好天の休日ながら?好天の休日ゆえか?ほぼ理想的な“ガラ空き”状態でジム・ジャームッシュ・ワールドを堪能しました。
story
「自分こそ偉大だと思う男を墓場に送れ」という不可解な任務を与えられ、一人の男(イザック・ド・バンコレ)がスペインにやって来た。“孤独な男”なるコードネームを持つ彼は、任務遂行を目指してスペイン中を巡っていく。そんな“孤独な男”の前に、彼同様にコードネームを持つ名もなき仲間たちが現れ始めるが…。(シネマトゥデイより)

これは夢か、現実か。
意識上? それとも意識下の世界?
ビジュアル・インパクト大の主演のイザック・ド・バンコレは、後半に見せた一瞬のかすかな笑みを除いてはほぼ完璧なまでの無表情。
極端に台詞は排除されているけれど、哲学的な台詞は随所に遊び舞う。
全編スタイリッシュでありながら、どこか、微かな可笑しみの匂いを孕んでいる世界。
無情観、寂寥感、乾ききった孤独感を感じつつ、やはり何処か、微かに、僅かに、可笑しい。それは乾いた、ちょっと冷たい感じの可笑しみ。
丘の上に建つ、遺品の如き家具が白い布で覆われている一軒の古い家。
そこに男が辿り着いた時、「やっぱりこれは彼の意識がつくり出した非現実の世界なのだ」って思った。少なくとも私にはそう感じられた。
でもその非現実は、意識を通して“遠い昔の現実”につながっているのだ、きっと。「もう一つのエスプレッソ」を飲む女性が男の傍らにいたであろう、昔日の世界に。
そう・・・意識に、想像に、限界はないのだ。
「No LIMITS No CONTROL 」
男のもとに現れる謎の男女たち・・・
パス・デ・ラ・ウエルタ、ティルダ・スウィントン、工藤夕貴、ジョン・ハート、ガエル・ガルシア・ベルナル、ヒアム・アッバス、ビル・マーレイ、etc.
出演を知らなかったヒアム・アッバスとジョン・ハートには嬉しい驚き!
今年ヒアム・アッバスとスクリーンで会うのはこれで3度目だ。

さてこちらは違う意味で「No LIMITS No CONTROL 」の世界、ちょっぴり飲みすぎた夜。
久々に訪れたJazz Bar Wishy-Washy で。
ジン<ビクトリアン・バット>のロックちょい水。
> 主演のイザック・ド・バンコレは、後半に見せた一瞬のかすかな笑みを除いてはほぼ完璧なまでの無表情。
予告編をみていると、確かに気になる無表情。
> 極端に台詞は排除されているけれど、哲学的な台詞は随所に遊び舞う。
そうですか!あの無表情にあわせて台詞も排除か!そしたら淡々と映像で流れるって感じですね。
面白そうですね!
高松上陸を待ってみます(・ω・)
この映画、結構「不評」も多いみたいです。「ワケわからん」という感じで。
でも、それだけに「自由に想像を楽しめばいい」というような解釈もあるみたいで、私はそれ(勝手気ままな解釈)を楽しむために観てきました。
ご覧になられるならwest32さんも是非、自由なご鑑賞をお楽しみ下さいね。(*^_^*)
仰る通り、淡々と流れる「映像」と、少ない台詞の(言葉になってない)「行間」に酔ってください。
はい(*^_^*)。west32さんへの拙コメントに重ねまして、TiM3さんも自由な「解釈」をお楽しみくださいませ。(高松上陸の際には)
少ない台詞ながら、いい台詞が散りばめられています。
今まであまり意識したことはなかったけど、ジャームッシュの世界って、カウリスマキに通じるものもありますねー。
村上春樹は村上春樹のやり方で、ジム・ジャームッシュはジム・ジャームッシュのやり方で、世界の見方を教えてくれるのだなぁって。
私も今まで観たジャームッシュの映画ではそんなに共通の匂いを感じることもなかったように思うのですが、本作では重なる部分を感じました。
ジャームッシュとカウリスマキは友だちだから影響し合うことってきっとあるのでしょうねー。
あ、それとも通じるものがあるから友だちになれるんでしょうかね。
>村上春樹は村上春樹のやり方で、ジム・ジャームッシュは・・・
深奥な、よきお言葉をありがとうございます。
身体の奥の方から清しい力が漲ってくるようです。
自分が信じるものを信じてよいのだなぁと、そんなふうにも思わせて頂きました。
日本代表の工藤夕貴も、負けていない怪演でした。
吹いてしまいましたよぉー。インパクト大って!
そっかー。だからこそ、この無表情な役柄がぴったりはまってたのかも。
イザックのこのキャラクター、私の中では近代稀にみる(大げさ!)
大ヒットでした。
>微かな可笑しみの匂いを孕んでいる世界
はい。それがジャームッシュ作品に引き付けられる
理由の一つかもしれないなぁと思います。
ジョン・ハート、よいです。本作に出演の怪しげな人たち皆、よいです。
実は監督が一番、怪しいのかも・・・ですね。
TBもありがとうございます。
あの顔で終始の無表情・・・さらに大アップ。
ゴルゴ13ばりのタラ〜リ汗を感じる私でした。^_^;
しかし最後に布で覆われた絵画の前をすっと立ち去る姿はクール!でした。
>それがジャームッシュ作品に引き付けられる
そうですねー。
同監督との初めての出会いは、多分『ダウン・バイ・ロー』だったでしょうか。しかし、『ナイト・オン・ザ・プラネット』の可笑しみは今も思い出されます。(^^)
ラストの
「No LIMITS No CONTROL 」でようやく納得しました。
想像力の勝利ですね。
スペインというと、情熱的な雰囲気を連想しますが、
街はとてもスタイリッシュでモダンで知的な印象でした。
セルビアのタイル螺旋階段は
ああ、きれいだぁ という感じ。
そうですね、想像は誰にも邪魔されるものではないのですね〜。
スタイリッシュで知的なのは散りばめられた台詞にも言えることでしたね。(*^_^*)
でもやはり映像の魅力は大きかったです。
最後の非現実的な館にも吸い寄せられました。
本作は、結構雰囲気が好きでしたね。
バンコレさんの魅力によるトコも大きいかも知れません。
変な体術と言おうか、呼吸法みたいなのんを実践したはりましたが、
終盤で礼をするような動作の時に「何か」をボソッと言うたはりましたね。
あれ、何を言ったはるのか、とっても気になりました。
追記:コレからは、都合の悪いメモは、小さく折り畳んでエスプレッソで流し込むことにしようっと(=^_^=)
本作の雰囲気がお気に召したなら、TiM3さんはもうすっかりジャームッシャー(そんな言い方あるのか?)です。(*^_^*)
>バンコレさんの魅力によるトコも
監督もビジュアル的に負けず劣らずのインパクトがありまする。魅力もね。(^^)
>あれ、何を言ったはるのか、
そうでしたっけ?すみません、もう既にそのあたり、記憶があやふやです。^_^;
>都合の悪いメモは、小さく折り畳んでエスプレッソで
あ、お洒落でいいですね!(お洒落なのかっ!?)
でも、都合の悪い言葉をコーヒーで飲み込むことはありますが、「メモ」となると胃腸を鍛えておかねばなりませんね〜。(^^)