2006年12月24日

リトル・ミス・サンシャイン

 
 クリスマスムード一色の23日(土)は、シネリーヴル神戸で『リトル・ミス・サンシャイン』(ジョナサン・デイトン&ヴァレリー・ファリス監督)を。
06年の締めくくりに観るには(余裕があればもう一本観に行きたいですが)相応しい、ハートウォーミングな作品でした。
基本的に私、ロードムービー好きですし。

story
 独自の成功論を声高に振りかざすが自分は甲斐性ナシの父家族を嫌って沈黙を続ける兄ヘロイン中毒で強烈な毒舌の祖父、失恋が原因で自殺を図ったプルースト研究家でゲイのおじ、そんなバラバラの家族を必死でつなぎとめようとする…。
寄ればケンカが始まる彼らの、珍道中を描いたロード・ムービー。
アリゾナに住む小太りなメガネ少女・オリーヴの夢は、ビューティー・クィーンになる事。コンテストのビデオを研究したり、大好きなおじいちゃん指導の元、ダンスを特訓したりと訓練に余念がない。そんな彼女の元に、朗報が舞い込む。カリフォルニアで行われる“リトル・ミス・サンシャイン”コンテストに繰り上げ参加が決定したのだ!問題だらけのフーヴァー家は、家族6人ミニバスに乗り込み、一路コンテスト会場を目指すが…?!(ZAQシネマ報より)

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 其々に問題を抱えてバラバラ状態の家族という設定ですが、どんな平和そうな家族だって一皮むけば色々な問題が潜在しているものだと思うので、実はこのフーヴァー家も決して特別じゃなくて、むしろ“ほんの少し呼吸を整えさえすれば”とても素敵なファミリーになれる人達に思えました。
・・・って、実はそれがハードルの高いことだったりするんですけれどね。

でもその「特別じゃない」ってことが、我々にも近しい感覚でこの映画を楽しませてくれたのじゃないでしょうか
(まぁ、お爺ちゃんがヘロイン中毒っていうのは日本人には驚きの要素ですけどね・・・(^_^;)

 家族のあり方っていうか・・つまり幸せっていうのは本当に個人の気持ちの持ちようで幾らでも変わるものなのだと改めて思いましたね。
結局、其々には何も変わってはいない・・・父親の「人間は勝ち馬たれ」とする成功論も、おじさんがゲイで失った恋を忘れられないのも。
お爺ちゃんはヘロインがきつかったのか否かで昇天してしまうし、オリーブは小太りで眼鏡の少女のまんま。
だけど、それらをみんな愛せるように彼らは変わっていくのです。
みんながみんな自分のことで精一杯過ぎたけれど、コンテスト会場を目指すポンコツのミニバスの中で、互いのことを思いやることができるようになった・・・・。
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だってね・・・、このミニバス、とにかくポンコツで、エンジンがかかって走り出すまで全員でバスを押しながら走らないといけないんですもの。
車を発車させる自体がまず皆の力を合わさないといけないことなのです。このミニバスの存在が凄く効いてますね、面白い構成だと思いました。
              
 映画を深い味わいに導いてくれたのはゲイでプルースト研究家の叔父フランク(スティーヴ・カレル)。
独自の成功論を振りかざし「人間には2つしかない。勝ち馬と負け犬だ!」と豪語するフ-ヴァー家の長・リチャード(グレッグ・キニヤ)に反発するリチャードの息子に、「プルーストも生涯負け犬だった。でも彼は“苦しんできた人生こそが今の自分を形成して来たものなのだ”と言ったんだよ」と優しく説きます。
カリフォルニアの海辺での、リチャードの息子とフランクの会話シーン。
私は一番心に残りましたね。
              
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                 兄を思い遣るオリーブ
                 このシーンも良かった
 

結局、父リチャードも、「勝ち組とは決して諦めないこと。そして負け犬とは挑戦すらしないことだ!」と本当に言いたかったことはこれなんだと言わんばかりに叫びます。
これは本当にそうですね・・・言い訳ばかりの人生ではいけない、自分の選んだ道を正当化できるように頑張らなくてはいけないって思いましたね。 

