2009年02月04日

地味プチ独りイヴェント

  
  先日、深夜の「シネマtrip」で2003年製作の『イブラヒムおじさんとコーランの花たち』(フランソワ・デュペイロン監督)を放映していましたね。
劇場公開時に観に行った映画でしたが、もうすっかり細部を忘れてしまっていたので録画撮りして観直してみました。
オマー・シャリフ演じるトルコ移民の老人イブラヒムとユダヤ人の少年モモ(ピエール・ブーランジェ)との間に交わされる交流によって紡がれていく作品なのですが、再鑑賞して今回、あらためて老人と少年に交わされる幾つかの会話の奥に広がる“深くてスケールの大きな世界観”にしみじみ感じ入ってしまった作品でした。

あんなふうに達観したいけれど、そうなるのは、幾つもの苦い涙を飲んだ後のことなんでしょうか・・・。


                  PO20090203_0001.JPG

  さて、先の1日(日)の独りイヴェントは、この時期に毎年恒例としている京都の<八坂神社→円山公園経由→知恩院詣で>でした。
昨年も一昨年も書きましたが、宗教的背景は一切ありません。 あることがキッカケで始め、もう17年くらい続いている地味ぃ〜なプチ・イヴェントです。

2日からの節分祭の時はかなりの賑わいを見せる八坂神社も、この日は一日違いで閑散としていて、神前でゆっくり手を合わせることができました。
円山公園では、降り出した雨を凌ぐために入った東屋に人懐っこい野良猫がやってきました。きっと近隣の人たちにご飯をもらったり可愛がられている猫だったのでしょうね。
人間を見たら怯えて身を隠すだけの野良猫を見ると、そうなる背景に思いが至ってとても悲しい気持ちになりますが、たまにこういう猫に出会うと「世の中、捨てたもんじゃないな」なんて思えたりします。

                   PO20090203_0002.JPG

知恩院へは三門をくぐって石の大階段で。

たまには違う上り方をしてみようと、この日はブーツを脱いでウサギ跳びで上まで上がりました。・・・と言うのは真っ赤なウソです。お分かりでしょうけれど。(^^ゞ

知恩院では、御影堂の本堂に座して黙考する時間を過ごします。
焚かれている線香の香りは不思議と心を落ち着かせ、清めてくれるような気がします。
かなり以前に仕事で知り合った女性で、「お寺の雰囲気が大好きでお休みごとにいろんな仏閣を廻っていて、将来はお寺の跡取りのお坊さんと結婚したい」と言っていて“本当に”お寺の息子さんと結婚して仕事を辞めていった女性がいましたが、「彼女どうしているんだろう・・・今もその大好きなお寺の空気にくるまれて暮しているんだろうか・・・」ってふと思い出してしまいました。

「自分と対峙する」といえばいいように言い過ぎですが、自分の来し方や行く方を思い(ちゃっかりお願い事もして)、知恩院の脇の参道を降りた後は、大抵ここ(スターバックス京都祇園ホテル店)で温かいラテを飲みます。
空いてれば窓際の席で道行く人を眺めながら。人間ウォッチングは面白いです。

                  PO20090203_0003.JPG

この日はJR京都伊勢丹7Fにある美術館「えき」KYOTOで開催中の<ロベール・ドアノー写真展>に行きたくて、地下鉄で京都駅へ移動。

JR京都駅の中央コンコースから延びる、伊勢丹に通じるあの大階段を、今度こそウサギ跳びで・・・・・上がりませんっ!!


