主役を張ってオーラをまとう役者さんがいて、かたや、端役をこなしつつも存在が光る“いぶし銀”と評される役者さんもいて、また一方では、役者さんとしてとてもいいのに演じる役柄は物語の途中で早々にいなくなってしまうものばかり、っていう人もいますよね。
でもそれぞれにファンがいて、その役者さん独自の“何かしらの魅力”がそのファンを虜にしているのでしょうね。
先日のABC放送の日曜洋画劇場『ザ・ロック』(マイケル・ベイ監督)については、ストーリーや映画の作品性とかそんなことより、それぞれの役者さんの持ち味が見事に活かされていた作品だったなーって感じた次第です。
実はこの手の映画(アメリカ政府と戦争とテロが絡んだアクション大作)はあまり積極的に食指が動かないジャンルなのですが、豪華な俳優陣(どちらかというと「好き」な人ばかり)だったので観てみることにしました。

story
脱出不可能な天然の要塞アルカトラズ島を舞台にしたアクション超大作。VXガス搭載のミサイルを盗み、アルカトラズ島に立て籠もったハメル准将とその部下たちは、観光客81人とサンフランシスコ全土を人質に取り1億ドルの身代金を要求。
FBI科学兵器処理班のグッドスピードは、アンダーソン隊長率いる特殊部隊と共に作戦参加を命じられた。彼らを島の内部に案内するのは、かつてアルカトラズ刑務所(通称ロック)から、唯一人脱獄したことのある元英国諜報部員メイソンだった……。 (※story、作品写真ともシネマトゥデイより転載)
演じるは・・・
ハメル准将 : エド・ハリス(どちらかと問われれば好き)
バクスター少佐 : デヴィッド・モース(好き)
グッドスピード : ニコラス・ケイジ(好き)
アンダーソン隊長 : マイケル・ビーン(とても好き)
メイソン : ショーン・コネリー(どちらかと問われれば勿論好き)
(その他いろいろな俳優さんが出演されてます)
作品自体は、大作と呼ぶにふさわしいものでそれなりに楽しめました。
でもこういうアクションものはやはり劇場で完全に拘束されて観るに限りますね。特にテレビだと、連続しているはずのアクションシーンや緊迫感などがCMで分断されてしまってどうもイケマセン。
本作で描かれている人間ドラマの部分も、ややもすると大仰に感じてしまう部分があったのは、やはりスクリーンから受けるド迫力がない分、妙に冷静になってしまったからかもしれません。
それでも2時間弱、最後まで引っ張られてしまったのは、やはり俳優陣の魅力によるところが大きかったのではないかと思うのです。(勿論、物語としても十分素晴らしかったのでしょうけれど。)

適材適所の妙?
とにかく、ハメル准将(エド・ハリス)とメイソン(ショーン・コネリー)とグッドスピード(ニコラス・ケイジ)の三つ巴で終盤まで引っ張られます。
ショーン・コネリーとニコラス・ケイジはキャラクター的に「間違いない」っていう感じで、この二人が「Good job!」とばかりに笑顔をもってラストを迎えられるのだろうなという予感が、前半部から予感を超えて「確信」となって感じられました。
エド・ハリスも、後半の変容が「納得!」の重厚キャラでした。長年にわたって仲間の無念を国家への恨みとして不毛の闘いを続けてきた彼に「哀れ」すら感じましたが、そういうところにエド・ハリスのルックスはぴったりだとも。
ハメル准将(エオド・ハリス演じる)の直近の部下でもあり同士のバクスター少佐を演じるデヴィッド・モースに至っては、「最後まで予断を許さないけれど、やっぱり最後は憂愁の騎士!」の“オイシイ”役柄なのでした。彼の最後の「ある行為」は“どちらを選択するか予測不可能”でもあり、終わってみれば最も心を打つシーンだったかもしれません。
そしてマイケル・ビーン。
他の作品で幾つもの前例があったので危惧してはいたものの、やはり・・・・・真っ直ぐに突っ走ってとことんヒートアップしながら、途中であっさり“デリート”されてしまいました。
分かってはいたものの、「やっぱりそうなのね・・・」とテレビが面に向かって合掌していた私です。でもそういうところが好きですけれどね、マイケル・ビーン。
いささか直情的な性格に描かれているのは作り方としてご都合主義的な感じもしますが、あそこで消えていく為には必要な性格設定だったのでしょう。そういう使命と役割のマイケル・ビーンさんなのでしょうね。

