いやぁ〜、観応えありました。約2時間30分の長フィルムですが一度も睡魔に襲われることはありませんでした。
観終わって先ず一番に世の男性諸氏に伝えたかったこと・・・それは、“満員電車に乗る時は、女性にはお尻を向けて両手を上げてバンザイしたまま乗ってください!”ということです。そうすることが貴方の人生を守ります!
女性の方々は身近な人にこれを伝えてあげてください。誰だって大切な人が無実の罪で裁かれるのを見たくはありませんもの。

story
フリーターの金子徹平(加瀬亮)は、通勤ラッシュの電車で女子中学生から「痴漢したでしょ」と訴えられてしまう。まったく身に覚えのない金子は、話せば分かってもらえると思い、大人しく駅の事務室に行った。しかし、「ボクはやってない!」という訴えもむなしく、そのまま警察に連行されてしまう。その日から、留置所暮らしを余儀なくされた金子の無実を訴える戦いが始まった。
『Shall We ダンス?』の周防正行監督が、11年ぶりにメガホンを取った本格的な社会派ドラマ。電車で痴漢に間違えられた青年が、“裁判”で自分の無実を訴える姿を、日本の裁判制度の問題点を浮き彫りにしつつ描く。 (シネマトゥデイより)
巷では「裁判のマニュアル映画」みたいなことも言われていましたが、マニュアル映画で終わっていません。
裁判の裏事情も裁判の進行も、きっちり見せてくれていますが、それらの説明に終始せず、しっかりと裁判というものの持つ矛盾点を観る者に訴えかけてきます。脚本がしっかりしていると感じましたね。

「痴漢冤罪には日本の法律の問題点が詰まっている」そうで、この映画でもその問題点を浮き彫りにしているようですが、私は痴漢冤罪という問題を超えた「人が(人の定めた法が)人を裁くということの不遜さ」・・・これも監督が描きたかったことではないのかと感じずにはいられませんでした。
最後の判決を受けた徹平が心中で吐く台詞がまさにそれを訴えていると思いました。
「裁判は今まで“真実を見極めること”だと思っていた。でも結局裁判なんて、関係資料を集めて、それに基づいて有罪か無罪かを“判断”するだけだ。」という台詞。
判断が間違えば(あるいは何らかの意図によって故意に間違った方向へ進められれば)、そこには冤罪が生まれるのですね。
罪状を認めた犯罪者の裁判が多い中で見過ごされがちだけれど、刑事裁判の最も重要な責務は「無実の罪で人を罰してはいけない」ということ。
でもそれが、事件関係者の思い込みや誤解・曲解、裁く側の人間の性格・信条、果てはそれらの人々の裁判当日の“ちょっとした気分”によって作られてしうことの恐ろしさ。そう、裁判って「(故意でなくとも)作られていく」場合もあるのですね。この「作られていく」という過程が実にリアルに、薄ら寒い怖さをも伴って描かれていました。

被告席に立つ状況には陥りたくはないけれど、そうでなくても、今後日本にも導入される裁判員制度(陪審員制度)で、我々もいつかは裁判というものにかかわっていくことになります。しっかりと心してかからねばならないことですね。
(余談になりますが、先日三谷高貴幸喜さんのお芝居『12人の優しい日本人』を録画で観ました。このお芝居でもその感を非常に強く持ちましたね。)
加瀬亮くんは『硫黄島・・・』での好演も光っていましたが、この作品での彼も本当に素晴らしいです。
拘留されて日に日に荒んでいく心情や、公判でじわじわと追い詰められていく時の表情とか、ごく普通の柔(やわ)な若者が絶望の淵に立たされていく様子をリアルに演じきっていたと思います。
それから彼の無実を立証しようと奔走する弁護士・荒川を演じる役所広司さん、人間的厚みを感じさせてくれてこの役には好敵手だったと感じます。
この人が味方になってくれるのなら無くなりかけた勇気も出てきそうな、そんな感じです。

友人役の山本耕史クンも勿論いいし、母親役のもたいまさこさんも悲壮感だけが漂うんじゃない感じが逆に良くてハマり役だったと思います。
やはり肉親、そして友人・・・「信じて」くれる人がいることの幸せも、普段なら忘れがちなことですよね。
この映画は裁判の事だけでなく、そうした「人と人との関わり」や、どんなことでも何かをやる時には絶対必要な「勇気」、持たねばならない自分の言動への責任などなど、たくさんの事を再認識させてくれました。
ありがとうございます。
さて、昨日はこの映画の公開も待っていたことですが、こちらも待っていました。
昨年12月にブログで書いていた【ブドウ品種別・赤ワイン飲み比べ12本セット】が午前中に届けられる日だったのです。
・・・で、届きました、この通り。

ラベルが綺麗で眺めるだけでも嬉しいです・・・。
って、眺めるだけじゃ勿論ありませんが。
先ずは【ピノ・ノワール品種/ドメーヌ アストラック ディー・エー ピノ・ノワール リザーブ】を開けました。
色は少しくすんだ感じの深い赤、果実味に溢れ、コクもあります。
結構贅沢な気分にさせてくれる味わいで、コスパ大でした


・・・一本空けてしまいました。飲みすぎ注意、自分の言動に責任を持たないとって思ったばかりなのに・・・

男性にとってはこんな冤罪もあるということで、私も気をつけます。電車に乗ったら手を上げることですね、了解。
さて・・・えっと・・・west32さんは男性でいらっしゃるるのですか?今の今まで女性の御方だと思っていました。
何となく貴ブログの雰囲気で・・・。
載せていらっしゃる写真とかにも優しさを感じましたので・・・。
ごめんなさい、でもどっちでも変わりなく今後とも宜しくお願い致しします。
そうそう、映画。。。男女の別無く、あらゆる意味で(人生の)勉強になるような・・・私はなりました。
こういう社会的なものって映画館で見る感覚がないので見てなかったですけど、これは見たいと思ってます。
加瀬亮はほんと勢いに乗ってますね〜。映画俳優として進んでいってるのが素晴らしい。
>「裁判は今まで“真実を見極めること”だと思っていた。でも結局裁判なんて、関係資料を集めて、それに基づいて有罪か無罪かを“判断”するだけだ。」
奥深いですね〜。
最近はマスメディアにも同じようなことを感じます。損得なしで追求しなくてはいけないことがあるはずですよね。
早く見ます〜☆┌|∵|┘
加瀬クンは台本貰って撮影に入るまで「これはコメディーだ」と思ってたそうです(^_^)。シリアスなので驚いた、と。役への入り込みは凄いですね。
>最近はマスメディアにも同じようなことを感じます。
そうですね・・・信じていると痛い目にあいそうです。
御覧になられたら感想を楽しみにしています。
まっ、男女どっちでもいいですけど......よろしくお願いします。
それでも謎は残っているので?、解明すべく貴ブログにちょくちょくお邪魔します。
徹平クン、それなりに意思強いですね。
そうですね・・あそこまで追い詰められたら負けてしまいそうですものね。
トラバもして下さっているようなので今から貴ブログへお邪魔いたします。
やっと見てきました。すげーですこの映画。
>たくさんの事を再認識させてくれました。
ありがとうございます。
ほんとそんな感じの映画です。こんなに高い次元で映画としての完成度とメッセージを融合させている映画を見たことがないような気がします。
不覚でしたw
さっきdkさんのブログにお邪魔して来ました。「裁判には限界がある。人間がやることだから。」というdkさんの記述に哀しい納得をしました。裁判員制度、どうなるのでしょうね。