漏れ承るところ、往年の007ファンの方々からのビミョーなトーンでの憂慮論はあるようですが、よいのではないでしょうか、こういうスタイルのボンドも。
少なくとも私は、今のボンドのカラー、好きです。ダニエル・クレイグの「新生ボンドの魅力」がこの作品をぐいぐい引っ張ってくれていたと思います。
彼がボンドである限り、やっぱり次回作も劇場へ足を運びます。(・・・って、また言い切りましたね、私。 いつも歯切れの悪い私ですのでたまにはキッパリと言わせて下さい。^_^;)
story
前作『カジノ・ロワイヤル』のエンディングから1時間後に始まるという設定。
初めて愛した女・ヴェスパーを失ったジェームズ・ボンド(ダニエル・クレイグ)は、ヴェスパーを操っていたミスター・ホワイト(イェスパー・クリステンセン)を尋問し、背後にいる組織の存在を知る。早速捜査のためにハイチへと跳び、知り合った美女カミーユ(オルガ・キュリレンコ)を通じて、組織の幹部であるグリーン(マチュー・アマルリック)に接近。環境関連会社のCEOを務める男だが、裏ではボリビアの政府転覆と天然資源の支配を目論んでいるのだった。ボンドは復讐心を胸に秘めながら、グリーンの計画阻止に動くが……。 (story、写真ともgoo映画情報より転載)

いきなりのカーチェイス(高級車アストン・マーティンもアルファ・ロメオも、惜し気もなくボコボコに・・・)、そして息つく間もなく次から次へと怒涛のアクションワールドへ。
私、最近ドライアイがひどくて、お医者さまに「目の乾燥、絶対注意!」と言われているのですが、もう最初っから最後まで瞬きも忘れて見入ってしまいました。
精神的にガチンコ前のめりになっていた私、途中からは撮影クルーの姿を思い描いてクールダウンしようと努めましたがやっぱり無駄でしたね。
「もうそのへんでええから早くボンドにきりりと冷えた白ワインでも飲ませてあげて〜っ!」とスクリーンに向かって哀願し続けてました。

展開はめまぐるしく、舞台も世界各地へ飛びます。(ボンド、いつ眠ってるのでしょうか・・・。)
アクションシーンも、人間vs.人間の「相手を倒すか自分が死ぬか」の“本能的な”闘いぶりは凄まじく、ワンテイクで済んだはずもなく、きっと撮影後のフィルム編集は大変だったことでしょう。
特に前半戦の“裏切りミッチェル”との死闘シーンはドキドキが止まりませんでした。ロープから身を翻して最終的に彼を射たボンドに、こちらのハートも完全に射抜かれました。
そこまで派手なアクションが続くのに、やはり前作同様リアルさが漂っているところが、ダニエル版ボンドの魅力なのではないかと思います。
一連のアクションシーンを殆どスタントマン無しで自身で演じきったと言われているダニエル・クレイグ、顔面に8針も縫う大怪我を負ったというのも頷けましたが、その役者魂に心から拍手を送りたいですね。

アクションシーンに話が走ってしまいましたね。
本作は「人間ドラマとして描いた」と語っているマーク・フォースター監督ですが、新生ボンドとなる以前の、過去シリーズのイメージから大きく違うと(私なりに)感じたことが2点ありました。
一つは、「対マティス」に見られた、孤独な闘いを続けてきた者同士に通い合う刹那の情感のような世界が、実に人間らしく(ある意味泥臭く)描かれていたこと。(シリーズ全作を観ているわけではないので、もしも違っていたら007ファンの皆様ごめんなさい。)
そしてもう一つは、ボンドガールとされる女性(本作では異色のニュー・ヒロインと称されるカミーユ)とのベッド・インがなかったことです。
前作『カジノ・ロワイヤル』で思ったことですが、それまでの「お決まりのその場限りの濡れ場」的シーンとは違う確たるラヴストーリーが描かれていた事がそれまでのボンド映画とは一線を画していた思え、その路線が本作にも受け継がれていたのが嬉しかったです。
本作では、カミーユとはいわば「同胞の戦士」だったのですね。
互いに、拭えぬ傷を抱え、ただ「復讐」の二文字に照準を合わせてきた日々・・・。

「復讐」がキーとなって綴られていく本作。だからやっぱり、ダニエル・ボンドの孤高さが最大の魅力だったのだと思うのですね。
それだけに、ラストで一応の本懐を遂げたといえたことは、ただ突き動かされて何かを追い続けてきた彼の“一つの答え”であり、「もうあとはこれしかないのだ」という人生の“哀しい指針”となったのでしょう。
これからのボンド、『カジノ・・・』からの自分自身とどう折り合いを付けて「ダブルオー」として羽ばたいていくのでしょうね、益々目が放せません。
<私的スポットライトを幾つか・・・>