で、ドアノー展。
200点にも及ぶ、パリを撮ったモノクロームの世界。魅せられました。
軽快な作風の中に1枚の写真それぞれのドラマを感じる、「生きている」という幸福感をも感じさせてくれる作品の数々。
ロベール・ドアノーというアーチストの“温もり”を感じ、一枚一枚を撮る時の“息づかい”まで伝わってくるようでした。
何枚かの写真をコラボレートしたオブジェのような作品も幾つかあり、楽しめました。
 
       PO20090203_0004.JPG     PO20090203_0004.JPG   
                           買ったポストカードから2枚チョイス。

 
 地味ぃ〜だけど節目のプチ行事を終えて、清々しい気持ちで大丸梅田で赤ワイン買って帰りましたぁ。かわいい





posted by ぺろんぱ at 21:35| Comment(14) | TrackBack(0) | 日記
この記事へのコメント
京都の独りプチ・イヴェント、なんかゆったりと独りを楽しんでおられるようですね。

> 知恩院では、御影堂の本堂に座して黙考する時間を過ごします。
これってなんか心が落ち着きそうです。特にお寺で線香の香りの中で目をつぶってゆったりとするのは落ち着きを取り戻せます。

私はいつもというのが苦手なので、ぺろんぱさんのように17年も続けておられるというのには本当にびっくりします。
続けておられるにはきっと大切な何かがあるのでしょうね。
Posted by west32@お出かけ at 2009年02月04日 23:58
いいですねー。

『ラストサムライ』では、何故か横浜(!)に皇居があって、
そこの石段に流用されてました、知恩院の「男坂」が、、

私的には、京都と言えば黒谷町〜真如堂の辺りが好きですね。
余り人がいないので、女性にはおススメ出来ないかも知れませんが・・

また、京都を歩きたいなぁ(・ω・)
Posted by ☆知恩院!☆ at 2009年02月05日 00:00
>たまには違う上り方をしてみようと、この日はブーツを脱いでウサギ跳びで上まで上がりました
・・危うく信じてしまいそうでした(爆)

どんなに目まぐるしい日常でも、
どんなに楽しくても、
どんなに淋しくても。
そこから離れ―、

長く続けるひとりイベントは、
それ自体が秘密めいたオトナのオンナを感じさせますね。
その日の締めがワインというのもぺろんぱさんらしいです(^・^)b

Posted by kira at 2009年02月05日 16:26
私は初大師に行きたかったのですが、行けなくて。その代わり?に2月1日に須磨寺へ。
そこでは骨董品の出店で品定めを。
 ペロさんと違って即物的ですみません。
でも「青葉の笛」をしっかり見てきました。

 小さな小さな侘助の木に白い侘助の花も。
Posted by 侘助 at 2009年02月05日 18:35
wesy32さん、こんばんは。

お寺で線香の香りに包まれるのは本当に
いいものですね。
御影堂は正面に荘厳且つ絢爛な仏壇や仏具が
配されていて、それをじっと眺めているのも、
何かしら正しき道に導かれていくようで
嬉しいものです。

なんだかんだと、その時々の京都見物も兼ねて
17年も続いてしまいました。
日記と同じで(どちらかといえば)もう止める
に止められないっていう方が当たっています。(^^ゞ

Posted by ぺろんぱ at 2009年02月05日 20:43
☆知恩院!☆さま・・・、こんばんは。
多分、文体や顔文字の特性から拝察して「TiM3さん」でいらっしゃいますよね???
改めましてこんばんは。

そうなのですか、この「男坂」(と呼ぶのでしね)が『ラストサムライ』に使われていたのですね
・・・知りませんでした。
映画のロケーションにお詳しいTiM3さんならではのコメントですね、ありがとう
ございます。

>黒谷町〜真如堂の辺り

紅葉の時期は随分と美しいところのようですね。
余り人がいないというのも、(危険でさえなければ)静かに散策を楽しむには
良いことです。
四季折々で常に賑わいを見せる京都も、時々そういう
“時が止まったかのように”ひっそりと佇む神社仏閣が
あったりしますね。

>また、京都を歩きたいなぁ

はい。「京都ある記」や「仏閣めぐり記」や「写真撮り記」なんかを綴って
下さるのを楽しみにしております。(*^_^*)
Posted by ぺろんぱ at 2009年02月05日 20:51
Kiraさん、ようこそです!