あ、知らずに観ていて「サプライズ」だったのは、メイスンの娘ジェイドを演じた女優クレア・フォーラニが出演されていた事です。
『ジョー・ブラックによろしく』にも出演されていて、『ジョー・・・』で初めて観た時に「なんて魅力的な女優さんなのだろう!」って思ったものですが、本作は実は『ジョー・ブラック・・・』よりも2年前の出演作品だったそうです。
本作で注目を集め、より洗練されて『ジョー・・・』へとつながっていったのですね。
最後は定石で、心憎い二人のシーンがあってスカっとするエンドです。
釈然としないものも若干残りつつ、やっぱりエンタテイメント作品としては「一級」なのでしょうね。それぞれの役者さんがそれぞれの立ち位置で相応の輝きを放つ作品だったのではないでしょうか。
さて、こちらは同じ<ロック>でも<オン・ザ・ロック>の画です。
バランタインの黒ラベル(この銘柄の黒ラベルは初めて飲みました)をハーフロックで。

遅れ馳せながら、第81回アカデミー賞で日本作品『おくりびと』『つみきのいえ』のW受賞、おめでとうございます。
そして、村上春樹のエルサレム賞受賞、おめでとうございます。
後者については受賞の是非に関して物議をかもしましたが、私としては「敢えてあの場所に行き、敢えて肉声で、あのメッセーを発信したこと」に拍手をおくりたい想いです。そして受賞そのものよりも、あのスピーチに私は感銘を受けました。(このスピーチについても一部、物議をかもしているようですけれど・・・。)
「壁と卵」の喩え。
「間違っていると分かったとしても私は卵に寄り添う・・・そうでない作品にどんな価値があるのか」(『週刊朝日』3/6号に原賀真紀子氏訳による全文が掲載されています)
今まであまり知り得なかった彼自身の肉親への想いが語られていたことも、ファンにとっては嬉しいことでした。

わたくしも見ていましたよ!
いいキャスティングでしたね。
2回目の拝見でした。
『ザ・ロック』は(敢えて)観ませんでしたが・・幾つかのシーンは記憶に残ってますかね。
中でも、炎の吹き出す(アルカトラズの)地下通路かなんかで、
御大ショーン・コネリーがゴロゴロとでんぐり返りするのが強烈な印象でした(⌒〜⌒ι) ←してましたよね?
マイケル・ビーン&クレア・フォラーニの出演は全然覚えてませんでした(×_×)
『ジョー・ブラック〜』の5年後、クレアさんはジャッキーと『メダリオン(2003)』で共演されるんですね、オヨヨ・・
配役で読める流れもあったような、でもそのキャスティングでひたすら引っ張られていったような、そんな映画でした。(*^_^*)
同じ時間にテレビの前で鑑賞だったのですね!!
>(敢えて)観ませんでしたが・
「敢えて」のご表現、何か確たる拒絶の意思があったのでしょうか??
ショーン・コネリーの「炎中ごろごろシーン」ありましたありました!凄いです!(フツーなら焼きイモになってしまってますよね)
マイケル・ビーンさん、、、やっぱり忘れ去られちゃってる役柄なんですよね・・・しゅん。
>ジャッキーと『メダリオン(2003)』で共演
全く知りませんでした。
「ジャッキー」ということで多分スルーしてしまっていたのでしょうか。ネットで調べてみますね。(*^_^*)
に出演されてて、パッと観、ジョー・パントリアーノにかなり似てしまってた印象がありました、、めたぼぉぉ(×_×)
http://aki-ch.com/misc/alikes/alikes03.html
※無断リンクで失礼します。。
「とても好き」といわりにチェックしていない作品はたくさんありますが、しかし上記リンク先でもやっぱりマイケル・ビーン様はカッコよかったですよ。
でも以前から実は密かに思っていた<ジミー大西×マット・デイモン>、、、同じ感覚の人がいらしたことに狂喜している今です。(*^_^*)