2009年08月23日

ココ・シャネル

 久々に劇場鑑賞が叶いました。
梅田ガーデンシネマで『ココ・シャネル』(クリスチャン・デュケイ監督)を。 梅ガデからの眺めもいっときの癒しでした。

                  ココ.jpg
           

 孤独や貧しさをバネにできる人間は強いと思います、つくづく。そこには今で言う負け組などという“負の意識”は存在しないのですね。ガブリエル・ココ・シャネルはそんな強い精神を持った女性でした。

劇中の彼女の独白的な台詞、「人は生き方を決めれば強くなる」
この言葉が最も印象に残っています。

つまりは“ブレない生き方”ということでしょうか。実はそれが結構難しいことだったりするのですけれどね。
彼女もその実、ブレることはあったはずでした。
真っ直ぐで情熱的なココの恋愛模様が前面に出ていますが、結局彼女が男女の愛よりも仕事を選んだのは、男女の愛という不確かなものに身を委ね切ってしまうのが怖かったからではないでしょうか。
それを“不運な女”と捉えるのは男性側の観方なのかも。対価としてか否かは別として、彼女しか為し得ない仕事を成功させたことは同性からは至高の華なのです。
結果、彼女は強くならざるを得なかったのでしょう。

経過は苦くとも、彼女の人生は華あるものでした。

 ただ、なんていうか、肝心の「彼女の生き様の変容」が直情的に強く心を打つことがなかったですね。ファッションにかける熱い思いももっともっと描かれていてもよかったはずだと。
バルボラ・ボブローヴァ演じる若きココ・シャネルの内なる葛藤が、後のシャーリー・マクレーン演じる経年のココのあの“堂々たる潔さ”につながっていくまで、もう一つ二つの「ヤマ」が観たかったと思います。
折角の2時間20分の長尺が惜しい気がしました。

『時計じかけのオレンジ』のマルコム・マクダウェルの「今」には、しみじみ“時の移ろい”を感じました。


 めげることも多い日々の中、梅ガデからの眺めと映画館の匂い、いっときの癒し。 本や音楽も、癒し。愛猫との触れあい、更なる癒し。
そしてお酒、、、これも日々不可欠の大切な癒し。 嗚呼、こうして“全き依存症”は出来上がっていくのですね。



posted by ぺろんぱ at 21:18| Comment(16) | TrackBack(0) | 日記
この記事へのコメント
こちらにもおじゃまします。

>、肝心の「彼女の生き様の変容」が直情的に強く心を打つことがなかった

そーなんですね。
私自身は、ちょっと綺麗に描きすぎてる部分が目についてしまって、
あんまり入り込めなかったからそのせいかなぁなんて
思ってたんですが、なるへそぉ。

フランス語でやってくれないと、なんなくしっくりこないなぁというのもあります。

「ココ・アヴァン・シャネル」「シャネル&ストラヴィンスキー」と
今後、シャネルの映画が続く様ですね。
比較するのもちょと楽しみにしてます。


Posted by ゆるり at 2009年08月23日 22:57
お忙しいでしょうが、お元気でいらっしゃると信じております。(キッパリ)

 「人は生き方を決めれば強くなる」

につながるんかどうかはともかく、宇野千代さんの「私は風邪を引かない」宣言方式で新型インフルエンザも寄せ付けないでいきたいものです。

確かに「私は風邪を引かない」て言いきかせてるとひかんもんですねん。(いや、ほんまに)(生姜の常食もおススメーまたそれかっ!)
Posted by ビイルネン at 2009年08月24日 02:37
はろはろ、しげぞうでございます。

この映画、興味があります。
でも決してブランドとは縁も縁もないわたくし
でした。
Posted by しげぞう at 2009年08月24日 19:09
ばんはです☆

こちらともう1本と、どっちにしようか、ボンヤリ考えてます。

ってか、上映されるんかなぁ、、こっちのん(・ω・)

シャネラーにとってはマストな作品なんかなぁ・・(⌒〜⌒ι)
Posted by TiM3 at 2009年08月24日 22:24
私もこれをみようかどうかと......迷っています。
色々な方のブログを拝見すると、どうも今ひとつ....ぺろんぱさんも.....

