2008年11月13日

重たいパンが好き  マルセリーノの汚れなき・・・

  重たいパンが大好きです。

昔はノスタルジックな味わいのメロンパンにはまったこともありましたが、今はどっしり重たいパンを切ってチーズを添えて赤ワインを何杯でも・・・というのがパンを味わう時の私的王道です。

美味しいパン屋さんはいたるところにありますが、最近、会社帰りとかに時々覗いているのがPan・Cante(大阪マルビルB2F)です。チャイがとっても美味しい、本店にはアイドルと化してる猫がいることでも有名なあのカンテ・グランデが経営されているパン屋さんです。

                 カンテ.jpg

今日はお昼の休憩時間に寄って買ってきました。
手前が<くるみといよかんのライ麦パン>、向こうのが<いちじくの天然酵母のパン>です。
(実は、手前のいよかんのはちっとも重たくありません、以前から味見したかったのでお初で買いましたが。)
もっとシンプルでもっとハード&どっしり系のものが本当は好みなのですが、イチジクとかのドライフルーツが入ってるものはワインに合うのですよね。

                 カンテのパン.jpg

パンといえば、美味しそうなパンの登場する映画って・・・例えばヨーロッパの映画なんて、日常的にワインとパンが出てくるからどの作品と言って特定できないほどあるのかもしれませんね。
あ、邦画で『かもめ食堂』には美味しそうな焼き立てのシナモンロールが登場しましたけれどね。
うーん、でもああいうパンじゃなくって、それこそ、カウリスマキの映画なんかにもあったけれど、何気ない日常のシーンで、硬く焼かれたパンをナイフで切りながらハムやチーズをはさんで無造作に食べるというシーンの方が私の空腹にはぐっとくるでしょうか。

でも・・・実は何故か、「パン」というキーワードで (パンだけじゃなくって「パンと葡萄酒が登場する映画」ってことでも)思い浮かんだのは1955年制作のスペイン映画『汚れなき悪戯』(ラディスラオ・ヴァホダ監督)でした。

                 汚れなき2.jpg

捨て子で、拾われた修道士達の手によって育てられた男の子・マルセリーノ(パブリート・カルボ)が、キリスト像に「お腹が減っているんだね」と、修道士たちの目を盗んでパンと葡萄酒を運ぶシーンがあるのですよね。
多分深夜のテレビ放映だったか・・・、初めて観た時から、それはそれは鮮明に印象に残ってしまったシーンです。
何度かそうやってキリストにパンと葡萄酒を運ぶうちに、マルセリーノは心の内にあったある想いと共に天に召されていくのですけれどね。

                 汚れなき.jpg

初めて観て以来、おそらく衛星?で放送された時だったかに観返した記憶もあります。
少年の無垢な心と、神の奇跡の存在を描いた、美しい映画だったと記憶しています。


そんなこんなで今夜も赤をいただいています。

普段飲みシリーズ、今日は久々に買った<ジンダリー・メルロー>です。

                 ジンダリーとイチョウ.jpg
  ※手前のイチョウの葉は今日散りたての葉です、綺麗だったので文庫本の栞にして持ち帰りました。


このラベルに描かれているトカゲは“勇気のシンボル”だそうで、もう一種類の赤の<ジンダリー・シラーズ>の方の亀マークは“幸福のシンボル”だそうです。

「幸福」も「勇気」も、どっちも欲しいのですが、取り敢えず「幸福がなくても人生を乗り切る勇気をください!」ってコンセプトでこっちを選びました。
・・・って、スーパーのワイン売り場で1000円ちょっとのワインを前にそこまで深刻に人生を考えてる私は、明らかに幸福も勇気も持ちあわせてないってことですね。
わぁーっ!(嘆きのぺろんぱ)

いいえ、こんなふうに夜な夜なお酒を楽しめて十分幸福です、日々に感謝。

posted by ぺろんぱ at 22:03| Comment(12) | TrackBack(0) | 日記
この記事へのコメント
ばんはです。

今夜は劇場でユアン・マクレガーを観るのをやめ、
テレビでユアン・マクレガーを観てますた(・ω・)

パンと言えば思い浮かぶのは・・スピルバーグ版の『宇宙戦争』
でしょうか。なつかない子供たちにキレた(?)父親役のトム・クルーズが食パンを投げつけるシーンでした(×_×)

何も食パンにあたらなくても・・
Posted by TiM3 at 2008年11月13日 23:19
自分はハードトースト好きですねん。(きほん何でも食うともいえるが・・)

で、ーパンと映画ーで頭に浮かんだのは”マジッド・マジディ”の「運動靴と赤い金魚」「少女の髪どめ」なんかに出てくるイラン風パン。何枚もが風呂敷に大事に包まれて持って帰られます。

二つともいい映画でした・・・。
Posted by ビイルネン at 2008年11月14日 01:37
初めて「汚れなき悪戯」を観たのは小学生の頃
子ども心にも悲しい話だなと涙が出ました。

優しい修道士(「おかゆさん」が好きだった)に
囲まれていても、それだけでは満たされな生活
そこに潜む孤独な心とは一体なんだろうか
などと考えてしまったわけで、振り返ってみると
自分自身、相当ひねくれた小僧だったのかも。

モノクロで太陽の熱さが表現できるのを知ったのは
大人になってから。
ひさしぶりにあの画面の光に焼かれたくなりました。

きまぐれの書き込み、失礼;)

-渦
Posted by aki 1kanobi at 2008年11月14日 14:58
TiM3さん、こんばんは。

『宇宙戦争』!
・・・そうでしたか、そんなシーンがありましたっけ??
観に行った割りには細部が殆ど薄れているようで、“食パンに当たるトム君”というそのレアなシーンがちっとも思い出せません。しゅん。