愛と流血の歌劇「トスカ」の舞台とサイレントの銃撃戦とを被せたシーン、あれはなかなかスタイリッシュでした。かなり印象に残りましたね、是非もう一度観返してみたいです。
それから、相互リンクさせて頂いている“Anyさん”のブログ<Candy Cinema>で拝読して楽しみにしていた「トイレのドアノブをボキッと折るシーン」、このシーンには私も200%惚れました。( Anyさん、楽しめましたよ、ありがとうございます!)
そして更に、、、ダニエルボンドは「笑わないボンド」と言われているそうですが、なかなかどうして。
「宝くじに当たった学校教師だ。」の台詞には思わず声を上げて笑ってしまいました。ユーモアのセンスもキラッと光ってましたよ。
・・・「ウォッカマティーニを立て続けに6杯」のシーンには泣けましたけどね。
いや・・・泣けましたよ、ホント。
何だかその「鑑賞スタイル」からして、新生007シリーズに対するリスペクトを感じまくってしまったワタシです(=^_^=)
私的には「モノクロ映像における佇まいの似合うおっさん」・・じゃない「お兄さん」って風に思いますね。
どうにも「東側の殺し屋っぽい顔」に見えてもしまうんですが、きっと本作を観たら見直しちゃうのかも知れません(⌒〜⌒ι)
楽しみじゃあああああああ。(←あーうるさい)
本作レヴュー!待ってました☆+。:.゚ヽ(´∀`。)ノ゚.:。+゚
いやもう〜全く同じ想い、同じ感想です。ドライアイまで(笑)
しかも『ザ・ムーン』から約1時間後にご覧になるとは、
ダニエルさんと共に、ぺろんぱさんにもシビレました!
実は・・・007シリーズはカジノ・ロワイヤル以外は映画館で観たことが無いので
大きなことは言えませんが(笑)、私も今のボンドカラーが好きです。
やはりダニエル・ボンドの孤高さが最大の魅力ですよね。
そして歴代のボンドと違い、ダニエル本人が
スタントの多くをこなしているところがスゴイですね。まさに役者魂炸裂です!
<ぺろんぱさん的スポットライト>も激しく頷いてしまいました。
そうそうトスカのシーンは、ボンドの心情とも重なり印象的でしたね〜
あっ、記事中に登場させて頂き恐縮です!(*^^*)
そしてそして・・・ぺろんぱさんとの出会いは『007』
ドキドキしながら初めてコメントさせてもらってから、早2年が経ちました。
改めまして今後ともよろしくお願いします^^
わー!書いてた本人がその「1時間」の“符合”に気付きませんでしたぁ!(>_<)
TiM3さん、凄い注意力ですね、そんなところにお気づきになるなんて!
私は単に、移動して途中でコーヒー買ってゆっくり飲んで丁度ええ頃やん、くらいにしか思っていませんでした。わははははは・・・(と、笑ってごまかす)。
>「モノクロ映像における佇まいの・・・」
そうですね。『カジノ…』での登場が先ず“それ”でしたものね。(*^_^*)
>「東側の殺し屋っぽい顔」
“東側”、ですか・・・。
私は実は、ダニエル・クレイグにまだ『Jの悲劇』で同性のストーカーに極限まで追いつめられた英国人・大学教授のイメージが忘れられないでいたのですが、本作でボンドのイメージががっちり勝った感があります。
ご覧になられるのでしょうか!?
もしそうでしたらレヴューを楽しみにしております! \(^o^)/
あ〜っ!そうでしたね!!
『カジノ・・・』で初めて出会わせて頂いたのでしたね!とても嬉しかったです〜(*^_^*)。
そう考えたら益々「新生007」のファンになりそうです。
早2年・・・こちらこそこれからも宜しくお願い致します。(*^_^*)
私も殆ど同じで、過去シリーズでは劇場鑑賞したのはP.ブロスナンのボンド時代の一作品のみでした。テレビ放映された幾つかも観たような気がしますが、どうも伊達男&色男的イメージが先行してしまっていてあまりのめり込めなかたのが正直なところです。
なので、「生身の人間」としての苦悩も描かれているダニエル・クレイグの新生ボンドに惚れてしまいましたぁ。(*^_^*)
これからも是非一緒にボンドを応援させて下さいね。
あ、、、「1時間後」は実は、、、本人がちっともその符合に気付いていませんでした。^_^;
(シビレて頂いたのに申し訳ありません。)
それから、ドライアイも一緒なのですね。
映画館は要注意ですよね。しかも身体が固まっちゃうような「怖い」「痛い」「ビックリ」の作品は特に・・・。(^_^;)
目薬携帯して頑張りましょうね。(~o~)
P.S お名前、勝手に挙げてしまってゴメンナサイです。(^^ゞ
やっぱりボンドをみるとそうなるのでしょうか?
ボンド役も監督も変わってもイアン・フレミング原作のこのシリーズ熱いものがあるんのですね。