でもこの考え方気に入りました。
> そこには今で言う負け組などという“負の意識”は存在しないのですね。
こんな風な彼女、ココの生き方をみているのも良いですね。

次に時間ができたときに考えて見ます。
Posted by west32 at 2009年08月25日 09:29
こんばんは。

遂にご覧になったのですね^^
本作はとりあえず、ココ・シャネルの生い立ちを知るための作品だと思っています。

割と淡々と進んで行ってしまったのは
ココの半生を1本の映画でまとめること自体が
波乱万丈過ぎて描ききれなかったのかなと思っています^^;

オドレイ・ココの方で、その辺りの穴埋めを期待してみたいです。

実際のココの画像を見る限り、バルボラ・ボブローヴァよりも
オドレイ・トトウの方が似ているような気がします^^

シャネルの5ってどんな香りなんでしょう?
一度でいいからチェックしてみたいワタシです(笑)

Posted by ituka at 2009年08月25日 20:25
ゆるりさん、再びこんばんは。

そうか、フランス語だともう少し入り込めたのでしょうか・・・こちらこそ「なるへそぉ」の思いです。
彼女の恋愛を追う部分が多かったけれど、そこからの体験的に学び取ったものを見せて欲しかったなぁという気もしています。

>「ココ・アヴァン・シャネル」「シャネル&ストラヴィンスキー」と

そうなのですか?!
それすらも実は知りませんでした。早く落ち着きを取り戻したいと切に願う今日この頃ですが・・・。
ゆるりさんの比較レヴューを楽しみにしております!!(*^_^*)
Posted by ぺろんぱ at 2009年08月29日 21:27
ビイルネンさん、こんばんは。
コメント返信が遅くなってしまって本当にすみません。

慌しい日々ですが元気にしております。ありがとうございます!

生き方を決めれば強くなれるとしても、強くないと生き方を毅然と決められません・・・よね。

でも宇野千代さんの「私は風邪を引かない」宣言を私も倣ってみます。
ついでに他のいろんなことも自分に言い聞かせたい今日この頃です。

あ、生姜の常食!明日、生の生姜を買います!(*^_^*)
Posted by ぺろんぱ at 2009年08月29日 21:35
しげぞうさん、はろです。
コメント返信が遅くなってしまって本当に申し訳ありません。

私もブランドものとは縁は薄いです。(^^ゞ
しかしどの世界においても、名を成す人はそれなりの苦悩を背負っているものなのだと感じました。
機会がございましたらご覧くださいませね。(*^_^*)
Posted by ぺろんぱ at 2009年08月29日 21:38
TiM3さん、こんばんは。
コメント返信が遅くなってしまって本当にごめんなさいです。

そうでしょう!やはりシャネラーにとってはマストな作品でしょう!
でも鑑賞時は99%が女性でしたが、シャネラーがいたかどうかまでは分かりませんでした。シャネラーが見たらシャネラーって直ぐ分かるのかもしれませんが、私はシャネラーじゃないので。・・・はい、「シャネラー」って言葉が何回登場したでしょう?

迷っていらっしゃる一本って何なのでしょう・・・貴ブログが楽しみです。(*^_^*)
Posted by ぺろんぱ at 2009年08月29日 21:46
west32さん、こんばんは。
コメント返信が遅くなってしまって本当にすみません。

先ほども書きましたが、名を成す人は名を成すだけの歴史があるのだと改めて感じましたよ。
シャーリー・マクレーンのパート、もう少し深く追って欲しかった気もしています。

女子率の高い上映でしょうが、もしもご覧になられるなら強気で??お臨みください!(*^_^*)
Posted by ぺろんぱ at 2009年08月29日 22:00
itukaさん、こんばんは。
コメント返信が遅くなってしまって本当にごめんなさいです。

itukaさんのコメントを拝見して「そうだ、余りにいろんなことが盛り込まれ過ぎてて描ききれなかったのかも」って思っている今です。

>生い立ちを知るための作品だと

そうですね、そう考えると納得できます。(^^)

