昨日15日(土)は、爽やかなお天気でしたね。
着ていたジャケットを脱いで、ブラウス一枚で街を歩ける陽気の中、カーニバルで賑わいを見せつつある梅田新シティへ。
毎年やっていますよね、このお祭り。

色とりどりの装いの広場を眺めながらスカイビル4Fの梅田ガーデンシネマへ向かいました。『マルタのやさしい刺繍』(ベティナ・オベルリ監督)の鑑賞です。
story
スイスの谷間の小さな村を舞台に、80歳のおばあちゃんたちがランジェリーショップを開くために奮闘する様を描いた人間ドラマ。
夫の死により打ちひしがれたマルタ(シュテファニー・グラーザー)。そんな中、村の男声合唱団の新しい団旗を、仕立て屋だったマルタが作ることに。生地店の美しいレースを見ているうちに、マルタは“パリに自分で仕立てたランジェリーのお店を開くこと”が夢だったことを思い出す。昔の勘を取り戻しながら下着を仕立てあげたマルタだったが、厳格なプロテスタントの村では受け入れてもらえなかった。(シネマトゥデイより)
※映画に関する掲載写真は全て映画情報サイトより転載させていただいております。

あー、あのラスト、とっても気持ち良かったなぁー。
今思い出しても清々しい気持ちになれます。
あのラストシーンで、「ハツラツおばあちゃん達の映画」だったこの作品が「きらきら乙女達の映画」になった気がしましたよ。
色鮮やかな美しい草花の咲く草原に寝転んで、私も思いっ切り深呼吸がしたいなぁー。
そう思うと、マルタをはじめ、リジーもハンニもフリーダも、凄くチャーミングでした。いいえ、チャーミングになっていたのですね、だんだんと。
夢を見ることって本当にパワーになるんだとしみじみ感じました。
村の男性たち(一部の女性たちも加わって)の時代錯誤も甚だしいマルタへの暴言やリジーやハンニへのセクハラ発言にも、「夢を実現させることの何がいけないの!」とばかり猛反撃にでる彼女達。いやがらせに落ち込みながらも頑張って理不尽な要求をはねつけていく姿には、胸の透く思いがして「頑張って」と応援している私がいました。
実際、彼女達のビジネスの手腕はなかなかのものでした。
商品そのものは当地の事情からすれば「ニッチ産業」ともいえますし、ある意味「下請け制度」といえるシステムとか「ネット販売」とか、広告に力を注いでイメージ戦略を計るところなんかも何だかとても理に適ったやり方だなぁって思いました。

でも一番の勝因は、マルタだけでなくリジーやハンニやフリーダが、マルタの夢を過去に捨ててきた自分自身の夢と同化させていったことでしょう。
いつまでも、幾つになっても“輝くこと”は本当に素敵なことなのですね。
特にリジーが素敵でカッコ良かったです。(・・・彼女も一緒に成功を祝わせてあげたかったなぁ。)
美しいものは美しい、素敵なものは素敵、これでいいのですよね。
その証拠に、理屈抜きで賛同してくれた孫娘達も居ましたもの。
「窓にはベルベット、試着室には光沢のあるグリーンのカーテンをつけるの・・・」
自分が若き頃から抱き続けていたお店の構想を語るマルタは、うっとりとした表情でとても魅力的でした。
だから、欲を言えば、マルタが愛した刺繍の素晴らしさをもっともっと映像で見せて欲しかったです。
溜め息が出るような刺繍をあしらったランジェリーたちをもっと登場させて欲しかったですね。
どちらかといえばお店を成功させることに注目がいってしまって、マルタと刺繍との関わりが前面に出てこなかったのはちょっとだけ残念でした。

しかしそれにしても、チーズで有名なエメンタール地方の「トループ」という小さな村の、なんという美しい風景だったことでしょう。
ずっと眺めていたいような、色鮮やかで、それでいて優しい匂いのする風景。
そこで手作りのパイでお茶を楽しんだり、カードゲームやカフェでのお酒を楽しんだり、閉鎖的ではあるにせよ、一歩外へ出て大きく深呼吸すれば違った新しい自分になれそうな、そんな素敵な村でした。
映画の終盤に村のお祭りが描かれます。
木馬が廻り、ヨーデルが聴こえ、品評会に出されていると思しき幾つかのホールチーズが日の光の中で輝き・・・。
パイとチーズで、マルタ達に乾杯したい気分でした。
映画が終わってビルを出るとほんの少し黄昏色に染まりかけていた新梅田シティのカーニバル。ここでもメリーゴーラウンドが廻っていました。