ウサギ跳びは、体力さえあれば挑戦するところ(ほ、ほんまかっ!!?)、体力がないので断念しましたぁ!が、信じかけて頂いてもの凄く嬉しいです!!

>どんなに楽しくても、
>どんなに淋しくても。
>そこから離れ―、

私はKiraさんのこのフレーズに何だか涙してしまいました。
年齢だけしっかり重ねている(重ね過ぎている)私ですが、いつでもニュートラルな「何処にも属さない」部分には戻れるのかも、、、と思った私です。kiraさん、ありがとうです!

締めがワイン、といいますか、お酒で締めるしかない?ぺろんぱです!わーい!!(←(・_・;))
Posted by ぺろんぱ at 2009年02月05日 21:10
侘助さま、こんばんは。
御無沙汰です。

即物的というのは「生命力が溢れてる」ってことでよいことではないのでしょうか。
私は否定などすることではありませんよ、全く。(^_^)

「青葉の笛」って平敦盛所持といわれたあの逸品なのですか??? こういうコメントをいただくから、やっぱり幾つになっても勉強ありき、ですね。恐れ入りました。
Posted by ぺろんぱ at 2009年02月05日 21:26
ボクもこの写真展を狙っています。
ロベール・ドアノー写真展 〜パリ・ドアノー〜
まとめて観る機会は今までなかったので、今回がチャンス。
近々、京都駅へ。

知恩院の新緑が大好きでよく散策しますが、冬は苦手です。
もうすぐ春ですよ。
Posted by keyakiya at 2009年02月05日 22:43
でございました(=^_^=)>

何だか、お名前欄をタイトル欄と間違えていたみたいですね(×_×)

そうそう。
きっつい上り坂を「男坂」、緩やかな下り坂を「女坂」と言うそうです。

無断リンクですが、ここでパノラマ写真を拝むことが出来ます、、

http://muranaka.homeip.net/2006/11/post.html

ぐりぐり動いて素晴らしい!
Posted by 知恩院! こと TiM3 at 2009年02月06日 00:42
keyakiyaさん、こんばんは。

ドアノー展、是非アーティストとしてのご感想をお伺いしたいです。(楽しみにしています(*^_^*))
あまり広くはないスペースの「えき」KYOTOですが、配置に工夫をされて意外にもかなりの作品展示数でしたよ。

知恩院、「この時期」に行くのは「決め事」ですが、ふと思い立って訪れることも何度かあります。
新緑の頃にまさかのニアミスがあるかもしれませんね!
Posted by ぺろんぱ at 2009年02月06日 20:28
TiM3さん、こんばんは。

そうですね、ウチのブログには「コメントのタイトル欄」がありませんものねー。
でもこういうお間違いなら(楽しいので)歓迎です。(*^_^*)

私はいつも上がる時は男坂から、お参りを終えて下りる時は女坂でと決めています。

パノラマ写真・・・PCが操作途中で固まってしまってぐりぐり出来ませんでした。…なんでだろ?(T_T 泣)
そのうち再挑戦しますね。



Posted by ぺろんぱ at 2009年02月06日 20:34
このポストカードの作者はロベール・ドアノーでしたか〜(メモメモ)

2枚チョイスされてるうちの左の写真は、以前ダウンロードしたことがあります。
そして、右の写真も味があっていいですね。
これだけ惹きつけられるのは、やっぱりモノクロだからでしょうかね^^
Posted by ituka at 2009年02月13日 21:49
itukaさん、いらっしゃいませ。

おお!左の写真はドアノーの有名な一枚で、同展のポスターにも使われています。
itukaさんがダウンロードされたのもきっと惹かれるものが強かったからなのですね〜。
右のはタイトルが「お使いのお駄賃」というものです。

モノクロ写真って、想像力をかきたてられるものがあるのでしょうか・・・惹かれますね。
Posted by ぺろんぱ at 2009年02月14日 07:03
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