2008年09月29日 21:01
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