
日傘をさしていても「暑い」と感じる先の土曜、テアトル梅田で観てきたのは『南極料理人』(西村淳原作、沖田修一監督)でした。
冒頭シーンの猛吹雪の世界に、一瞬、脳内均衡を失いました。

ウィルスも生息しない超厳寒の地。
過酷な状況を描きながらも、どこか“脱力系”な作品世界。
慌しく精神的にもちょっとキツかったかなと思えたこの何ヶ月かの日々で「漸く一つのヤマは越えたかな」感のあった私としては、まさに今鑑賞するにはもってこいの映画でした。
出演者それぞれの個性が、決してエッジを効かせ過ぎず、でも静かに主張していて、みんながみんなどこか愛すべき存在に思えました。
肉体的には過酷で、でもある意味“単調”とも言える日々に於いては「食べることだけが楽しみになる」と聞きますが、しかしそれでも、胃袋だけでは解決できない“何か”があるのだなぁと思い知った次第。
いかに高価で美味なる食事が毎日のように饗されようと、それだけでは満たされない“何か”があるのだと。
メンバーが作ったべちゃべちゃな唐揚げを食べて嗚咽する料理人・西村(堺雅人)の姿が、その全てを物語っていたと思います。
世間では若田さんの名もまばゆく、宇宙飛行士の活躍が華々しく報道されていますが、こういう地で極限の生活に耐えて、決して“華々しく称えられることもなく”仕事をしている人たちもいるんだなぁとしみじみしてしまった私でした。
「頑張ってください」
と、マイクを向けられた少年少女たちのように、私もこの言葉を贈りたいです。
個人的に特に強く惹かれたのはDr.福田(豊原功補)でしょうか。
昭和基地からさらに1000キロも離れた、マイナス54度の“生きるモノの息吹の全く存在しない”観測基地<ドームふじ>の中、<Bar 福田>をひらく心持ちが私にはひどく愛おしく感じられました。
行ってみたい、かの地の、かのバー、<福田>へ。
私も、かっぱえびせんと魚肉ソーセージをかじりながら、マティーニをすすってみたい。
この映画を観た日の夜にふと耳にした曲、槇原敬之の「どんなときも」。
この曲の歌詞が不思議と心にしんしんと響きました。
「どんなときも、どんなときも、迷い探し続ける日々が、答えになること、僕は知ってるから」
この映画の8人の男たちへのエールのようにも感じられて・・・。
そうなんですね"脱力系"作品でしたね。
さすが、ぺろんぱさん。
簡潔に隙なく温かく、この男たちのドラマを伝えられていて、
その洗練された文章に、また感動です(*u_u*)
仰るとおり、地味で非日常の中の、貪り喰らう彼らの、
足りない何かを補給するダイニングの姿であり、
ドクターズ・バーでした♪
豊原さんのこの役は、ちょっと「電車男」の彼を思い出して、クフフでした〜(^_-)☆
冒頭のベタなシーンで一瞬、これは地雷を踏んでしまったかな?
と、嫌な予感がしたのですが・・
>冒頭シーンの猛吹雪の世界に、一瞬、脳内均衡を失いました。
そうです!ココのシーンなんですよね^^
あんなオチを用意してあったことに、これはもしかしたらイケるかも!と
内心、ホッとしたものです^^
ただ、オナラネタは個人的好みからは外れますね〜^^;
昔、何処かのテーマパークでマイナス30度の体験をさせてもらったのですが
Tシャツ一枚で10分が限界でした(笑)
なので、マイナス54度がいかに凄い環境かがなんとなくイメージできます(ほんまかいな)
なんかあの分息なら薬用アルコールも混じっていそうな、曲者っぽいBarです。秘密めいた感じがいいんですよね。
> 胃袋だけでは解決できない“何か”がある
これえは言えています。だからあんな豪勢な食事より、おにぎりやラーメンというのが出てくるんでしょうね。
イセエビのフライは食べてみていけど....ネ!!
「原作読んで映画観たらガクッとくる言うてたんちゃうんかいっ!」「これはええことにするねん・・」
こちらにもお越し下さり嬉しいです。(*^_^*)
「さすが」だなんて仰らないで下さい。
毎度全くもって垢ぬけない文章の私、「洗練」とは程遠いです。トホホ。
>ドクターズ・バー
おお!そのネーミングだった方がうんとオシャレでしたね。
でもあの<バー福田>のベッタな感じが却ってよかったんでしょうかねぇ。^_^;
豊原さん、ドラマ版の「電車男」に出ておられたのですね!
全く知らなくて、さっきネットで調べて分りました。
kiraさんのその“クフフ感”を私も味わいたいですぅ〜。(*^_^*)
「脳内均衡を失った」と書いたのは、、、外の余りの暑さから一転、映画が始まっていきなり猛吹雪のシーンだったので一瞬上手く映画の世界に入り込めなかった、という意味で書きました。^_^;
しかし! itukaさんの仰っていることに全く同感!の私です。
あの猛吹雪のカットには確かにベタな感じを受けましたし、その後のオチには「ん? 笑って・・・いいんだよね、ここで」って感じで、妙な可笑しみが込み上げてきましたので。(^^)
>オナラネタ・・・
はい、そうですねぇ・・・それも同じく。
あと、バターの隠れ食いにも実は笑えなかったです。真剣にあの人の心と体を心配してしまいまして。
マイナス30度!? Tシャツ一枚で10分 !!?