最後に・・・ミスコンでのオリーブは、大人顔負けの厚化粧とフリフリドレスでこってりした感じの他の出場者に比して、断然可愛いかったです。
披露したダンスは「お爺ちゃんに教わったダンスってこれっ!?」っていう意外な展開ながら、最後は心が温かくなって、絶賛とまではいかなくてもクスッと笑ってちょっぴり泣ける良品だったのではないでしょうか。


 さてさて、所用があって映画の後は阪神電車の小旅
阪神深江の駅前にフレンチのワイン・スタンディングができていると聞いていたので、帰りに途中下車して寄ってみました。
カウンターのみの小さな、元サッカー選手の武田さん似のマスターがいらっしゃる、とてもくつろげる感じのお店で、ちゃんと椅子も置いてありましたよ
                喰らい場.jpg
 一杯目はイタリアの白。
二杯目は南アの赤。そして三杯目はフランスの赤。四杯目は・・・・何だったっけ?

お料理もカジュアルながら“アート”感溢れるものでした。
               サーモンvセ拈ル.jpg サーモンのタルタル

綺麗に磨き上げられたグラスに注がれたルビー色のワインはとても美しかったです。


 劇中、ドライブインのシーンで、オリーブは「痩せるためには大好きなアイスクリームを我慢しなきゃ・・・」って思うのですが、結局誘惑に負けて食べちゃいます
私も飲む前はいつも「今日こそは節酒しなきゃ」って思うのですが、即、誘惑に完敗してガブガブ飲んじゃいます。
これは負け犬??・・・それとも決して「飲むこと」を諦めない勝ち馬??・・・って、どっちだっていいんですけどモバQ






posted by ぺろんぱ at 18:57| Comment(6) | TrackBack(2) | 日記
この記事へのコメント
ワインをグラスで4杯程度までなら特に節酒の意識は要らないんではないでしょうか?
Posted by kbow at 2006年12月24日 21:42
こんばんは、kbowさん。
そうなのですね・・・それだけで終われば、ですね。確かに、心地よい酔い状態ならお酒は止めたいとは思いませんよね。
この日も帰宅後に更に飲みました。

さて、年末用に(それまでに飲んでしまいそう(^_^;))大黒正宗・絞りたて無濾過生原酒を一升瓶で購入しました。
今はおとなしく冷蔵庫で眠っていますが・・・。
Posted by ぺろんぱ at 2006年12月25日 21:41
「大黒正宗」って私も探して試してみます。
ところでこれは「年末用」とありますが新年用はもうお決まりでしょうか?
Posted by kbow at 2006年12月27日 08:47
新年用には玉の光の無濾過生原酒を取り敢えず購入(大丸で試飲してしまった行き掛り上)していますが、これは4合瓶なので他も仕入れしとかないと・・・・。

Posted by ぺろんぱ at 2006年12月27日 21:28
この映画、ホントにハートフルなカンジで良かったですね、こういうの好きです♪
今年はもう終わっちゃうけど、来年もまたよろしくお願いします♪
Posted by たけちゃ at 2006年12月31日 19:08
たけちゃさん、『硫黄島からの手紙』にもTBして頂いてありがとうございます。
こちらこそ来年もどうぞ宜しくお願いします。来年もいい映画に出会いたいですね☆。
Posted by ぺろんぱ at 2006年12月31日 19:21
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Excerpt: 原題:Little Miss Sunshine 夢と希望と、そして目一杯の不幸せと怒りを背負い込んでフォルクスワーゲンのミニバスが行く・・不運に見舞われ続ける彼らに、家族の幸せは訪れるのか ..
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Tracked: 2006-12-30 02:40

「リトル・ミス・サンシャイン」観てみました。
Excerpt: 「リトル・ミス・サンシャイン」観てみました。久々のいい映画でした。アリゾナからカリフォルニアまで「リトル・ミス・サンシャイン」の大会を目指し、バラバラで負け組みの家族「フォーヴァー家」がぼろぼろのフォ..
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Tracked: 2007-02-21 15:03