映画は梅田ブルク7で『クヒオ大佐』(吉田大八監督)を鑑賞しました。前売り券を買って臨んだのは久々のことです。
story
米軍特殊部隊ジェットパイロット、父はカメハメハ大王の末裔、母はエリザベス女王の妹の夫のいとこ。実在した恋愛詐欺師、ジョナサン・エリザベス・クヒオ大佐(堺雅人)の物語。彼の嘘にまみれた人生と、彼を取り巻く3人の女たちの人間模様と恋の結末を描く。(gooシネマ情報より)

堺クヒオと3人の女性たち(松雪泰子、満島ひかり、中村優子)の好演が光る、可笑しくて切ない人間ドラマだったなぁ。
自分の中に潜む“愚かさ”に、苦笑いした後ちょっと愛おしく思ったりもするんじゃないだろうか。
ひたすら空想の世界に遊ぶが如きのクヒオ。
それは幼少期のトラウマから逃れる為の彼なりの“生き方”だったのだろう。そこは、かなり切ない。
ジョナサン・エリザベス・クヒオ…ああ、なんて怪しい名前。街中を軍服で歩くのも胡散くさ過ぎる。第一、詐欺師なのに間抜け過ぎる。
でも、そこなんだね。
ホステス未知子(中村優子)の台詞、「くだらなさ過ぎて…」。多分その後の言葉は「憎む気にすらならない」になるんだろうか。
3人の女性。
クヒオは騙している積もりでも、本当は3人の女性が自分の中の孤独をクヒオに投影させていただけなのかもしれない。結局は3人それぞれがそれぞれの方法で、自分の心に決着をつける。 特に学芸員はる(満島ひかり)の叫びは胸を打つ。そして、まるで同士を労るが如く彼女を諭す弁当店経営のしのぶ(松雪泰子)の言葉にもちょっと泣ける。そうやって、女たちはまた人生を歩いていくのかなぁ。
現実と夢とが交錯する世界も描かれる。
幼少期の苦境から生まれた「空への限りない憧れ」が根底にあったと思う。
世界情勢と日米の力関係、“小ずるい”日本と“大ずるい”アメリカ。そこには監督なりの社会批判が見えるけれど、そればかりを追って本作を大仰に捉えるのもちょっと違う気がする。
愛すべき、愚かで小ずるい人間たちの心のドラマだと思いたい。
「これは違う」って何処かで気付きながら、「嘘も突き通せば真実になる」と信じようとした、愚かで小ずるくて愛おしい姿は、人間誰もが持っている姿なのかもしれない。

『ゆれる』で好演の新井浩文さんと堺クヒオのやり取りは絶妙だった。
堺さんが見せる幾通りもの微笑みも然り。
こんなお酒を酌み交わしつつ、ちょっと騙され気分で飲んでみたいな、ホントは日本人のクヒオ大佐と。
お〜!もうご覧になったんですね。
本作の公式サイトで流れるラテン系音楽がクヒオ大佐の
うそつき人生&ドタバタコメディを妙にイメージさせます^^;
あの付け鼻のせいで、最初は真田広之だと思っていたワタシです(笑)
堺雅人と知ったからには観ない訳にはいきません。
“ゆれる”は揺れるではなくそういうことでしたか!納得です^^
常に新作では後手後手になっとる高松ですが(=^_^=)
上映の機会があれば、是非に観てみたいです。
『スティング』ではポール・ニューマンが
「騙した後にすら、相手にそれを気付かせないのが真の詐欺」
などと極意を仰ってましたが、こういう騙し方もあるんですよねー(=^_^=)
もっと度胸と才能と容貌に恵まれていたら、
詐欺師に生き、旅と恋愛に生きてみたかったです・・(照)
これは鑑賞後に見たネット評では「今一つ」的なものが目立ち、評価が分れるようです。
私は面白く観たのですが。
itukaさんがもしもご覧になるならレヴューが楽しみです。(*^_^*)
あの付け鼻は“いかにも”的でしたがそれが狙いだったのでしょう。
監督が映画化を決めた時に実在のクヒオの写真を見て「“見てはイケないもの”オーラがほどばしり出てた」って言っておられたのが印象に残っています。
コメントで「ゆれる」と記したのは、本当に「揺れる」の意味です(^^)。貴「エスパー記」に怖いもの見たさをちょっと感じたので。
でもやっぱり怖いです。(あかんたれの私)
本作は何故か全国的にも上映が疎ららしいです・・・高松上陸!の際はよろしければご覧下さい。(*^_^*)
>騙した後にすら、相手にそれを気付かせない
なるほど。
ならば、私のかつでどこかで騙されていたのでしょうか。(すみません、独白です)
本作のクヒオはもう明らかに「それ、駄目でしょ」って素人でもツッコミを入れたくなるような感じで・・・でも時折ハッとするような言葉も発したりで、クヒオさんなりの美学ももしかしたらあったのかも。
>詐欺師に生き、旅と恋愛に生きてみたかった
詐欺師でなくても旅と恋愛に生きることはできます。誰かに追われる事がない分、いい旅と恋愛ができそうです。(*^_^*)
私は、以前、ワイドショーかな?本当にあった詐欺師の話し?みたいなので、このクヒオ様のことを存知あげておりました。その時、私が思ったのは「騙される方も悪い」だったと思います。
い〜え!男と女の間は、そんな簡単なもんじゃない!と世間の人は言うでしょう・・その通り(^-^)
一体全体(私の悪いクセ)何故、クヒオは、女を騙し続けるのか?分からないです。女も何故、引っかかるのか?あるいは、引っかかった振りをするのか?両者共々、ロマンチストさんなんですかね〜?恋をしている自分に恋をしている??