食パン・・・軽そうやから投げ甲斐がなかったんとちゃいますやろか??
果たしてベーグルならっ??
Posted by ぺろんぱ at 2008年11月14日 20:19
ビイルネンさん、こんばんは。

『運動靴と・・・』!
私も好きな映画の一作だったのです!・・・しかしながら、そのイラン風パン、画が浮かびません。しゅん、あきませんわー。
録画取りしているVIDEOが確か拙宅にあったので早速そのパンの画を‘探し観’してみます!
あ、『少女の髪どめ』は未見です。要チェックです。

ハードトースト・・・カリッと焼いて軽くバターを塗ってサクッと齧る・・・美味しそうですね、いいですね!

重たいパンではないのですが、「美味しいパン」ということで最近の私的最大のヒットは某Barのママさん手作りの<アイリッシュ・サワーブレッド>でした。幸せを感じる美味しさです。(*^_^*)
Posted by ぺろんぱ at 2008年11月14日 20:30
Akiさん(渦さん)、こんばんは。
コメントありがとうございます。御無沙汰です、気まぐれでも何でも、お越し頂くのは大歓迎です!

おかゆさん・・・そうでしたね、おかゆさんがマルセリーノくんの召されるのを見ていてくれたのでしたよね。

他の人から見たら「満たされた生活」に見えたとしても、それぞれに抱える孤独は決して人には計り知れないものなのですね。
そういう「真理」に子どもの頃に到達された渦さまは“ひねくれ”ではなく、ある意味“凄い小僧”だったのですね。

>モノクロの太陽の光に焼かれて・・・

今、クラクラッときました。
渦さまのその御表現にこそ、私は焼かれました。
Posted by ぺろんぱ at 2008年11月14日 20:40
「モノクロの陽に焼かれて」・・

そんなディカプリオ主演の映画があったように思いました・・!

これじゃっ!

http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD29985/

(ぜんぜんちがうじゃん!)
Posted by TiM3 at 2008年11月15日 00:35
パン・・・といえば、忘れられない「クレイマー、クレイマー」
ダスティン・ホフマンの作る息子のためのフレンチトースト。
あの下手さ加減に心をむんずと掴まれたのでした(照)

私は今は歯が心配なので(笑)
赤ワインだと、やっぱり薄切りパンをカリッとトーストして、
ディップ・チーズを乗せて食べるのが好き☆
歯、、大事にしましょう〜(^^;
Posted by kira at 2008年11月15日 01:48
TiM3さん、再びこんばんは。

私がついうっかり渦様のコメントを短縮して
しまったためにTiM3さんの妄想(嬉しい妄想ですが(*^_^*))をまねいてしまいましたね。


『太陽と月に背いて・・・』
これは未見です。
ディカさまは好きなのでいつか観ねばと思っていものの・・・。
よい起爆剤に?なりました。ありがとうございました。
Posted by ぺろんぱ at 2008年11月15日 22:15
Kiraさん、こんばんは。
『クレイマー、クレイマー』!
そうでした、そうでした!!
ダスティンお父さんの溶く玉子の中に、ちっちゃな男の子が生のパンを投げ入れているシーンが、すっごく鮮明に蘇ってきました。

フレンチトースト、いいですねぇ!
食べたくなってきました。

薄切りパン、カリッとトースト。
ワインに合いますね・・・。
そして「歯」は大切に・・・いつまでも美味しくお酒が飲めるように、心得ます!(*^_^*)
Posted by ぺろんぱ at 2008年11月15日 22:30
こちらにもおじゃまします。(=^_^=)

『汚れなき悪戯』! 懐かしいぃ。
カトリック系の中学校だったので学校で上映があったんですが、
男の子のあまりにも汚れなき心に、素直にカンドーした記憶があります。
神秘的で幻想的な雰囲気にもうっとりして。。。。

ところで、私も重いパンが好きです、ドイツ系の。
ちょっと酸味がある様な、生ハムやチーズと相性ピッタリのパンです。
丸ビル地下のパンも美味しいですね。ホッホー、カンテ系なんですか。
たまに映画の前に利用させてもらってます。でも結構いい値段してますよね!?

ハービスプラザのブルディガラとか、ポールのパン・ド・カンパーニュとか、
最近はお手軽に味のあるパンが買える様になって嬉しいです。
でも、たまーにやわらかい食パンにたっぷりのバターと甘ーいイチゴジャムを
つけて食べたくなったりして。小さい時の味の記憶のせいかなぁ。
Posted by ゆるり at 2008年11月23日 19:35
わーい、ゆるりさん、こちらにもようこそです!

懐かしいでしょう?この映画。
私も細部はすっかり忘却の彼方なれど、何となく神秘性に(←決して派手な演出ではなく、ひっそりとした描かれ方でしたね)心奪われた記憶があります。

>ちょっと酸味がある様な、生ハムやチーズと相性ピッタリの

わぁ、私もそういうの好きです。
大丸のポール・ボキューズのブラウンブロート??(名前が浮かばず…)なんかも!
<ハービスプラザのブルディガラ>、今度チェックしてみますね!

柔らかい食パンもやはり良いですね。
バタジャムも良いです。(*^_^*)
4枚切りならぬ、2枚切りくらいのふわふわの食パンに、私は・・・先ずはふんわりとはさまれてぐっすり寝てみたいです。(ヘンですかね??)
Posted by ぺろんぱ at 2008年11月24日 16:23
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