この映画も観たいですが、まずその前に前作『カジノ・ロワイヤル』を観ないといけないですネ。前作の「一時間後」からはじまる物語だから!!まずはそちらをレンタル屋さんにいったときに借ります。そしてこちらはその後のお楽しみとします。
熱きものを私も得ます。
はい、この日は確かにテンションがハイになっていました。(*^_^*)
今までの007は肩肘張らずに観れたと思うのですが、『カジノ…』も本作も、演出上どうしても身体に力が入ってしまいました。
それとダニエル・クレイグに魅せられてしまっていましたから、きっと冷静さを欠いていたのでしょうね。(^^ゞ
そうですね、本作についてはやはり『カジノ…』を観てからでないとよくわからないところがあると思います。なので、ご覧になる場合は前作の事前チェックをお勧めします。
かなり「リアルに痛〜い」ですが、お覚悟の上、是非どうぞご覧くださいね。(^_^)
ダニエル・クレイグの硬派なイメージが良いですよね〜
マット・デイモンの『ボーン・・』シリーズが好きだった私は、すんなりお気に入りになってしまいました。
マット・デイモンのひとり言。
「今のダブルオーにあって、ボーンになかったものってなんだ?」
回答:タキシード
そういえば、長いシリーズの中で新生ボンドになってから
Qの存在がなくなってしまいましたね。
変な秘密兵器がなかったから大人の映画になったのかもしれませんね^^
>そういえば、長いシリーズの中で新生ボンドになってから
>Qの存在がなくなってしまいましたね。
>変な秘密兵器がなかったから大人の映画になった
>のかもしれませんね^^
わー、ネタバレやめてー(×_×)
私的には、
・何故か離島にあるボスのアジト
・(ボンドカーの)飛び出す助手席(←ボンドガールの始末用?)
・へんてこりんなスパイガジェット(小道具)
・妙な東洋人風の殺し屋
などが007作品ならではの特色、みたいな頃もあったんじゃないかな、と思ってます(=^_^=)
私は『ボーン…』シリーズは未見なのですが、やはりこの作品と「ボーン」のイメージの重なりを挙げておられる方がいらっしゃいました。
そうですか・・・、マット・デイモンくんは“タキシードを着ていない闘うロンリーマン”なのですね。(*^_^*)
Qって、そういえば演じておられた俳優さんが亡くなられたのですよね。『ワールド・イズ・ノット・イナフ』が遺作となったのですよね。
立ち位置としては『バットマン』におけるアルフレッドみたいな、“良き(人生における)アドヴァイザー”でもあったのだと思います。
しかし、一連の「変な秘密兵器」は確かに原作が漫画であることを知らしめてくれますね。(^^ゞ
あれがファンの方々にとっては面白かったのかも知れませんが。
たとえばitukaさんの次にコメントをくださっている御方のように・・・ ↑ 。(^−^)
「007作品ならではの特色」、謹んで拝読いたしました。<m(__)m>
まだ“シリーズ素人”にすぎない私が言うことではないかも知れませんが、確かにそうかもしれませんね。
このクレイグ版ボンドで「シリアス路線への何度目かの転向がやっと成功した」、みたいなことが某誌に書かれていました。
しかしこれからは少しずつ“小道具たち”も登場してくるのではないでしょうか。(シリアス路線を壊さない程度のまじめな?ハイテク小道具たちが・・・^^;)
しかしそういう遊び心はあっても、是非今のカラーは継いでいってもらいたいなぁと密かに(でもないですね、声高に)願う私です。(*^_^*)
あ、、、「飛び出す助手席」が「ボンドガールの始末用」て・・・。^_^;
TiM3さんのお考えですか? なかなかシュールでブラック〜!
また「仮レビュー」をアップしてます(=^_^=)
「007」にある種固定的なイメージを持って観に行ったあとの感想です。
何ぶん、復讐劇ですから。
私憤をはらすための戦いの侘しさ。
鬼の形相で、ひたすらサイボーグのように戦いまくっていました。
勝利の報酬は何だったのか。
渇きと飢えを感じました。
でも、次回もぜひ観に行こうとは思いましたよ。
ご覧になられたのですね!
後ほど貴ブログに(楽しみに)お伺いしたいと思います。(*^_^*)
そうですか、従来のもう少しソフトなボンドの方が心穏やかに観ていられるのは確かかもしれませんね。
「渇き」と仰るのはとてもよく分かる気がします。
でも、何度か語られたボンドの「死者にとって復讐は無意味だ。」という言葉が、彼の無念を物語っていたように思えて切なかったです。
はい、次回も是非に。
次回は少しだけ違ったボンドが見られるかもしれませんね。
私も目が放せません。(*^_^*)