>オドレイ・ココの方で、

itukaさんも今後のシャネル映画の情報をご存知だったのですね。オドレイ・トトゥは好きです。
オドレイ・トトゥの方に似ていますか?
なるほど、実際のココ・シャネルは魅力的な女性だったのですね。(*^_^*)

シャネルの5番は一度海外旅行のお土産で戴いたことがありました。マリリン・モンローへのインタヴューで有名になった香水ですよね。
もちろん芳しい香りですが、香水は好みがありますので私は長年別のものを愛用しておりまする。
チェックされたいならば、例えばお店に行って「恋人にプレゼントしたいのですが、5番ってどんな香りなんでしょうか」って言ってみるというのはどうでしょうか・・・。って、そこまでしたくないっすか!?
ごめんなさい!(^^ゞ
Posted by ぺろんぱ at 2009年08月29日 22:29
こんばんは vivian です (^-^)
ココ・シャネル読みました。会社でランチ時に友達が「観た」と言ってたので、気になってまして読みました (^-^) 服というものは、人の外見を変えるばかりでなく、心も変え、着ている人の趣味や生活を語りますね。その人が、何を考え、どう生きてきたのかを教えてくれますね。すいません、読書感想文になってしまいました。映像でならきっと、ステキな洋服&帽子が観れたんでしょうね・・シャネルって、女の子の誰もが目を輝かすブランドですよね〜私も財布持ってました。なんていうか、淑女になったような気がするんですよね〜フフフ〜デザイナーを貫き通した確固たる信念は生涯変わらなかったようですが、いったい何故、何が、そこまで彼女を仕事に没頭させたのか、書物からは分かりませんでした。すいません私に読解力がなかっただけです〜
最後にアマルフィの復讐の女神について教えていただいた 稲田さん ありがとうございました。ランチに友達と激論を交わしましたが、其々やはり色んな解釈があり、それはそれでいいんだな・・と感じた次第です。また、ヨロシクお願いします。
Posted by vivian at 2009年09月15日 22:44
vivianさん、こんばんは、ようこそです。

仰る通り、その日着ていく洋服で心も変わりますね。
デザインや色遣いによっては心を華やかにしたりちょっぴり強気にしたり、買ったばかりの真新しい洋服に袖を通した日は、何となく心まで“さらっぴん”で前向きな気持ちになりますし。(*^_^*)

実は、私はシャネルの洋服の魅力というのが今一つ分からない(ごめんなさい!vivianさん!! 単に私の無知によるものです!! (>_<)) のですが、あの「永遠のシャネルマーク」は他のブランドの追随を許さない威厳ある堂々さを感じさせます。

>何が、そこまで彼女を仕事に没頭させたのか

実は映画でもそこのところが力強く伝わってこなくて、そこが残念でもあったのです。今週末から『ココ・アヴァン・シャネル』が公開されるようなので、ご興味があればそちらの映画をご覧になってみてはいかがでしょうか。
主演のココ役はオドレイ・トトゥです。(*^_^*)

最後に・・・稲田様!
vivianさんから、『アマルフィ』のご解説のお礼コメントが届いておりますよ〜。(*^_^*)
私からも改めてお礼申し上げます。これからもどうぞ宜しくお願い致します。


Posted by ぺろんぱ at 2009年09月16日 22:02
ばんはです。

ようやく、衛星第2で放送された本作を観ました。

「伝記映画」と言うシバリ故なのか、シ※ネル側の厳しいチェックがあったのか、
ナティスとの関係などは「完全に」演出から除かれてましたね。。

確かに、もう少しエンタテインメント性を高めて欲しかったような・・

劇中で何本タバコを吸ってたのか、次回の鑑賞時に数えてみたいと思います(=^_^=) ←意味ないって。
Posted by TiM3 at 2010年06月08日 20:55
TiM3さん、こんばんは。

>ナティスとの関係などは

そうなのですってね。ココには彼女の人生を語る上で切っても切れない「ナチスと関わった年月」があったようですね。これはちょっとした驚きでした。
そこに重点をおけば「別の一作」ができそうですね。

タバコ、よう吸うてらっしゃいましたよね〜^_^;。
是非、数えてみてください。「正」ちゃん文字何個??
Posted by ぺろんぱ at 2010年06月09日 19:29
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