これ、松雪泰子が出てるんですよね。容疑者Xの献身での彼女の演技は良かったですが、今回はどうでした?ところで、私の大野君は、絶対こんな荒唐無稽なことは、しませ〜ん (^-^)
松雪さん、よかったですよ〜。目の前の現実を超えてちょっと違う世界にいっちゃてるような感じで。
美女が多い芸能界でも殊の外「綺麗な人だな」と思っている松雪さんですが、また一味違う魅力がありました。
クヒオさんのこと、御存知だったのですね!
>何故
そうですね、何故なんでしょうか。騙し騙される両者は、実は似ているところがあるのかもしれないです。それから、(騙されたいとは思わなくても)何かにのめり込みたいという思いが女性の方にあるのかも・・・ですね。
>私の大野君
おお!遂に一人称の所有格が付きましたね〜。
大野君・・・でも何だか似合いそう。あ、ゴメンナサイ、vivianさん!(*^_^*)
食堂のシーンは、いろんな意味でよかったです。
「なんで、わざわざ両替してくるの!」^^
坊やの父に、いきなり襲いかかったのは
やるな〜!でしたが、あの叩き方に吹き出しました(爆)
そうそう!ああいう話をするのに「ファミレス」という場所からして既にクククッとこみ上げるものがありますよね。
両替!まして却ってそっちの紙幣に!?(^_^;)
叩き方!容赦なかったっていうか、本能の赴くままって感じでしたね。
そしてそれがまた、後でグッと来たのでしたね〜。
10月は本作と太宰もの2作と邦画を3本観たのですが、どれもとてもよかったですー。
そうそう、世間一般的には本作の評価は並くらいに過ぎないようですけど、私はこのひねり方がすごく面白かったんですよねー。
終盤は感極まりました。
人はどうしてあんな面倒くさい小細工を続けてでも嘘がやめられないんでしょうかねぇ。
ぺろんぱさんは堺まさとファンですか?
太宰ものは結果的にスルーしてしまってます。
『パンドラの匣』は異彩をはなってるようですね。
本作、ひねりとウルトラC技の着地に拍手です。(*^_^*)
嘘をつきだすと、その嘘を正当化させるためにまた嘘をついていって、幾重にも塗り重ねていかねばならない自爆スパイラルに陥ってしまう、というのは聞きましたが・・・そうなのでしょうかねぇ。
本作のクヒオの場合、そうすることでしか生きられなかったのじゃないかという哀しさもあり、私はグッときちゃいました。
堺さんは好きですが、ファンと名乗るにはスルーしてる作品も結構あって、。
NHK大河では、『新選組!』の時よりも『篤姫』の家定に惚れました。(*^_^*)
未知子はクヒオの名刺を見た瞬間に、ピンと来たようですので、
そのシーンの(彼女の)表情の変化をもう一度確かめてみたいものです。
ガレの陶器だかを即買いして、直後に「キャンセル!」と
言い放つのが毅然としててカッコ良かったです(=^_^=)
しかし、もうちょっとしのぶには心を傾けて欲しかったな。
あそこまで寄り添ってくれる女性は、きっと生涯にそうはいないと思います(・ω・)
未知子さんは流石は百戦錬磨の一流ホステスさんですね。
しのぶさんのキャラもとても愛おしかったですが、未知子さんも友人に一人はいてほしい女性です。
そしてしのぶさん。
そうですよね、傾け方次第でクヒオさんは全く違う人生を歩き始めることもできたはずですよね。
しのぶさんのような女性はそうは現れないでしょうね。
>ガレの
未知子さんの在店がもう少し長引いたら・・・と思うとドキドキしてしまいました。
後ほど貴ブログにお伺いしてコメントさせて頂きますね。(*^_^*)