ならば、さらに24度下がったあの外気の中、あの「鬼さん」への仕打ちはイタズラの範疇を軽く超えてたわけですね! ^_^;
はい(*^_^*)
あの怪しげなBARにぐぐっと惹かれました。
エタノール、混じっているかも!
車の会社の人もいたから、じゃあメチルアルコールも??!!! ^_^;
でもドクターのシェイカーの振り方はなかなか良かったと思います。
“何か”はやっぱり“愛”かな、と。
この言葉は使い方によっては気恥ずかしいけれど。
>イセエビのフライ
何とああいう形状になるのですね、丸ごとだと。
お刺身でないところが却って贅沢なのかもしれませんね。
食べてみたいです。(^^)
そうですか・・・無理そうですか。
残念ですが、私も原作を読んでみたいと思っておりますので、そっちのお話でまた感想を共有させて頂けたら良いなぁと存じます。
>使えるレシピ
お酒のおつまみになりそうなのもありますか??
お酒時間は西村シェフの時間外労働になっちゃうからか、あまりお酒のアテは映画で見られませんでした。^_^; 「お酒の友」があったら嬉しいです!
>原作読んで映画観たらガクッと
はい、これはええことにしといてください。(*^_^*)
ええことにしといて頂いて、もしもお時間が取れそうでしたらご覧になってみてくださいね、DVDになってからでも。
取り敢えず明日、ジュンクに原作を買いに行ってきます。(*^_^*)
ソレイユに行けてない、今日この頃です(⌒〜⌒ι)
>豊原功補さん
『ハッピー』と言うドラマで、印象的な役柄を演じてはりましたねー。
んー、そこぐらいしかハナシに絡めんではないか!(=^_^=)
「となえる」・・・とは妙な言い回し・・・
”日本人はなぜ「さようなら」と別れるのか”
という本の一番しまいの文章で 納得できた
次第です。その文章とはこんなものです。
-----「さようなら(「さようであるならば」・ ・・・・)のあいさつとは、そうした「花(
いい人生)」を花咲かせる、たくまずして
あみだされてきた「おまじない」でもあった
のだ------
そう、「おまじない」なら「となえる」
であってもおかしくはない・・・
夕方、秋の虫カネタタキの音に耳を傾け
たり・・ 秋の夜長をいろいろ楽しく。
以上は前回記事に関するものです。まごまご
していてすみません。
貴ブログにお邪魔してもいつになく数日以上にもわたる未更新状態を拝見していて、もしやご病気では?と(勝手に)心配いたしておりました。
お元気そうで?よかったです。(*^_^*)
しかし何やらご多忙のご様子?ですね。
>『ハッピー』
未見です。ネットで調べてみましたら盲導犬をめぐる物語のようですね。
私も実はこれと言った思い出作はないのですが、割と好きかなと思う俳優さんなのです、豊原功補さん。
あ、、、十数年前に観に行った映画『マークスの山』では結構惹かれてましたっけ・・・(と、遠くを見つめる)。
>まごまごしていて
いいえ、“まごまご”、よいではないですか。
“まごまご”する姿はこのエッセイの川上さん自身が御自身を称されている姿ですよね。いつだって(実は)誰もがいろんなところで“まごまご”している気がします。
「さよなら」のことばに「(その後の人生に)花を咲かせる」ことを重ねる川上さんはやっぱり底知れぬ人ですね。
哀しいだけの言葉じゃないのですね、「さよなら」は。
この映画の話を聞いた同時期にあの小堺一機さんの
お父さんも南極料理人だったらしい。
びっくりでした。タイミングよく!!
bar福田、いい感じですね。
観てみたいですし、行ってみたいけど
南極条約、遠いし、費用だった馬鹿にならないし、オゾンホールも気になるしって事で
無理って感じ(^^;;
もー、この書き出しニヤニヤしちゃいましたよー。
ぺろんぱご自身も、トンネルの様なものを一つ抜けられた様で
嬉しく思います。
Dr.福田、私にはめちゃ包容力がある人に思えました。
かっこええ。。。。
あの任務をさぼる隊員でさえも、最終的には
受け入れてしまう空気感が優しいですね。
それにしても、堺さんに萌え〜ヾ(〃▽〃)ノ
そうなのですか!小堺さんのお父様も!
この映画がキッカケでいろんな人、処、モノに脚光が当たるといいですよね。
南極のBAR福田にはやっぱり物理的に無理でしょうかね。代わりに、そのスピリットを持つような巷の怪しげなBARを見つけるのも楽しいかもしれませんね。
多分、何となく、あのブログの御方ですよね?って思っています。(^_^)
Dr.福田、そうそう、「包容力」感じますよね!あんなんもこんなんも受け入れて、「まぁえーやないか」って笑ってくれそうです。
今原作(ジュンク堂で品切れでお取り寄せ)を読んでいるのですが、原作者の西村氏はもうちょっと野太い感じの男性でした。堺さんも役作りの為に何キロか体重を増やしたそうですが、それにしても堺さんだからこの映画は大ヒットとなったように思います。
私も、おにぎり握ってる堺さんに萌え〜(*^_^*)。
>トンネルの様なものを一つ抜けられた様で嬉しく
ありがとうございます。お言葉、とても嬉しく感じております。