折角だから小さな出店でドイツの生ビールをグラスで。
映画ではシャンパンで乾杯していたマルタとリジーだったけれど、私はビールでマルタ達に乾杯です。
ー刺繍ーて言葉に郷愁を感じます。
自分の幼い頃(どんだけ前やっ!)母親がやってたの思い出したりして・・。(長生きしてやっ!ウゥッ)
この映画は元気をもらえると思います。楽しくやれば良いんだから、失敗しても立ち直れるんだから、邪魔されても立ち直れるんだからと。
ぺろんぱさんのおっしゃるように、ラストシーンは気持ち良かったですね、あの空のように心も晴れ渡るようで。
ケン・ローチのんって、不法移民の派遣を軸に描いたあの最新作のことでしょうか。
それなら全部当たってます。(*^_^*)
それは22日からの公開で、それも観に行くつもりでいますから。(その前にヨーロッパ映画祭もの一作が入るかも、で微妙ですが)
刺繍って、確かに“母性”を感じますよね。
私は手先が不器用なので憧れもあってか特にそう感じます。
大切な人には心穏やかに、長く、生きて欲しいですね。
失敗してもまた立ち直れる・・・仰る通りですね。そして更に「楽しくやればいい」というそのお言葉に私は元気をもらえる感じです。
空の青さを真っ直ぐ「青い」と感じられるのは幸せな証拠なんでしょうね。
雰囲気的には(未見ですが)女性のみなしゃんが頑張らはる『カレンダー・ガールズ』に似てるんかな?
とか勝手に妄想してます。
それにしても「刺繍」から「死臭(←ゾンビ系)」まで・・
ぺろんぱさんのフォローされる映画の幅もなかなかスゴいですね(⌒〜⌒ι)
私も『カレンダー・ガールズ』は未見ですが、雰囲気は確かに似ていると思います。
>「死臭(←ゾンビ系)」まで・・
わーっ! 大の苦手のゾンビ系ー!
蘇りますから止めてーっ!『28日後…』ーっ!『アイ・アム・レジェンド』ーっ!!(…ぐったり)
でも昨年だったか??一緒にゴルフしたりキャッチボールしたりあうるお茶目系のゾンビ映画がありましたよね?? あれは実はちょっとだけ観てみたかったです。
>でも昨年だったか??
>一緒にゴルフしたりキャッチボールしたりあうる
>お茶目系のゾンビ映画がありましたよね??
>あれは実はちょっとだけ観てみたかったです。
カナダ映画の『ゾンビーノ(2006)』ちぅ珍作らしいですね(=^_^=)
ゾンビ・コメディとかゾンビ・ファンタジーとか、勝手に色々と銘打たれてます(=^_^=)
で・・首輪が壊れると・・やっぱり暴走しちゃうようです、、
http://jp.youtube.com/watch?v=yLGCEIsbj-U
↑ 無断リンクで失礼します。観れるかな?
ソンビーノのサイト、ありがとうございます!
そうです、それです!
>首輪が壊れると・・やっぱり暴走
やっぱり“解き放たれ”且つ“野良ゾンビ”と化した映像には怖〜っ、ゾゾ〜ッでした。^_^;
昨日旅から戻って来た私はボジョレーの解禁日を逃してしまいました。
ぺろんぱさんは召し上がりましたか?
いや、ガメイ種なんて、ぺろんぱさんには軽すぎますかな?
さてさて、スイスといえば、チーズフォンデュくらいしか思い浮かばなかったんですが、他にも美味しそうなものがたくさんでしたね。
ワインに合いそうなものたち。
景色も美しかったですね〜。
そして、マルタたちは最高にチャーミングでしたね。
私もリジーが好きだったので彼女のことはちょっと残念でした。
深呼吸したくなる様な景色の数々に、うっとりしちゃいましたよー。
といっても、去年のヨーロッパ映画祭で観たので記憶がうすれかけてましたが、
このレビューを読ませていただいて記憶がよみがえってきましたよん。
去年スイスに行った友人からのお土産は可愛い刺繍の小物でした。
こういうのって、乙女心(?)をくすぐるんですよねーヾ(〃▽〃)ノ
(えっ、同意しかねるって?! すんません)
映画を観て、私もいつまでもイキイキと夢を持って生きていきたい!
なんて思ったのを記憶してます。
佳き旅だったことと存じます。
PCが一時的にネット不通となってしまっており、何とか復旧して今になってしまいました、コメントが遅れてごめんなさいです!
ヌーヴォーは20日の解禁日に早速味わいましたよ。軽くジュースのようにグラスを空けましたぁ。(^_^)
チーズもさることながら、この映画では皆さん、しっかりと大きなケーキを楽しんで食べていらっしゃいましたね。その辺にも“乙女”を感じました。
リジーは一貫してブレずに生き方を貫いてて、その反面実は心に淋しさを抱えていて、強さと脆さが同居する魅力的な女性でしたね・・・ホント、残念です。
本作、昨年おヨーロッパ映画祭でご覧になられたのですね!さすが、ゆるりさん!
私は実は諸事情で、目指していたヨーロッパ映画祭の某作品に行けず仕舞いでした。(T_T)
ゆるりさんはいろいろご覧意なられたのでしょうね・・・また後ほど貴ブログにお邪魔しますね。
で、本作。
そうそう!私も良い年の重ね方をして、良い味わいの皺を顔に刻んでいきたいです!(もう既に幾つかの皺は刻まれてますが…)
刺繍の小物!いいですねぇ、同意します!
「花より団子」の心と「団子より花」の心が同居するところが“永遠の女子”なのです!(*^_^*)